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話し合い5
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「確かに私たちも直系の血筋ではあるわ」
二百年近く前、今でも小競り合いはあるが、まだ大きな戦争があった時代。
王太子が指揮を執って出陣し、その間に国王陛下が亡くなった。王太子の安否も不明、誰が国の指揮を執るか、決断を迫られる状況で、新たにホワイトア公爵を賜る予定の弟が、一時的に指揮を執ることになった。
だが、いつになっても王太子は戻って来ない、このような状況で王が不在では問題だと、弟が王となることとなった。
しかし王太子は生きて戻って来た。弟の方も復興や国を守るために頑張っていた。弟は自身があるべき場所に戻るつもりだったが、王太子は混乱を招くだろうから、そのまま弟を王とした。
そして、自身がホワイトア公爵になると決めるも、一緒に出陣した者たちは納得しなかった、王太子こそ相応しいと、だが王太子はもし愚かな真似をするようなら、その時、引きずり降ろせばいいと納得させた。
ゆえに、王位継承権は国王の子、王家にいる王のきょうだいとはなるが、王家から出る場合はほぼ全員が王位継承権を放棄する。今代で言えばカトリーヌが嫁ぐ際に放棄している。そして、次はホワイトア公爵家となる。
ホワイトア公爵家も子が学園に入ると親は王位継承権を放棄する。だから、現在王位継承権はリオンが2位、マーガレットが3位となっている。
これがホワイトア公爵家の歴史である。ブラックア公爵家の方が歴史は古い。
「今まで、愚かな王はいなかったから、引きずり降ろされることはなかった」
「私がそうなるとでも言いたいの!」
「あなた、誰かに降りろと言われた?」
「言われてないわ。でも教師も溜息ばかりで、やる気が感じられないのよ」
「やる気のない者に教えるのに、やる気が出るわけないじゃない。先生方も同じ人間なのですよ」
「っな、やる気はあるわ…」
「あなたはその場限り、やっている振り、真面目に受けていないわよね?字だって上手くなったのかしら?」
「…っ」
字はほんのわずか改善は見られるが、初めて見る人にとっては字が汚いことは変わらず、前と大差のない状態である。
「あと、試験結果、割増されているのは気付いてる?」
「アウラージュ!」
陛下は驚いて思わず声を上げた、その様子に犯人は陛下だったかと納得していた。
「陛下だったのね」
「いや、カトリーヌの仕業だった」
「ああ、そうだったの。では、良かれと思ってだったのでしょう?」
「そうらしい…」
「何の話よ!」
陛下はこれ以上やる気がなくなるのを恐れて、シュアリーにはいまだに3割増しのことを話せておらず、知らないままであった。
「あなたの試験の結果、割増されているの。間違っているのに正解になっている箇所が多いから、おかしいと思っていたのよ。気付かなかったんでしょう?その場限りで見直すこともないから」
「はあ!?そんなわけないじゃない」
「いや、3割増しになっていたそうだ。お前が頭が悪くて、どこにも嫁げないと思ったカトリーヌの親切心だったそうだよ」
「そうだったのですか…あまりに聞いていた成績と、王太子教育の進み具合がおかしいと思っていました」
さすがのルカスも気になっていたようだ、成績から自頭は悪くないと信じていた。
「私のせいじゃないわ!カトリーヌ叔母様のせいじゃない」
「はあ…確かに割増しはカトリーヌ叔母様のせいでも、3割増しされていた事実はどう思っているの?悲しくはないの?悔しくはないの?王族としては、正当に評価して欲しかったというべきでしょうね」
「お姉様は自分が出来るからって馬鹿にしたいんでしょう!」
「どうにかなる、誰かがやってくれると思っているから駄目なのよ」
「王太子になってあげたのよ!」
「シュアリー!いい加減にしなさい、言ってはならぬことも分からないのか!」
陛下もずっと努力して来たアウラージュに、ただ1年間、身になっていない王太子教育を受けただけのシュアリーが言っていい言葉ではないと声を荒げた。
二百年近く前、今でも小競り合いはあるが、まだ大きな戦争があった時代。
王太子が指揮を執って出陣し、その間に国王陛下が亡くなった。王太子の安否も不明、誰が国の指揮を執るか、決断を迫られる状況で、新たにホワイトア公爵を賜る予定の弟が、一時的に指揮を執ることになった。
だが、いつになっても王太子は戻って来ない、このような状況で王が不在では問題だと、弟が王となることとなった。
しかし王太子は生きて戻って来た。弟の方も復興や国を守るために頑張っていた。弟は自身があるべき場所に戻るつもりだったが、王太子は混乱を招くだろうから、そのまま弟を王とした。
そして、自身がホワイトア公爵になると決めるも、一緒に出陣した者たちは納得しなかった、王太子こそ相応しいと、だが王太子はもし愚かな真似をするようなら、その時、引きずり降ろせばいいと納得させた。
ゆえに、王位継承権は国王の子、王家にいる王のきょうだいとはなるが、王家から出る場合はほぼ全員が王位継承権を放棄する。今代で言えばカトリーヌが嫁ぐ際に放棄している。そして、次はホワイトア公爵家となる。
ホワイトア公爵家も子が学園に入ると親は王位継承権を放棄する。だから、現在王位継承権はリオンが2位、マーガレットが3位となっている。
これがホワイトア公爵家の歴史である。ブラックア公爵家の方が歴史は古い。
「今まで、愚かな王はいなかったから、引きずり降ろされることはなかった」
「私がそうなるとでも言いたいの!」
「あなた、誰かに降りろと言われた?」
「言われてないわ。でも教師も溜息ばかりで、やる気が感じられないのよ」
「やる気のない者に教えるのに、やる気が出るわけないじゃない。先生方も同じ人間なのですよ」
「っな、やる気はあるわ…」
「あなたはその場限り、やっている振り、真面目に受けていないわよね?字だって上手くなったのかしら?」
「…っ」
字はほんのわずか改善は見られるが、初めて見る人にとっては字が汚いことは変わらず、前と大差のない状態である。
「あと、試験結果、割増されているのは気付いてる?」
「アウラージュ!」
陛下は驚いて思わず声を上げた、その様子に犯人は陛下だったかと納得していた。
「陛下だったのね」
「いや、カトリーヌの仕業だった」
「ああ、そうだったの。では、良かれと思ってだったのでしょう?」
「そうらしい…」
「何の話よ!」
陛下はこれ以上やる気がなくなるのを恐れて、シュアリーにはいまだに3割増しのことを話せておらず、知らないままであった。
「あなたの試験の結果、割増されているの。間違っているのに正解になっている箇所が多いから、おかしいと思っていたのよ。気付かなかったんでしょう?その場限りで見直すこともないから」
「はあ!?そんなわけないじゃない」
「いや、3割増しになっていたそうだ。お前が頭が悪くて、どこにも嫁げないと思ったカトリーヌの親切心だったそうだよ」
「そうだったのですか…あまりに聞いていた成績と、王太子教育の進み具合がおかしいと思っていました」
さすがのルカスも気になっていたようだ、成績から自頭は悪くないと信じていた。
「私のせいじゃないわ!カトリーヌ叔母様のせいじゃない」
「はあ…確かに割増しはカトリーヌ叔母様のせいでも、3割増しされていた事実はどう思っているの?悲しくはないの?悔しくはないの?王族としては、正当に評価して欲しかったというべきでしょうね」
「お姉様は自分が出来るからって馬鹿にしたいんでしょう!」
「どうにかなる、誰かがやってくれると思っているから駄目なのよ」
「王太子になってあげたのよ!」
「シュアリー!いい加減にしなさい、言ってはならぬことも分からないのか!」
陛下もずっと努力して来たアウラージュに、ただ1年間、身になっていない王太子教育を受けただけのシュアリーが言っていい言葉ではないと声を荒げた。
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