それはきっと、気の迷い。

葉津緒

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結局あの巨大蜘蛛(おもちゃ)はまたしても会計さまの仕業で


「だって泣き顔見たかったしー」


との理由からだった。
ひ、酷いです。
会計さまが僕のことを邪魔に思っているのは知ってたけど、あんまりです。

しかもそれからは毎日のように、他の皆様もわざと僕を怖がらせるようになって。
最近じゃ何故かそのまま押し倒されたりキスされたりと、変な嫌がらせばかりが増えてきました。

その度に風紀委員長さまが助けてくださるんだけど、あまりにも嫌がらせの回数が多くなり過ぎてすごく申し訳ないです。
どうしよう僕……。
毎日びくびく怯えて暮らすより、やっぱりここを辞めて他へ転校した方がいいのかな。

そんな事を考えながら今日もトボトボ廊下を歩いていたら、ばったり出会った生徒会長さま。
そして僕を無理やり生徒会室へ連行すると、中に居た他役員様たちを部屋から追い出し――


冒頭の会話


「や……は、離してくださ……っ」

「黙れよ平凡、誰に命令してんだ」

「そ、そんなつもりじゃ――、んうっ!?」


「……っ、ハァハァ……嫌ぁ、ん」

「チュッ……は、黙れよ。くそ、何で俺がこんな平凡なんかに!」


へと戻る次第です。
だだ誰か助けてくださいっ!?



「助けを呼んでも無駄だ。さっき扉の鍵を二重にかけたからな。一つ目は役員達のカードキーでも開けられるが二つ目は生徒会長、つまり俺にしか解除することは出来ない」

「そ、んな」

「まぁ一応、理事長と風紀委員長が持つカードキーでも開けられるけどな。だがお前みたいな平凡を、わざわざ助けに来る筈も無ぇだろ」


馬鹿にするように笑いながら、会長さまがそう言った直後。



 ピピッ ガチャッ



「そこまでだ会長、彼を渡して貰おうか」

「……ち、クソが」


凄い。
嘘みたいな奇跡が起きました。
またもや風紀委員長さまに助けられたようです。

高級そうなソファーに押し倒され、仰向け状態だった僕。
馬乗りになっていた会長さまが渋々離れて行き、入れ代わるようにこちらを覗き込む風紀委員長さま。

未だに整わない息を落ち着かせながらゆっくり身体を起こす。と、なんだこれ。
僕は自分の格好に我が目を疑いました。
いつの間にかブレザーは脱がされてるし、シャツのボタンも全開。
しかもやたら下半身が寒いと思ったら、下着(脱げかけのパンツ)と靴下だけの姿になっていた。
……何で?


「おい、大丈夫か」

「え、あっ、ひゃうッ」

「!?」


うああ、また変な声が出た。
は、恥ずかし過ぎる。
しかも風紀委員長さまと一緒に他の生徒会役員の皆様も室内へ入って来てたから、全員に聞かれてしまった。


「ヤべ、今ので勃ったしー」

「私もキました。怯えた泣き顔とあの声、たまりませんね」

「……辛抱、無理……」

「ち、煽りやがって平凡が」


こここ、怖い。
皆様の目が異様にギラギラしてるのは気のせいだよね。



.
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