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第3章 準備を整えよう
第25話 ケンタ君の救出
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俺は、クールタイムの終わった霊剣ファントムを鞘に収め、周囲を見回した。ちょうど後にゴブリンが倒れていて、腰のベルトに短剣を挟めているのを見つけた。
「あんちゃん、逃げんなよ」ボスオークは挑発的な態度を見せ、迫ってくる。
俺は、それを無視し、後ろで倒れていたゴブリンから短剣を抜いた。その後、入念に技のイメージを霊験ファントムに注ぎ込む。
ほどなく、イメージが完了する。俺は、入手した短剣を手元で軽く投げ、その短剣に狙いを付けて抜刀した。
「【強襲打】!」
野球でノックをするように、ボスオークに向けて短剣を弾いた。高い音が洞窟内にこだまする。短剣は、打撃の威力を帯びて弾丸のように飛んでいく。
これは、刀のイメージを超反発バットのようなものに置き換え、それにスイングの加速イメージをプラスしたものだ。もちろん、飛ばされた短剣にはスキルはない。ただの物理攻撃である。これなら、スキルを吸収されることはない。威力は短剣が届けてくれる。
短剣は、勢いよくボスオークの持っている盾に突き刺さる。そして、盾を破壊して砕け散った。
「なにいぃ!」ボスオークは目を丸くして、砕けた盾の破片を悔しそうに見ていた。
「まさか、それが切り札だったのか?」俺は、刀を鞘に戻す。
「ぐぬぬ……たかが人間が!」ボスオークは、背中からバトルアクスを取り出した。
「あんた、死亡フラグ全開だよ!」霊験ファントムを握りしめ、今日3度目のイメージを注入し、技を発動する。
「【乱舞】!」
ボスオークに対して、衝撃波を連打した。衝撃波は、ボスオークの金属の鎧をはぎ取り粉砕した。
「ンゴオォ」ボスオークは、苦しそうな声を出してよろめく。
それに追い打ちをかけるように連続で衝撃波を飛ばす。ボスオークは、バトルアクスで衝撃波を受けるが、バトルアクスは粉砕され、ボスオーク本体を衝撃波が襲う。
「馬鹿なあぁ!」
ボスオークは、あっけなく吹き飛び、壁に激突し、崩れた瓦礫の下敷きになった。
「片付いたか……」ようやくボスオークを倒すことができた。残り2匹のオークは、すでにファリスが瞬殺していた。とりあえず、敵の脅威はなくなった。
「ファリス、牢屋を頼む」
「あいさ!」 ファリスは剣をぶん回し、格子の牢屋を破壊した。
俺たちは、牢屋の中に入る。ケンタくんを拘束していたのは巨大なバラの花のような食虫植物だった。花の中央から触手のようなつるが伸びていて、それがケンタくんのからだに絡みついている。
「生きてるか、ケンタ君!」俺は、大声で叫んだ。ケンタ君は、俺達の姿に気付いて声を発した。
「はへ……おひゅひんははあ」
何を喋っているかはわからないが、とにかく無事でよかった。
俺は、ケンタ君に絡まるつるを、刀で切り飛ばし、倒れそうになるケンタ君を支えた。
「お、重っ!」
ケンタ君の体重は、俺一人ではかなり厳しい。ミツユスキーとファリスに運ぶのを手伝ってもらい、広い場所で寝かせる。その後、意識もうろうとしているケンタくんに、ミツユスキーが、ウエストバッグから小瓶を取り出し、その中の液体を飲ませた。
「一応、中和剤を飲ませておきました。後はギルドで治療すれば良いかと」
「そうか、ありがとう」俺は、ほっとため息をついた。
──しかし、なんて都合のいいバックなんだ。実は、なんでも出せるバッグだったりしないか!?
魔法も戦闘力もない商人にとっては、アイテムはそれだけ重要なのだろう。おそらく、ミツユスキーさへいれば、どんな場所へ行ってもアイテムには困りはしないだろう。
ひとまず、ケンタ君の救出は成功した。
「なにか、新しい気配を感じるっス。この奥っスかね……」
ファリスは、そう言うとケンタ君のいた牢屋の奥へと進む。
「大将、見てください、これ……」
「どうしたんだ?」
俺は、ファリスの後を追って牢屋の奥へと進んだ。そこで目にしたのは──ケンタ君と同じように、つるに絡まれている町娘たちだった。
「彼女達たちも助けておくか」
俺は、5人の娘たちに絡まっているつるを切り飛ばし、花の呪縛から解き放った。彼女たちは気を失ったまま、その場にしゃがみこんだ。
「ミツユスキー、悪い。あと5人ほど荷車に積むようだ」
「いえいえ、構いませんよ。先にケンタ君を、ファリスと一緒に運びます」
「よろしく頼む」
2人は、ケンタ君を抱えて牢屋を離れた。
少し、めまいがする。ギルドでの特訓中もそうだったが、イメージ技を使い過ぎると、集中力が欠けてくるようだ。
俺は、被害者の搬送を2人に任せ、牢屋の手前にある木箱に深く腰を下ろして一休みした。
「あんちゃん、逃げんなよ」ボスオークは挑発的な態度を見せ、迫ってくる。
俺は、それを無視し、後ろで倒れていたゴブリンから短剣を抜いた。その後、入念に技のイメージを霊験ファントムに注ぎ込む。
ほどなく、イメージが完了する。俺は、入手した短剣を手元で軽く投げ、その短剣に狙いを付けて抜刀した。
「【強襲打】!」
野球でノックをするように、ボスオークに向けて短剣を弾いた。高い音が洞窟内にこだまする。短剣は、打撃の威力を帯びて弾丸のように飛んでいく。
これは、刀のイメージを超反発バットのようなものに置き換え、それにスイングの加速イメージをプラスしたものだ。もちろん、飛ばされた短剣にはスキルはない。ただの物理攻撃である。これなら、スキルを吸収されることはない。威力は短剣が届けてくれる。
短剣は、勢いよくボスオークの持っている盾に突き刺さる。そして、盾を破壊して砕け散った。
「なにいぃ!」ボスオークは目を丸くして、砕けた盾の破片を悔しそうに見ていた。
「まさか、それが切り札だったのか?」俺は、刀を鞘に戻す。
「ぐぬぬ……たかが人間が!」ボスオークは、背中からバトルアクスを取り出した。
「あんた、死亡フラグ全開だよ!」霊験ファントムを握りしめ、今日3度目のイメージを注入し、技を発動する。
「【乱舞】!」
ボスオークに対して、衝撃波を連打した。衝撃波は、ボスオークの金属の鎧をはぎ取り粉砕した。
「ンゴオォ」ボスオークは、苦しそうな声を出してよろめく。
それに追い打ちをかけるように連続で衝撃波を飛ばす。ボスオークは、バトルアクスで衝撃波を受けるが、バトルアクスは粉砕され、ボスオーク本体を衝撃波が襲う。
「馬鹿なあぁ!」
ボスオークは、あっけなく吹き飛び、壁に激突し、崩れた瓦礫の下敷きになった。
「片付いたか……」ようやくボスオークを倒すことができた。残り2匹のオークは、すでにファリスが瞬殺していた。とりあえず、敵の脅威はなくなった。
「ファリス、牢屋を頼む」
「あいさ!」 ファリスは剣をぶん回し、格子の牢屋を破壊した。
俺たちは、牢屋の中に入る。ケンタくんを拘束していたのは巨大なバラの花のような食虫植物だった。花の中央から触手のようなつるが伸びていて、それがケンタくんのからだに絡みついている。
「生きてるか、ケンタ君!」俺は、大声で叫んだ。ケンタ君は、俺達の姿に気付いて声を発した。
「はへ……おひゅひんははあ」
何を喋っているかはわからないが、とにかく無事でよかった。
俺は、ケンタ君に絡まるつるを、刀で切り飛ばし、倒れそうになるケンタ君を支えた。
「お、重っ!」
ケンタ君の体重は、俺一人ではかなり厳しい。ミツユスキーとファリスに運ぶのを手伝ってもらい、広い場所で寝かせる。その後、意識もうろうとしているケンタくんに、ミツユスキーが、ウエストバッグから小瓶を取り出し、その中の液体を飲ませた。
「一応、中和剤を飲ませておきました。後はギルドで治療すれば良いかと」
「そうか、ありがとう」俺は、ほっとため息をついた。
──しかし、なんて都合のいいバックなんだ。実は、なんでも出せるバッグだったりしないか!?
魔法も戦闘力もない商人にとっては、アイテムはそれだけ重要なのだろう。おそらく、ミツユスキーさへいれば、どんな場所へ行ってもアイテムには困りはしないだろう。
ひとまず、ケンタ君の救出は成功した。
「なにか、新しい気配を感じるっス。この奥っスかね……」
ファリスは、そう言うとケンタ君のいた牢屋の奥へと進む。
「大将、見てください、これ……」
「どうしたんだ?」
俺は、ファリスの後を追って牢屋の奥へと進んだ。そこで目にしたのは──ケンタ君と同じように、つるに絡まれている町娘たちだった。
「彼女達たちも助けておくか」
俺は、5人の娘たちに絡まっているつるを切り飛ばし、花の呪縛から解き放った。彼女たちは気を失ったまま、その場にしゃがみこんだ。
「ミツユスキー、悪い。あと5人ほど荷車に積むようだ」
「いえいえ、構いませんよ。先にケンタ君を、ファリスと一緒に運びます」
「よろしく頼む」
2人は、ケンタ君を抱えて牢屋を離れた。
少し、めまいがする。ギルドでの特訓中もそうだったが、イメージ技を使い過ぎると、集中力が欠けてくるようだ。
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