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反省
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「楽をしていると思われているのではないかしら」
「一度、体験すれば違いますでしょうか」
「そうね、良いところだけ見えているのでしょうからね」
オーバンも公爵令嬢で、出来て当たり前の立場であった。
羨ましがられることも多かったが、厳しい目で見られることも、ヨルレアンの言う言葉は痛いほど分かった。
「そうえば、ヴァイオリンはどういうことだったのだい?ヨルレアン嬢が書いた物だったのか?」
「推測ではありますが、殿下にオールエドリレットと、ビリズ語で書いて渡しましたの。殿下、机に置いていませんでしたか?」
「ああ…置いていたかもしれない」
最初の頃は見ながら、調べていたので、もしかしたら置いていたかもしれないと、エルドールも思った。だが、いつ置いていたかまでは覚えていなかった。
「それを見たとしたら、ビリズ語とは気付かず、ルエール語で筆記体の一部だけを読めば、ヴァイオリンに似ているのではないかと思ったのです」
メモを見たということから、そういえば私も渡したと思い出し、文字を考えていたら、そうではないかと思い至ったのである。
ただ、文字への類まれなる知識のあるヨルレアンだからこそ、そのような見解になったのである。
「ヨルレアン嬢でなければ、思い至らぬことだな。だが、そもそもビリズ語が分からないのではないか?」
ビリズ語は二年生の内は、学園で習うことはない。三年生になっても選択教科としてあり、選べば学ぶことが出来ることになっている。
ヨルレアンは勿論だが、エルドールも既に会得している。
「まさか、殿下が優秀だとおっしゃっていましたから、それはないでしょう」
「いや、可能性は高いかもしれない…今となってはその言葉も、取り消したい…」
「まあ!私はてっきり、筆記体だからと思っておりましたわ」
「すまない…」
エルドールはまた傲慢極まりなかった日に戻って、自分を殴りつけてやりたいと思うことになった。
「エルドールは反省しろ!」
「はい…」
色々と弁解したいところだったが、エルドールも今ではないと察した。
「それで、ヨルレアン嬢、母君は大丈夫だろうか?」
「ええ、報告は行われているでしょうけど、これで終われば大丈夫だと思います。私もついカッとなって、両陛下に押し掛けてしまい、申し訳ございませんでした」
ヨルレアンは座ったままではあるが、頭を下げた。
「いや、そのようなことはない。当然のことだ」
「私がデザールおじ様と共にやり遂げたのに思ってしまい、無性に腹が立ちましたの」
「当たり前よ!」
「でも押し掛けたのは良くなかったと、反省しました」
「いや、いつでも王家は訪問を歓迎する」
「ありがとうございます」
ヨルレアンがルエルフ王国の第一王女であり、解読に多大なる貢献をしていることもあるが、ヨルレアンにはルエルフ王国に住まうという選択肢もあるからが大きい。
ヨルレアンは、祖父であるレオドラ・オズラール公爵の遺志を継ぐために、こちらに残っている。
だが、ルエルフ王国でも続けられないことではない。
縛り付けるためではなかったが、エルドールとの婚約はレオドラも認めたことで、それならばとルアサーラ女王陛下も認めたのである。
ただ、エルドールもヨルレアンもお互いに王族という立場で、厳しい教育を受けており、頻繁に会うような時間ではなかった。
それでも時折は茶会や食事会などに呼ばれて、二人は会っていたが、どんな勉強をしているかということが、いつもの話題であった。
そして、学園に入ってヨルレアンは見付かった文献で解読に忙しく、エルドールは生徒会長になったことで、妙な責任感を持つようになっていた。
それがあの日のエルドールの理不尽な言葉に繋がる。
「ヨルレアン嬢、今一度、申し訳なかった…」
「もういいですわ」
しょんぼりしたエルドールに、様子のおかしいオマリー・トドックに、さすがにヨルレアンも責める気にはなれなかった。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
旧年中はお世話になりました
今年もよろしくお願いいたします
まだ続きますので、
お付き合いしてくださると嬉しいです。
「一度、体験すれば違いますでしょうか」
「そうね、良いところだけ見えているのでしょうからね」
オーバンも公爵令嬢で、出来て当たり前の立場であった。
羨ましがられることも多かったが、厳しい目で見られることも、ヨルレアンの言う言葉は痛いほど分かった。
「そうえば、ヴァイオリンはどういうことだったのだい?ヨルレアン嬢が書いた物だったのか?」
「推測ではありますが、殿下にオールエドリレットと、ビリズ語で書いて渡しましたの。殿下、机に置いていませんでしたか?」
「ああ…置いていたかもしれない」
最初の頃は見ながら、調べていたので、もしかしたら置いていたかもしれないと、エルドールも思った。だが、いつ置いていたかまでは覚えていなかった。
「それを見たとしたら、ビリズ語とは気付かず、ルエール語で筆記体の一部だけを読めば、ヴァイオリンに似ているのではないかと思ったのです」
メモを見たということから、そういえば私も渡したと思い出し、文字を考えていたら、そうではないかと思い至ったのである。
ただ、文字への類まれなる知識のあるヨルレアンだからこそ、そのような見解になったのである。
「ヨルレアン嬢でなければ、思い至らぬことだな。だが、そもそもビリズ語が分からないのではないか?」
ビリズ語は二年生の内は、学園で習うことはない。三年生になっても選択教科としてあり、選べば学ぶことが出来ることになっている。
ヨルレアンは勿論だが、エルドールも既に会得している。
「まさか、殿下が優秀だとおっしゃっていましたから、それはないでしょう」
「いや、可能性は高いかもしれない…今となってはその言葉も、取り消したい…」
「まあ!私はてっきり、筆記体だからと思っておりましたわ」
「すまない…」
エルドールはまた傲慢極まりなかった日に戻って、自分を殴りつけてやりたいと思うことになった。
「エルドールは反省しろ!」
「はい…」
色々と弁解したいところだったが、エルドールも今ではないと察した。
「それで、ヨルレアン嬢、母君は大丈夫だろうか?」
「ええ、報告は行われているでしょうけど、これで終われば大丈夫だと思います。私もついカッとなって、両陛下に押し掛けてしまい、申し訳ございませんでした」
ヨルレアンは座ったままではあるが、頭を下げた。
「いや、そのようなことはない。当然のことだ」
「私がデザールおじ様と共にやり遂げたのに思ってしまい、無性に腹が立ちましたの」
「当たり前よ!」
「でも押し掛けたのは良くなかったと、反省しました」
「いや、いつでも王家は訪問を歓迎する」
「ありがとうございます」
ヨルレアンがルエルフ王国の第一王女であり、解読に多大なる貢献をしていることもあるが、ヨルレアンにはルエルフ王国に住まうという選択肢もあるからが大きい。
ヨルレアンは、祖父であるレオドラ・オズラール公爵の遺志を継ぐために、こちらに残っている。
だが、ルエルフ王国でも続けられないことではない。
縛り付けるためではなかったが、エルドールとの婚約はレオドラも認めたことで、それならばとルアサーラ女王陛下も認めたのである。
ただ、エルドールもヨルレアンもお互いに王族という立場で、厳しい教育を受けており、頻繁に会うような時間ではなかった。
それでも時折は茶会や食事会などに呼ばれて、二人は会っていたが、どんな勉強をしているかということが、いつもの話題であった。
そして、学園に入ってヨルレアンは見付かった文献で解読に忙しく、エルドールは生徒会長になったことで、妙な責任感を持つようになっていた。
それがあの日のエルドールの理不尽な言葉に繋がる。
「ヨルレアン嬢、今一度、申し訳なかった…」
「もういいですわ」
しょんぼりしたエルドールに、様子のおかしいオマリー・トドックに、さすがにヨルレアンも責める気にはなれなかった。
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