88 / 90
6章
第7話
しおりを挟む
それから話はひとまとまりして、ゼノたち4人は玉座の間を後にすることになった。
「……だが、本当に褒美や爵位を与えずともよいのか?」
「はい。俺はこれまで通り、マスクスの宿舎で生活ができればそれで十分です」
「ふむ……。本音を言えばな、ゼノ。そなたには、余の近くにいてほしいと思っておるのだ。我が宮殿ならば、不自由なく生活を送ることができるのだぞ? もちろん、そなたの仲間も一緒に連れて来てもらっても構わんのだ」
「すみません。それでも、俺はこれまで通りの生活がいいんです」
その言葉に、モニカたちも自然と頷く。
3人だけじゃない。
それは、ゼノにとっても偽りのない本心であった。
王宮に囲われたくないからではなく、本当にマスクスの町での暮らしをゼノは気に入っていた。
「フフッ……。本当に面白い男だ。だからこそ、より気に入ったぞ。そなたが我が王国に留まるのなら、余はもうこれ以上は何も言わん。そなたは最高の魔導師だ。本当に魔王が現れたのなら、いずれ我が民を救う力となってくれると信じておる」
「はい。俺にできることなら、全力で力になります」
「各国で協議のもと、魔大陸調査隊結成の折には、また声をかけよう」
「何卒、よろしくお願いします」
それが別れの挨拶となった。
ゼノたち4人はギュスターヴに一礼すると、侍従に案内される形で玉座の間を後にした。
◆
その後、ゼノたちはサーガを出ると元の服に戻り、山岳地帯でバハムートと合流を果たす。
改めて4人でバハムートの背中に乗る形で、一同は帰路についていた。
『それでどうだったのだ? 無事に女王には会えたのか?』
「うん。女王さまと会ってきた。すごく美人だった」
ベルがバハムートの背中に掴まりながら答える。
『ほうほう……。それで褒美はちゃんと貰えたのか?』
「すげーんだぜ! ゼノは、陛下から筆頭冒険者を言い渡されたんだ!」
『筆頭冒険者? なんだそれは?』
「んぁっ? お前、んなことも知らねーのよ!?」
「アーシャさん。その言い方はバハムートさんに失礼ですよ」
「筆頭冒険者になれば、魔大陸へ渡ることができるんだ」
ゼノがその答えると、バハムートは高速で飛行しながら首を一度傾げる。
『魔大陸? 魔大陸というと、ウルザズ大陸のことだな? だが、我ら魔族の土地は結界があって入れぬはずだぞ?』
「いえ、それが可能なんです。大賢者様は、アスター王国、ルドベキア王国、ランタナ大公国の君主様に、結界を一時的に解くことができる魔導晶っていう賢具を渡していたんです」
『魔導晶?』
「魔導晶っていうのは、水晶玉みたいな物らしいんだ。それがあれば、結界を一時的に無効化することが可能なんだよ」
『なんと……そのような物があったとは。しかし、そうか。ゼノは魔王を倒すために、魔大陸へ渡ろうというのだな?』
「それも理由の一つだね」
『つまり、ゼノにとって素晴らしい褒美だったというわけか。よかったのぉ~』
「ありがとう。本当に嬉しいよ」
たしかにバハムートの言う通り、魔大陸へ行けば魔王に関することで何か分かることがあるかもしれない、とゼノは思う。
ギュスターヴに任命された以上、自分ができる務めは果たしたいとゼノは考えていた。
その時。
ベルが、振り返りながらゼノに声をかけてくる。
「……お兄ちゃん……」
「? どうした、ベル?」
「あの怖い男の人……本当に、お兄ちゃんのパパじゃなかった?」
「……」
ゼノは一度黙り込む。
だが、すぐに小さく頷くと、ベルのさらさらな髪を優しく撫でながら答えた。
「……うん。あの人は、俺の父親じゃなかったよ」
「よかったぁ……。あの人がお兄ちゃんのパパじゃなくて……」
「ですね。いろいろと問題のあった方のようですし」
そこで、アーシャが小声で声をかけてくる。
「(なぁ、ゼノ……。あれで、本当によかったのか?)」
「(ああ。さっきも言った通り、俺の家族はここにいるみんなだから)」
「(……そっか。ゼノが決別できたってんなら、アタシもそれで嬉しいぜ)」
そこでアーシャは、パンパンと手を叩くと皆の注目を集める。
「よっしゃ! そんじゃ、ゼノが無事に筆頭冒険者に任命されたってことで、帰ったらぱぁ~~っと祝賀会を開こうぜ!」
「あっ、いいですね♪」
「ベルもお兄ちゃんを祝いたい!」
『我も参加していいのか? ゼノには世話になっているからな』
「もちろん! みんなでゼノのことを祝おうぜ! アタシが腕によりをかけて料理を作ってやる!」
「アーシャさんの手料理!? 久しぶりに、あのおいしい料理が食べられちゃいます!?」
「ベルも好き……アーシャ姉の作る手料理……」
『フォフォッ。我も一度食べてみたいぞぉ~』
そんな風に皆で盛り上がるも……。
「ごめん、みんな」
ゼノは、大きく頭を下げて謝罪する。
「その前に、筆頭冒険者になれたことを一番に伝えたい人がいるんだ」
『? 誰だ? その一番に伝えたい者とは』
この場でそれが分かっていないのは、バハムートだけだったようだ。
「……ふふっ、やっぱりゼノ様ですねぇ~。ホント魔女さんには嫉妬しちゃいますよ」
「くぅぅ~~っ! やっぱそうなのかぁー。そうなっちゃうのかよぉっ……!」
「……魔女のママなら、仕方ないよ……」
と、彼女たちは三者三様の反応を示す。
「たしか、バハムートにはこの前話したよな? 迷宮に囚われているお師匠様のこと。その人に、一番に伝えたいんだ」
『なるほど……。たしか、美人のお師匠様だったか?』
「違うっ! とびっきり美人のお師匠様だ!」
「なんかイヤですぅ、この会話……」
「お兄ちゃん、今日一でテンション高い」
「ぜって~、アタシは魔女に勝ってやるんだからなっ!」
ゼノは一度気持ちを落ち着かせると、改めてバハムートにこう伝えた。
「それで、お師匠様と約束していたんだ。筆頭冒険者になったら一度報告へ行くって」
具体的には、ちょっと違ったような気もしたが、ゼノはこれまでそれを目標にして、頑張ってきたという部分があった。
『しかし、お主も本当に色男よのぉ~。これだけの麗人たちに囲まれて、堂々とそんなことが口にできるとは。ゼノの師匠は、相当に魅力的な女性なのだな?』
ポカッ!
『痛っ!?』
「うるさいです!」
『なぜ我が叩かれるのだ!?』
「てめぇー、ズタズタに切り刻んでから唐揚げにすんぞ!」
「……じゅるり……」
『待て!? 我を食ってもおいしくはないのだぞぉっ!?』
結局、祝賀会は後日開催することになり、ゼノは先に降りることにするのだった。
◆
シャトー密林の上空に到着すると、バハムートがゆっくりと降下していく。
そして、ゼノが飛び降りようかというところで、ベルが声をかけてくる。
「お兄ちゃん。魔女ママによろしく伝えてほしい」
「ああ、もちろんだ。ベルが俺たちの家族になったこともちゃんと報告するよ」
「なら、アタシとの勝負の件もちゃんと頼むぜ!」
「うん、分かった。お師匠様に話しておく」
「ゼノ様ぁ~!! わたしのこと、忘れないでくださいぃ……うくっ、ひぅっ……」
「いや……。俺は、べつにいなくなったりするわけじゃないんだが」
「ホントですかぁ……? 魔女さんに会いに行ったついでに、一緒に暮らしちゃったりして、忘れたりしませんかぁ? わたし、ゼノ様の公式愛人なのにぃ……」
「その設定まだ生きてたのか」
ゼノは一度ため息をつくと、モニカの肩を軽く叩く。
「大丈夫だ。俺の帰る場所は、マスクスの宿舎だけだから。必ず戻って来る」
「うぅぅ……ゼノ様、イケメンすぎぃぃ……大好きですぅっ~~!!」
「うわぁ!?」
「てめぇ、モニカ! どさくさに紛れて、抱きついてんじゃねっーー!」
「ズルい……モニカ姉っ」
たった一時の間にしても、彼女たちは、ゼノと別れるのが相当嫌なようだ。
『ゼノよ。早く飛び降りるのだ』
「お……おうっ!」
地面にゼノが足を着けるのを確認すると、気を利かせたバハムートが3人を乗せて強引に空へと飛び上がる。
「バハムート。みんなの送迎よろしく頼んだよー!」
『任せよ。とびっきり美人のお師匠様によろしくのぅ~!』
「もちろんだ!」
まだ、モニカたちはあれこれと騒いでいたが、バハムートがマスクス方面へ向けて飛び立ってしまうと、後には静けさだけが残った。
「……だが、本当に褒美や爵位を与えずともよいのか?」
「はい。俺はこれまで通り、マスクスの宿舎で生活ができればそれで十分です」
「ふむ……。本音を言えばな、ゼノ。そなたには、余の近くにいてほしいと思っておるのだ。我が宮殿ならば、不自由なく生活を送ることができるのだぞ? もちろん、そなたの仲間も一緒に連れて来てもらっても構わんのだ」
「すみません。それでも、俺はこれまで通りの生活がいいんです」
その言葉に、モニカたちも自然と頷く。
3人だけじゃない。
それは、ゼノにとっても偽りのない本心であった。
王宮に囲われたくないからではなく、本当にマスクスの町での暮らしをゼノは気に入っていた。
「フフッ……。本当に面白い男だ。だからこそ、より気に入ったぞ。そなたが我が王国に留まるのなら、余はもうこれ以上は何も言わん。そなたは最高の魔導師だ。本当に魔王が現れたのなら、いずれ我が民を救う力となってくれると信じておる」
「はい。俺にできることなら、全力で力になります」
「各国で協議のもと、魔大陸調査隊結成の折には、また声をかけよう」
「何卒、よろしくお願いします」
それが別れの挨拶となった。
ゼノたち4人はギュスターヴに一礼すると、侍従に案内される形で玉座の間を後にした。
◆
その後、ゼノたちはサーガを出ると元の服に戻り、山岳地帯でバハムートと合流を果たす。
改めて4人でバハムートの背中に乗る形で、一同は帰路についていた。
『それでどうだったのだ? 無事に女王には会えたのか?』
「うん。女王さまと会ってきた。すごく美人だった」
ベルがバハムートの背中に掴まりながら答える。
『ほうほう……。それで褒美はちゃんと貰えたのか?』
「すげーんだぜ! ゼノは、陛下から筆頭冒険者を言い渡されたんだ!」
『筆頭冒険者? なんだそれは?』
「んぁっ? お前、んなことも知らねーのよ!?」
「アーシャさん。その言い方はバハムートさんに失礼ですよ」
「筆頭冒険者になれば、魔大陸へ渡ることができるんだ」
ゼノがその答えると、バハムートは高速で飛行しながら首を一度傾げる。
『魔大陸? 魔大陸というと、ウルザズ大陸のことだな? だが、我ら魔族の土地は結界があって入れぬはずだぞ?』
「いえ、それが可能なんです。大賢者様は、アスター王国、ルドベキア王国、ランタナ大公国の君主様に、結界を一時的に解くことができる魔導晶っていう賢具を渡していたんです」
『魔導晶?』
「魔導晶っていうのは、水晶玉みたいな物らしいんだ。それがあれば、結界を一時的に無効化することが可能なんだよ」
『なんと……そのような物があったとは。しかし、そうか。ゼノは魔王を倒すために、魔大陸へ渡ろうというのだな?』
「それも理由の一つだね」
『つまり、ゼノにとって素晴らしい褒美だったというわけか。よかったのぉ~』
「ありがとう。本当に嬉しいよ」
たしかにバハムートの言う通り、魔大陸へ行けば魔王に関することで何か分かることがあるかもしれない、とゼノは思う。
ギュスターヴに任命された以上、自分ができる務めは果たしたいとゼノは考えていた。
その時。
ベルが、振り返りながらゼノに声をかけてくる。
「……お兄ちゃん……」
「? どうした、ベル?」
「あの怖い男の人……本当に、お兄ちゃんのパパじゃなかった?」
「……」
ゼノは一度黙り込む。
だが、すぐに小さく頷くと、ベルのさらさらな髪を優しく撫でながら答えた。
「……うん。あの人は、俺の父親じゃなかったよ」
「よかったぁ……。あの人がお兄ちゃんのパパじゃなくて……」
「ですね。いろいろと問題のあった方のようですし」
そこで、アーシャが小声で声をかけてくる。
「(なぁ、ゼノ……。あれで、本当によかったのか?)」
「(ああ。さっきも言った通り、俺の家族はここにいるみんなだから)」
「(……そっか。ゼノが決別できたってんなら、アタシもそれで嬉しいぜ)」
そこでアーシャは、パンパンと手を叩くと皆の注目を集める。
「よっしゃ! そんじゃ、ゼノが無事に筆頭冒険者に任命されたってことで、帰ったらぱぁ~~っと祝賀会を開こうぜ!」
「あっ、いいですね♪」
「ベルもお兄ちゃんを祝いたい!」
『我も参加していいのか? ゼノには世話になっているからな』
「もちろん! みんなでゼノのことを祝おうぜ! アタシが腕によりをかけて料理を作ってやる!」
「アーシャさんの手料理!? 久しぶりに、あのおいしい料理が食べられちゃいます!?」
「ベルも好き……アーシャ姉の作る手料理……」
『フォフォッ。我も一度食べてみたいぞぉ~』
そんな風に皆で盛り上がるも……。
「ごめん、みんな」
ゼノは、大きく頭を下げて謝罪する。
「その前に、筆頭冒険者になれたことを一番に伝えたい人がいるんだ」
『? 誰だ? その一番に伝えたい者とは』
この場でそれが分かっていないのは、バハムートだけだったようだ。
「……ふふっ、やっぱりゼノ様ですねぇ~。ホント魔女さんには嫉妬しちゃいますよ」
「くぅぅ~~っ! やっぱそうなのかぁー。そうなっちゃうのかよぉっ……!」
「……魔女のママなら、仕方ないよ……」
と、彼女たちは三者三様の反応を示す。
「たしか、バハムートにはこの前話したよな? 迷宮に囚われているお師匠様のこと。その人に、一番に伝えたいんだ」
『なるほど……。たしか、美人のお師匠様だったか?』
「違うっ! とびっきり美人のお師匠様だ!」
「なんかイヤですぅ、この会話……」
「お兄ちゃん、今日一でテンション高い」
「ぜって~、アタシは魔女に勝ってやるんだからなっ!」
ゼノは一度気持ちを落ち着かせると、改めてバハムートにこう伝えた。
「それで、お師匠様と約束していたんだ。筆頭冒険者になったら一度報告へ行くって」
具体的には、ちょっと違ったような気もしたが、ゼノはこれまでそれを目標にして、頑張ってきたという部分があった。
『しかし、お主も本当に色男よのぉ~。これだけの麗人たちに囲まれて、堂々とそんなことが口にできるとは。ゼノの師匠は、相当に魅力的な女性なのだな?』
ポカッ!
『痛っ!?』
「うるさいです!」
『なぜ我が叩かれるのだ!?』
「てめぇー、ズタズタに切り刻んでから唐揚げにすんぞ!」
「……じゅるり……」
『待て!? 我を食ってもおいしくはないのだぞぉっ!?』
結局、祝賀会は後日開催することになり、ゼノは先に降りることにするのだった。
◆
シャトー密林の上空に到着すると、バハムートがゆっくりと降下していく。
そして、ゼノが飛び降りようかというところで、ベルが声をかけてくる。
「お兄ちゃん。魔女ママによろしく伝えてほしい」
「ああ、もちろんだ。ベルが俺たちの家族になったこともちゃんと報告するよ」
「なら、アタシとの勝負の件もちゃんと頼むぜ!」
「うん、分かった。お師匠様に話しておく」
「ゼノ様ぁ~!! わたしのこと、忘れないでくださいぃ……うくっ、ひぅっ……」
「いや……。俺は、べつにいなくなったりするわけじゃないんだが」
「ホントですかぁ……? 魔女さんに会いに行ったついでに、一緒に暮らしちゃったりして、忘れたりしませんかぁ? わたし、ゼノ様の公式愛人なのにぃ……」
「その設定まだ生きてたのか」
ゼノは一度ため息をつくと、モニカの肩を軽く叩く。
「大丈夫だ。俺の帰る場所は、マスクスの宿舎だけだから。必ず戻って来る」
「うぅぅ……ゼノ様、イケメンすぎぃぃ……大好きですぅっ~~!!」
「うわぁ!?」
「てめぇ、モニカ! どさくさに紛れて、抱きついてんじゃねっーー!」
「ズルい……モニカ姉っ」
たった一時の間にしても、彼女たちは、ゼノと別れるのが相当嫌なようだ。
『ゼノよ。早く飛び降りるのだ』
「お……おうっ!」
地面にゼノが足を着けるのを確認すると、気を利かせたバハムートが3人を乗せて強引に空へと飛び上がる。
「バハムート。みんなの送迎よろしく頼んだよー!」
『任せよ。とびっきり美人のお師匠様によろしくのぅ~!』
「もちろんだ!」
まだ、モニカたちはあれこれと騒いでいたが、バハムートがマスクス方面へ向けて飛び立ってしまうと、後には静けさだけが残った。
10
あなたにおすすめの小説
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。
パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる