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【テイラー】謝罪
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「すまなかった……」
ディオエルは深く頭を下げて、謝罪をした。いつもなら、何らかの返事はあったはずだが、今はできるはずもない。
「痛かっただろう……こんなことになって、本当にすまなかった」
そう言いながら、ディオエルの目から再び、涙がぽろぽろと零れていた。本当は撫でたり、触れたかったが、それはしてはならぬと律していた。
その姿にこんな形で、テイラーに会うことになるなんて思っていなかったナナリーは、思うところは沢山あったが、ルーベンスがディオエルを連れて来た理由が理解ができた。
ナナリーは、ルーベンスが血だらけのテイラーを大事そうに抱えて帰って来た時は、発狂した。
何度も見に行っていたあの子が、どうしてこんなことになったのか。
ぐったりとして意識のない様子に、最悪の想定ができた。アイルーンがデリア侯爵邸に戻って来た時の光景がよみがえってしまった。
しかも、アイルーンは殺されていた。
そう聞いた時のナナリーの怒りは、人生で一番であった。そして、それを超えることはないと、今日まで思っていた。
どうして、アイルーンも自分で選んだわけでもないことで殺され、テイラーも傷付けられた。
犯人は、また竜帝国のアイルーンにも辛く当たっていた男が、足を引っ掛けてこのようなことになったと聞いた時には、殺してやると呟いていた。
しかも、ギリシス国王陛下も関与していると聞いた時は、信じられない思いだった。確かに頼りない国王だった、それでも王妃がいるからこそ、どうにかなっているという認識であった。
ナナリーはシュアリアとも交流があり、ギリシスの考えに憤りを感じていることも聞いていた。
今回もきっとシュアリアを内緒で、勝手に動いたのだろう。
その間、テイラーの元へは侍医も、王宮からも医師がやって来て、ベルサートも慌てて帰って来たが、ナナリーは何もできない自分に腹が立った。
手を握り、ただ側にいることしかできなかった。
こんなことなら、ルーベンスがあの子の人生を歩ませてあげたいという気持ちを無視して、デリア侯爵邸で囲ってしまえば、こんなことにならなかった。
私が絶対にそんな真似をさせなかった。
皇帝陛下にはアイルーンをどうして大事にしてくれなかったのか、どうして気付かなかったのかと、許せない思いだったが、ルーベンスから反省しており、テイラーを妃にしたいとは思っていないこと、望むこともしないと聞いていた。
そして、目の前の姿は嘘偽りはないと感じた。
「彼女の症状を聞いてもいいだろうか」
「聞かせてやってくれ」
ルーベンスは侍医に向き直って、頷いた。
「はい。頭を強く打っており、傷口は縫いましたが、外傷だけではなく、脳内にも出血している可能性が高いと思われ、目覚めないのだと思われます」
「っ」
「頭と同時に耳も打っている可能性もあり、問題があるかもしれませんが、目覚めないと判断がつきません。腕も擦過傷には薬を塗り、折れているとも思われるため、現在固定をしております」
大袈裟ではなく、本当に満身創痍の状態であった。
「痛みはあるのだろうか」
「あると思いますが、どうお感じになられているかは分かりません」
「そうか……」
今、テイラーがどういった状態であるかは彼女にしか分からない。痛いのか、苦しいのか、悲しいのか、代われるものなら、すぐに代わりたい。
「目覚めるのを待つしかないのだな?」
「はい」
そんな話をしていると、薄っすらとテイラーの瞼が動いた。
「テイラー!」
一番に気付いたのは、ナナリーだった。その声のする方へテイラーが目をやると、いたのは今にも泣きそうなナナリーだった。
思わず、使い慣れた呼び方を発していた。
「お義姉様……」
ナナリーはその言葉に、一気に涙が零れた。
ディオエルは深く頭を下げて、謝罪をした。いつもなら、何らかの返事はあったはずだが、今はできるはずもない。
「痛かっただろう……こんなことになって、本当にすまなかった」
そう言いながら、ディオエルの目から再び、涙がぽろぽろと零れていた。本当は撫でたり、触れたかったが、それはしてはならぬと律していた。
その姿にこんな形で、テイラーに会うことになるなんて思っていなかったナナリーは、思うところは沢山あったが、ルーベンスがディオエルを連れて来た理由が理解ができた。
ナナリーは、ルーベンスが血だらけのテイラーを大事そうに抱えて帰って来た時は、発狂した。
何度も見に行っていたあの子が、どうしてこんなことになったのか。
ぐったりとして意識のない様子に、最悪の想定ができた。アイルーンがデリア侯爵邸に戻って来た時の光景がよみがえってしまった。
しかも、アイルーンは殺されていた。
そう聞いた時のナナリーの怒りは、人生で一番であった。そして、それを超えることはないと、今日まで思っていた。
どうして、アイルーンも自分で選んだわけでもないことで殺され、テイラーも傷付けられた。
犯人は、また竜帝国のアイルーンにも辛く当たっていた男が、足を引っ掛けてこのようなことになったと聞いた時には、殺してやると呟いていた。
しかも、ギリシス国王陛下も関与していると聞いた時は、信じられない思いだった。確かに頼りない国王だった、それでも王妃がいるからこそ、どうにかなっているという認識であった。
ナナリーはシュアリアとも交流があり、ギリシスの考えに憤りを感じていることも聞いていた。
今回もきっとシュアリアを内緒で、勝手に動いたのだろう。
その間、テイラーの元へは侍医も、王宮からも医師がやって来て、ベルサートも慌てて帰って来たが、ナナリーは何もできない自分に腹が立った。
手を握り、ただ側にいることしかできなかった。
こんなことなら、ルーベンスがあの子の人生を歩ませてあげたいという気持ちを無視して、デリア侯爵邸で囲ってしまえば、こんなことにならなかった。
私が絶対にそんな真似をさせなかった。
皇帝陛下にはアイルーンをどうして大事にしてくれなかったのか、どうして気付かなかったのかと、許せない思いだったが、ルーベンスから反省しており、テイラーを妃にしたいとは思っていないこと、望むこともしないと聞いていた。
そして、目の前の姿は嘘偽りはないと感じた。
「彼女の症状を聞いてもいいだろうか」
「聞かせてやってくれ」
ルーベンスは侍医に向き直って、頷いた。
「はい。頭を強く打っており、傷口は縫いましたが、外傷だけではなく、脳内にも出血している可能性が高いと思われ、目覚めないのだと思われます」
「っ」
「頭と同時に耳も打っている可能性もあり、問題があるかもしれませんが、目覚めないと判断がつきません。腕も擦過傷には薬を塗り、折れているとも思われるため、現在固定をしております」
大袈裟ではなく、本当に満身創痍の状態であった。
「痛みはあるのだろうか」
「あると思いますが、どうお感じになられているかは分かりません」
「そうか……」
今、テイラーがどういった状態であるかは彼女にしか分からない。痛いのか、苦しいのか、悲しいのか、代われるものなら、すぐに代わりたい。
「目覚めるのを待つしかないのだな?」
「はい」
そんな話をしていると、薄っすらとテイラーの瞼が動いた。
「テイラー!」
一番に気付いたのは、ナナリーだった。その声のする方へテイラーが目をやると、いたのは今にも泣きそうなナナリーだった。
思わず、使い慣れた呼び方を発していた。
「お義姉様……」
ナナリーはその言葉に、一気に涙が零れた。
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