うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。

春雨

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7歳

女神様(大海side)

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あの後すぐに本をくれるかと思ったら、を終わらせないとくれないらしい。
……別に逃げたりしないのに。
そんなに嫌な顔してたか?

まあ1日頑張ればあの最終巻がよめる……ああ本当に楽しみだ。


「明日か……」
別に行くだけならいいんだ、行くだけなら。金持ちには僕みたいに生意気な子がたまにいる。

裏ではヤバいやつでも表ではしっかりしてる奴がほとんど、だけどたまに人前でも教養のない子がいるのだ。

有栖川家ではそういう子は聞いた事がないけれど、甘やかされてそうな末っ子だとそういうことも有り得る。

……心配だ。


ーーーーーーーーーーーーー

「大海行くぞ」

「はい」

車に乗って有栖川家へと向かう。
どんな家なんだろう…やっぱり大きいんだろうな。

石川の家もそこそこ大きい方だと思うが、多分もっとなんだろう。少し楽しみだ。

「お爺様、ご子息のお名前は……」

「あぁ。『優』という方らしい」

「…優様はどんなお方か知っておられるのですか?」

「いや、1度も会ったことがないから知らないけれど、お父上からとても優しい子だと聞いているよ」

「そうなんですね……」

その後20分程揺られて着いたのは思った以上の豪邸だった。

…本当にここは日本の首都、東京なのか?

疑わしいほど大きいこの邸宅に驚きを隠せない。家で判断はするものではないが、石川家との差を見せつけられた気がした。


「石川直之様、大海様。越しいただき誠にありがとうございます。ここから案内を努めさせていただきます執事の山之内と申します。本日はよろしくお願い致します」

「よろしく頼むよ」

「よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げてお爺様に続く。


屋敷へと続く道からは広い庭があって、花が沢山植えられている。洋風庭園が好きな僕はとても楽しい。

家の庭もこんなだったらなぁ……

家にも大きな庭がある、あるのだがここまで凝っていない。色鮮やかと言うより緑が目立つ庭だ。

「とても綺麗な庭園ですね」

「御褒めの言葉誠にありがとうございます。奥様と優様がとても庭園がお好きで、お2人で色々考えて新しく植えたり水を上げたりなされているのです。本当は使用人がやる事なのですが、お2人の楽しそうな姿を見ているととても止められなくていつも困っています………クスッ」

思い出し笑いをしながら嬉しそうに話す山之内さんを見ると慕われているのが分かる。
お爺様も少し驚いた顔をしている。

「失礼致しました、ではこちらからお入りください」

屋敷の中に入ると大きな階段が目につく。僕の家とは全く趣向が違うので面白い。


「ようこそ有栖川家へ」
階段から降りてきたのは有栖川グループ現代表取締役社長、有栖川文哉さんだった。

「文哉様!お久しぶりです!」

「様はやめてくださいと何度言ったら…………そうですね、snsでやり取りをしていたもののなかなか会えなくて残念でした。今回は優の教師を引き受けて下さりありがとうございます」

「いえ、有栖川家から頂いた恩を考えるととても少ないですが精一杯頑張らせていただきます」

……なんでお爺様より年下の文哉様に敬語で、様をつけているんだ…?
有栖川家が凄いのは分かるが石川家もそこそこ大きな会社だと思う。

「大海挨拶しなさい」

「ご挨拶が遅れました、石川大海と申します。よろしくお願い致します」

「君が大海君か、よく話は聞いているよ。今日は優とお話してくれるかい?」

「はい。こんな僕で良ければ」

「それは良かった、では優の部屋に案内しますね」

お爺様達の謎が深まったまま優様の部屋へと向かった。

……病弱と聞いていたが、部屋から出れないくらい体調が悪いのだろうか……?
普通当主が迎えに来ているのに当の本人が来ないなんてあるのか……?
わがままな子供なのだろうか?


部屋の前に着くと山之内さんがノックをしてドアを開ける。

中に入るが、お爺様に隠れてなかなか前が見えない。

「優様、お初にお目にかかります。石川直之と申します。国語を担当させていただきますので、よろしくお願いします。」
お爺様が挨拶をすると元気で可愛い声が部屋に響く。顔が見たい!必死に前へ出ると



そこには『女神』が居た。




女神様だ。
   なんて美しいのだろう。僕をじーっと見る碧色の瞳に吸い込まれそうになる。

   こんなに美しい人を初めてみた。

   今まで沢山の人に出会ったが、こんなにも綺麗な人を見たことがない。迎えにこなかったのも頷ける。部屋から出れないのだろう。僕だったら誰にも見えないところでずっと僕だけの鳥籠にいて欲しい。
……僕は何を考えているんだ。

顔が赤くなっているのが分かるとブンブンと首を横に振る。
女神様は首を傾げるとプラチナブロンドの髪がふわっと揺れて、僕と目が合うとニコッと笑った。



ドクン





……これが一目惚れと言うやつか。




この人、いやこの方の為なら僕はなんにでもなれるかもしれない。





…………人も殺せてしまうかもしれない……。







そうだ。僕はこの方の下僕になろう。望むなら、この世界だって手に入れて見せよう。





女神様。









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