25 / 31
7歳
おじいちゃん
しおりを挟む「体調は大丈夫かい?」
「あ、はい」
「好きな食べ物はなんだい?」
「えっと、」
「この家は楽しいかい?」
外に出てからずっとこの調子で少し戸惑ってしまうけれど、心配そうに俺を見る顔は普通のおじいちゃんそのもので、少し肩の力が抜けた気がした。
「はい!楽しいです!」
「……そうか。良かった」
嬉しそうに微笑んだお爺様を見て、またもやイケおじのスマイルにドキッとしてしまったのは内緒にしておくことにする…。
あの日から一週間経ってやっと部屋から出れた俺はお爺様と庭へ散歩に来ていた。
部屋に軟禁されていた1週間は、ほぼいつも通りと言うか前に戻ったと言うか…変わった事と言えば俺の部屋から全部本が撤去された事。撤去された時は絶望でしかなかったが、なんと1日に1冊読んだことがない本を持ってきてくれる事になったのだ。
読める時間は決まっているし、寝る前には本を没収されるし仮眠も必要だしと決まりは多々ある…
でも
部屋に新しい本を持ってきてくれて部屋で美味しいご飯を食べれて好きな時間に寝れてって思うと最高の生活すぎて、ずっとこのままでも良いかなぁなんて思ってしまった程俺にとってはただただ楽しい軟禁生活だった。
言わばこれも兄様達の作戦なのかな?
……だとすると大当たりすぎて流石としか言いようがない。
お爺様はと言うと、その後もずっと俺に質問攻めで…俺に気を使っているような、どこか俺を確かめているようなそんな気がした。
「あ!ソーダブルーのバラ!」
バラ園を少し入ったところにひっそりと咲いているこの花を見つけたあの日からこの花が大好きで毎年開花時期を待っているのだ。
男の俺でもうっとりするような綺麗な花でずっと見てられる。
……本当は部屋に持って帰りたいし、みんなに言えば買ってきてくれるだろうけど、バラが欲しい!なんて恥ずかしくて言えないし、ここにある数少ないこの色のバラを持って帰るのも気が引けるし、持って帰ったところでバレるのも時間の問題だし……
と毎年これを1人で考えている。
「……優、このバラが好きなのかい?」
ソーダブルーのバラに夢中になって目をキラキラさせていたせいかお爺様の事を完全に忘れていた。
き、聞かれてた、は恥ずかしい!!!
えっとなんか答えなきゃえっと……
……もういいや!!どうにでもなれ!!
「はい!!このバラが大しゅきなんです!!!」
……
……
終わった。また大事な所で噛んだよ。
……
「ぷっ…はっははははっ!」
…え
「クククそんなに好きなのかっ!可愛いなあ本当に。」
笑いながら俺の頭を雑に撫でているお爺様にの笑顔つられて俺も笑顔になってしまう
「俺の知り合いもこの花が好きだったから俺の家に沢山あるんだ。……そうだ今度俺の家に遊びに来ないかい?優のおばあちゃんも喜ぶよ」
ソーダブルーの花がいっぱい!!!!!
行きたい!!!!!!
「いきたいです!」
「そうか。楽しみにしているよ」
行きたいって言ったもののあの両親と兄達が許してくれるか…????
絶対ダメって言われる気がする…。
「?どうした?難しい顔をして」
「い、いえ!なんでもないです!」
咄嗟にそう答えて顔を上げるとお爺様は何故かかなしい顔をしていた。
…初めて会った時にみせた哀しい顔。
「お、お爺様!あそこのベンチに座りませんか?」
「?あ、あぁ。」
やっぱりここのベンチはなんかいいな。
薔薇の木に囲まれているこのコンクリートベンチ。
なんか落ち着く。
「…優。もし良ければ俺の前ではおじいちゃんって呼んでくれないかい?」
「え?」
「おじいちゃんって呼ばれるの好きなんだ。…直哉達も物心ついたら呼んでくれなくなったし……特に優が産まれてから……」
チラッチラッと俺の顔を見るお爺様は可愛くて
「はい!もちろんですおじいちゃん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後は少し経ってから屋敷に戻っておじいちゃんと別れた。
部屋に戻ると月都兄様が俺を笑顔、いやブラックスマイルで待っていて、何故か兄様に抱きつかれてお昼寝をする事になってしまったのだ。…なぜ?
134
あなたにおすすめの小説
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
ある日、人気俳優の弟になりました。2
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。穏やかで真面目で王子様のような人……と噂の直柾は「俺の命は、君のものだよ」と蕩けるような笑顔で言い出し、大学の先輩である隆晴も優斗を好きだと言い出して……。
平凡に生きたい(のに無理だった)19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の、更に溺愛生活が始まる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる