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こんなところに異世界 ―俺は勇者じゃないとそろそろ気づいてほしい―
決着と次の強敵
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「――今だ!」
オーウェンの声でリュートたちが我に返った。
連続で攻撃を繰り出し、どうにかダメージを与えようとする。
「カナタ、剣の攻撃じゃキリがないぜ。お前の魔術でトドメを刺してくれ」
リュートの呼びかけに頷き、魔術への集中力を高めた。
――全身を流れるマナに意識を向ける。
あの巨体を倒すには強力な魔術が必要だ。
両手を正面に掲げて、巨大な火球を発生させる。
膨大なマナが注がれたそれはまるで、小さな太陽のようだった。
「――いけえええ!!!!」
自分でも驚くほどの声が出た。
手元を離れた巨大な火の玉がキングオークに向かって飛んでいく。
激しい熱量が周囲の温度を上昇させ、厚い毛皮に覆われた巨体に直撃する。
「ギャーーーー!!!!!!」
燃え盛る炎に包まれながら、オークの王は絶叫した。
「やったぞ、カナタ!」
オーウェンが喜びの声を上げた。
想像以上の成果に放心状態になりかけたところで、視線の先でシモンが弾丸のように飛びかかった。
「――なかなかの腕前でしたけど、これで最後です」
その剣は揺らめく炎を反射して、大きく横一文字を切った。
――もとより、無双の剣士の前に無防備な相手が敵になるはずもなかった。
キングオークの首と胴体は二つに分かれ、首から上は床に落下し、胴体は大きな音を立てて倒れこんだ。
「おおっ、やったな! それにしてもシモンは強いんだな」
「恐ろしい腕前でしたね」
リュートとエレンが歓声を上げながら、シモンに駆け寄る。
彼は満面の笑みを浮かべて応えていた。
「カナタ、彼は最強の助っ人だな」
「……ええ、本当に」
シモンのことを心強く感じる。
ただ、彼がいなければ上手くいったのか分からなかった。
喜びに沸く三人を眺めていると、サスケが先に進もうとしていた。
「サスケ、何をそんなに急いでいる?」
「ワタシは安全に魔王のところまで案内したいだけですよ」
オーウェンの問いかけに、彼は抑揚の少ない声で応じた。
同じ日本人のはずなのに、本心を見せないサスケのことが疑わしく思えた。
味方とはいえ、彼が信用に足る人物とは言えそうにない。
複雑な心境になりかけたところで、リュートたちがこちらに戻ってきた。
「いやー、強力な魔術でしたね! お見事お見事」
「ありがとう。思った以上に上手くいったよ」
シモンはご機嫌な様子だった。
リュートやエレンも同じように明るい表情を見せている。
彼らの喜ぶ姿を目にして、サスケへの疑念は胸の内にしまっておこうと思った。
俺たちはキングオークが絶命したのを確認してから移動を再開した。
サスケの情報では、ここ以外にも強力なモンスターが数体存在するらしい。
シモンが加勢しても苦戦したのに、連戦が続くことは避けたいと思った。
広間の先の通路は同じように細く、一列で進まないと窮屈だった。
ここは通路というより通気口的な役割をしているのだろうか。
モンスターが風通しを気にするかは分からないけれど。
案内役としてサスケが先頭、その次にオーウェンで俺という順番だった。
その後ろにシモン、リュート、エレンの順に続く。
何事もなく移動を再開したものの、サスケへの疑念が消えたわけではない。
協力してキングオークを倒すことが最善だと思われたのに、リュートとエレンを見捨てるような行動に出ようとした。
少ない人数で魔王を倒せると考えているのなら過小評価ではないだろうか。
それに頑なに先を急ごうとする理由もよく分からない。
異境の地で日本人に出会ったというのに、彼のような人間に巡り会うとは。
オーウェンは信頼しているようだが、とても信じられるようには思えない。
心に鉛を抱えるような気持ちのまま、窮屈な通路を進んだ。
しばらく移動を続けたところで、通路の先が広くなっていた。
そこからさらに進むと、キングオークの時のような広間が見えてきた。
「……サスケ、今度は何がいるんだ?」
先回りするようにオーウェンが問いかけた。
俺も同じことを考えていた。
「危険なワーウルフ、半人半狼の戦士です」
サスケは淡々と答えた。
それを聞いたオーウェンは戸惑っていた。
「ワーウルフ……コボルト、ではなく?」
「ええ、コボルトは二本足の犬並みですが、ワーウルフは狼の見かけをした人間です。知恵もあって、武器を使いこなします」
サスケの説明に目眩を覚えた。
策略を練られるのは危険が高いのではないだろうか。
そんな相手のいる場所が近いのは恐ろしすぎる。
足早に通り過ぎてしまいたい衝動に駆られた。
戸惑いながら成り行きを見守っていると、オーウェンが話し始めた。
「他に選択肢がないのなら進むしかないだろう。ワーウルフがどれだけ危険だとしても、キングオークの時と同じように倒せばいい」
彼はそう言い終えると、強引にサスケを追い抜いて広間の方に出た。
「オーウェン殿、どうか冷静に」
彼はそう言って、オーウェンの後を追った。
俺が列の先頭になってしまったが、ここで待機しても仕方がない。
意を決して、広間に向けて足を踏み出した。
オーウェンの声でリュートたちが我に返った。
連続で攻撃を繰り出し、どうにかダメージを与えようとする。
「カナタ、剣の攻撃じゃキリがないぜ。お前の魔術でトドメを刺してくれ」
リュートの呼びかけに頷き、魔術への集中力を高めた。
――全身を流れるマナに意識を向ける。
あの巨体を倒すには強力な魔術が必要だ。
両手を正面に掲げて、巨大な火球を発生させる。
膨大なマナが注がれたそれはまるで、小さな太陽のようだった。
「――いけえええ!!!!」
自分でも驚くほどの声が出た。
手元を離れた巨大な火の玉がキングオークに向かって飛んでいく。
激しい熱量が周囲の温度を上昇させ、厚い毛皮に覆われた巨体に直撃する。
「ギャーーーー!!!!!!」
燃え盛る炎に包まれながら、オークの王は絶叫した。
「やったぞ、カナタ!」
オーウェンが喜びの声を上げた。
想像以上の成果に放心状態になりかけたところで、視線の先でシモンが弾丸のように飛びかかった。
「――なかなかの腕前でしたけど、これで最後です」
その剣は揺らめく炎を反射して、大きく横一文字を切った。
――もとより、無双の剣士の前に無防備な相手が敵になるはずもなかった。
キングオークの首と胴体は二つに分かれ、首から上は床に落下し、胴体は大きな音を立てて倒れこんだ。
「おおっ、やったな! それにしてもシモンは強いんだな」
「恐ろしい腕前でしたね」
リュートとエレンが歓声を上げながら、シモンに駆け寄る。
彼は満面の笑みを浮かべて応えていた。
「カナタ、彼は最強の助っ人だな」
「……ええ、本当に」
シモンのことを心強く感じる。
ただ、彼がいなければ上手くいったのか分からなかった。
喜びに沸く三人を眺めていると、サスケが先に進もうとしていた。
「サスケ、何をそんなに急いでいる?」
「ワタシは安全に魔王のところまで案内したいだけですよ」
オーウェンの問いかけに、彼は抑揚の少ない声で応じた。
同じ日本人のはずなのに、本心を見せないサスケのことが疑わしく思えた。
味方とはいえ、彼が信用に足る人物とは言えそうにない。
複雑な心境になりかけたところで、リュートたちがこちらに戻ってきた。
「いやー、強力な魔術でしたね! お見事お見事」
「ありがとう。思った以上に上手くいったよ」
シモンはご機嫌な様子だった。
リュートやエレンも同じように明るい表情を見せている。
彼らの喜ぶ姿を目にして、サスケへの疑念は胸の内にしまっておこうと思った。
俺たちはキングオークが絶命したのを確認してから移動を再開した。
サスケの情報では、ここ以外にも強力なモンスターが数体存在するらしい。
シモンが加勢しても苦戦したのに、連戦が続くことは避けたいと思った。
広間の先の通路は同じように細く、一列で進まないと窮屈だった。
ここは通路というより通気口的な役割をしているのだろうか。
モンスターが風通しを気にするかは分からないけれど。
案内役としてサスケが先頭、その次にオーウェンで俺という順番だった。
その後ろにシモン、リュート、エレンの順に続く。
何事もなく移動を再開したものの、サスケへの疑念が消えたわけではない。
協力してキングオークを倒すことが最善だと思われたのに、リュートとエレンを見捨てるような行動に出ようとした。
少ない人数で魔王を倒せると考えているのなら過小評価ではないだろうか。
それに頑なに先を急ごうとする理由もよく分からない。
異境の地で日本人に出会ったというのに、彼のような人間に巡り会うとは。
オーウェンは信頼しているようだが、とても信じられるようには思えない。
心に鉛を抱えるような気持ちのまま、窮屈な通路を進んだ。
しばらく移動を続けたところで、通路の先が広くなっていた。
そこからさらに進むと、キングオークの時のような広間が見えてきた。
「……サスケ、今度は何がいるんだ?」
先回りするようにオーウェンが問いかけた。
俺も同じことを考えていた。
「危険なワーウルフ、半人半狼の戦士です」
サスケは淡々と答えた。
それを聞いたオーウェンは戸惑っていた。
「ワーウルフ……コボルト、ではなく?」
「ええ、コボルトは二本足の犬並みですが、ワーウルフは狼の見かけをした人間です。知恵もあって、武器を使いこなします」
サスケの説明に目眩を覚えた。
策略を練られるのは危険が高いのではないだろうか。
そんな相手のいる場所が近いのは恐ろしすぎる。
足早に通り過ぎてしまいたい衝動に駆られた。
戸惑いながら成り行きを見守っていると、オーウェンが話し始めた。
「他に選択肢がないのなら進むしかないだろう。ワーウルフがどれだけ危険だとしても、キングオークの時と同じように倒せばいい」
彼はそう言い終えると、強引にサスケを追い抜いて広間の方に出た。
「オーウェン殿、どうか冷静に」
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俺が列の先頭になってしまったが、ここで待機しても仕方がない。
意を決して、広間に向けて足を踏み出した。
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