171 / 344
【テイラー】エイク子爵1
しおりを挟む
ギリシスが入室すると、ソラードとフアナはすぐに立ち上がって頭を下げたが、ラオナは座ったまま、ぺこりと頭を下げるだけであった。
「ラオナッ!」
「え?」
「立ちなさい」
ソラードはラオナの腕を掴んで立たせて、頭を下げさせたが、何も分かっていない様子で、一目で教育がなっていないことを証明した。
「頭を上げて、座ってくれ。エイク子爵、わざわざ来てもらってすまなかったな」
「いえ、こちらもお約束もなく押し掛けてしまい、申し訳ございません」
ギリシスからの手紙に驚き、フアナにどうしたらいいかと二人で慌て、どうしてもお会いしたいと押し掛けはしたが、ソラードは低姿勢で謝罪した。
「それで、お姉様が皇帝の番って本当なんですか!」
ソラードが緊張の面持ちで、話していると、ラオナが髪の毛の指先で遊びながら、ハッと思い出したように言い始めた。
「子爵、随分な娘だな。黙らせてくれるか?」
「申し訳ございません!ラオナ、黙っていなさい」
「どうしてよ!付いてきた意味がないじゃない!」
ラオナは遠くからしか見たことのないギリシスに、敬意もだが、恐怖も感じていなかった。
「国王陛下に勝手に話し掛けていいと思っているのか!」
「え?じゃあどうやって話すのよ。お父様、馬鹿じゃないの!」
ギリシスはラオナの様子に、あまりに礼儀のなっていない娘に、驚いた。
テイラーの違う意味では礼儀はなっていなかったが、そこには理由があった。
だがラオナはどうだ?見た目も派手で、濃い化粧もしている。ただ単に礼儀のなっていない娘であり、どうして連れて来たのかとすら思った。
ソラードとフアナは、真っ青な顔をしており、フアナはギリシスに声を掛けられていないために、話すことができない。
「礼儀のなっていない娘だな!黙れ!」
「申し訳ございません」
怒号と両親が真っ青な顔で頭を下げる姿に、さすがにラオナも不味いと思い、不貞腐れたように黙った。
「宰相、私は子爵と話す。夫人と娘は別の部屋で待機してもらえ」
「承知しました」
このまま一緒に話すのは面倒であり、夫人と共に追い出すことにした。
マフスはフアナ夫人とラオナを別室に案内し、そちらで終わるまで待つように、監視も置いた。ラオナは何か言いたそうにしていたが、フアナが睨み付けており、冷たい雰囲気に出て行くしかなかった。
「申し訳ございませんでした」
「あれが後継者なのだろう?」
「考えなくてはならないと思っております」
ソラードとフアナも、テイラーが出て行き、ラオナが自分しかいないと言うことを逆手に取って、後継者教育が進んでいないことには困っている状態だった。
テイラーがいた頃から我儘なところはあったが、自分が後継者になると言ったにも関わらず、いつも明日はちゃんとやるからと言いながら、真面目に受けない。
どうにかなると考えているのだろうが、そんな簡単なことではない。
婚約者のジイシーの家であるマイソー子爵にも、後継者教育を本当にしているのか、大丈夫なのかと問われ、今後のことも考えると言われている。
ラオナにも、きちんとしないのなら考えがある、マイソー子爵家からも言われているとも伝えたが、ラオナは本気で受け取っていなかった。
「それがいい。それで、テイラーのことだ」
「はい……あの、皇帝陛下の番だというのは事実なのでしょうか」
「ああ、そうだ」
「ですが、皇帝陛下の番様はお亡くなりになっているはずではありませんか」
アイルーン・デリアのことは、病死ではなく殺されたことで、再度、認識されたこともあり、当時を知らなかった者も、知ることになった。
ソラードは夜会のことなどは知らず、ましてやテイラーが番だと書かれており、間違っているのではないかという確認のためにやって来たのである。
「ラオナッ!」
「え?」
「立ちなさい」
ソラードはラオナの腕を掴んで立たせて、頭を下げさせたが、何も分かっていない様子で、一目で教育がなっていないことを証明した。
「頭を上げて、座ってくれ。エイク子爵、わざわざ来てもらってすまなかったな」
「いえ、こちらもお約束もなく押し掛けてしまい、申し訳ございません」
ギリシスからの手紙に驚き、フアナにどうしたらいいかと二人で慌て、どうしてもお会いしたいと押し掛けはしたが、ソラードは低姿勢で謝罪した。
「それで、お姉様が皇帝の番って本当なんですか!」
ソラードが緊張の面持ちで、話していると、ラオナが髪の毛の指先で遊びながら、ハッと思い出したように言い始めた。
「子爵、随分な娘だな。黙らせてくれるか?」
「申し訳ございません!ラオナ、黙っていなさい」
「どうしてよ!付いてきた意味がないじゃない!」
ラオナは遠くからしか見たことのないギリシスに、敬意もだが、恐怖も感じていなかった。
「国王陛下に勝手に話し掛けていいと思っているのか!」
「え?じゃあどうやって話すのよ。お父様、馬鹿じゃないの!」
ギリシスはラオナの様子に、あまりに礼儀のなっていない娘に、驚いた。
テイラーの違う意味では礼儀はなっていなかったが、そこには理由があった。
だがラオナはどうだ?見た目も派手で、濃い化粧もしている。ただ単に礼儀のなっていない娘であり、どうして連れて来たのかとすら思った。
ソラードとフアナは、真っ青な顔をしており、フアナはギリシスに声を掛けられていないために、話すことができない。
「礼儀のなっていない娘だな!黙れ!」
「申し訳ございません」
怒号と両親が真っ青な顔で頭を下げる姿に、さすがにラオナも不味いと思い、不貞腐れたように黙った。
「宰相、私は子爵と話す。夫人と娘は別の部屋で待機してもらえ」
「承知しました」
このまま一緒に話すのは面倒であり、夫人と共に追い出すことにした。
マフスはフアナ夫人とラオナを別室に案内し、そちらで終わるまで待つように、監視も置いた。ラオナは何か言いたそうにしていたが、フアナが睨み付けており、冷たい雰囲気に出て行くしかなかった。
「申し訳ございませんでした」
「あれが後継者なのだろう?」
「考えなくてはならないと思っております」
ソラードとフアナも、テイラーが出て行き、ラオナが自分しかいないと言うことを逆手に取って、後継者教育が進んでいないことには困っている状態だった。
テイラーがいた頃から我儘なところはあったが、自分が後継者になると言ったにも関わらず、いつも明日はちゃんとやるからと言いながら、真面目に受けない。
どうにかなると考えているのだろうが、そんな簡単なことではない。
婚約者のジイシーの家であるマイソー子爵にも、後継者教育を本当にしているのか、大丈夫なのかと問われ、今後のことも考えると言われている。
ラオナにも、きちんとしないのなら考えがある、マイソー子爵家からも言われているとも伝えたが、ラオナは本気で受け取っていなかった。
「それがいい。それで、テイラーのことだ」
「はい……あの、皇帝陛下の番だというのは事実なのでしょうか」
「ああ、そうだ」
「ですが、皇帝陛下の番様はお亡くなりになっているはずではありませんか」
アイルーン・デリアのことは、病死ではなく殺されたことで、再度、認識されたこともあり、当時を知らなかった者も、知ることになった。
ソラードは夜会のことなどは知らず、ましてやテイラーが番だと書かれており、間違っているのではないかという確認のためにやって来たのである。
4,123
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
間違えられた番様は、消えました。
夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※
竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。
運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。
「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」
ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。
ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。
「エルマ、私の愛しい番」
けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。
いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。
名前を失くしたロイゼは、消えることにした。
王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
悪女と呼ばれた死に戻り令嬢、二度目の人生は婚約破棄から始まる
冬野月子
恋愛
「私は確かに19歳で死んだの」
謎の声に導かれ馬車の事故から兄弟を守った10歳のヴェロニカは、その時に負った傷痕を理由に王太子から婚約破棄される。
けれど彼女には嫉妬から破滅し短い生涯を終えた前世の記憶があった。
なぜか死に戻ったヴェロニカは前世での過ちを繰り返さないことを望むが、婚約破棄したはずの王太子が積極的に親しくなろうとしてくる。
そして学校で再会した、馬車の事故で助けた少年は、前世で不幸な死に方をした青年だった。
恋や友情すら知らなかったヴェロニカが、前世では関わることのなかった人々との出会いや関わりの中で新たな道を進んでいく中、前世に嫉妬で殺そうとまでしたアリサが入学してきた。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
砕けた愛
篠月珪霞
恋愛
新婚初夜に男に襲われた公爵令嬢エヴリーヌは、不義密通の罪を被せられた。反逆罪に問われた彼女の一族は処刑されるが、気付くと時間が巻き戻っていた。
あなたへの愛? そんなものとうに、砕け散ってしまいました。
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる