【完結】あなたの愛は今どこにありますか

野村にれ

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離縁

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 きっかけはやはり子どもが出来ないことだった。家族は責めたりすることはなかったが、周りは悪気がある者もいたが、悪気なく口にすることもあった。

 正確な検査が行われるわけではないが、お互い問題はないとされていた。

 だがファイラは自分は生理も順調だから、問題があるのはリークスのせいだと思うようになっていった。おかげで二人は子作り以上に、仲違いするようになっていた。

 孫が生まれていたら…きっとメリーナは嬉しく思っただろう。

 リークスの離縁を聞けば、関わらないとは言っていたが、気に掛けることになっただろうから、救いだったかもしれない。

 リークスとファイナは、政略結婚ではなかったために、話し合いの末、離縁した。

「大丈夫か?」
「ええ、エンバーはやはり結婚する気はないのでしょうか」
「今は難しいだろう…」
「そうですよね…私も離縁よりも、メリーナが亡くなった方が辛いです」

 リークスもメリーナの死には、崩れ落ちた一人であった。

 利のある結婚でも、デートライ公爵に嫌気がさして、いつか義妹になってくれたら、辛そうにしていないか、悩んでいないかと気に掛け、何かあればエンバーにすぐに連絡をするつもりであった。

 だが、メリーナはそのような様子は一度も見せなかった。

 メリーナは、デートライ公爵夫人として、立派に務めていた。そこへ問題はないかなどと問うような、真似は出来なかった。

 そして、誰よりも早くいなくなってしまった。

 エンバーほどではないと思うが、リークスも自分よりも若いメリーナの死に、激しく動揺した。

 ファイナもメリーナの死には驚き、悲しんではいた。葬儀には夫婦で参列したが、それこそこれが二人で出席するのは最後だろうと思っていた。

 仲のいい夫婦になれると思っていたが、変わることだってある。

 その後、重苦しい空気の漂う中、早く離縁したいと言うファイナとは一緒にいられないと、納得したのである。

 言い争うことが増えてはいたが、離縁が辛いと思っていた時期は過ぎ、リークスは清々した気持ちもあったが、とても疲れていた。

 そこへメリーナの死も重ななり、酷く落ち込んだ。

 後継がいればいいのではないか、エンバーに譲ってもいい、エンバーの子を後継者にしてもいいと思ってはいるが、そのエンバーが結婚は難しい状態である。

「少しゆっくりさせてください。その後、子どもは出来るか分かりませんが、再婚はします」
「無理をしなくてもいい」
「いえ、貴族の義務を果たさなくてはなりません」

 そう言った顔は、メメリーにも、どこかメリーナにも似ていた。

「分かった、気に掛けて置く」

 養子も考えたが、ハーライド伯爵家の親族はあまり子どもが多くなく、難しい状況であった。そして、何よりも自分のせいではないと思っているファイナは、子どもを産みたいと、だから離縁したいと言い出したのである。

 メメリーもメリーナも助からなかったように、心臓病の手術などは出来ず、子どもが出来るかも詳しく調べるようなことは出来ない。

 昔は子どもが出来ない場合は女性のせいだとされていたが、女王陛下の時代を経たことで、女性のせいだけではないと変わった。ただ女性は生理が順調なら問題ないという風潮は、今も残っていた。

 リークスは社交界を避けて、しばらく静かに過ごし、カールスとバイラはファイナのせいか、子どもが出来ないようで大変だと遠回しに言われたが、気にしないことにしていた。

 ファイナは離縁してから、半年も絶たない内に、再婚をしていた。
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