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【テイラー】崩御
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「皆も驚き、悲しんでいると思いますが、我々も突然のことで、皇帝宮もまだ混乱を極めております。国葬を含め、また発表をさせていただきます」
後ろにはライシードと、騎士団長が控え、頭を下げた。
アンデュースが去ると、その場は茫然と立ち尽くす者、泣き崩れる者、なぜだと怒る者とさまざまであった。
確かにディオエル皇帝陛下はこのところ、表舞台に姿を見せることはなかった。
だが、番が亡くなられたことから、ディオエルは悲しまれているのだろうと考えられていた。
皇帝宮で働く者ですら、限られたごく一部しか知らなかったために、一報を聞き、言葉を失うことになった。
「う、そっ」
「嘘よね?」
「えっ、そんな雰囲気なかったわ」
「誰がこんな質の悪い嘘を付くのよ」
「でも、どうして」
不在はあっても、皇帝陛下はディオエルであった。
皇帝陛下の執務室、居住区には入れるものは限られ、ディオエルに会う者も一部だけであるために、気付かなかった。
貴族も民も心配する声はあったが、具合が悪いなどとは知らなかったために驚くとことになり、最終的に国内中が悲しみに包まれた。
平均寿命300歳でありながら、ディオエルは83歳であった―――。
発表から戻ったアンデュースは仮の執務室に入ると、崩れ落ちるように膝をつき、ライシードは驚いた。
「キュレシール公爵様」
「こんな発表させるやつがあるかよ……どうして、こんなことに」
アンデュースはディオエルよりも年上で、おじと甥のような関係であった。だが、近しい関係かと言われれば、そうではなかっただろう。
だが、ディオエルこそが皇帝に相応しいと支えて行くつもりであった。
アイルーンの際も、そばにいれたら何かできたのではないかと、思い続けていた。
だからこそ、今回はと思っていたが、アイルーンが殺されていたという話に入った際には既に多くのことが分かった状態だった。
もっと頼ってくれていいと言葉にするべきだった。頼れないディオエルに、しつこくでもいいから、会いに行けば良かった。
いつも決めてからだった。終わってからだった。
「はい……私も側近として情けなくてたまりません」
「お前はずっと一緒にいたから、私の比ではないだろう。番が見付からず戻って来て、前皇帝夫妻が亡くなり、ディオエルは皇帝になって、何か楽しかったことはあったのだろうか……」
「それは……」
ライシードも皇帝になってから、ずっと側にいたが、答えることができなかった。
「何かないか?」
「楽しかったとは違うかもしれませんが、番に出会えた時は、アイルーン様の時も、テイラー様の時もディオエル様は胸に手を当てて、何かを感じているような仕草をされていました」
「そうか……」
ディオエルも番を求める鼓動を感じていたのだろう。
これは番が見付かった者だけが、感じられることで、言葉では言い表せない無二の多幸感である。
「私は番が見付かった時、部屋で飛び跳ねたがな。ディオエルは喜ぶ気持ちも、押し殺さなくてはならないと思っていたのだろう」
「……はい」
ディオエルも喜んでいたのかもしれないが、誰にもきっと番であったアイルーン様にも見せなかった。
「私は幸運なことに番も見付かり、結婚することができて、子どもたちも生まれて、健康に立派に育ってくれている。身に余る幸福だろう」
アンデュースには、竜帝国で出会った妻と、娘と息子が二人いる。
「ディオエルも番に関して、間違えたことも多かっただろう。アイルーン様についてはディオエルにも責任がある。だからこそ、テイラー嬢のことを間違えないように頑張ったんだろうな」
「律しておられたと思います」
ライシードも驚くほど、テイラーにディオエルは配慮を、相手の気持ちを汲もうとされていた。
そして、それを最期の最期まで貫かれた。
後ろにはライシードと、騎士団長が控え、頭を下げた。
アンデュースが去ると、その場は茫然と立ち尽くす者、泣き崩れる者、なぜだと怒る者とさまざまであった。
確かにディオエル皇帝陛下はこのところ、表舞台に姿を見せることはなかった。
だが、番が亡くなられたことから、ディオエルは悲しまれているのだろうと考えられていた。
皇帝宮で働く者ですら、限られたごく一部しか知らなかったために、一報を聞き、言葉を失うことになった。
「う、そっ」
「嘘よね?」
「えっ、そんな雰囲気なかったわ」
「誰がこんな質の悪い嘘を付くのよ」
「でも、どうして」
不在はあっても、皇帝陛下はディオエルであった。
皇帝陛下の執務室、居住区には入れるものは限られ、ディオエルに会う者も一部だけであるために、気付かなかった。
貴族も民も心配する声はあったが、具合が悪いなどとは知らなかったために驚くとことになり、最終的に国内中が悲しみに包まれた。
平均寿命300歳でありながら、ディオエルは83歳であった―――。
発表から戻ったアンデュースは仮の執務室に入ると、崩れ落ちるように膝をつき、ライシードは驚いた。
「キュレシール公爵様」
「こんな発表させるやつがあるかよ……どうして、こんなことに」
アンデュースはディオエルよりも年上で、おじと甥のような関係であった。だが、近しい関係かと言われれば、そうではなかっただろう。
だが、ディオエルこそが皇帝に相応しいと支えて行くつもりであった。
アイルーンの際も、そばにいれたら何かできたのではないかと、思い続けていた。
だからこそ、今回はと思っていたが、アイルーンが殺されていたという話に入った際には既に多くのことが分かった状態だった。
もっと頼ってくれていいと言葉にするべきだった。頼れないディオエルに、しつこくでもいいから、会いに行けば良かった。
いつも決めてからだった。終わってからだった。
「はい……私も側近として情けなくてたまりません」
「お前はずっと一緒にいたから、私の比ではないだろう。番が見付からず戻って来て、前皇帝夫妻が亡くなり、ディオエルは皇帝になって、何か楽しかったことはあったのだろうか……」
「それは……」
ライシードも皇帝になってから、ずっと側にいたが、答えることができなかった。
「何かないか?」
「楽しかったとは違うかもしれませんが、番に出会えた時は、アイルーン様の時も、テイラー様の時もディオエル様は胸に手を当てて、何かを感じているような仕草をされていました」
「そうか……」
ディオエルも番を求める鼓動を感じていたのだろう。
これは番が見付かった者だけが、感じられることで、言葉では言い表せない無二の多幸感である。
「私は番が見付かった時、部屋で飛び跳ねたがな。ディオエルは喜ぶ気持ちも、押し殺さなくてはならないと思っていたのだろう」
「……はい」
ディオエルも喜んでいたのかもしれないが、誰にもきっと番であったアイルーン様にも見せなかった。
「私は幸運なことに番も見付かり、結婚することができて、子どもたちも生まれて、健康に立派に育ってくれている。身に余る幸福だろう」
アンデュースには、竜帝国で出会った妻と、娘と息子が二人いる。
「ディオエルも番に関して、間違えたことも多かっただろう。アイルーン様についてはディオエルにも責任がある。だからこそ、テイラー嬢のことを間違えないように頑張ったんだろうな」
「律しておられたと思います」
ライシードも驚くほど、テイラーにディオエルは配慮を、相手の気持ちを汲もうとされていた。
そして、それを最期の最期まで貫かれた。
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