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話し合い4
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「これはあなたの母親の話し方ですよ?折角、真似しているのに、酷い言い方ね」
「お母様はそんな話し方しないわ」
アウラージュは何もなかったかのように元の場所に座った。
「マレリア…」
「お、お父様!?」
陛下はアウラージュをうっとりとするような顔で見つめている。
「マレリア様はね、大変口が悪かったの。でもとても情に厚い方だったわ。まさかあんなに早く亡くなられるとは思わなかった。産後の状態で、王妃は負担だったでしょうからね」
「…そんな」
「マレリア様はシュアリーを愛していたわ。でもね、マレリア様には妹がいて、持ち物を欲しいという子だったそうで、とても苦労したそうよ。だから妹というのは用心しなくちゃ駄目よと、大事なものは見せずに隠しておきなさいと何度も言われたわ。物は取られなかったけど…マレリア様が生きてらしたら、あなたどつき回されていたでしょうね」
「っひ、お母様がそんな方だったなんて」
シュアリーの中の母親は勝手に病弱で、優しい女性だと思っていた。
「素晴らしい方だったわ、なのにあなたはどこを引き継いだのかしら?折角、私が不貞にせずに、上手く身を引いたのに、何やってるの?ただのバカじゃない」
「酷い!お母様は私を絶対大事にするように言ったはずよ!」
きっと口が悪くても、私を愛しているお母様なら、私を大切にして、優しく守るように言うはずだ。
「そうね、でもそういうところよ?自分で言う?一言多いのよ!だから友人も出来ない。マレリア様は腐った娘だったら、容赦しなくていいと言われていたの。あなたはマレリア様の妹に似たのでしょうね」
「妹?」
「そうよ。結婚して、不貞を犯して、追い出されて、陛下を篭絡しようとあなたの面倒を看ると言って王宮に入り込んで、今はどこにいるか分からない人よ」
「っひ」
マレリアの妹・ルリアはマレリアの持ち物を欲しがる子だった。だが、両親はそれを良しとしなかったため、盗むようになった。ディエンスとの婚約も何でマレリアなのかと怒り、奪おうとすると思い、両親はルリアを隔離することにした。
そして、無事マレリアが結婚しても、監視を怠ることはしなかったが、ルリアも無事結婚した。だがしばらくすると不貞を犯して、追い出されることになった。同じ頃、マレリアが亡くなり、皆がそちらに掛かりきりになり、マレリアが亡くなったことを知ったルリアは、シュアリーの叔母だと言って王宮に入り込んだ。
しばらく姉の代わりに姪の世話をしたいと申し出て、ディエンスを篭絡して、王妃になるのだと1人で高笑いしていたが、幼い子の世話などしたことのないルリアは、2人きりでシュアリーが泣くと手を上げるようになった。
ディエンスもマレリアから妹のことを聞いていたはずが、妻を亡くし、憔悴したまま忙しくしていたために、正常な精神状態ではなく、気付けなかった。
生家ではようやくルリアが追い出されたことを知り、一体どこに行ったのかと、探している最中にある事件が起きたのだ。
「あなたのお尻を守ったのは私なのよ!感謝して欲しいわ」
「そうだ!あの女はお前が泣くと、尻を叩いていた。顔や体だとバレると思ったんだろうな。浅墓にも尻ならおむつかぶれに出来ると思ったんだろう。だが、アウラージュが決定的瞬間を見付けたんだ。あの飛び回し蹴りは、本当に素晴らしかったと騎士団長が今でも言っておる」
「まあ」
シュアリーの鳴き声に気付いたアウラージュが、叩いている最中に部屋を訪れ、鳴き声で気付かないルリアに、助走を付けて、頭に回し蹴りを食らわせたのだ。騎士団長はその頃、アウラージュの護衛をしていたので、その瞬間を見ている。
そして、シュアリーの尻は赤くなっていたが、陛下も義妹であるため、義両親に連絡を取った。義両親はルリアに厳罰を受けて欲しかったが、マレリアとシュアリーに迷惑を掛けないためにも受け入れた。だが既に見限っていたので、絶縁をした。それ以降、彼女がどうなったかは分からないままだ。
「そんなこと憶えていないわ、そんな人と一緒にしないで」
「あなた、そろそろ自分のしたことを横に置かずに、人の振りを見て、自分自身を見直しなさい」
「私のどこに直さないといけないところがあるっていうの!私は王族なのよ!お姉様だって特別な存在だから、そんな振る舞いが許されるのよ!」
「そうね、でも元々はホワイトアが王家の血筋だったのよ?まだ勉強してないの?」
「何の話よ!」
「さすがにルカスは知っているわよね?」
「はい…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
こちら話の終わりに目途がつきましたので、
新作(自由恋愛の国の話)も投稿しています。
こちらももうしばらく続きます。
よろしくお願いいたします。
「お母様はそんな話し方しないわ」
アウラージュは何もなかったかのように元の場所に座った。
「マレリア…」
「お、お父様!?」
陛下はアウラージュをうっとりとするような顔で見つめている。
「マレリア様はね、大変口が悪かったの。でもとても情に厚い方だったわ。まさかあんなに早く亡くなられるとは思わなかった。産後の状態で、王妃は負担だったでしょうからね」
「…そんな」
「マレリア様はシュアリーを愛していたわ。でもね、マレリア様には妹がいて、持ち物を欲しいという子だったそうで、とても苦労したそうよ。だから妹というのは用心しなくちゃ駄目よと、大事なものは見せずに隠しておきなさいと何度も言われたわ。物は取られなかったけど…マレリア様が生きてらしたら、あなたどつき回されていたでしょうね」
「っひ、お母様がそんな方だったなんて」
シュアリーの中の母親は勝手に病弱で、優しい女性だと思っていた。
「素晴らしい方だったわ、なのにあなたはどこを引き継いだのかしら?折角、私が不貞にせずに、上手く身を引いたのに、何やってるの?ただのバカじゃない」
「酷い!お母様は私を絶対大事にするように言ったはずよ!」
きっと口が悪くても、私を愛しているお母様なら、私を大切にして、優しく守るように言うはずだ。
「そうね、でもそういうところよ?自分で言う?一言多いのよ!だから友人も出来ない。マレリア様は腐った娘だったら、容赦しなくていいと言われていたの。あなたはマレリア様の妹に似たのでしょうね」
「妹?」
「そうよ。結婚して、不貞を犯して、追い出されて、陛下を篭絡しようとあなたの面倒を看ると言って王宮に入り込んで、今はどこにいるか分からない人よ」
「っひ」
マレリアの妹・ルリアはマレリアの持ち物を欲しがる子だった。だが、両親はそれを良しとしなかったため、盗むようになった。ディエンスとの婚約も何でマレリアなのかと怒り、奪おうとすると思い、両親はルリアを隔離することにした。
そして、無事マレリアが結婚しても、監視を怠ることはしなかったが、ルリアも無事結婚した。だがしばらくすると不貞を犯して、追い出されることになった。同じ頃、マレリアが亡くなり、皆がそちらに掛かりきりになり、マレリアが亡くなったことを知ったルリアは、シュアリーの叔母だと言って王宮に入り込んだ。
しばらく姉の代わりに姪の世話をしたいと申し出て、ディエンスを篭絡して、王妃になるのだと1人で高笑いしていたが、幼い子の世話などしたことのないルリアは、2人きりでシュアリーが泣くと手を上げるようになった。
ディエンスもマレリアから妹のことを聞いていたはずが、妻を亡くし、憔悴したまま忙しくしていたために、正常な精神状態ではなく、気付けなかった。
生家ではようやくルリアが追い出されたことを知り、一体どこに行ったのかと、探している最中にある事件が起きたのだ。
「あなたのお尻を守ったのは私なのよ!感謝して欲しいわ」
「そうだ!あの女はお前が泣くと、尻を叩いていた。顔や体だとバレると思ったんだろうな。浅墓にも尻ならおむつかぶれに出来ると思ったんだろう。だが、アウラージュが決定的瞬間を見付けたんだ。あの飛び回し蹴りは、本当に素晴らしかったと騎士団長が今でも言っておる」
「まあ」
シュアリーの鳴き声に気付いたアウラージュが、叩いている最中に部屋を訪れ、鳴き声で気付かないルリアに、助走を付けて、頭に回し蹴りを食らわせたのだ。騎士団長はその頃、アウラージュの護衛をしていたので、その瞬間を見ている。
そして、シュアリーの尻は赤くなっていたが、陛下も義妹であるため、義両親に連絡を取った。義両親はルリアに厳罰を受けて欲しかったが、マレリアとシュアリーに迷惑を掛けないためにも受け入れた。だが既に見限っていたので、絶縁をした。それ以降、彼女がどうなったかは分からないままだ。
「そんなこと憶えていないわ、そんな人と一緒にしないで」
「あなた、そろそろ自分のしたことを横に置かずに、人の振りを見て、自分自身を見直しなさい」
「私のどこに直さないといけないところがあるっていうの!私は王族なのよ!お姉様だって特別な存在だから、そんな振る舞いが許されるのよ!」
「そうね、でも元々はホワイトアが王家の血筋だったのよ?まだ勉強してないの?」
「何の話よ!」
「さすがにルカスは知っているわよね?」
「はい…」
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