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番外編1
ミサモエス・ラーダ2
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「殿下、私が婚約者だったらって思うことはありませんか」
「まさか自分が婚約者だったらと思っているのかい?」
殿下が顔を顰めたことで、そうだとは言ってはいけないと本能で感じた。
「そうではないけど、殿下がもしかしたら考えているのではないかと思ったの」
「それはないよ」
「どうして?」
「私が婚約したのは六歳の時だよ?君は十一歳じゃないか、縁組としてはまずないだろう?」
確かに幼い縁組だと女性が三歳以上も年上ということはほぼない。でもそんなことが聞きたいのではない、いくら言えない立場でも、二人きりの時くらい本音を言えばいいのにと、自分本位に考えていた。
それからも殿下に何を言っても、具体的な言葉は言ってくれず、エマ・ネイリーが現れてからは会うこともなくなっていった。ミサモエスはエマにも矛先を向けた。
「子爵令嬢がどうして殿下の側にいらっしゃるの?」
「殿下の希望でございます」
「相応しくないとは思わないの?」
「そうだとしても、私ではなく殿下におっしゃってください」
エマには殿下が側にいることが多いので、殿下の前では言えない。そのぶつけようのない気持ちはサリーへと向き、発言はどんどん過激なものになっていく。
「私が正妃になれるようにしなさい!居座り続けるなんて、なんて図々しいの!」
「私にそのような権限はありません」
「可愛くて愛される私が側にいるべきなの!どうして分からないの」
「殿下にお伝えください」
会えばそのようなやり取りがあり、五歳も年上の女性が言うことではないが、グリズナーで慣れていたサリーは呆れるしかなかった。
結婚をした後も続き、サリーはトワイ語以外で返そうかとも思ったが、何を言っているか分からないと、怒り出すをことは目に見えていたのでしなかった。
「私こそが殿下の運命の相手なのよ!私の席を奪った泥棒め!」
「何度も言うようですが、私にそのような権限はありません」
「そんなこと知らないわよ、私がやれと言えば、やるのが当たり前なのよ」
「では、陛下にお伝えしてみてはいかがですか」
「陛下、そうね、陛下にお伝えするわ」
ミサモエスはいい案だと思い、父の執務室に押し掛け、部屋には兄もいたが、陛下に会いたいと告げた。
「陛下に?どんな用件で会うのだい?簡単に会える方ではないのだよ?」
「私の王太子殿下の関係について話したいの」
「は?」
「何の関係だ?」
「何度も愛してあっている関係よ」
いくら溺愛している父でもミサモエスが言っていることが分からなかった。
「何を言っているんだ、王太子殿下は結婚していらっしゃるんだよ」
「誰かと勘違いしているんじゃないのか!」
「そんなわけないじゃない!」
「本当だっていうのか…」
嫡男・ソースルは王太子殿下が何も中身のない、こんな愚かな妹と関係を持つことが信じられなかった。
「だからね、陛下に会って、私が王太子妃になるとお話ししたいの」
「何を言っているんだ…そんなことはさすがにミサの願いでも出来ないよ」
「嘘だろ…」
「どうして、私が愛されているのに」
ようやく父と兄はミサモエスが王太子殿下を関係を持っていたこと、そのせいで王太子妃になれると思っていることに気付いた。
「ミサ、いくらお前が可愛い娘でも王太子妃にも、側妃にもなれることはない」
「どうしてよ!側妃は嫌よ」
「側妃ですら無理だ、愛妾などにはさせたくない」
「私は王太子妃になるの!」
「嘘だろ…そこまで愚かだったのか!父上のせいですよ、ちゃんと躾けるように何度言いましたか。姉と妹に連絡をして来ます。それは閉じ込めておいてください」
さすがの父もミサモエスを外から鍵のかかる部屋に閉じ込めた、勝手に王城に行くでもしたら大変なことになる。妻に話すと、きっと間違いだと言い出すが、王太子殿下に口止めされていたという侍女がおり、揺るぎない事実となった。
「まさか自分が婚約者だったらと思っているのかい?」
殿下が顔を顰めたことで、そうだとは言ってはいけないと本能で感じた。
「そうではないけど、殿下がもしかしたら考えているのではないかと思ったの」
「それはないよ」
「どうして?」
「私が婚約したのは六歳の時だよ?君は十一歳じゃないか、縁組としてはまずないだろう?」
確かに幼い縁組だと女性が三歳以上も年上ということはほぼない。でもそんなことが聞きたいのではない、いくら言えない立場でも、二人きりの時くらい本音を言えばいいのにと、自分本位に考えていた。
それからも殿下に何を言っても、具体的な言葉は言ってくれず、エマ・ネイリーが現れてからは会うこともなくなっていった。ミサモエスはエマにも矛先を向けた。
「子爵令嬢がどうして殿下の側にいらっしゃるの?」
「殿下の希望でございます」
「相応しくないとは思わないの?」
「そうだとしても、私ではなく殿下におっしゃってください」
エマには殿下が側にいることが多いので、殿下の前では言えない。そのぶつけようのない気持ちはサリーへと向き、発言はどんどん過激なものになっていく。
「私が正妃になれるようにしなさい!居座り続けるなんて、なんて図々しいの!」
「私にそのような権限はありません」
「可愛くて愛される私が側にいるべきなの!どうして分からないの」
「殿下にお伝えください」
会えばそのようなやり取りがあり、五歳も年上の女性が言うことではないが、グリズナーで慣れていたサリーは呆れるしかなかった。
結婚をした後も続き、サリーはトワイ語以外で返そうかとも思ったが、何を言っているか分からないと、怒り出すをことは目に見えていたのでしなかった。
「私こそが殿下の運命の相手なのよ!私の席を奪った泥棒め!」
「何度も言うようですが、私にそのような権限はありません」
「そんなこと知らないわよ、私がやれと言えば、やるのが当たり前なのよ」
「では、陛下にお伝えしてみてはいかがですか」
「陛下、そうね、陛下にお伝えするわ」
ミサモエスはいい案だと思い、父の執務室に押し掛け、部屋には兄もいたが、陛下に会いたいと告げた。
「陛下に?どんな用件で会うのだい?簡単に会える方ではないのだよ?」
「私の王太子殿下の関係について話したいの」
「は?」
「何の関係だ?」
「何度も愛してあっている関係よ」
いくら溺愛している父でもミサモエスが言っていることが分からなかった。
「何を言っているんだ、王太子殿下は結婚していらっしゃるんだよ」
「誰かと勘違いしているんじゃないのか!」
「そんなわけないじゃない!」
「本当だっていうのか…」
嫡男・ソースルは王太子殿下が何も中身のない、こんな愚かな妹と関係を持つことが信じられなかった。
「だからね、陛下に会って、私が王太子妃になるとお話ししたいの」
「何を言っているんだ…そんなことはさすがにミサの願いでも出来ないよ」
「嘘だろ…」
「どうして、私が愛されているのに」
ようやく父と兄はミサモエスが王太子殿下を関係を持っていたこと、そのせいで王太子妃になれると思っていることに気付いた。
「ミサ、いくらお前が可愛い娘でも王太子妃にも、側妃にもなれることはない」
「どうしてよ!側妃は嫌よ」
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「私は王太子妃になるの!」
「嘘だろ…そこまで愚かだったのか!父上のせいですよ、ちゃんと躾けるように何度言いましたか。姉と妹に連絡をして来ます。それは閉じ込めておいてください」
さすがの父もミサモエスを外から鍵のかかる部屋に閉じ込めた、勝手に王城に行くでもしたら大変なことになる。妻に話すと、きっと間違いだと言い出すが、王太子殿下に口止めされていたという侍女がおり、揺るぎない事実となった。
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