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停滞
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「侯爵家だって、教育は厳しいのかもしれないけど、話せば分かってくれる家なのではないですか」
「ああ、そうだな」
「だから、きっとメリーナの問題なのだと思う」
「勉強も思ったように出来なくて、辛かっただろうしな」
「うん…だから、僕が支えて、支えたかったんだ。でも、当主になれないなんて…言わせたいわけではなかった」
エンバーがいなければ、メリーナの爵位狙いの令息はいたかもしれないが、わざわざ詳しく吐露させる必要はなかったかもしれない。
「兄さんは良いななんて思ってしまうのも、嫌なんだ」
「私が?」
「兄さんは継ぐ爵位があるだろう…僕にもあったら違ったのかなんて考えてしまうんだ…どうしたらいいんだ…」
エンバーは頭を抱えてしまったが、リークスは当たり前のように嫡男であったが、そうかと初めて考えに至った。
伯爵家に嫁ぐ形なら、メリーナは当主になる必要はない。これからエンバーが努力をして爵位を得ても、伯爵というのは難しい。
とは言え、リークスも結婚した上に、伯爵家を譲るということは出来ない。エンバーもそんなことは望んでいないだろう。
「私も何かいい考えがないか、考えてみるよ」
「どうせ、無理なんだ…諦められるまで、そっとして置いて欲しい」
「だが」
「僕が諦めたら、それで終わるんだから」
すっかり投げやりになってしまっているエンバーは、希望すら枯れ果てていた。
リークスはエンバーの気持ちだけでもメリーナに話をしてみようと考え、メリーナに連絡を取ると、エンバーのように忙しいと会って貰えないかと危惧していたが、すぐに会う日が決まった。
お互いの邸では話し辛いのではないかと思い、喫茶店の個室で二人きりにならないように、従者と共に話すことになった。
「エンバー様のことですよね?」
「すまない、しつこいと思われても仕方ないと思うが、私も兄として話をしておきたいと思って」
「はい…」
メリーナは寂しげな表情を見せ、リークスはこれかと思った。
「何か困ったことでもあるのかい?」
「いいえ、ありませんよ」
「エンバーは君に笑っていて欲しかったそうだ。だから、困らせたかったわけではないことは分かって欲しい」
「そうですか…」
「何か、悩みがあるのだろうか?」
リークスは自分に話してくれるとは思わないが、エンバーには言えないがという望みを懸けて、一応聞いてみることにした。
「違うと言っても、そうだと言っても、どうにもならないことですから。エンバー様は悪くはないことは分かっております」
「どうにもならなくとも、エンバーに話して貰うことは出来ないだろうか。そうすれば、エンバーも納得のいくこともあるかもしれない」
「それは、止めておきます」
「…そうか、エンバーに関わることだと思っていいのだろうか?」
「それは、はい…と答えるべきでしょうね。でも、エンバー様が何かしたというわけではありません」
そう言われてしまうと、リークスは何も言えなかった。
もしかしたら、エンバーのどうにもならない部分、それを指摘したくない。わざわざ人を傷付けたくないという思いかもしない。
「リークス様は、ご両親のことは好きですか?」
「好きだよ、メリーナは違うのかい?」
リークスは突然、話を変えられて驚いたが、素直に答えた。
「いいえ、好きですよ。だからこそ、家の役に立たなくてはならないのです」
「ご両親は認めてくれないことはないだろう?」
「私は嫌なのです。リークス様はお母様のことは、お好きですか?」
「ああ、勿論だよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日もお読みいただきありがとうございます。
再びなかなか話が進まないので、
本日は1日2話、投稿いたします。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
「ああ、そうだな」
「だから、きっとメリーナの問題なのだと思う」
「勉強も思ったように出来なくて、辛かっただろうしな」
「うん…だから、僕が支えて、支えたかったんだ。でも、当主になれないなんて…言わせたいわけではなかった」
エンバーがいなければ、メリーナの爵位狙いの令息はいたかもしれないが、わざわざ詳しく吐露させる必要はなかったかもしれない。
「兄さんは良いななんて思ってしまうのも、嫌なんだ」
「私が?」
「兄さんは継ぐ爵位があるだろう…僕にもあったら違ったのかなんて考えてしまうんだ…どうしたらいいんだ…」
エンバーは頭を抱えてしまったが、リークスは当たり前のように嫡男であったが、そうかと初めて考えに至った。
伯爵家に嫁ぐ形なら、メリーナは当主になる必要はない。これからエンバーが努力をして爵位を得ても、伯爵というのは難しい。
とは言え、リークスも結婚した上に、伯爵家を譲るということは出来ない。エンバーもそんなことは望んでいないだろう。
「私も何かいい考えがないか、考えてみるよ」
「どうせ、無理なんだ…諦められるまで、そっとして置いて欲しい」
「だが」
「僕が諦めたら、それで終わるんだから」
すっかり投げやりになってしまっているエンバーは、希望すら枯れ果てていた。
リークスはエンバーの気持ちだけでもメリーナに話をしてみようと考え、メリーナに連絡を取ると、エンバーのように忙しいと会って貰えないかと危惧していたが、すぐに会う日が決まった。
お互いの邸では話し辛いのではないかと思い、喫茶店の個室で二人きりにならないように、従者と共に話すことになった。
「エンバー様のことですよね?」
「すまない、しつこいと思われても仕方ないと思うが、私も兄として話をしておきたいと思って」
「はい…」
メリーナは寂しげな表情を見せ、リークスはこれかと思った。
「何か困ったことでもあるのかい?」
「いいえ、ありませんよ」
「エンバーは君に笑っていて欲しかったそうだ。だから、困らせたかったわけではないことは分かって欲しい」
「そうですか…」
「何か、悩みがあるのだろうか?」
リークスは自分に話してくれるとは思わないが、エンバーには言えないがという望みを懸けて、一応聞いてみることにした。
「違うと言っても、そうだと言っても、どうにもならないことですから。エンバー様は悪くはないことは分かっております」
「どうにもならなくとも、エンバーに話して貰うことは出来ないだろうか。そうすれば、エンバーも納得のいくこともあるかもしれない」
「それは、止めておきます」
「…そうか、エンバーに関わることだと思っていいのだろうか?」
「それは、はい…と答えるべきでしょうね。でも、エンバー様が何かしたというわけではありません」
そう言われてしまうと、リークスは何も言えなかった。
もしかしたら、エンバーのどうにもならない部分、それを指摘したくない。わざわざ人を傷付けたくないという思いかもしない。
「リークス様は、ご両親のことは好きですか?」
「好きだよ、メリーナは違うのかい?」
リークスは突然、話を変えられて驚いたが、素直に答えた。
「いいえ、好きですよ。だからこそ、家の役に立たなくてはならないのです」
「ご両親は認めてくれないことはないだろう?」
「私は嫌なのです。リークス様はお母様のことは、お好きですか?」
「ああ、勿論だよ」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
再びなかなか話が進まないので、
本日は1日2話、投稿いたします。
次はいつもの17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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