133 / 344
【テイラー】不純な気持ち2
しおりを挟む
貴族籍は外れても、縁を切るために籍を抜いたテイラーとは違い、子爵家の息子であることは変わらない。
身元がきちんとしていること、何かあった際に後ろ盾となり、文官か騎士を目指すことが嫡男ではない多くの者がが選ぶ道である。
どちらも得意とは言えないメルトは、勢いで婚約を解消したことを後悔していた。テイラーがまだ学園にいたら、話をしに行っていただろう。
だが、テイラーは学園にも子爵邸にもおらず、平民になってしまったことで、復縁を望んでも、既にラオナが継ぐことになって、子爵家に婿入りは出来ない。
そうでなければ、テイラーを無理にも探し出したかもしれない。
しかも、ミニーのために婚約を解消したことは、見るに明らかであるために、他の縁談があるはずもなく、最後の抵抗として、婚約は子爵家が渋っている状態である。
ミニーもラオナに、ミニーが嫁いだ方が幸せなのではないかと言われたことから、継ぐ家があると思い込んでおり、メルトがテイラーのエイク子爵家に婿入りすることを考えていなかった。
ラオナが嫡女になったことで、子爵家のことはミニーには関係ないので、騙されたとまでは言わないが、継ぐ家がないとは思わなかったと話をしたが、お似合いだと思ったからと言われ、調べることもなかったミニーには何も言えなかった。
結局、ラオナはミニーも馬鹿にしており、テイラーと同じで自分の思うがままだと、ほくそ笑ませるだけだった。
メルトとの関係もテイラーがいなくなってから、上手くいかなくなった。
邪険にされて、継ぐ家のある他の令息と婚約してやる!と思ったが、友人の婚約者を奪ったとされ、近寄ることも出来ない。
それならば、文官でも騎士でもメルトと結婚して、責任を取って貰わないといけないと思ったが、すぐに婚約は出来ない、視線があるから一緒にいない方がいいと言われて、婚約も出来ないまま、時だけが過ぎている状態であった。
「まさか!彼女は騙されて…?知らないということですか?」
「知っていますよ」
ギリシスもであるが、宰相もこのような有様で、よく持っているとすら、シュアリアは思い始めていた。早く、エレサーレを結婚させて、代替わりさせる方がいいという気持ちを強くした。
「彼女は聡明な子です。話していて分かりませんか?知らないとするならば、ラオナの方でしょう」
「ならば、問題ないではありませんか」
「そのことで、テイラー嬢は当主の教育を受けていたのに、彼女はあっさりと譲って、子爵家も捨てたのです」
マフスも、勿論、ギリシスも、シュアリアの伝えたいことが分からなかった。
「当主の座すら、要らないということです!」
「当主も、子爵家も捨てた方が、皇帝陛下の番になりたいと思うと思いますか?」
エレサーレも、さすがに分かっていない様子にシュアリアに付け加えた。
「働かなくていい、いい暮らしが出来るという気持ちを持つと思いますか?」
「だがな、苦労しなくていいと」
「彼女は既に皇帝宮での暮らしを知っているのですよ?何度も言っていますが、テイラー嬢は何も知らない、夢見がちな令嬢ではないのですよ?」
「…あ」
良い暮らしを望む様な令嬢だったら、始めからこのようなことにはなっていない。
元より、一度殺されている記憶があるなど、皇帝陛下が望んでいないのに、誰も嫁いで欲しいなど言えないはずだ。
竜帝国でもアイルーン・デリアの事件は、皆が知っている。
無理矢理にでも嫁がされたら、テイラーはアイルーンの記憶も、命すら盾にして、戦うだろう。彼女は既に自身の希望は達成しているのだ。
後は穏やかに暮らしたいという思いだけだろう。
テイラーは始めに嫁がないと宣言し、その後は周りが騒いでいただけで、ディオエルとテイラーの口から嫁ぐことの話すら出ていない。
身元がきちんとしていること、何かあった際に後ろ盾となり、文官か騎士を目指すことが嫡男ではない多くの者がが選ぶ道である。
どちらも得意とは言えないメルトは、勢いで婚約を解消したことを後悔していた。テイラーがまだ学園にいたら、話をしに行っていただろう。
だが、テイラーは学園にも子爵邸にもおらず、平民になってしまったことで、復縁を望んでも、既にラオナが継ぐことになって、子爵家に婿入りは出来ない。
そうでなければ、テイラーを無理にも探し出したかもしれない。
しかも、ミニーのために婚約を解消したことは、見るに明らかであるために、他の縁談があるはずもなく、最後の抵抗として、婚約は子爵家が渋っている状態である。
ミニーもラオナに、ミニーが嫁いだ方が幸せなのではないかと言われたことから、継ぐ家があると思い込んでおり、メルトがテイラーのエイク子爵家に婿入りすることを考えていなかった。
ラオナが嫡女になったことで、子爵家のことはミニーには関係ないので、騙されたとまでは言わないが、継ぐ家がないとは思わなかったと話をしたが、お似合いだと思ったからと言われ、調べることもなかったミニーには何も言えなかった。
結局、ラオナはミニーも馬鹿にしており、テイラーと同じで自分の思うがままだと、ほくそ笑ませるだけだった。
メルトとの関係もテイラーがいなくなってから、上手くいかなくなった。
邪険にされて、継ぐ家のある他の令息と婚約してやる!と思ったが、友人の婚約者を奪ったとされ、近寄ることも出来ない。
それならば、文官でも騎士でもメルトと結婚して、責任を取って貰わないといけないと思ったが、すぐに婚約は出来ない、視線があるから一緒にいない方がいいと言われて、婚約も出来ないまま、時だけが過ぎている状態であった。
「まさか!彼女は騙されて…?知らないということですか?」
「知っていますよ」
ギリシスもであるが、宰相もこのような有様で、よく持っているとすら、シュアリアは思い始めていた。早く、エレサーレを結婚させて、代替わりさせる方がいいという気持ちを強くした。
「彼女は聡明な子です。話していて分かりませんか?知らないとするならば、ラオナの方でしょう」
「ならば、問題ないではありませんか」
「そのことで、テイラー嬢は当主の教育を受けていたのに、彼女はあっさりと譲って、子爵家も捨てたのです」
マフスも、勿論、ギリシスも、シュアリアの伝えたいことが分からなかった。
「当主の座すら、要らないということです!」
「当主も、子爵家も捨てた方が、皇帝陛下の番になりたいと思うと思いますか?」
エレサーレも、さすがに分かっていない様子にシュアリアに付け加えた。
「働かなくていい、いい暮らしが出来るという気持ちを持つと思いますか?」
「だがな、苦労しなくていいと」
「彼女は既に皇帝宮での暮らしを知っているのですよ?何度も言っていますが、テイラー嬢は何も知らない、夢見がちな令嬢ではないのですよ?」
「…あ」
良い暮らしを望む様な令嬢だったら、始めからこのようなことにはなっていない。
元より、一度殺されている記憶があるなど、皇帝陛下が望んでいないのに、誰も嫁いで欲しいなど言えないはずだ。
竜帝国でもアイルーン・デリアの事件は、皆が知っている。
無理矢理にでも嫁がされたら、テイラーはアイルーンの記憶も、命すら盾にして、戦うだろう。彼女は既に自身の希望は達成しているのだ。
後は穏やかに暮らしたいという思いだけだろう。
テイラーは始めに嫁がないと宣言し、その後は周りが騒いでいただけで、ディオエルとテイラーの口から嫁ぐことの話すら出ていない。
4,462
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【完結】2番目の番とどうぞお幸せに〜聖女は竜人に溺愛される〜
雨香
恋愛
美しく優しい狼獣人の彼に自分とは違うもう一人の番が現れる。
彼と同じ獣人である彼女は、自ら身を引くと言う。
自ら身を引くと言ってくれた2番目の番に心を砕く狼の彼。
「辛い選択をさせてしまった彼女の最後の願いを叶えてやりたい。彼女は、私との思い出が欲しいそうだ」
異世界に召喚されて狼獣人の番になった主人公の溺愛逆ハーレム風話です。
異世界激甘溺愛ばなしをお楽しみいただければ。
間違えられた番様は、消えました。
夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※
竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。
運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。
「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」
ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。
ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。
「エルマ、私の愛しい番」
けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。
いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。
名前を失くしたロイゼは、消えることにした。
結婚十年目の夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。彼は「送り間違えた」というけれど、それはそれで問題なのでは?
ぽんた
恋愛
レミ・マカリスター侯爵夫人は、夫と政略結婚をして十年目。侯爵夫人として、義父母の介護や領地経営その他もろもろを完ぺきにこなしている。そんなある日、王都に住む夫から「結婚契約更新書」なるものが届いた。義弟を通じ、夫を追求するも夫は「送り間違えた。ほんとうは金を送れというメモを送りたかった」という。レミは、心から思った。「それはそれで問題なのでは?」、と。そして、彼女の夫にたいするざまぁがはじまる。
※ハッピーエンド確約。ざまぁあり。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる