15 / 26
15.キスより先に進むには?
しおりを挟む
課長のことが好き。
ついさっき自覚したこと。
課長を見ると、課長の声を聴くと、胸がどうにかなりそうなほど心臓が苦しいのは、あたしが課長アレルギーなんじゃなくて、課長を好きだったから。
課長が好きだったから、心臓がどうにかなりそうになってた。
そして。
――卯野真白。俺はお前が好きだ。
課長が言ってくれたこと。
ちゃんと聞き間違い、勘違いじゃないぞとばかりに、名前まで呼んでくれた。その上、キスまで。
(うれしい)
あたしの初恋。あたしのファーストキス。
別に、「大切な人とのために」とか、そういう理由で、この歳まで残してあったわけじゃない。今まで、「いいな」って思える人がいなくて、「そういうことしたいな」って思う人もいなかっただけ。
だから、こうして好きな人ができて、好きな人にキスされるのはうれしいんだけど。
(これって、やっぱりそういうことするんだよねぇっ!)
チュッ。チュッ。チュッ。チュッ。
何度も角度を変えて重ねられるキス。
顔を、体を抑えられ、課長の思うがままにキスをくり返される。
暗い寝室。ベッドの上。動けないあたし。覆いかぶさる課長。
この状況で、「はい。キスを堪能したから、これで解散!」はないわけで。
となると。
あれやこれやして。それをなにして。なにがなにしてそれをこれしてどうなって。それこそ互いに、「生まれたままの姿」になって。いろんなところを触れ合って、「恥ずかしいから、灯り、消してください」みたいなことになって。(もともと灯りは消えてる) 「あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡」みたいな声をあげるようになって。朝、スズメがチュンチュンさえずる頃に、課長の腕のなかで目を覚まして、昨夜のことを思い出して顔を赤らめてみたり。
そういうこと、知らないわけじゃないし、理解してるつもりだけど。
だけど。
(そ、それでいいの、かなっ!?)
キスの合間に、必死に考える。
もう大人なんだし。好きな人と両思いになれたら。恋を自覚したら、そういうことになってもおかしくないんだけどっ!
わかんない!
わかんないまま、胸の奥で心臓が、網に捕らわれたケモノみたいに暴れまくってる。
「――真白」
熱かった唇が、わずかにヒンヤリとした空気に触れる。
「今日は、このまま休め」
唇だけじゃない。体も冷たさを感じる。
課長が身を起こして、あたしから離れたからだ。
「あの、課長……?」
ボンヤリ蕩けかけてた思考が戻ってくる。
どうして? どうして離れるの?
わからず課長の顔を見ていたら、サラッと課長の手が、あたしの髪を撫でた。
とっても優しい眼差しつきで。
「おやすみ」
汗ばんでたあたしの額に、軽いキスが落ちる。
それだけ。
それだけ残して、課長は部屋から出ていってしまった。
課長が戻ってこない。
そのことに、体から力が抜け、さんざん暴れてた心臓がスンってなった。
* * * *
カタカタカタカタ、タン。カタ、カタカタカタカタカタカタ、タンタン。
黙々とキーボード打ち、画面上に文字を入力していく。
表の数値入力。計算。そして説明文章の添付。
いつもの仕事。いつもの内容。いつもの業務。
だから、深く考えなくても作業は続けられるんだけど。
(やっぱり。コイツじゃないなとか思われたのかな)
キスして、「やっぱナシ!」とか思い直すことがあるかどうか、わかんないけど。
でも、あたしが知らないだけで、そういうこともあるのかもしれない。「どうしてオオカミオレサマが、こんなチビウサギと恋愛を? ハッ。話にならんな」みたいな冷静思考。
(だってあたし、どこも好きになってもらえる要素なんてないし)
そりゃあ、先輩たちは「ウサギちゃん」って、あたしをかわいがってくれるけど。でも先輩たちが男だったら、「ウサギに恋愛感情? ナイ。ナイわ~、ソレ(手をパタパタ振って否定)」一択だろうし。
この歳までカレシいなかったってことは、それだけあたしに女の魅力がないって証拠だし。
課長だって、「その仕事に一生懸命なところが好きだ。いつでもニコニコと笑ってる顔が好きだ」って言ってくれたけど。一生懸命とか、ニコニコって、なんか小学校の成績表に書かれる、「とりあえずこういうこと言っとけばいいだろ」的先生所感みたいだし。あたしのことを気になってたってのも、「コイツ、チョロチョロと危なっかしいから観察しておくか」って、保護責任者的理由かもしれないし。
今朝の課長。
今までと同じように「おはよう」で始まり、「朝飯だ。食え」で終わった。
仕事に来ても特に変わったことはなく、今のところ業務連絡すらない。
(やっぱり、違うなって思ったのかな)
キスしてみて。
「あ、コイツじゃねーわ」ってなった。
一応、専務のお嬢さんのこともあるから、恋人っぽく扱ってくれるけど。それは前と同じで、あくまでフリってことで。
ほとぼり冷めたら、以前から予定してた通り、「おつかれさまでしたー」で終わる。
(課長……)
あたしのことどう思ってるんだろう。
気になって、気になって。
すこぉしだけ画面から目を離して、チラッと、課長の席を盗み見る。けど。
(――あ)
今、目をそらされた?
書類を見ていた課長。ちょっと顔を上げたタイミングで目が合ったんだけど。すぐさま顔をフイって逸らしたよね? 今、絶対逸らしたよね? あたしを見てから、そっぽ向いたよね?
(課長、もしかして、「好き」って言ったこと後悔してる? 目も合わせたくないぐらい嫌いになっちゃった?)
朝から一度も「真白」って呼んでくれないし! 今もこうして視線を合わせてくれないし!
(あううううう~)
ダカダカダカダカダカダカ、ダンダン!
課長はそれで「アデュー」でいいかもしれないけど、恋を自覚しちゃったあたしは「再見!」とはいかないのよ!
一度「好き」って自覚しちゃったら、前と同じようには振る舞えないのよ!
みせかけじゃなく、本物の恋人になりたい。
キスだけじゃなくて、その先も知りたい。怖いけど。
課長ならいいかなって、チラッと思ったんだからぁっ!
ダンダンダンダン、ダカダンダン!
「う、ウサギちゃん?」
「大丈夫?」
先輩方の心配する声。
「だ、大丈夫です。アハハ……」
さすがに、「課長が好きなんですけど。キス以上のことをおねだりする方法ってないですかね」なんてことは訊けない。口が裂けても言えない、そんなこと。
「あたし、ちょっと休憩してきます」
命より大事な仕事を抜け出すなんて、言語道断だけど。
でも今は、少しだけ。ものすごく頭を冷ましてきたい。
「――卯野」
立ち上がったあたしのそばに、いつの間にか課長が寄ってきていた。
もしかして、「仕事を抜けるとは何事だ」って叱られる? 「そんな不真面目なやつは願い下げだ」って。
今も、「真白」じゃなく、「卯野」って呼んだし。
「すまないが、今日はいっしょに帰れない」
はい。
「社長とミーティングが入った。お前は先に帰っていろ。夕飯も先に食べてて構わない」
チャリ。
半ば強引にあたしの手に載せられたカギ。――課長のマンションのカギ?
(あたし、課長のマンションに帰っていいの?)
問いかけることもできないまま、足早に立ち去っていく課長の背中を見送った。
ついさっき自覚したこと。
課長を見ると、課長の声を聴くと、胸がどうにかなりそうなほど心臓が苦しいのは、あたしが課長アレルギーなんじゃなくて、課長を好きだったから。
課長が好きだったから、心臓がどうにかなりそうになってた。
そして。
――卯野真白。俺はお前が好きだ。
課長が言ってくれたこと。
ちゃんと聞き間違い、勘違いじゃないぞとばかりに、名前まで呼んでくれた。その上、キスまで。
(うれしい)
あたしの初恋。あたしのファーストキス。
別に、「大切な人とのために」とか、そういう理由で、この歳まで残してあったわけじゃない。今まで、「いいな」って思える人がいなくて、「そういうことしたいな」って思う人もいなかっただけ。
だから、こうして好きな人ができて、好きな人にキスされるのはうれしいんだけど。
(これって、やっぱりそういうことするんだよねぇっ!)
チュッ。チュッ。チュッ。チュッ。
何度も角度を変えて重ねられるキス。
顔を、体を抑えられ、課長の思うがままにキスをくり返される。
暗い寝室。ベッドの上。動けないあたし。覆いかぶさる課長。
この状況で、「はい。キスを堪能したから、これで解散!」はないわけで。
となると。
あれやこれやして。それをなにして。なにがなにしてそれをこれしてどうなって。それこそ互いに、「生まれたままの姿」になって。いろんなところを触れ合って、「恥ずかしいから、灯り、消してください」みたいなことになって。(もともと灯りは消えてる) 「あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡」みたいな声をあげるようになって。朝、スズメがチュンチュンさえずる頃に、課長の腕のなかで目を覚まして、昨夜のことを思い出して顔を赤らめてみたり。
そういうこと、知らないわけじゃないし、理解してるつもりだけど。
だけど。
(そ、それでいいの、かなっ!?)
キスの合間に、必死に考える。
もう大人なんだし。好きな人と両思いになれたら。恋を自覚したら、そういうことになってもおかしくないんだけどっ!
わかんない!
わかんないまま、胸の奥で心臓が、網に捕らわれたケモノみたいに暴れまくってる。
「――真白」
熱かった唇が、わずかにヒンヤリとした空気に触れる。
「今日は、このまま休め」
唇だけじゃない。体も冷たさを感じる。
課長が身を起こして、あたしから離れたからだ。
「あの、課長……?」
ボンヤリ蕩けかけてた思考が戻ってくる。
どうして? どうして離れるの?
わからず課長の顔を見ていたら、サラッと課長の手が、あたしの髪を撫でた。
とっても優しい眼差しつきで。
「おやすみ」
汗ばんでたあたしの額に、軽いキスが落ちる。
それだけ。
それだけ残して、課長は部屋から出ていってしまった。
課長が戻ってこない。
そのことに、体から力が抜け、さんざん暴れてた心臓がスンってなった。
* * * *
カタカタカタカタ、タン。カタ、カタカタカタカタカタカタ、タンタン。
黙々とキーボード打ち、画面上に文字を入力していく。
表の数値入力。計算。そして説明文章の添付。
いつもの仕事。いつもの内容。いつもの業務。
だから、深く考えなくても作業は続けられるんだけど。
(やっぱり。コイツじゃないなとか思われたのかな)
キスして、「やっぱナシ!」とか思い直すことがあるかどうか、わかんないけど。
でも、あたしが知らないだけで、そういうこともあるのかもしれない。「どうしてオオカミオレサマが、こんなチビウサギと恋愛を? ハッ。話にならんな」みたいな冷静思考。
(だってあたし、どこも好きになってもらえる要素なんてないし)
そりゃあ、先輩たちは「ウサギちゃん」って、あたしをかわいがってくれるけど。でも先輩たちが男だったら、「ウサギに恋愛感情? ナイ。ナイわ~、ソレ(手をパタパタ振って否定)」一択だろうし。
この歳までカレシいなかったってことは、それだけあたしに女の魅力がないって証拠だし。
課長だって、「その仕事に一生懸命なところが好きだ。いつでもニコニコと笑ってる顔が好きだ」って言ってくれたけど。一生懸命とか、ニコニコって、なんか小学校の成績表に書かれる、「とりあえずこういうこと言っとけばいいだろ」的先生所感みたいだし。あたしのことを気になってたってのも、「コイツ、チョロチョロと危なっかしいから観察しておくか」って、保護責任者的理由かもしれないし。
今朝の課長。
今までと同じように「おはよう」で始まり、「朝飯だ。食え」で終わった。
仕事に来ても特に変わったことはなく、今のところ業務連絡すらない。
(やっぱり、違うなって思ったのかな)
キスしてみて。
「あ、コイツじゃねーわ」ってなった。
一応、専務のお嬢さんのこともあるから、恋人っぽく扱ってくれるけど。それは前と同じで、あくまでフリってことで。
ほとぼり冷めたら、以前から予定してた通り、「おつかれさまでしたー」で終わる。
(課長……)
あたしのことどう思ってるんだろう。
気になって、気になって。
すこぉしだけ画面から目を離して、チラッと、課長の席を盗み見る。けど。
(――あ)
今、目をそらされた?
書類を見ていた課長。ちょっと顔を上げたタイミングで目が合ったんだけど。すぐさま顔をフイって逸らしたよね? 今、絶対逸らしたよね? あたしを見てから、そっぽ向いたよね?
(課長、もしかして、「好き」って言ったこと後悔してる? 目も合わせたくないぐらい嫌いになっちゃった?)
朝から一度も「真白」って呼んでくれないし! 今もこうして視線を合わせてくれないし!
(あううううう~)
ダカダカダカダカダカダカ、ダンダン!
課長はそれで「アデュー」でいいかもしれないけど、恋を自覚しちゃったあたしは「再見!」とはいかないのよ!
一度「好き」って自覚しちゃったら、前と同じようには振る舞えないのよ!
みせかけじゃなく、本物の恋人になりたい。
キスだけじゃなくて、その先も知りたい。怖いけど。
課長ならいいかなって、チラッと思ったんだからぁっ!
ダンダンダンダン、ダカダンダン!
「う、ウサギちゃん?」
「大丈夫?」
先輩方の心配する声。
「だ、大丈夫です。アハハ……」
さすがに、「課長が好きなんですけど。キス以上のことをおねだりする方法ってないですかね」なんてことは訊けない。口が裂けても言えない、そんなこと。
「あたし、ちょっと休憩してきます」
命より大事な仕事を抜け出すなんて、言語道断だけど。
でも今は、少しだけ。ものすごく頭を冷ましてきたい。
「――卯野」
立ち上がったあたしのそばに、いつの間にか課長が寄ってきていた。
もしかして、「仕事を抜けるとは何事だ」って叱られる? 「そんな不真面目なやつは願い下げだ」って。
今も、「真白」じゃなく、「卯野」って呼んだし。
「すまないが、今日はいっしょに帰れない」
はい。
「社長とミーティングが入った。お前は先に帰っていろ。夕飯も先に食べてて構わない」
チャリ。
半ば強引にあたしの手に載せられたカギ。――課長のマンションのカギ?
(あたし、課長のマンションに帰っていいの?)
問いかけることもできないまま、足早に立ち去っていく課長の背中を見送った。
3
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
その卵焼き俺にも食わせろ!―ワンナイトラブから逃げたはずなのに、契約で縛られてました!?―
鷹槻れん
恋愛
新沼 晴永(にいぬま はるなが/36)は俺様上司として恐れられる鬼課長。
そんな彼に毎日のように振り回されるのが、犬猿の仲(だと彼女が勝手に思っている)部下の小笹 瑠璃香(こざさ るりか/28)だ。
飲み会の夜、酔ってふにゃふにゃになった瑠璃香を晴永がまんまと持ち帰り――翌朝待っていたのはワンナイトの証拠と契約結婚の書類!?
晴永には逃げようとする瑠璃香を逃がすつもりはないらしい!?
笑いと誤解と契約の、ドタバタラブコメディ!
○表紙絵は市瀬雪さんに依頼しました♥(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
政略結婚の相手は、御曹司の元カレでした〜冷たいはずの彼が甘過ぎて困ってます〜
蓮恭
恋愛
『契約からはじまる、真実の愛――冷徹御曹司と、再会から紡ぐ一途な結婚譚』
「――もう、他人のままでいられないと思った」
美しいが、一見地味で物静か、けれどどこか品を纏った静香と、頭脳明晰で冷徹と噂される若き副社長の礼司。
六年前、身分違いの恋に終止符を打った二人が再会したのは――政略結婚の書類の上だった。
契約から始まる一年という期限付きの夫婦生活。
いつしか優しい嘘も、張りつめた距離も崩れていく。
すれ違いの中で募っていく想い。交錯する家同士の事情、嫉妬、そして隠されていた過去。
それでも、何度でも惹かれ合う二人の先にあったのは、『家族』という名の奇跡だった。
真実の愛を知ったとき、男はその名すら捨てて、彼女の人生を選んだ――
これは、ただ一度きりの契約が、本当の運命へ変わるまでの物語。
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる