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【テイラー】連絡
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「イオリクに嘘を付く利点も理由があっても、彼女には嘘を付く利点も理由もない」
「その通りです」
「それで、助けようともせず、馬鹿だ?お前が抵抗するのが悪い?大袈裟な振りをするな?」
「はい……」
皆が一番、人として信じられなかったのは、イオリクが怪我をさせて、血を流す相手に言った言葉であった。
「人とは思えません」
「ああ……だが、人として真っ当に裁く」
「はい」
その言葉にテイラーの意志を、絶対に叶えるという強い気持ちを感じた。
それだけで済ませないとしても、満身創痍で命の危機のあるテイラーの言葉は、誰しもが胸が苦しかった。だが、ディオエルにとっては最愛の番の言葉となる。
ディオエルに叶えない選択肢はないだろう。
「落ち着いてからになると思いますが、デリア侯爵が到着してからは証言をしてくれると思います」
「ああ、そうだな。連絡は、ないか?」
力強い言葉から一変して、テイラーの状況を聞く声は酷く心細さを感じた。
「はい、まだございません」
「そうか」
連絡がないことは良いことなのか、悪いことなのか。重苦しい気持ちであることだけは、間違いなかった。
「側近を外されましたかと、あったな」
テイラーの声はイオリクのように大声ではなかったので、全ては聞こえなかったが、その部分は聞こえていた。
「はい」
「鋭いな」
「はい、私もそう思いました」
「だから、手柄を立てたくて、焦ってやって来たと思ったのだろうな」
「テイラー嬢は、イオリク様を警戒していたでしょうからね」
「それなら、どうして会ったりなんかしたんだ……」
その言葉はテイラーを責めるような言葉ではなく、叶うなら時間を戻したいというような悲しみに溢れていた。
「ホテルに、迷惑を掛けたくなかったのかもしれません。今の彼女の大切な場所でしょうから」
「ああ、そうだな」
もちろん、ホテルという場所から、スタッフが洩らすようなことはしないだろうが、国際問題になる可能性もあるからと、箝口令を敷いた。
スタッフもテイラーの病状を心配しており、野暮なことを突っ込んで聞いて来るようなことはなかったそうだ。
そこへ連絡係として派遣していた騎士が、戻って来た。
シュアリアは慌てて駆け寄り、思わず息をのんだ。
「何か、あった?」
「いいえ、変わりないことをお伝えに参りました」
「そう……良かった、ではないわね」
シュアリアは、現状に何が正解なのか分からなくなっていた。
「眠ったままかしら?」
「はい、あれからは起きることはないそうです」
「そう、ごくろうさま」
悪く変化があるよりも、眠ったままの方がいい。
「何もなければ五時間交代で、張り付いておりますので」
「私は何も指示していなかったわね。配慮してくれたのね、ありがとう」
「いいえ、当然のことです」
騎士は頭を下げて去って行き、シュアリアは信頼のできる騎士たちに状況を話しており、優秀な騎士たちはシュアリアに指示されずとも、一定時間で交代するようにしてくれていたようだ。
「デリア侯爵邸に行かせていた連絡係でした」
その瞬間、ディオエルは立ち上がっていた。
「変わりないそうです」
「そうか」
ディオエルは立ったままだったが、シュアリアと同じ気持ちだったのだろう。
本当なら、『もう大丈夫だ』という言葉を聞きたい。だが、予断を許さない状況、しかも頭であることから、目に見える傷とは違う。
「派遣している医師をこちらに一度、戻して、別の者を派遣して参ります。詳しい病状も聞けると思いますので」
シュアリアは騎士の話を聞いて、別の医師にデリア侯爵邸に行かせて、戻って来た医師に話を聞いて、休ませようと思い至った。
「ああ、頼む」
シュアリアが指示を出し、戻って来て、これからどうするかという話をしようと思っていたところに、王妃陛下と呼びながら、扉を叩く音がした。
テイラーに何かあったのかと、思わず皆が立ち上がっていた。
「その通りです」
「それで、助けようともせず、馬鹿だ?お前が抵抗するのが悪い?大袈裟な振りをするな?」
「はい……」
皆が一番、人として信じられなかったのは、イオリクが怪我をさせて、血を流す相手に言った言葉であった。
「人とは思えません」
「ああ……だが、人として真っ当に裁く」
「はい」
その言葉にテイラーの意志を、絶対に叶えるという強い気持ちを感じた。
それだけで済ませないとしても、満身創痍で命の危機のあるテイラーの言葉は、誰しもが胸が苦しかった。だが、ディオエルにとっては最愛の番の言葉となる。
ディオエルに叶えない選択肢はないだろう。
「落ち着いてからになると思いますが、デリア侯爵が到着してからは証言をしてくれると思います」
「ああ、そうだな。連絡は、ないか?」
力強い言葉から一変して、テイラーの状況を聞く声は酷く心細さを感じた。
「はい、まだございません」
「そうか」
連絡がないことは良いことなのか、悪いことなのか。重苦しい気持ちであることだけは、間違いなかった。
「側近を外されましたかと、あったな」
テイラーの声はイオリクのように大声ではなかったので、全ては聞こえなかったが、その部分は聞こえていた。
「はい」
「鋭いな」
「はい、私もそう思いました」
「だから、手柄を立てたくて、焦ってやって来たと思ったのだろうな」
「テイラー嬢は、イオリク様を警戒していたでしょうからね」
「それなら、どうして会ったりなんかしたんだ……」
その言葉はテイラーを責めるような言葉ではなく、叶うなら時間を戻したいというような悲しみに溢れていた。
「ホテルに、迷惑を掛けたくなかったのかもしれません。今の彼女の大切な場所でしょうから」
「ああ、そうだな」
もちろん、ホテルという場所から、スタッフが洩らすようなことはしないだろうが、国際問題になる可能性もあるからと、箝口令を敷いた。
スタッフもテイラーの病状を心配しており、野暮なことを突っ込んで聞いて来るようなことはなかったそうだ。
そこへ連絡係として派遣していた騎士が、戻って来た。
シュアリアは慌てて駆け寄り、思わず息をのんだ。
「何か、あった?」
「いいえ、変わりないことをお伝えに参りました」
「そう……良かった、ではないわね」
シュアリアは、現状に何が正解なのか分からなくなっていた。
「眠ったままかしら?」
「はい、あれからは起きることはないそうです」
「そう、ごくろうさま」
悪く変化があるよりも、眠ったままの方がいい。
「何もなければ五時間交代で、張り付いておりますので」
「私は何も指示していなかったわね。配慮してくれたのね、ありがとう」
「いいえ、当然のことです」
騎士は頭を下げて去って行き、シュアリアは信頼のできる騎士たちに状況を話しており、優秀な騎士たちはシュアリアに指示されずとも、一定時間で交代するようにしてくれていたようだ。
「デリア侯爵邸に行かせていた連絡係でした」
その瞬間、ディオエルは立ち上がっていた。
「変わりないそうです」
「そうか」
ディオエルは立ったままだったが、シュアリアと同じ気持ちだったのだろう。
本当なら、『もう大丈夫だ』という言葉を聞きたい。だが、予断を許さない状況、しかも頭であることから、目に見える傷とは違う。
「派遣している医師をこちらに一度、戻して、別の者を派遣して参ります。詳しい病状も聞けると思いますので」
シュアリアは騎士の話を聞いて、別の医師にデリア侯爵邸に行かせて、戻って来た医師に話を聞いて、休ませようと思い至った。
「ああ、頼む」
シュアリアが指示を出し、戻って来て、これからどうするかという話をしようと思っていたところに、王妃陛下と呼びながら、扉を叩く音がした。
テイラーに何かあったのかと、思わず皆が立ち上がっていた。
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