ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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からくり奇譚 編

065. 出航

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 住民たちはパレアの自己申告に、文字通り飛び上がって驚いた。
 驚いたが、その事自体を疑わなかった。
 彼女の容姿が伝え聞く特徴と同じだったからだ。なにより、目の前であの凶暴な海の魔物たちが素直に彼女に従ったのだから。

「あの、何故このような状況になったのですか?」

 色々と訊くべきことはあったが、ざっくりとこの一点に絞って受付嬢は質問した。
 ユーゴは魚人たちが船を襲っていた理由や、パレアが代替案として子供たちを探すこと、それをユーゴが手伝うことを説明した。

「そうなんですね。獣人や魚人の誘拐は人間の法律でも重罪です。詳しい話をお聞きしたいので、お手数ですが、もう一度冒険者ギルドへご足労いただけますか?」

 パレアも従いていくというので、ユーゴたちと一緒にギルドへ行った。
 そこでギルドマスターと名乗る男が現れ、ユーゴはもう一度説明する羽目になった。

「君たちの話には証拠がない……」

「なによ。アタシが嘘をついてるっていうの?」

 ギロ。ツリ目を三白眼にレベルアップさせ、パレアはギルドマスターを睨んだ。

「いやいや、証拠はないが、状況的に真実だろうと判断した、ということだ」

 冥界の魔王ちゃんの迫力にされたギルドマスターは、日和った。

「では人魚の誘拐の件はギルドでも議題にあげよう。ところで、海の魔物を追い払ってくれた礼の話だが……」

「あー……別に俺は特に何をしたわけじゃないから、礼はいらない」

「しかし、キミが魔王様に頼んだのだろう? というか、元々キミはこの魔王様と知り合いなのか?」

「知り合いっていうか……」

 ユーゴがどう説明したものか言い淀んでいると、

「もとは敵よ。こいつには、何日か前に私の精鋭の冥界の魔王軍兵、五万を壊滅させられたわ。ちなみにグレンの魔王軍もこいつに全滅させられたみたいよ」

「「 え? 」」

 パレアの言葉に、ギルドマスターと同席している先ほどの受付嬢は自分の耳を疑った。

「おい、お前。あんまそういう事を大きな声で言うなよ。ほら、『こいつら何言ってんの?』ってみたいな顔で見られてるじゃねーか」

「なによ、本当のことでしょ。アンタたちも疑うなら、この国の大統領に確認すればいいでしょ?」

「お前ちょっと黙れ。そういうわけで俺らはもう失礼する。ほらお前ら、行くぞ」

 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているギルド職員たちを尻目に、ユーゴ達は再び海運ギルドへ足を運んだ。
 既に青髪の魔王ちゃん上陸の件は噂になっているらしく、館内の人間が、恐怖や好奇、好色スケベな視線でパレアを見ていた。この中にどうやら幼女性愛者ロリコンがいるようだ。
 受付でヨウゲン行きの便を訊くが、やはりすぐに運行開始とはいかないようだ。
 運行開始は早くても二日後らしい。
 どうしようかと考えているユーゴに、横合いから声をかける者がいた。

「よう。さっきぶりだな。見てたぜ、あんた、船が出られるようにしてくれたみたいじゃないか」

 先ほど欠航を教えてくれた船乗りだった。
 
「ヨウゲンに行くんだろ? 俺の小舟で良かったら、乗せていくぜ?」

 思いがけない提案にユーゴ達は驚く。

「いいのか?」

「ああ。商業客船じゃなくて漁船で良かったら、だがな」

「いや、ありがたい」

「俺の船だが、いまは弟に漁をさせてるんだ。俺は陸での仕事があるからな。なに、気にするな。海の男からのささやかな礼だ」

 ユーゴ達は言葉に甘えることにして、男の船に乗った。

「小舟と行ったが、なかなか大きいな」

 フィールエルが甲板を見回して感心している。
 男の船は中型の帆船だった。
 操船のための人夫が数人乗り込んできた。

「では出向します」

 船乗りの弟が合図を出すと、船は風を掴んでゆっくりと進みだした。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「わぁ。私、船旅って初めてです」

「そうか。ピアやスウィンたちと一緒に旅していた時は、全部陸路だったからな」

 聖女二人が風に弄ばれる髪を押さえたながら、笑って会話している。
 それを見たユーゴは眉をひそめて大声を出す。

「おい、フィールエル!」

「なんだ、ユーゴ?」

「お前、スカート押さえてろよ。パンツ見えてるんだよ!」

「っ!?」

 バッと慌ててスカートを押さえるフィールエル。その顔は真っ赤である。
 ユーゴは聖女二人と魔王ちゃんにジト目で睨まれた。

「なんで睨むんだよ。教えてやったのに。お前、ホントそういうとこ無防備だよな。女子校出身だからか? それとも男として生活してたからか?」

「あんな大声で言われれば、誰だって睨むわよ。この間もアンタ、アタシのスカートの中を覗いてたわよね」

「「 え? 」」

 聖女二人の瞳から光が消えた。

「おいやめろ、パレア。あの二人そういうのに厳しいんだよ。しかも最近は体罰まで解禁しやがったし……。誰もガキの下着に興味はねぇ……あ、それで思い出した。おい、パレア」

「なによ?」

「お前、地球とか日本とかって言葉に心当たりはないか?」

「チキュウ? ニホン? なにそれ美味しいの?」

「今の答えでお前に腹ペコキャラの疑惑が浮上したがそれはともかく、知らないか。じゃあ仕方ないな。実はさっき言ってたもう一つの頼みなんだが、お前の着ているその服についてなんだが……」

「アタシの服? これ?」

 そういってパレアは、自分のセーラー服の裾を摘んだ。

「そうだ。その服をどこで手に入れたか知りたいんだ」

 ユーゴの言葉に、やや引いた姿勢でパレアが尋ねる。

「なんで? 欲しいの、この服が? 着るの? アンタが?」

「なんでそうなる。あ、いや、事情を知らなきゃそう思っても仕方ないか。まぁ詳細は伏せるが、俺は異世界の情報を集めている。で、その服は異世界で使われていた服のデザインとほぼ同じなんだよ」

「ふーん。なるほどね……」

「何だよ。信じられねぇか?」

「いえ、逆よ。確かにこれは異世界から来た勇者が遺したといわれる、我が一族の由緒正しい戦闘服よ」

「その勇者は女だったのか?」

「いえ、シラトリ・ゴウキという男性だったみたいよ」

「……どういう経緯で持ってきたのか知りたいような知りたくないような。いや、それはともかく、その話しぶりだと、もうその勇者ってのはいないんだな」

「もう何百年も前の人だしね……」

 せっかく新しい異世界人の情報が手に入ったと思ったが、すでに故人とは。
 まぁこういうこともあるかと、ユーゴは気を取り直した。


 それからは、帆船の遅さに業を煮やしたパレアが海流を強引に操って、動く歩道方式で船を加速。
 更にフィールエルも風の神聖術を操って追い風を発生させ、船は爆速で進んだ。
 太陽が沈み切る前にヨウゲン国に到着したユーゴは、目を疑った。
 

「ここは、江戸……か?」

──────to be continued

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