平和への使者

Daisaku

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暗躍組織 〈捜索編〉

83話 マニュアル軍人

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建物に入ると、トニーが教官だった時の上官、フィルマン少佐が立っていた。

「こちらにどうぞ」

案内された、会議室で皆、あいさつをかわし、席に腰を下ろした。

始めにマリが少佐に尋ねた。

「フィルマン少佐、部下から、あなたがトニーの行先を教えてくれないということで、治安情報局の責任者として、今日は、こちらにきました。今、トニーは暗殺者に命を狙われており、大変危険な状況です。今一度、お聞きします。彼は今どこにいますか?」

少佐はまたかと言った顔で、

「今回、治安情報局の局長がわざわざ、こちらに来られるということで、私もお会いして、お話だけは聞こうと思いましたが、何度も返答しているように、お答えはできません」

「なるほど、それは、あなたが決めたことですか?それとも、もっと上の方かしら」

またかといった顔で

「軍の上層部からの指示です」

「なるほど、あなたは、トニーに危険が迫っていても、やはり回答は変わりませんか」

「はい」

「どうやら、あなたとではなく、国防大臣や大統領と話した方が良さそうですね」

フィルマン少佐は驚いた様子で

「大臣や大統領はそんなことで、対応はしてくれないと思いますよ」

「大丈夫ですよ、私はよく、話をする中ですから、それとフィルマン少佐、あなたは部下が殺されそうになっているのに、なんの行動もしなかったと、大臣や大統領に伝えておきます。
誰が死のうが知ったことではないというあなたの態度はとても人間とは思えませんから、なんなら、今ここで、連絡しますね」

「そんなことができるのならどうぞ」

マリは、余裕ぶっている、少佐がとても気に入らない様子ですぐにアベル大臣に連絡をして
少佐にも聞こえるようにスピーカーにして電話した。

「ぶ~、ぶ~、はい、アベルです」

「ボンジュール、アベル大臣」

「これは、これは、マリさん、お久しぶりです。どうですか、フランスの生活は、私も、何度も、マリさんやエマのいる情報局に伺うと行って、なかなか行けずにすみません」

「いえ、かまいませんよ。フランスでの生活も情報局の仕事も順調です」

「また、日本政府の大臣と同等の地位である、マリさんに何か、ご迷惑でもあったら、この前の軍法会議の件のように、日本政府からまた、怒られたら、たまりませんからね。最近じゃ大統領も会うたんびにマリさんは大丈夫なのかと、あいさつのように話しをしてますよ。ですが、この前の空軍の将軍達は、マリさんにご迷惑をかけましたので、自宅謹慎や配置転換などの処置は最低限とらせていただきましたから」

「もう、そんなことされなくても、よかったんですよ。将軍は私に戦闘機を操縦させてくれたり、とても親切にしてくれましたから」

「ハハハ、いつも寛大な対応ありがとうございます。それより、また、今日はなにかありましたか?
今日は近くに大統領もいますから、必要であれば呼んできますけど」

「いえいえ、そこまで、していただかなくても大丈夫です。今、パリ郊外の陸軍基地にいるんですけど、ここのフィルマン少佐に部下の危険が近づいていることを話しをしても、われわれの話を全く聞かないものですから」

「なに~、マリさんその少佐に代わってください」

「スピーカーになってますから、そのまま話せますよ」

「わかりました。私は、フランス国防大臣のアベルだ。なぜ、マリ・トビシマの話を聞かない」

フィルマン少佐は驚いた顔で

「陸軍少佐フィルマンです。この件は上層部からの命令で誰にも口外できないことになっているんです」

「そうだとしても、部下に危険が迫っていることをなぜ上官に報告しない。お前のトロイ動きのせいで、その部下が死んだら、その家族にお前は説明できるのか?」

「いえ、それはできません」

「ふ~、それでは少佐お前に聞くが、任務中になにがあっても、外にでるなと言われて、
目の前でお前の家族が殺されそうになっていても、お前は外に出ず、家族が殺されるのをじっと見ているのか?」

「いえ、家族なら、すぐに助けにいきます。わたしは、家族のために働いていますから」

「じゃあ~、なんで、部下の命は助けようとしない、それと同じだろうが、マリさんが危険と言ったら、本当に危険なんだ。マリさんはこのフランスでは大統領も含め、軍の上層部の人間もこの方の指示や行動に絶大の信頼を置いている。お前がそんなに小さい人間なら、今すぐ、その基地の責任者の将軍をここに呼んで来い!」

「イエッサー」

フィルマン少佐はすっ飛んで、将軍を呼びに行った。

「マリさん、いつもすみませんね。本当に軍の連中はこういうやつが多くて」

「いえ、トニーを助けることができれば、いいことですから」

1分もしないうちにフィルマン少佐がこの基地の責任者の将軍と戻ってきた。

「ガエル将軍です。大臣、お待たせしました」

「将軍、こちらにおられるのは、マリ・トビシマだ」

「お~う。あの有名なマリさんですが、軍の上層部なら、あなたのことを知らない人はいませんよ。今日、来られるなら、こちらから、局まで、お迎えに行きましたのに」

「将軍、マリさんの話に全面的に協力してくれ、そこの少佐は上官にも報告もしない、どうしようもないやつだ。少佐、お前は必要ない。外に出てろ」

「イエッサー」

「マリさん、どうかされましたか?」

「担当直入にいいます。こちらに勤務していた、トニー軍曹ですが、今はどちらにいますか?」
「トニー軍曹・・・、あ~思い出しました。半年前に諜報部に異動になった」

将軍はすこし考えこむようにしずかな声で話しはじめた。
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