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【テイラー】最後2
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「陛下!」
「陛下っ!」
「同席しないことになったはずです!何をされているのですか!」
竜帝国に喧嘩を売っていると思われてもおかしくない行動だが、皇帝陛下のためという名目で行っていること、マスフも賛同したことで、ギリシスはますます気が大きくなっていた。
「私は国王として、話をしなければならないだろう!」
「誰も望んでおりません!宰相も何をしているのです!」
「私は国のためを思って」
「竜帝国に失礼だと、分からないのですか!」
シュアリアも目の前でこのようなことは言いたくはなかったが、いよいよ仕方ないと思い、叱り付けた。
「王妃陛下、王太子殿下、こんにちは」
テイラーはギリシスとマスフは席を立つこともしなかったが、シュアリアとエレサーレには立ち上がって、カーテシーを行った。
「ごめんなさいね、すぐに連れ出しますから」
「アイルーン嬢、申し訳ない!皇帝陛下、大変ご迷惑をお掛けしました」
エレサーレはディオエルに向かって、頭を下げた。
「何を言っておるのだ!」
「あなたは招かれていないのです」
「そんなことはない!」
「私の願いを叶えてくれるのであれば、話を伺わせていただきます」
薄っすらと微笑みながら提案をするテイラーに、シュアリアとエレサーレも、デリア侯爵もだが、ディオエルたちも初めてのことで驚いた。何か気持ちに変化があったのかと思うほどだった。
「ああ、勿論だ!何だ?侍女か、護衛か?身分なら、またデリア侯爵令嬢になればいい。持参金も出してくれるはずだ」
「持参金?どうして、デリア侯爵が払う必要があるのです?」
「養子にするから、侯爵が払うだろう」
「またお金ですか…願いはたった一つです」
「ああ」
「アイルーン・デリアをよみがえらせてください」
「は?」
ギリシスは思いもよらない言葉に、茫然とした。
それは、ディオエルの胸にも酷い痛みをもたらし、ライシードもシュアリアとエレサーレも、下唇を噛み締めることしか出来なかった。
「アイルーン・デリアをもう一度、この世に。それが私の願いです」
「そのようなこと」
「出来ませんでしょう?私の願いは叶わないのです。アイルーン・デリアであれば、あの子をもう一度、呼ぶことも出来るかもしれない…」
テイラーの言うあの子はたった一人、生まれて来ることもなく、亡くなった子どもだけである。アイルーンもテイラーも、あの子を思い続けていることは共通していた。
「私の願いはそれだけなのです…あの子は、もう産まれないのです」
テイラーはお腹に手を当てたかったが、自分はアイルーン・デリアではないからと、目を瞑って下を向いた。
「…それは、残念だが出来ない。だが、他のことなら」
「それ以外に望みはありません。ですから、私がアイルーン・デリアに出来ることは、犯人を見付けることを訴えることくらいでした…それも、皇帝陛下に会う機会に恵まれただけで、情けないことです」
ギリシスとイオリク以外は、その姿が今、命あるテイラーがアイルーン・デリアへ出来ることであり、自分とアイルーンは違うという意味なのだと気付き、言葉がなかった。
しかも、テイラーはあの日、番だと言われなければ、訴えることも出来なかった。番と言われたことは不本意だっただろうが、犯人を罰することだけは出来た。
そうでなければ、ローズミーだけは血の影響で分からないが、のうのうと生きていたはずである。
それでも特にルーベンスは、テイラーへもアイルーンへも、自分が行動を起こしていればと、再度、酷い後悔に襲われた。
「君が産んでやればいいじゃないか!そうだろう?」
「…」
そういう話ではないことを、ギリシスだけは気付いていなかった。
さすがのテイラーも、言い返す気も起きなかった。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
どうぞよろしくお願いいたします。
「陛下っ!」
「同席しないことになったはずです!何をされているのですか!」
竜帝国に喧嘩を売っていると思われてもおかしくない行動だが、皇帝陛下のためという名目で行っていること、マスフも賛同したことで、ギリシスはますます気が大きくなっていた。
「私は国王として、話をしなければならないだろう!」
「誰も望んでおりません!宰相も何をしているのです!」
「私は国のためを思って」
「竜帝国に失礼だと、分からないのですか!」
シュアリアも目の前でこのようなことは言いたくはなかったが、いよいよ仕方ないと思い、叱り付けた。
「王妃陛下、王太子殿下、こんにちは」
テイラーはギリシスとマスフは席を立つこともしなかったが、シュアリアとエレサーレには立ち上がって、カーテシーを行った。
「ごめんなさいね、すぐに連れ出しますから」
「アイルーン嬢、申し訳ない!皇帝陛下、大変ご迷惑をお掛けしました」
エレサーレはディオエルに向かって、頭を下げた。
「何を言っておるのだ!」
「あなたは招かれていないのです」
「そんなことはない!」
「私の願いを叶えてくれるのであれば、話を伺わせていただきます」
薄っすらと微笑みながら提案をするテイラーに、シュアリアとエレサーレも、デリア侯爵もだが、ディオエルたちも初めてのことで驚いた。何か気持ちに変化があったのかと思うほどだった。
「ああ、勿論だ!何だ?侍女か、護衛か?身分なら、またデリア侯爵令嬢になればいい。持参金も出してくれるはずだ」
「持参金?どうして、デリア侯爵が払う必要があるのです?」
「養子にするから、侯爵が払うだろう」
「またお金ですか…願いはたった一つです」
「ああ」
「アイルーン・デリアをよみがえらせてください」
「は?」
ギリシスは思いもよらない言葉に、茫然とした。
それは、ディオエルの胸にも酷い痛みをもたらし、ライシードもシュアリアとエレサーレも、下唇を噛み締めることしか出来なかった。
「アイルーン・デリアをもう一度、この世に。それが私の願いです」
「そのようなこと」
「出来ませんでしょう?私の願いは叶わないのです。アイルーン・デリアであれば、あの子をもう一度、呼ぶことも出来るかもしれない…」
テイラーの言うあの子はたった一人、生まれて来ることもなく、亡くなった子どもだけである。アイルーンもテイラーも、あの子を思い続けていることは共通していた。
「私の願いはそれだけなのです…あの子は、もう産まれないのです」
テイラーはお腹に手を当てたかったが、自分はアイルーン・デリアではないからと、目を瞑って下を向いた。
「…それは、残念だが出来ない。だが、他のことなら」
「それ以外に望みはありません。ですから、私がアイルーン・デリアに出来ることは、犯人を見付けることを訴えることくらいでした…それも、皇帝陛下に会う機会に恵まれただけで、情けないことです」
ギリシスとイオリク以外は、その姿が今、命あるテイラーがアイルーン・デリアへ出来ることであり、自分とアイルーンは違うという意味なのだと気付き、言葉がなかった。
しかも、テイラーはあの日、番だと言われなければ、訴えることも出来なかった。番と言われたことは不本意だっただろうが、犯人を罰することだけは出来た。
そうでなければ、ローズミーだけは血の影響で分からないが、のうのうと生きていたはずである。
それでも特にルーベンスは、テイラーへもアイルーンへも、自分が行動を起こしていればと、再度、酷い後悔に襲われた。
「君が産んでやればいいじゃないか!そうだろう?」
「…」
そういう話ではないことを、ギリシスだけは気付いていなかった。
さすがのテイラーも、言い返す気も起きなかった。
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本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。
どうぞよろしくお願いいたします。
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