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5歳
決行前夜
しおりを挟むあれから3ヶ月経った。
そう。決行前夜だ。
現在も説得という計画は進行中だがなかなか上手くいかない。
けど少し進歩した。なんとラジオが部屋に来たのだ!!!!
いやぁラジオは素晴らしい!今流行りの音楽が聞ける!……だけ。
部屋にラジオが来た時は歓喜した。テレビもスマホもなく唯一の娯楽といえば本。と言うなんともいえないこの部屋に外と繋がるモノが来たのだ。
優では初めて見たので、初見のような驚き方をした。
だが兄達はやはり抜かりない。
音楽番組以外を聴くことが出来ない。ニュースやスポーツ中継など外に出たくなるような放送を聞かせたがらないのだ。音楽なら大丈夫だと思ったのだろう。
しかもパーソナリティがAIでほんとに音楽の事とテンプレな言葉しか喋らない番組しか聴けない。
なぜだ、何故そこまでする?!
まぁあ進歩といえば進歩なのだろう。
前世ではラジオなんて持ってなかったけど…
たまに5、6年前のヒット曲TOP10が流れることがあるがちょうど前世の俺が生きていた頃に流行っていた曲だった。
やはり死んだ瞬間に母様のお腹の中の優になったのだろう。
…良かった。死んでから長く経っていない。
電気や壁掛け時計、小物を見ると前世にあった物とあまり変わらなかったからそこまで経っていないと予想はしていた。
これで心置き無く前世の家族に会いに…いや、遠くからでも見に行ける。
もしこの世界で『俺』がいなかったとしても。
そういえば歌手は全員同じだったな。
そこは同じなのか
コンコン
「はーい」
こんな時間に誰だろうもう9時を過ぎている。
……やべっ色々してたらこんな時間になってる!!もう寝る時間なのに普通に返事しちゃったよ!!電気も消してないし!!
「優!ただいま」
「父さま!!!おかえりなさい」
イケメンだ。純日本人でこんなにイケメンな人は見たことがない。全てが完璧だ。
有栖川 文哉
45歳だった気がする。
180cm以上ありそうなこの背丈にモデルみたいな長い足、そしてこの顔。
真っ黒な髪は七三分けで綺麗にセットされていて大きな切れ長の目は何もかもが見透かされそうなほど深い黒色をしている。
やっぱ月都兄様に似てるよなぁ
「優?悪い子だねもう9時過ぎてるよおねんねのじかんでしょ?まぁあ俺にとっては嬉しい誤算だね」
最近帰りが遅い父さまは夕飯も一緒に食べれない日がほとんどだ。
だから父様は夕飯が終わった頃に家に帰ってきて俺の部屋へ見に来る。
そんな父様が今日は少し寂しそう
「どうしたんですか?なにかあったんですか?」
父が目を見張る
「良く分かったね」
優しく微笑むとベッドの上に居る俺を抱き上げて後ろから抱けるように自分の膝の上に座らせた。
「父様明日から1週間出張なんだ…優とみんなに1週間も会えないんだよ?もうほんとに行きたくないよ…」
そう言うとギュッと後ろから抱きしめる
確かに父が家を空けるのは大抵1日の
み。
お金持ちってもっと出張してるイメージだけど…
「ねー父さま、父さまはどんなお仕事をしてるんですか?」
「わあ、嬉しいな。父さまの事が気になるかい?」
父と言うより父の仕事がだが…
まぁあいいや
「はい!気になります!」
「父様はね、大きな会社の社長をしているんだ!」
自慢するようにドヤ顔をする父親は少し可愛い。
「しゃちょーさん!!!!すごい!」
いや、本当にすごい。イケメンで優しくて、んでもって社長だなんて、非の打ち所がない。
「サクラも時間が空いた時は俺の手伝いをしてくれてるんだ。」
母様が?だから2人が一緒に帰ってくる日があるのか…
「…それでね明日からの出張にサクラも同行しなくてはならなくなったんだ。」
え、母様も?2人が1週間家を空けるのか…なんか寂しいな。
けど俺にとっては好都合だったりする。
めちゃめちゃいいタイミング!!!
ありがとう!!!!
「そうなんだ…さみしいな…」
成功する確率が上がると思うと嬉し涙がでる。
「ああ。泣かないでおくれ…なるべく早く帰ってくるからね。帰った次の日は1日休みなんだ。沢山遊ぼう!」
俺の涙をふいて悲しそうな顔で頭を撫でる。
なんかごめんなさい父様…!
「優とおしゃべりしてたら少し時間が経ってしまったね。さ、優もうおやすみ。いい夢を」
布団に寝かせて額にキスをし電気を消して出ていった。
……
本当に明日成功しちゃうかも…
ニヤニヤが止まらない。
今週、学校組の兄達はずっと勉強をしていた。父が大きな会社の社長となれば、父の手前、勉学は必須だろう。
テストの順位が低いと父が後ろ指を指され兼ねない。
今週はみんな家庭教師に来てもらう時間を増やしていたらしい。
大変だ…
まぁあそんなわけで明日は相当疲れているだろう!
だめだ成功する気しかしない…
ワクワクする。
明日に向けて早く寝よう。
沢山寝なきゃ!
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