ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神

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めいでぃっしゅへようこそ! 編

093. 聖戦の聖女VS神威の巫女(前)

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 フルータル王国、ナーサの町から王都へ向かって南西へ向かう一台の自動車。
 見た目はSUV、実際はクロスカントリータイプのその車内では、ピリピリした空気が漂っていた。
 後部座席には三人の少女が着席している。
 運転席の真後ろには、静かに目を閉じる九能雪。
 反対側には仏頂面で流れる景色を眺めるフィールエル・スティンピア。
 ピリついた空気の発生源はこの二人である。
 その間に挟まれたパレア・シンクロンは、少し居心地が悪そうに肩を縮めている。
 ことの発端は一日前に遡る。
 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 陽元国からナーサの町へ幽世の渡航者ワンダフルダイバーを使って移動したユーゴ達は、そこで旅の準備を整えることにした。
 午前中に買い物を終えた一行は、情報収集を兼ねて冒険者ギルドで食事をすることにした。
 王都までの道のりに詳しい人物を紹介してもらうため、受付でユーゴは自分の登録証ギルドカードを提示した。
 それを受け取り情報を読んだ受付嬢は、ユーゴにカードを返そうとして何かに気付き、手を引き戻してその内容───ユーゴの名前と登録番号───を再確認した。

「しょ、少々お待ち下さい」

 そう言って、受付嬢は慌てて奥に引っ込んだ。
 その様子に一抹の不安が湧いたユーゴ。

「俺、知らない間にお尋ね者になったりとかしてないよな……」

「ユーゴさんは何も悪いことをしていないです……よね?」

「いや、ネル。ユーゴはやることなすこと規格外だから、知らない内に、誰かを巻き添えにして被害を与えているかもしれない」

「アタシには、フィーの言うことが全くの冗談に聞こえないのが恐ろしいわ」

「まぁ。豪快ですのね」

「お前らな……ん、戻ってきたな」

 カウンターの奥から、先ほどの受付嬢が上職と思しき男性を伴って戻ってきた。
 それを見たユーゴは、そこはかとなく嫌な予感がしてきた。
 利用者がクレームを入れた場合でない時のこのパターンは、碌なことにならない事が多い。

「いや~、まさかS級冒険者のユーゴ・タカトー殿にお越し頂けるとは、光栄なことです」

 応接室に案内されたユーゴ達に、クエスト課の課長と名乗った上役は、愛想笑いを浮かべながらそう言った。

「S級? 俺はまだE級だぞ」

 なにかの間違いだと思って訂正したユーゴに、クエスト課長は首を振った。

「いえいえ。確かに貴方は昨日付でE級からS級へのランクアップを果たしております」

「はぁっ?」

 目が点のユーゴに、課長は苦笑して事情を説明する。

「その様子だと、やはりご存知なかったようですな。貴方は先日、メナ・ジェンド獣王国の最南端にある港町にいらっしゃいましたね。そこでの実績が評価されたのです」

「スエナの町か。確かにスエナにはいたが、実績っていっても、特に何もしてないが……」

 首をひねるユーゴに、ネルが言う。

「もしかしてアレではないですか? 冥海の魔王軍を討伐してほしいという、ギルドの依頼の……」

「ソレです」

 ネルの言葉に、我が意を得たりというように大きく頷いた課長。

「アレか……。でも冥海の魔王軍を退かせたのは結局、そこのパレアだぞ」

 言ってユーゴは、応接テーブルの上に用意されてあったお菓子を頬張っているパレアを指差した。

「こ……この方が、かの有名な冥海の魔王リヴァイアサンパレア・シンクロン様ですか」

 パレアを見る職員の目は、勇名に対する畏怖と、可憐な容姿に対する困惑を物語っている。

「それも聞き及んでおります。冒険者ギルドスエナ支部の職員がパレア様に伺った話によれば、ユーゴ殿は冥界の魔王軍のみならず奏星の魔王軍をも撃退したとか。それをメナ・ジェンド行政府へ確認したところ、間違いないとの回答がありましてな。それも、ベルタリオ・モンステリオ大統領からのS級ランク昇格の推薦状が添えられて」

「ベルタリオの野郎、余計な真似を……。絶対面白がってるな」

 苦虫を噛み潰したような顔のユーゴに、課長は再び苦笑を向けて言う。

「本来、S級への昇格はA級クエストを百件以上こなした上で、王侯貴族の推薦状があって初めて成るのです。E級からS級への昇格など本来は絶対に有り得ませんが、千獣の魔王ベヒモスのお墨付きがあり、冥海の魔王リヴァイアサンを従えるとなれば、魔王と同格と考えて差し支えないでしょう。異例中の異例の更に異例ですが、ギルドはユーゴ殿の昇格を認めさせて頂きました」

「マジかよ……」

 にこにこと話す課長に、ユーゴは疲れた顔を向けた。

「わぁ。おめでとうございます、ユーゴさん」

「凄いじゃないか、ユーゴ。S級なんて、世界でも十人いるかどうかと言われてるくらいなのに」

「よく解りませんが、旦那様の実力が認められたということですね。喜ばしいことですわ」

「良かったわね、ユーゴ。そんなことより、お菓子ってもう無いの?」

 四者四様の祝いの言葉に、ユーゴはげんなりしつつ「ありがとうよ」と返した。

「そういう次第で、機械式および神聖術式の伝達方法により、大陸中のギルドに即日通達があったのですな」

「なるほどな、よく解ったよ。で、本題はなんだ?」

「実は、S級冒険者であるユーゴさんを見込んで、受けて頂きたい依頼があるのです」

「やっぱりな。で、その内容は?」

「はい。それは、とある土地の様子を見てきて頂きたいということです」

「見てくるだけでいいなら、別に俺じゃなくてもいいだろ」

「ええ。そうなのですが、そうもいかないのです。順を追って説明しましょう」

 課長によると、二日前、近隣の村から悪霊ゴーストが出現すると通報があった。それが本当ならば一刻も早く手を打たねばならない。悪霊は死体に取り憑き、屍人アンデッドを作り出す種類がいるからだ。
 屍人は伝染病を撒き散らしたり、生者に噛み付いて屍人に変えてしまう。決して放置できない。
 しかし、誰が行くかが問題だった。
 というのも、悪霊が絡む案件は基本A級以上でしか受けられないが、ナーサにただ一人のA級冒険者は長期のクエストに出かけていて、しばらく戻らない。
 僧侶にも冒険者相当のランクが存在しており、僧侶であればB級でも受けることが可能だが、ナーサにいる僧侶はD級である。
 しかも当該地区にはかつて戦があり、大きな墓地が有る。十中八九、悪霊がいると考えて良いだろう。

「人がいない。時間もない。そこに俺たちが来たってわけか」

「仰るとおりです」

「ユーゴ。ボクはその依頼、受けても良いと思う」

「フィールエル……何でだよ」

「その地区は王都に向かう途中にある。そんなに距離も離れていないし、もし悪霊が居なければ良し。たとえ悪霊や屍人がどれだけ居ても、ボクがなんとかするよ。曲がりなりにもボクは【聖戦の聖女】と呼ばれているからね」

「事の顛末は、俺が転移して報告すれば早い、か。よし、それでいくか」

「おお。ありがとうございます」

 ユーゴが受諾したことに感謝した課長は、それから報酬などの詳細を伝え、退室した。

「じゃあ、飯食ったら早速向かうぞ」



──────to be continued

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