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【テイラー】当主1
兄面するベイシクにイラっとしたが、両親の葬儀については滞りなく行われたことは、戻ってきてもらえて良かったと思った。
「両親もいなくなってしまい、周りの風当たりも強いだろう」
「そんなこと」
「テンス王国にいても、今回のことはどうしても耳に入るんだよ。そのくらいのことをしたんだ」
「竜帝国を離れていた兄様に何が分かるんだよ」
今さら、イオリクに何か期待をしていたわけではないが、ベイシクは溜息が出そうだった。
「私はもう二度と、こちらに戻ることはない。両親もそうするようにと手紙に書いてあった」
「手紙に?」
「ああ、私はもうこの国の者ではないから、関わらないようにと。確かに私にできることはない。だから、オイワード公爵家で何かあっても、イオリクが自分で決めて、自分でどうにかしなさい」
頼って来るかは分からないが、イオリクのために戻ることはない。
それでも、伝えておかなくてはならない。ただ、ベイシクとしても、最後の別れになるのだから、なるべく穏やかに話しておこうと思っていた。
「そんなことは当然だろう」
「そうか、分かっているならいい。じゃあな」
元気でなとは言わなかった、いや、言えなかった。
「ああ」
「イオリク様、お邪魔いたしました。失礼いたします」
「ああ」
アリッサもイオリクと話をしなかったわけではないが、あまり近付くことはしなかった。それでも、最後に挨拶を行って、二人はテンス王国へ帰って行った。
オイワード公爵家には僅かの使用人と、イオリクだけになった。
執事であるコジュール・セイクは、ハイスとキューラが領民にしていたことは、イオリクに伝えることはしなかった。
だが、これからについては、ハイスから手紙以外に、指示書があった。
「しばらくの間のお金が、そちらの金庫に入っております。そして、来年度に納める税は既に預けてあります」
「ん?どういうことだ?」
来年度の税は、ハイスが支払えなくなるかもしれないこと、最後になるかもしれないために、ちゃんと支払いたいと訴え、特例として既に預けていた。
「自害されるおつもりだったのですから、イオリク様が払えなくなることを恐れて預けられたのでしょう。ただ、税が増えたりした場合は追加で支払わなくてはならないかもしれません」
「そうか……」
オイワード公爵家はお金はあったが、イオリクは当主の勉強をしたが、どれくらいかは知らされていない。
だが、ハイスがイオリクに残すお金は最低限にするために、領地のためにと相当の額を使っていた。
「はい、これだけ残してあれば、当面は大丈夫なはずです。ですが、領民も減り、領地の税収もかなり減ることになると思います」
「ああ」
イオリクも勉強をしたために、事件が起きてから領民が減り、商会なども閉店して撤退して行っており、農家などは残って続けられているが、かなり厳しい状況になることは理解していた。
「来年度は大丈夫ですが、その後は減額を願い出るしかありません」
「だが、公爵家だぞ」
「はい」
公爵家が自然災害などではなく、減額して欲しいと願い出ることは、恥でしかなく、だからこそ終わりが見えているのである。
イオリクがどこで判断をするか、それからどうやって生活していくのか。
「公爵家は税が高いこともありますが、爵位の税は変わることはありません。入って来なければ支払えませんから」
「私の給料もないのに」
「はい、ですから領地経営が上手くいかなくてはなりません。当主とはそういうものですから」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
よろしければ、よろしくお願いいたします。
「両親もいなくなってしまい、周りの風当たりも強いだろう」
「そんなこと」
「テンス王国にいても、今回のことはどうしても耳に入るんだよ。そのくらいのことをしたんだ」
「竜帝国を離れていた兄様に何が分かるんだよ」
今さら、イオリクに何か期待をしていたわけではないが、ベイシクは溜息が出そうだった。
「私はもう二度と、こちらに戻ることはない。両親もそうするようにと手紙に書いてあった」
「手紙に?」
「ああ、私はもうこの国の者ではないから、関わらないようにと。確かに私にできることはない。だから、オイワード公爵家で何かあっても、イオリクが自分で決めて、自分でどうにかしなさい」
頼って来るかは分からないが、イオリクのために戻ることはない。
それでも、伝えておかなくてはならない。ただ、ベイシクとしても、最後の別れになるのだから、なるべく穏やかに話しておこうと思っていた。
「そんなことは当然だろう」
「そうか、分かっているならいい。じゃあな」
元気でなとは言わなかった、いや、言えなかった。
「ああ」
「イオリク様、お邪魔いたしました。失礼いたします」
「ああ」
アリッサもイオリクと話をしなかったわけではないが、あまり近付くことはしなかった。それでも、最後に挨拶を行って、二人はテンス王国へ帰って行った。
オイワード公爵家には僅かの使用人と、イオリクだけになった。
執事であるコジュール・セイクは、ハイスとキューラが領民にしていたことは、イオリクに伝えることはしなかった。
だが、これからについては、ハイスから手紙以外に、指示書があった。
「しばらくの間のお金が、そちらの金庫に入っております。そして、来年度に納める税は既に預けてあります」
「ん?どういうことだ?」
来年度の税は、ハイスが支払えなくなるかもしれないこと、最後になるかもしれないために、ちゃんと支払いたいと訴え、特例として既に預けていた。
「自害されるおつもりだったのですから、イオリク様が払えなくなることを恐れて預けられたのでしょう。ただ、税が増えたりした場合は追加で支払わなくてはならないかもしれません」
「そうか……」
オイワード公爵家はお金はあったが、イオリクは当主の勉強をしたが、どれくらいかは知らされていない。
だが、ハイスがイオリクに残すお金は最低限にするために、領地のためにと相当の額を使っていた。
「はい、これだけ残してあれば、当面は大丈夫なはずです。ですが、領民も減り、領地の税収もかなり減ることになると思います」
「ああ」
イオリクも勉強をしたために、事件が起きてから領民が減り、商会なども閉店して撤退して行っており、農家などは残って続けられているが、かなり厳しい状況になることは理解していた。
「来年度は大丈夫ですが、その後は減額を願い出るしかありません」
「だが、公爵家だぞ」
「はい」
公爵家が自然災害などではなく、減額して欲しいと願い出ることは、恥でしかなく、だからこそ終わりが見えているのである。
イオリクがどこで判断をするか、それからどうやって生活していくのか。
「公爵家は税が高いこともありますが、爵位の税は変わることはありません。入って来なければ支払えませんから」
「私の給料もないのに」
「はい、ですから領地経営が上手くいかなくてはなりません。当主とはそういうものですから」
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
よろしければ、よろしくお願いいたします。
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