ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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からくり奇譚 編

079. 機巧武人の秘密

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 なんとか場の空気を変えることに成功し、宴は和やかな雰囲気で締めることが出来た。

「今日は何から何まで申し訳ありませんでした。ゆうご殿」

 場所は信衛の私室である。
 宴の後、沐浴を済ませたユーゴの部屋に小姓が訪れた。
 曰く、「殿がお話があるとのことです」と。
 部屋を訪ねると、土下座とともに信衛は開口一番そう言ったのだった。

「良いってことよ。まぁ結婚話には俺もぶったまげたが」

 ユーゴは苦笑して鷹揚に答えた。

「でも何でそんな事を言いだしたんだろうな、お前の姉ちゃん」

「それが、拙者にも要領を得ない説明をされまして……」

「飯のときも説明を求められる雰囲気じゃなくなったしなぁ」

「ええ。それで、明日の件なのですが……」

「俺としては八百長かまして負けるのが、色々と都合が良いんだが……」

「…………」

「まぁ、そうもいかねぇよな。俺はアイツの全力を受け止めて勝つ。そのうえで縁談は断らせてもらうぜ」

「そうですね。ゆうご殿のご都合も有るでしょうし」

「まぁな。それより、お前はこの世界に転生した元地球人で間違いないな?」

「左様です。前世は日本人でした。機械工学系の大学で教鞭を執っていましたが、実験中の事故で……。気づけばこの世界で生まれ変わっていました」

「てことは教授か。頭が良いんだな。こんなにこの国の機械技術が発展しているのも、納得できる。しかし、その割には道路や建物が未発達だよな」

「ああ、やはりそこにも気付きますか。答えは簡単です。拙者が機巧武人───巨大ロボット作りを優先してしまったので、後回しになってしまっているのです」

「……ああ、そういうことか。電灯や自動車、テレビとかは巨大ロボット作りの副産物なんだな」

「お見逸れしました。まさしくその通りです。ロボットには電装系、エンジン技術、映像技術など、様々な技術が必要ですので。実験的に商品を作り出し、売ることで開発資金を得ることが出来ましたしね」

「なるほどな。でもよく巨大ロボットなんて作れたな。材質は何だよ。鉄や普通の合金なら、自重に耐えられそうに無いと思うんだが。まさか、木材ってわけじゃないよな? それに、制御系はどうしてんだ? AI どころかIC回路すら無いんじゃないのか?」

 信衛は苦笑しながらも、嬉しそうに答えた。

「流石は地球出身男性。すぐにそこに気付くとは。実は、木材で作られた機巧武人もあるんですよ」

「え、マジかよ!?」

「はい。そんなに大きくありませんが。開発初期はそれで試行錯誤していましたね。いまでも作業用として現役で活躍している機体もありますよ。それらは作業用として使用されていて、【機巧職人】と呼称しています」

「へぇ……」

「ですが今は木材ではありません。ゆうご殿が既知の金属のどれでもありません。確かに既存の金属では、アニメのような巨大ロボットは作れなかったでしょうね。ただ、拙者にはそれを可能にする能力があったのです。それが【超錬金】です」

「超錬金? なんだそりゃ?」

「簡単に言えば、この世に存在しない、全く新しい性質を持つ金属を創造できる能力です。これにより、恐ろしく軽くて丈夫な金属の【武斗鋼むとはがね】と、霊力を込めることで宙に浮く【天金あまがね】を創造しました」

「す……凄ぇ」

 ユーゴは驚嘆のうめき声を上げた。
 蘭菊を造ったことで、信衛のチート級の能力は創造系だと当たりをつけていたユーゴだったが、その真髄はこの超錬金にあったのだ。

「いえ、それほどでも。ですが【超錬金】という天稟がなければ、機巧武人の機体を完成させることは叶わなかったでしょうね。ちなみに姉上の【神威】も、姉上だけの天稟になります」

「機体の材質は理解したが、制御系はどうなってんだ?」

「その前に、ゆうご殿は蘭菊をご覧になりましたか?」

「ああ。あのからくり人形だろ? 凄かったな。まるで生きた人間が喋ってるようだった」

「実は蘭菊は、御霊鉄みたまがねという、これまた拙者が創り出した金属を核にしております。これには人の魂を定着させることが出来る特性があるのです」

「……まじか」

 ユーゴの生きていた時代の日本でも、未だ実現していない魂の情報化と他媒体への転写。
 それを、この青年は成し得たというのだ。

「はい。ただし、御霊鉄をそのまま機巧武人に搭載するわけにはいきません。あの巨体が意思をもち、気ままに暴れでもしたら大事ですからね。なので機巧武人には、操縦者の魂の一部、反射神経や動作感覚といった、身体制御感覚のみを転写した【御霊鉄・改】を搭載しています。これに搭乗者の脳波を同調させることで、機巧武人を己の意のままに動かすことが出来るようになったのです」

「そりゃ機械工学の知識とそのスキルを持つ信衛にしか出来ないな。でも良いのか? そんなことまで俺に教えて。訊いておいて何だが」

「確かにこれらは幕府の最高機密になりますが、公然の秘密というやつです。そもそも、拙者以外に御霊鉄を造れるものはおりません。武斗鋼むとはがねは大量に作っているので機体自体は量産できますが、肝心の御霊鉄・改が無ければただの巨大な立像ですからね」

「知っても造りようがないってことか」

「そういうことです。では、今度はゆうご殿の事を窺っても良いですか?」

「構わねぇよ。それに、頼み事もあるしな」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「女神様に頼まれて、異世界巡りですか。道理で」

「なんだよ、道理でって」

「いえ、姉上が言っていたのです。『あの方には女神の加護がついている』と。姉上の言った通りだったなと想いまして」

「加護っていうか、取り憑かれてる感ならあるが」

「そして、我々転生者や転移者が神から狙われている、と。それについては了解しました。拙者でどれだけお役に立てるか判りませんが、協力させていただきます」

「え、いいのか?」

「はい。ゆうご殿にはご迷惑をおかけしましたし、何より義を見てせざるは勇無きなり、です。人助けは侍の本分。それを見過ごしたとあっては亡き父に草葉の陰で馬鹿にされます」

「泣くんじゃなくて、馬鹿にするのか」

「そういう父でした」

「とにかく、そういうことなら話は早い。これを渡しておこう」

 ユーゴはスペリオール・ウォッチを手渡し、遣い方を説明した。

「スマートウォッチみたいで良いですね。ありがとうございます。後は、飛田屋の件ですが、これはまた明日お話しましょう。こちらも隠密を使って情報を集めておりますので」

「了解だ。まずは明日の決闘の件を何とかしねぇとな。問題山積みだ」

 ユーゴは信衛に礼を言って部屋を持した。

──────to be continued

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