うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨

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5歳

決行2

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「わ、わあ」


ドアを開けた瞬間夜気にふれ、
ヨーロッパの庭園のような景色が目いっぱい広がった。


すごい綺麗


部屋から見る景色とはまた違うモノにドキドキが止まらない。

やっと…やっと外に出れた!!!
物心ついた時からずっと部屋に居た
だからか、ものすごく感動している。


静かにドアを閉めてゆっくりと歩いた。

その瞬間玄関に電気がつく
びっくりした…多分センサーが俺に反応したんだろう。誰かにバレないうちに早く庭園を堪能しよう。


にしても広いなあ!
前世でも見たことの無い光景に興奮しながら足を進める。

真っ暗ではなく、街灯があるため歩きやすい。

玄関から出てすぐ横に、大きめのテーブルやイスなどがいくつか置いてあった。
ここでお茶が出来るようになっているようだ。

……俺もここで兄様達とお茶を飲んで、遊びたいな


「さむっ」

ブルッ  
夜の寒さに凍えながら散策する。

不思議だなあ
色んな形の木が所々にある。
太っちょな気だったり痩せ細った木だったりものすごく小さい木だったり

他にも、公園なんかでしか見たことの無い噴水や海外に良くありそうな天使の石像なんてのもあった。

流石お金持ちだ庭園に掛けている額は相当だろう。
そんな庭を俺だけ見せてくれないなんて……ケチ……




「すごい!」

バラ園のように沢山の色のバラが植えてあり、その一角一角にスポットライトが当てられている。

部屋からみたら、どんな花かまでは分からないから、いつも気になってたんだ。

バラが好きな俺はすごくテンションが上がる
赤や白、ピンク、オレンジなんて色もあってとても楽しい
さっきまでのアンニュイな気分が吹き飛んだ。


「うわ、めっちゃキレイ」

目に付いたのはソーダブルーのバラだった。少ししか咲いていない変わった色のバラは特に異彩を放っていた。


1輪持って帰っちゃだめかな??
……流石にバレちゃうしね、諦めよう。


その後も散々きゃっきゃっして疲れきった俺は、庭園の少し奥にあった西洋風のあずまやみたいな建屋にテーブルとベンチがあったので休憩することにした。


「つかれたあ」

テーブルに突っ伏して体を伸ばす。

横を向くと屋敷の外観が見えた

でかいな…

思ってたよりも大きい屋敷に驚きを隠せない。本当にヨーロッパの屋敷みたいだ。
こんな大きな屋敷、日本に建てられるんだ……どんだけだよ……


チクッ
何故か足の裏に少し痛みを感じる。

あ。そうだ、俺裸足だったんだ。

庭園に夢中だったから全く気づかなかった…

足の裏を見ると傷だらけだった。
小さいバラの棘のようなものが刺さっている。思ったよりも痛い。
自分では抜けないような小ささなので我慢するしかない…。

うわぁこれで帰れるかな……てか無事バレずに帰っても絶対この傷見てバレるパターンだよこれ。


なんか頭もふわふわするし

……もう帰るか……

今日は十分楽しめた。
初めての脱出は思ったより簡単に成功したが、冒険みたいでとても楽しかった。

…次はあの正門を出て本当の外に行きたいなぁ

さて部屋に戻ろう。
少し遠い玄関へと歩く



「ふぁあぁあ」

足の裏が痛いのに眠い……なんだこれ


帰り際にもバラを見ながら歩く。
うん。綺麗だ。


あともう少しで玄関


……と言うところで人と目があってしまった……


「……」


「……」


「優…様?」






よし。逃げよう。






咄嗟にそう判断した俺は今来た道を全速力で走る。


「優様!」


体力も無いしそんなに足が早くない俺は、すぐに追いつかれると思い、薔薇の木に囲まれている、大きな2つの木の真ん中のコンクリートベンチの上に座った。
少し奥にあり、木に囲まれているため小さな俺は見つかりにくいだろう。


……誤算だった。
こんな時間に掃除してるなんて誰が思うよ…多分夜勤の人だよな……


てかどうせバレるのになんで逃げてんだ俺


立ち上がろうと腰を持ち上げるが力が抜けて上がれない。


ふらふらする……なんか熱い……

やばい……熱出てるかも……


座るのも疲れて冷たいベンチの上に横たわる。

「きもちい」

ガンガンする頭を冷たい所にあてる。
そうすれば頭痛が良くなるような気がしたからだ。








ゆう!








遠くから月都兄様の声が聞こえた。










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