平和への使者

Daisaku

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フランス

44話 フランス軍との交戦

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「お前達、やめろ!」

いかにも高校1年生といったかわいらしい洋服を来た女の子といった日本人が
その場に飛び込んできた。

「葉子さん、このパターンやばいですよ。絶対、はでな乱闘さわぎになりますよ」

「そうですね。だんだん人も集まってきて、スマホで取っている人もいるし、SNSで拡散でもされたら、あとで面倒ですね」

二人は、もう、飛び込んでしまったマリを止めることはせずに少し離れたところから様子をみることにした。

「お嬢さん、危ないから、離れてください」

「離れないよ。その人を放せ。女性に対して暴力をふるうお前たちの言うことなんか聞けるか!」

190cmはあるベルナール一等兵がマリに近づき、離れた場所に誘導しようとマリの体を触れた瞬間、ベルナールは空高く、投げ飛ばされた。
それを見ていた、群衆は

「お~う、すご~い」

と、騒ぎだした。そして、無責任な群衆の中から

「行け~。ジャポネイズ! 女性を助けて上げて!」

「そうだ~。助けろ。誘拐なんかさせるな」

急にマリの応援団のような掛け声があちこちから聞こえてきた。それでも、銃を持っている軍人がこわいため、誰も前には出てこなかった。
カミーユ大尉は投げ飛ばされたベルナールを見て驚いた。たしかにあいつは部隊の中では一番
経験が浅いが、軍の中でも決して弱いやつじゃない。しかし、速やかに対象者を確保して、この場を立ち去らなければならない。これではもう、収まりがつかないと思い、

「アンナ、あの女の子を何とかしてくれ、こっちは対象者を車に連れていく」

「了解、大尉。ちょっと痛い目に合わせてあげます」

そういって女性ではあるが、フランス軍でも敵なしといわれた180cmを超えるとても体格のよいアンナ軍曹がマリに近づいてきた。群衆もマリとアンナの対決にクギ付けになっていた。

「葉子さん、なんだか、マリは群衆を味方につけて、ものすごい、盛り上がりになってきましたね」

「はあ~、全くマリさんには困ったものね。」

マリは女性を押さえつけて運ぼうとするカミーユ大尉に

「待て~連れていくな!」

とカミーユのそばまで来たとき

「おい、あんたの相手は私だよ。乱暴はしたくないから、トットとお家に帰って、お子様はお子様らしくしていな。全く、こんな日本のお人形みたいな。そうコケシのような髪をした子にベルナールは投げ飛ばされるなんてね」

「コケシみたいな髪・・・」

ユウキはそれを聞いて

「あちゃ~、それを言ったら、もうだめだ。もう、だれもマリを止められないよ」

葉子はユウキの言っている意味が分からず

「ユウキさん、どういう意味ですか?」

「葉子さんも覚えておいてください。マリは今の髪型を気にいっています。ヤエさんに昔とても似合っていると言われたからで、なぜかわかりませんが、髪の毛をバカにされると切れるんです。マリは、祥子との決闘もこれが原因ですから、葉子さんも気をつけてくださいね」

葉子は髪の毛で切れる?あんなに温厚なマリさんが・・・とても信じられなかった。
アンナ軍曹が近づいてきた。マリはアンナ軍曹の強さを感じたのか、松田松濤館流の守りの型をして、アンナ軍曹のスキを伺った。その構えは見るものを魅了する、日本人の格闘家そのものだった。かわいい洋服を除けば・・・

「ジャポネイズ!かっこいい」

「負けるな、ジャポネイズ!」

そして、もう300人は超えるほどの群衆が次から次へと手を叩いて、マリを応援しはじめた。
フランス人はとてもノリがよかった。昔から強い物へと立ち向かうフランス人の不屈の心がそうさせているようだった。ものすごい声援と拍手の音が鳴り響き、みんながマリの応援をした。そんな中、葉子はマリが守りの型を使うなんて、この女性軍人とてつもなく強いということね。葉子も任務を忘れて、群衆と共に二人の戦いに吸い込まれた。
アンナ軍曹もマリの型を見て、動物的本能が働き、165cmしかないマリのオーラのようなものに圧倒され始めた。

「あんた、何者だい」

「ただの高校生よ」

戦いに集中しているマリはアンナが連行している女性の方をチラっと見た瞬間、アンナに近づき、気功波を放った。

「しゅ~、バシッ」

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大柄なアンナ軍曹が通りの反対側までふっ飛ばされ、気絶してしまった。それを見ていた群衆は最高に盛り上った。

「すごいぞー、この少女は」

「カンフーイケーあと二人だ!」

無責任な群衆の声が飛び交う。
カミーユ大尉はアンナ軍曹が負けたのを見て、驚愕した。

『こんなバカなことがあるか!アンナが負けるなんて』

マリは急いで、連行されそうな女性のところに近づき、

「もう、乱暴なことはやめてください」

カミーユ大尉は秘密特殊部隊がこれほどの群衆に見られ、まして、こんなかわいい少女に
叩きのめされては、軍の恥さらしだし、任務続行に関わると判断して、携帯していた、
M16の銃を空に向けて発砲した。

「ばばばばば・・・・」

群衆は恐怖のあまり、その場から急いで離れた。

「これは、フランス国としての任務なんだ。これ以上、邪魔するようなら、発砲するぞ」

高校生の少女相手にカミーユ大尉は何をしているんだろうと思ってはいたが、任務続行の
ため、やむを得ないと思い、銃口をマリに向けた。
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