【完結】愛しくない、あなた

野村にれ

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【テイラー】警告

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 ギリシスは監視をしたまま、マフスを呼び出して、エイク子爵たちのことを話し、これからのことを説明した。

 マフスは驚愕の表情をした後で、すぐに頷いた。

「機会を与えていただき、心より感謝いたします。王妃陛下はどうしますか?」
「私がいない方が、あの人の本来の姿が分かるでしょう」

 シュアリアがいれば、ギリシスは本当に反省しているところが見えるだろう。そして、エイク子爵夫妻とラオナの本性も分かるというものである。

「承知いたしました」
「竜帝国側からは、誰も立ち会わなくてよろしいですか?」
「ああ」
「ディオエル様、うちの者を立ち会わせましょうか?記憶力が良いので、何を話したか確実に残せるでしょう」

 ディオエルとライシードや護衛たちは、ギリシスに顔を覚えている。だが、ライシードが連れて来た者ならば、竜帝国側の人間だとは分からない。

「そうだな、可能か?」
「もちろんでございます」

 マフスはディオエルへ深く頭を下げ、すぐに部屋を準備いたしますと出て行った。そして、準備が整い、ディオエルたちが移動してから、エイク子爵夫妻とラオナを、その部屋に案内させた。

 準備を整えてから、エイク子爵夫妻とラオナがやって来たと、ギリシスに伝えた。

「来たのか?」
「はい、呼んだのですか?」

 マフスは何も知らないという体で話を進め、手紙は既にシュアリアの手にあるが、見ていないことにした。

「話がしたいとは書いたが……」
「どうしますか?王妃陛下に判断を仰ぎますか?」
「いや、私が手紙を書いたのだから話をしよう」

 怪我をしているが、先にエイク子爵に話をしておくことは挽回のチャンスではないかと、安易に考えた。

「事件のことは勝手はできませんよ」

 ギリシスはその言葉に、さすがにこれ以上、ディオエルを刺激してはならないとは分かり、言葉に詰まった。

「……それはそうだな、まだ具合は分からないのか?」
「危険な状態だと聞きましたでしょう」
「だが、医師も向かわせたのだから」
「打ったのは頭だと聞いております。医師でも難しいこともあります」
「だが、毒や刺されたわけでもないのに」

 マフスはまだ危険な状況だと聞いており、ギリシスにも大変危険な状態だと伝えていたはずなのに、どうして楽観視できるのか疑問であった。

「それを皇帝陛下の前で言えますか?」
「っな」
「きちんと考えてからお話しくださいと、何度申し上げればいいのですか。それで、いかがしますか?皇帝陛下に許可を得ますか?」
「いや、皇帝陛下には言わないでくれ……」
「また勝手をする気ですか?既に問題になっている状況ですよ」

 マフスもギリシスに見切りをつけ、皇帝陛下の判断に任せた方がいいだろうと思っていた。

 だからこそ、不利な状況でも竜帝国の指示に従うことこそが、助かる道だと考えていた。だが、ギリシスが何を言い、エイク子爵側が何を言い出すかは、関係ないとは言えないために、危機感は煽ることにした。

「だが、いずれは話さなくてはならないことだろう」
「妃にはならないのに、縁を切っている相手にですか?」
「だから、それを説得させればいいではないか」
「それがこのような事件を引き越して、陛下は今、共犯者とされているのですよ?イオリク様はもう落ちていくだけです。命があるかも分かりませんからね、助けてはもらえませんよ」
「それは……」

 ギリシスには、もう味方はいない。自分の責任は自分で取るしかない。

「アイルーン様を殺した方は処刑されましたでしょう。手紙を出したのは陛下ですから、会うことは止めませんが、言葉一つ一つに、責任を持って話してください。いいですね?」
「分かっている」

 そして、ギリシスとマフス、そして二人の男性を連れて、エイク子爵夫妻とラオナが待つ部屋に向かった。


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本日もお読みいただきありがとうございます。

本日は1日2話、投稿させていただきます。
いつもの17時に、もう1話投稿します。

どうぞよろしくお願いいたします。
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