4 / 31
5歳
家族3 (月都side)
しおりを挟む『ーーーーーーではまた明日。』
担任の長いホームルームが終わり鞄に教科書を詰める。
……16時30分か優は今お昼寝中かな?
想像すると早く優に会いたくなり足早と教室を出た。
「あ、あの!月都様!」
顔を赤らめた女が俺を呼び止める。
胸のリボンが俺のネクタイと同じ色。
同級生だ。
「ん?何か用かな?」
はぁ。うざい。
「……い、今お時間貰ってもよろしいでしょうか?///」
「ごめんね。早く家に帰らなければならないんだ。また今度でも良いかな?」
申し訳なさそうに、ニコッと作り笑いをすると嬉しそうに返事をして去っていった
俺の顔だけしか見てないような人達に本当は作り笑いでさえしたくない。
だが家のためならば仕方がない
この学校は小学校から大学まで併設されている名門校。偏差値も高く小学校からの顔ぶれが多い。簡単に言うと大企業のご子息、ご令嬢が沢山いる学校。
父の会社は、日本のトップクラスの企業だが無闇に粗相は出来ない。
ああ。早くしないと
中等部を出て校門まで急ぐ。
無駄に広い敷地に少しイラッとする
「おかえりなさいませ月都様。」
「ありがとう」
ドアを開けてくれている執事にお礼を言い中に入る。
「佐藤」
「はい。坊っちゃま」
「今日の優の1日は?」
佐藤は小さい頃からずっと俺の世話をしてくれている執事で白い髪と白い髭を綺麗に整えているおじさん。年齢は…知らない。
「はい。8時にお目覚めになられ、歯磨きをし、8時30分に朝食。目玉焼き半分とトマト2個オレンジジュース1口です。食べ終わられたのは9時45分、その後2時間程本を読まれ12時2分に昼食。直哉様が旦那様のお仕事のお手伝いで13時まで御屋敷に居られたので優様の昼食は直哉様がお手伝いされておりました。コーンスープと麦茶です。12時50分にお食事を終えられ少し直哉様とお話になり13時に直哉様はお出かけになられ優様はお昼寝をされました。現在も就寝中です。」
「そっか。ありがとう」
優の今日の詳細が知れた為少し気分が上がる。
なんの本読んだのかな?もう少し優の部屋に本増やそうか?
優の為に考えることがとても楽しい。
けれど…兄様とお昼ご飯ね…
まあいいや。もうすぐで優に会えるし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お帰りなさいませ月都様」
ズラっと並ぶ使用人たちが頭を下げて俺を迎える。
「ただいま」
「お鞄お持ち致します。」
「あぁ。優は?まだお昼寝中?」
「いえ、先程起きられて今夕食のためのお着替えをされています。」
17時10分か夕食まであと約1時間。
とりあえず俺も着替えてすぐにダイニングルームへ行こう。
ーーーー
よし。
全ての準備が終わりダイニングルームへと移動する。
優もう着いてるかな?
早く会いたいなぁ
部屋の前に近づくと愛しい子の声が聞こえてくる。
入る前に少し覗いてみるとお母様が優を抱きしめていた。
優も嬉しそうな顔で笑う。
黒い感情が渦巻く。
お母様と優なのに…
イヤだなぁ
そう思うと体が動いてすぐに中へ入る。
「お母様。優が苦しそうなのでそろそろ離してあげてください。」
2人は俺に気づくと母様は優を離して謝った。
不満そうに母親からはなれる優を見て嫉妬心が芽生える
「ねぇ。優。…そんなにお母様がいいのかい?」
ビクッと震えた優に冗談だと言い、抱きかかえていつも優の席に下ろし頭を撫でた。
涙目になりながら俺の顔をチラチラ見る優はとても可愛い。俺が怒っていると思ってるのだろう。
ものすごく可愛い。
隔世遺伝なのだろうか?
綺麗なプラチナブロンドの髪にパッチリした綺麗な瞳は碧色をしていて顔は母様にものすごく似ている。
とても綺麗な顔をしているのだ。
それに加えて人懐っこくて愛嬌も良い。すぐに優が大好きになった。
そんなことを考えているうちに兄弟が揃い夕食が始まった。
優を見ているうちに夕食なんてすぐに終わる。
あまり食べることが出来ない優に直哉兄様はスープだけを出しそれに拗ねた優が泣き、困った兄様が肉を二切れしかあげなかったため優はまだ拗ねている最中だ。
優が怒ってるのは多分それだけじゃない。
自分だけスープで他の人は大好物のステーキ。目の前で食べられるのはそれはそれはムカつくだろう。
直哉兄様は優の事を思ってなのだろうが少し優が可哀想な結果になってしまったのだ。
「母さま、兄さまたち、姉さま。おねがいしたいことがあります!」
優がお願い?珍しい
嬉しそうに聞くお母様と直哉兄様
確かに滅多にしないお願いに俺も心を踊らせる
だが次の言葉で俺は固まった。
「あの、僕。お外にでたいです!」
ああ、この日が来てしまった
優が外に出たいと言う日
母様と寿人、直哉兄様、茜姉様が次々に優を止める。
何も言わない俺になにか望みを感じたのだろう優が俺に叫んだ。
それを即却下するとだんだん眉が下がっていく。
幼く病弱で熱も良く出す
その上この容姿だ、外に出たら何をされるか分からない。
そして誰にも見せたくない。
これは俺のワガママだ
だけどみんな同じようなことを考えていると思う。
あぁうちの天使は愛されすぎている。
「優。だから大人しく部屋に居るんだよ」
ごめんね。優。まだ出してあげられそうもない。
232
あなたにおすすめの小説
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
ある日、人気俳優の弟になりました。2
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。穏やかで真面目で王子様のような人……と噂の直柾は「俺の命は、君のものだよ」と蕩けるような笑顔で言い出し、大学の先輩である隆晴も優斗を好きだと言い出して……。
平凡に生きたい(のに無理だった)19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の、更に溺愛生活が始まる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる