うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨

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5歳

作戦ノート

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「では失礼致します。何かありましたらそこのブザーを押してください。」


「うん!わかってるよ!」


頭を下げて俺の部屋から出ていく美紅さん。

部屋の端に、王子様が出る映画にありそうなクイーンサイズのベッドの横に丸い赤いボタンがある。家族の全部屋にあるそれは使用人の控え室に繋がっていてその時にいる人が部屋へと向かう。
大体は自分の専属が来てくれるが、休んでいる深夜などは夜勤の人が来てくれる。
ずっと美紅さんが居てくれるし美紅さんが居ない時はわざわざ呼びだすのが申し訳なくて1度も使ったことがない。




20時…か。
お風呂とか寝る準備をしてたらこんな時間になってしまった。

後1時間で寝なければいけない
21時には寝ろと言われているのでその時間になると寝ているか見に来るのだ。まぁあ寝れない日もあるのが分かっているから寝顔までは確認しに来ない。部屋が暗くなっていてベッドに入ってたら良いらしい。
けど俺はどこにも行っていないのにすぐに寝落ちしてしまう。
5歳はこんなもんだろう。

いつもなら寝るまで本を読むが今日は違う!

机の引き出しからノートと鉛筆を取り出して少し高いベッドに登る。

「よいしょと」

登るのも一苦労だ。

4歳まで母様と一緒に寝ていたから抱っこして上げてくれたけど今は誰も居ないから1人で上がるしかない。
何故か4歳の時に急に母と寝るのが恥ずかしくなってそこからめちゃめちゃ説得して1人で寝ている。

大変だけどここくらいしか体を動かしているって感じしないしいいんだけどね


スウッ


「俺の脱出大しゃく戦~!!!!!」

大きく息を吸って小声で叫ぶ

…おほん。少し噛んだのは5歳だし許して欲しい。

小声なのはもし誰か居たとしたらヤバいし、声に出さなくても言いけどやっぱり雰囲気は大切だ、雰囲気は…



さて、どんな作戦を立てようか。


正直ここまで却下されると思わなかった

…説得は長期戦になりそうなので徐々にしていくことにするとして、とりあえず誰にもバレずに抜け出して誰にもバレずに帰ってくるしか出る方法はないはず。

だって絶対共犯になってくれる人は居ない。使用人の方達は父が雇ってる訳だし、しかも何故だかここには過保護な人しか居ない。

まぁあ俺可愛いしな。


……いや、凄くイタイことを言ってるのは分かる、うん。分かるよ!

前世の俺が言ってたらまじでドン引きされてたと思う。
けど今の容姿ならそんな事を言っても、まあ、確かにって賛同されるんじゃないかな?
鏡を見る度に思う。これまじで俺なの?ってなる。



けど髪色だけは好かない。
兄弟、家族誰一人こんなに明るい髪をした人がいないからだ。

…たまに、ほんとにたまに本当の家族ではないんじゃ?って思う時がある。

けどそんな心配は要らないだろう。
母様の綺麗な碧色の目は俺と同じだし、それより顔がそっくりだ。

母様がハーフなら隔世遺伝ってこともあるよなぁ……



違う違う。脱出の方法を考えなきゃ。


抜け出すには深夜しかないんじゃないか…?
だって1日のほとんど美紅さんと居るし、寝る時間のすぐ後だと俺の様子を見に来る人がいる。これは深夜に決行するしかないだろう。

けど俺起きてられるかな?
いや、体調を崩した振りをして夜まで部屋にこもって寝ていよう。
そしたらその時には寝すぎで目が覚めて寝れないだろう。もし万が一眠くなってしまったら好きな本を読んでいよう。
よし。これでいい。


あとは家族だ。運悪く脱出時間に部屋に来てしまうかもしれない。

…確か3ヶ月後に姉様も兄様達も期末テストがあるはずだ

そのテストが終わった日にしよう

1週間も試験があるから多分その1週間は特に頑張って勉強するはず!

母様と父様か……帰って来れない日が多い2人がその日に部屋に来る確率は相当低いと思う多分……多分!


考えたことをノートに書き込む。
5歳の手では字が書きにくい…
少し、いや。相当汚いが自分では何となく分かるのでこれでいい。


どこにしまおうか…

ここでいいや。
机の上に小さい棚があるのだがここにはこの部屋に大量にある絵本や5歳でも読める小説の感想が事細かに書いているノートがある。
その日によって楽しい話悲しい話ハラハラする話など読みたい本が変わるため、このノートを読んで何を読むか考えるのだ。
しかも8冊もある。
けど字が汚すぎてこれが小説の感想だなんて思わないだろう多分ただの落書きか日記だと思われてる。
前世の記憶が無い5歳になりたての頃に始めたやつだ。
テレビもないから暇すぎて大量にある本を読んでたらハマってしまい、ノートに感想までつけてしまった。
だからここに同じ色の脱出大作戦のノートを入れても多分バレない。題名も同じにしておけば、尚バレないだろう。

真ん中位に入れておこう。

これが脱出の作戦ノートだなんて誰も思わないだろう。

よし。おっけー


ふいに時計を見ると20時50分を指していた。



ふぁあ

寝よう…



この作戦が上手くいきますように。


窓から見える星に願った。
























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