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いくら王道といえど、決してふざけてはいけないこともあるのです
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しおりを挟む「じゃあ心配ですね。今朝の会長の様子、副会長に伝えてあります?」
「伝えてませんよ。伝えるはずないじゃないですか。もう知りません、あのバ会長のことなど」
昼食時。購買へ行こうと坂本君が誘ってくれた時のことです。僕の顔がいつになくふくれ面だったのが気になったのか、どうしたのかと茶化されつつ話を聞いてくれたのですが、僕はもう知りません。それにこれっぽちも心配などしていないのです。
止めても動く野郎の事など、心配するだけ無駄なんですから。
購買前で今日のお昼は何にしようかと考えていると、坂本君は珍しく、神妙な顔つきで僕に言うのです。
「でも君。それは酷いと思いますよ」
「何が?」
「いくら会長が勝手に動いているだけだとしても、体調が悪いということを君は知っているんでしょう? だったら、会長と同じクラスの副会長、もしくは先生に状況を伝えることくらいはしてあげるべきでは?」
「そんなの、彼が自分ですべきです」
もう子供じゃないんだし。体調の自己管理くらい、自分でできなくてどうするんですか。
そう言うと、坂本君は声を張り上げて笑いました。
「馬鹿ですね~。あの皆の憧れである生徒会長が自分の弱みを易々と他人に晒すわけないじゃないですか。君の前だからきっと気が抜けたんですよ! そしてそれを知っているのは君だけなんですよ? 中途半端に心配してるんでしょ? だったら、できるところまでしてあげないと!」
悔しいけど、正論です。これがあのバ会長じゃなければ、素直に頷いているところですが、相手はあのバ会長なのです。
けど、坂本君の言っている事は間違ってません。放っておくなら最初から放っておけば良かった、という話なんです。中途半端が一番良くないことなのです。
坂本君を、少しだけ見直しました。ただの腐男子じゃなかったんですね。
「まあ、風邪ってのはホモォ的にあるあるイベントなんですよね~! ここまで突っ込んでるんです。看病イベントは外せませんね! もち十八禁で!」
前言撤回。やっぱりただの腐男子でした。
は~! と、盛大なため息を吐くと、突然坂本君の方からスマホのバイブ音が聞こえてきました。そちらへ視線をやるのと同時に、坂本君もスマホをポケットから取り出しました。このバイブ音、どうやらお電話のようです。
「七海く……副会長からです。はい、もしもし?」
どうして坂本君が副会長の電話番号を知っているのかはさておき、少しだけ嫌な予感がしました。そしてその予感が的中しなければいいと思ったのです。本当に。
坂本君がぎょっとした顔で僕へと向き直りました。
「皇会長が倒れたそうです……」
だから言わんこっちゃない。
僕は半分だけ、自分を責めました。
生徒会室で昼食を摂ろうとした皇君は、そこでようやくというべきか。一緒にいた七海君に気づいてもらえたそうです。その気づいてもらえたハプニングというのが、前方を歩いているはずがフラフラと斜めに進んでしまい、そのまま壁に激突したという何とも間抜けた行動だったのですが。想像して少しだけ笑ってしまったのは秘密です。ぷっくく。
そして、すぐにぶっ倒れてしまい、保健室行きになったということです。
その後は近くの病院へ運ばれ、点滴を打ち、絶対安静という張り紙を付けられ、内服薬と共に寮へと帰されましたとさ。ちゃんちゃん。
はあ。
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