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後妻
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メリーナが嫁いだことで、ようやく相手が判明することになった。それはエンバーの知るところにもなった。
「ジシュア・デートライ公爵だなんて!どうして!」
メリーナが知っていたように、ジシュアの女性関係は有名であった。
「父上、知っていたのですか!」
「他家の縁談を、知るはずがないだろう」
カールスも、複雑な思いは抱えていた。エンバーと無理だとは分かったが、せめて良き相手と結婚して欲しい。そうすればエンバーも諦められるだろうと考えていた。
メリーナと違って、カールスはメリーナがメメリーなのだと感じてはいるが、メメリーとメリーナを別人だと受け取るようにしていた。
でないと、メリーナが辛かったように、カールスは精神を保っていられなかった。
「だが、相手はデートライ公爵だ!突っ掛かったりするなよ」
「分かっているよ!メリーナは家のために嫁いだんだろう」
「そうだ」
エンバーは、ぶつけようのない怒りを抱えるようになった。
リークスとファイナも、まさかデートライ公爵と結婚するとは思っておらず、エンバーの怒りも最もだと感じていた。
「どうして、あの方と…」
「スペンサ侯爵家としては良い縁談だったらしい」
「それはそうかもしれませんが」
「メリーナ嬢、いやもう夫人だな、夫人の兄君たちに聞いたんだ。メリーナ夫人が望んだことだと…」
「そんな!」
ファイナは自分だったら、泣き喚いてでも嫌だと拒否する縁談であった。
「説得しようと思ったそうだが、侯爵にもメリーナが決めたことで、私たちも許可したのだから、何も言うなと言われたそうなんだ」
「家のために」
「ああ、貴族令嬢としては間違っていない」
だが、リークスはメリーナが義妹になると思って生きて来ていた。
社交界でもジシュアとメリーナの年の差夫婦は、最初こそ大丈夫なのかと思われたが、以外にもお似合いの二人は好意的に受け取られていった。
カールスは、一切関わりのなくなったメリーナを遠くから見るしかなくなった。
エンバーは表情には出さないようにはしていたが、ジシュアとメリーナを上手くいっているはずがない。辛い思いをしながらも、良き夫婦を演じているのだと心の中で睨み付けていた。
だが、メリーナに近寄ったりすることはなかった。そんなことをすれば、ハーライド伯爵家にも、継ぐことになっているリークスにも迷惑を掛けることは出来なかったからである。
あるメリーナは不在の夜会で、ジシュアが友人たちと話をしているところが、エンバーの耳に入った。
「新妻は妊娠か?」
「違うさ、ちょっと体調を崩してね」
「子どもはまだなのか?」
「子どもは作らないよ。彼女が要らぬ争いを起こしたくないと言ってね」
その言葉に、エンバーは嬉しい気持ちもあったが、女性にとって子どもを産めないことは辛いことなのではないかと、憤りを感じた。
自分と結婚すれば、叶ったはずなのにと思わずにはいられなかった。
「だが、まだ若いのに?気が変わるのではないか」
「彼女は息子を大事にしてくれているんだよ。私がいない間に、仲良くなったようで、よく喫茶店に行っているくらいだ」
「ははっ、そうか」
「それは色男も息子には負けるか」
「違いない」
「取られないように、せいぜい気を付けろよ」
夜会から戻ったエンバーは、不貞腐れた様子で、両親に告げた。
「メリーナとは子どもを作らないと言っているのを聞きました。後妻なんかになるから!最低ですよ」
その言葉にカールスと、バイラは息が止まった。
「ジシュア・デートライ公爵だなんて!どうして!」
メリーナが知っていたように、ジシュアの女性関係は有名であった。
「父上、知っていたのですか!」
「他家の縁談を、知るはずがないだろう」
カールスも、複雑な思いは抱えていた。エンバーと無理だとは分かったが、せめて良き相手と結婚して欲しい。そうすればエンバーも諦められるだろうと考えていた。
メリーナと違って、カールスはメリーナがメメリーなのだと感じてはいるが、メメリーとメリーナを別人だと受け取るようにしていた。
でないと、メリーナが辛かったように、カールスは精神を保っていられなかった。
「だが、相手はデートライ公爵だ!突っ掛かったりするなよ」
「分かっているよ!メリーナは家のために嫁いだんだろう」
「そうだ」
エンバーは、ぶつけようのない怒りを抱えるようになった。
リークスとファイナも、まさかデートライ公爵と結婚するとは思っておらず、エンバーの怒りも最もだと感じていた。
「どうして、あの方と…」
「スペンサ侯爵家としては良い縁談だったらしい」
「それはそうかもしれませんが」
「メリーナ嬢、いやもう夫人だな、夫人の兄君たちに聞いたんだ。メリーナ夫人が望んだことだと…」
「そんな!」
ファイナは自分だったら、泣き喚いてでも嫌だと拒否する縁談であった。
「説得しようと思ったそうだが、侯爵にもメリーナが決めたことで、私たちも許可したのだから、何も言うなと言われたそうなんだ」
「家のために」
「ああ、貴族令嬢としては間違っていない」
だが、リークスはメリーナが義妹になると思って生きて来ていた。
社交界でもジシュアとメリーナの年の差夫婦は、最初こそ大丈夫なのかと思われたが、以外にもお似合いの二人は好意的に受け取られていった。
カールスは、一切関わりのなくなったメリーナを遠くから見るしかなくなった。
エンバーは表情には出さないようにはしていたが、ジシュアとメリーナを上手くいっているはずがない。辛い思いをしながらも、良き夫婦を演じているのだと心の中で睨み付けていた。
だが、メリーナに近寄ったりすることはなかった。そんなことをすれば、ハーライド伯爵家にも、継ぐことになっているリークスにも迷惑を掛けることは出来なかったからである。
あるメリーナは不在の夜会で、ジシュアが友人たちと話をしているところが、エンバーの耳に入った。
「新妻は妊娠か?」
「違うさ、ちょっと体調を崩してね」
「子どもはまだなのか?」
「子どもは作らないよ。彼女が要らぬ争いを起こしたくないと言ってね」
その言葉に、エンバーは嬉しい気持ちもあったが、女性にとって子どもを産めないことは辛いことなのではないかと、憤りを感じた。
自分と結婚すれば、叶ったはずなのにと思わずにはいられなかった。
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「ははっ、そうか」
「それは色男も息子には負けるか」
「違いない」
「取られないように、せいぜい気を付けろよ」
夜会から戻ったエンバーは、不貞腐れた様子で、両親に告げた。
「メリーナとは子どもを作らないと言っているのを聞きました。後妻なんかになるから!最低ですよ」
その言葉にカールスと、バイラは息が止まった。
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