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【テイラー】教会5
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―ベイシクへ
―今日、イオリクに爵位を譲って、自害することは二人で話し合って決めていた。このような別れになって、申し訳ない。
―これは当然のことであって、悔やむことも、悲しむこともない。
―私たちは罰を受けなくてはならなかった。テイラー様がお亡くなりになった時、イオリクの罰が決まった時、ディオエル皇帝陛下が崩御された時。だが、イオリクが罰を終えるまで待った。
―本来なら、公開処刑になっているべきだと思う。だが、連座になって、ベイシクにも巻き込まれていたらと思うと、これで良かった。それだけは感謝しかない。
―私たちは先に罰を受け、イオリクを待つつもりだ。お前はもうオイワード公爵家の人間ではなく、カルロワール伯爵家の人間だ。
―私たちのことで、気に病むことは何一つない。ベイシクが生きていてくれるだけで、私たちが生まれてきた意味があるというものだ。
―死後に迷惑を掛けることになっていたら、申し訳ない。ベイシクは、オイワード公爵家に関わるな。
―お前はテンス王国で生きていって欲しい。今となっては出て行ってくれて良かった、どうか今のまま生きれることを願っている。
―本当にすまなかった、ありがとう。
―あなたの幸せを願っています。
最期の一文だけは字が違い、キューラが書いた物だろう。
そして、金庫にお金を預けてあるから、受け取って欲しいと書いてあった。
執事が言ったような、領民や使用人のこと、これからのことも一切書かれておらず、関わらなくていいという意味だったのだろうと、ようやく理解した。
「息子ではあるが、テンス王国の者として、生きて行けばいい」
「ありがとうございます」
そして、葬儀の準備が始まり、結局、キューラの実家以外には知らせることはしなかった。
葬儀には数人の騎士たちが念のために、警備を続け、ベイシク、アリッサ、キューラの両親と兄夫婦、使用人たち、そしてイオリクだけが列席した。
寂しい葬儀にはなってしまったが、きっと両親はこれでいいと言ってくれるのではないかと、ベイシクは思っていた。
埋葬までも無事に終わり、ベイシクはもう何があっても、戻って来ることのないオイワード公爵家を最後にアリッサと歩くことにした。
「寂しい気持ちがありますか?」
「育った場所だからね。だが、ここは残しても、オイワード公爵家は残すことは許されない」
「そうですね……ご両親はできる限り、準備されていたのですね」
「ああ……最後に会った時、随分と丸くなっていたというか、力をなくしていたから、驚いたんだ。まあ、無理もない状態だったけどね」
イオリクがこれほどまでのことを犯して、気にもしていなかったらおかしいが、憔悴していることは分かった。
「でも、両親を見直したよ」
「見直した?」
「ああ、最後くらいはちゃんとしたんだというか。高慢なところがあったから、あんな風に領民や使用人のことを考えて、見直したんだ。私は早くに出たから、あまり知らなかったのもあるけどね」
「そういうことね……」
二人は一通り歩くと、テンス王国に帰ることにした。
執事を含む使用人によろしく頼むと頭を下げ、何かあったら連絡をと言おうかと頭を過ったが、言ってはならないと思い、堪えることにした。
何か持ち帰られる物があればと言われたが、こちらを離れて何年も経っており、必要な物はなかったが、お金になることもなく、これからなくなるオイワード公爵家があった記録として、家族のアルバムを一冊だけ持ち帰ることにした。
そして、最後にイオリクにも挨拶をすることにした。
「帰るから」
「もう?」
「ああ、私も仕事があるからね。イオリク、これからはオイワード公爵家の当主として、しっかりするんだぞ」
「分かっている」
―今日、イオリクに爵位を譲って、自害することは二人で話し合って決めていた。このような別れになって、申し訳ない。
―これは当然のことであって、悔やむことも、悲しむこともない。
―私たちは罰を受けなくてはならなかった。テイラー様がお亡くなりになった時、イオリクの罰が決まった時、ディオエル皇帝陛下が崩御された時。だが、イオリクが罰を終えるまで待った。
―本来なら、公開処刑になっているべきだと思う。だが、連座になって、ベイシクにも巻き込まれていたらと思うと、これで良かった。それだけは感謝しかない。
―私たちは先に罰を受け、イオリクを待つつもりだ。お前はもうオイワード公爵家の人間ではなく、カルロワール伯爵家の人間だ。
―私たちのことで、気に病むことは何一つない。ベイシクが生きていてくれるだけで、私たちが生まれてきた意味があるというものだ。
―死後に迷惑を掛けることになっていたら、申し訳ない。ベイシクは、オイワード公爵家に関わるな。
―お前はテンス王国で生きていって欲しい。今となっては出て行ってくれて良かった、どうか今のまま生きれることを願っている。
―本当にすまなかった、ありがとう。
―あなたの幸せを願っています。
最期の一文だけは字が違い、キューラが書いた物だろう。
そして、金庫にお金を預けてあるから、受け取って欲しいと書いてあった。
執事が言ったような、領民や使用人のこと、これからのことも一切書かれておらず、関わらなくていいという意味だったのだろうと、ようやく理解した。
「息子ではあるが、テンス王国の者として、生きて行けばいい」
「ありがとうございます」
そして、葬儀の準備が始まり、結局、キューラの実家以外には知らせることはしなかった。
葬儀には数人の騎士たちが念のために、警備を続け、ベイシク、アリッサ、キューラの両親と兄夫婦、使用人たち、そしてイオリクだけが列席した。
寂しい葬儀にはなってしまったが、きっと両親はこれでいいと言ってくれるのではないかと、ベイシクは思っていた。
埋葬までも無事に終わり、ベイシクはもう何があっても、戻って来ることのないオイワード公爵家を最後にアリッサと歩くことにした。
「寂しい気持ちがありますか?」
「育った場所だからね。だが、ここは残しても、オイワード公爵家は残すことは許されない」
「そうですね……ご両親はできる限り、準備されていたのですね」
「ああ……最後に会った時、随分と丸くなっていたというか、力をなくしていたから、驚いたんだ。まあ、無理もない状態だったけどね」
イオリクがこれほどまでのことを犯して、気にもしていなかったらおかしいが、憔悴していることは分かった。
「でも、両親を見直したよ」
「見直した?」
「ああ、最後くらいはちゃんとしたんだというか。高慢なところがあったから、あんな風に領民や使用人のことを考えて、見直したんだ。私は早くに出たから、あまり知らなかったのもあるけどね」
「そういうことね……」
二人は一通り歩くと、テンス王国に帰ることにした。
執事を含む使用人によろしく頼むと頭を下げ、何かあったら連絡をと言おうかと頭を過ったが、言ってはならないと思い、堪えることにした。
何か持ち帰られる物があればと言われたが、こちらを離れて何年も経っており、必要な物はなかったが、お金になることもなく、これからなくなるオイワード公爵家があった記録として、家族のアルバムを一冊だけ持ち帰ることにした。
そして、最後にイオリクにも挨拶をすることにした。
「帰るから」
「もう?」
「ああ、私も仕事があるからね。イオリク、これからはオイワード公爵家の当主として、しっかりするんだぞ」
「分かっている」
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