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トドック男爵令嬢2
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両親には働くなら全力で働きたいなどと話したが、働くつもりはなかった。
あんな中身のない会話しか出来ない令嬢たちが、高位貴族の夫人になるよりも、私がその立場に就いた方がこの国のためになる。
自分が男爵令嬢であることが変わらないのなら、夫の爵位が相応しければいい。
両親には子爵家で喜んでいたが、そんなのでは足りない。
それからは殿下にお手伝いするのにと思いながら、日々を過ごしていたが、思い切って手伝いを申し出ることにした。
だが、殿下は遠慮してなのか、受け入れては貰えず、積極的にならないといけないかもしれないと感じるようになっていた。
オマリーはもう一度、手伝いをしたいと申し出ることにした。
優遇して欲しいのかと問われて、ドキリとはしたが、口に出すわけにはいかない。まだ男爵令嬢なのだから、控えめにすることは、自分で決めた処世術だった。
それならばと、人がいない時や、通りかかる際に殿下の机もよく見ていた。そして、達筆な文字で書かれていたが、ヴァイオリンと書かれたメモを見付けた。
コーランド王国では、大規模な音楽祭も行われることから、歴史的なヴァイオリンが使われるのかもしれない。
ヴァイオリンの歴史は古く、楽器としてだけではなく、様々なエピソードがある。ゆえに殿下は辞書なども用いていたのではないか。
オマリーは楽器としてのヴァイオリンの作りを重点には置かず、歴史やエピソードをまとめて、殿下に渡した。全てではないが、我ながら上手く纏められた。
殿下は不思議そうな顔をしていたが、驚かれて当然だと思った。本当なら『どうして分かったんだ?助かるよ、ありがとう』と言って貰いたかったが、勝手にしたことなので仕方ないと受け入れた。
だが資料を受け取っても貰えたことで、やはり間違っていなかったと手ごたえを感じていた。
きっとこれからは頼ってくれるようになるはずだと思っていたが、その後に声を掛けられることはなかった。
殿下は立場上もあるが、機密のこともあるようなことを言っていたから、頼むことは出来ないのだろう。ならば、私は先回りをして、手伝いをすればいい。
そう思っていた。
いつ声を掛けて貰えてもいいようにと思っていたが、殿下はその後、生徒会室で何か調べているような姿を見掛けることはなかった。きっと調べる作業は終わったのだと、私が力になれたのだと、嬉しく思っていた。
しばらくして、王家から『振り返る女』のモデルについて発表があり、最初は凄いとしか思っていなかった。殿下が皆にお祝いの言葉を言われている姿を、よく見掛けるようになった。
その姿を、たまたま横にいたクラスメイトに訊ねた。
『殿下が関わっているのですか?』
『解読は王家の管轄だから、そうじゃないかな。知らないけど』
クラスメイトは何の事情も知らない、子爵令息であった。
『王家のですか?』
『数年前に地下から文献が見付かり、王家が解読を進めているってあっただろう?もしかしたら、その中に今回の文献もあったんじゃないかな?』
『殿下が調べていらしたということですか?』
『可能性は高いんじゃないか?』
殿下が調べていたのは、モデルについてだったのだと驚愕することになった。
自分が『振り返る女』に関わることになっていたなんてと、オマリーの胸の高鳴りは最高潮になった。
歌い手だったから、ヴァイオリンが関わっていたのだろうと、勝手に結び付けた。殿下からいずれお礼を言われると思っていたが、殿下から資料について話し掛けてくれることはなかった。
中身を認められたい、評価して欲しいが、自分から言うのは褒められたいようで、嫌だった。だから、堪らない気持ちになって、内緒だと言って、クラスメイトの令息に手伝ったことを話した。
あんな中身のない会話しか出来ない令嬢たちが、高位貴族の夫人になるよりも、私がその立場に就いた方がこの国のためになる。
自分が男爵令嬢であることが変わらないのなら、夫の爵位が相応しければいい。
両親には子爵家で喜んでいたが、そんなのでは足りない。
それからは殿下にお手伝いするのにと思いながら、日々を過ごしていたが、思い切って手伝いを申し出ることにした。
だが、殿下は遠慮してなのか、受け入れては貰えず、積極的にならないといけないかもしれないと感じるようになっていた。
オマリーはもう一度、手伝いをしたいと申し出ることにした。
優遇して欲しいのかと問われて、ドキリとはしたが、口に出すわけにはいかない。まだ男爵令嬢なのだから、控えめにすることは、自分で決めた処世術だった。
それならばと、人がいない時や、通りかかる際に殿下の机もよく見ていた。そして、達筆な文字で書かれていたが、ヴァイオリンと書かれたメモを見付けた。
コーランド王国では、大規模な音楽祭も行われることから、歴史的なヴァイオリンが使われるのかもしれない。
ヴァイオリンの歴史は古く、楽器としてだけではなく、様々なエピソードがある。ゆえに殿下は辞書なども用いていたのではないか。
オマリーは楽器としてのヴァイオリンの作りを重点には置かず、歴史やエピソードをまとめて、殿下に渡した。全てではないが、我ながら上手く纏められた。
殿下は不思議そうな顔をしていたが、驚かれて当然だと思った。本当なら『どうして分かったんだ?助かるよ、ありがとう』と言って貰いたかったが、勝手にしたことなので仕方ないと受け入れた。
だが資料を受け取っても貰えたことで、やはり間違っていなかったと手ごたえを感じていた。
きっとこれからは頼ってくれるようになるはずだと思っていたが、その後に声を掛けられることはなかった。
殿下は立場上もあるが、機密のこともあるようなことを言っていたから、頼むことは出来ないのだろう。ならば、私は先回りをして、手伝いをすればいい。
そう思っていた。
いつ声を掛けて貰えてもいいようにと思っていたが、殿下はその後、生徒会室で何か調べているような姿を見掛けることはなかった。きっと調べる作業は終わったのだと、私が力になれたのだと、嬉しく思っていた。
しばらくして、王家から『振り返る女』のモデルについて発表があり、最初は凄いとしか思っていなかった。殿下が皆にお祝いの言葉を言われている姿を、よく見掛けるようになった。
その姿を、たまたま横にいたクラスメイトに訊ねた。
『殿下が関わっているのですか?』
『解読は王家の管轄だから、そうじゃないかな。知らないけど』
クラスメイトは何の事情も知らない、子爵令息であった。
『王家のですか?』
『数年前に地下から文献が見付かり、王家が解読を進めているってあっただろう?もしかしたら、その中に今回の文献もあったんじゃないかな?』
『殿下が調べていらしたということですか?』
『可能性は高いんじゃないか?』
殿下が調べていたのは、モデルについてだったのだと驚愕することになった。
自分が『振り返る女』に関わることになっていたなんてと、オマリーの胸の高鳴りは最高潮になった。
歌い手だったから、ヴァイオリンが関わっていたのだろうと、勝手に結び付けた。殿下からいずれお礼を言われると思っていたが、殿下から資料について話し掛けてくれることはなかった。
中身を認められたい、評価して欲しいが、自分から言うのは褒められたいようで、嫌だった。だから、堪らない気持ちになって、内緒だと言って、クラスメイトの令息に手伝ったことを話した。
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