51 / 184
リヒト⑤
2
しおりを挟む
気づけば僕は、ユーリ様と暮らすお屋敷の、いつもの寝台に寝ていた。
いつ戻ってきて、いつ寝たのか覚えていない。
お祈りをしましょうね、とエミール様に言われて。
なんだかぼうっとしてしまったことは覚えている。
お祈りをしましょうね。
(祈りなさい)
誰かの声がしている。
(あなたを信じる民のために、祈りなさい)
(祈りなさい、ハーゼ様)
そうだ。祈らなくてはならない。
僕は……僕は…………。
「おはようございます」
急に話しかけられて、僕は驚いて顔を上げた。
ベッドに座る僕を、茶色い髪のひとが見下ろしている。
「テオバルドです、リヒト様」
僕が尋ねる前に、彼の方から名乗ってくれた。
昨日からユーリ様が居ないから、代わりに僕のお世話をすると、そういえば昨日言われた気がする。
テオバルドさんは寝台の横に立ったまま、僕に聞こえるようにハッキリとした声を出した。
「お着替えを出していたのですが、そのまま休まれたんですね」
着替え……と、僕が首を巡らせたら、テオバルドさんが突然頭を下げた。このひとは動作がとても速いので、僕の目には影がびゅんっと横切るように感じてしまう。
「すみませんっ! 説明不足でしたっ!」
「い、いいえ……」
「あのですね、リヒト様。あなたのことはユリウス様より直直に託されていますが、俺はあなたのことをほとんど知りません。ですから、一つ一つお尋ねしていく形となります。失礼があったらすみません。先に謝っておきます」
テオバルドさんがそう言ってまた素早く一礼をした。
僕はどう答えていいかわからずに、
「ご迷惑をおかけします」
と返して、ベッドの上でおずおずとお辞儀をした。
ユーリ様が居ない、ということを僕はいまさらに強く感じた。
ユーリ様が居ない。
それだけで、なにをすればいいかわからない。
昨日まではユーリ様が僕を起こしてくれて、あれをしよう、これをしよう、とぜんぶ決めてくれたから。
僕はどうしていいかわからずに、テオバルドさんに何も伝えることができなかった。
僕が黙り込んでしまったので、テオバルドさんも途方にくれたようだった。彼の形をした人影がそわそわと動いている。
なにかを言わなければならない、と僕は焦って口を開いた。
「お、お風呂に入っても、いいですか」
間の抜けた僕の言葉に、テオバルドさんがビシっと姿勢を正して、
「もちろんです!」
と答えた。
僕はホッとして、もう一度彼に頭を下げた。昨日はお屋敷に戻ってすぐに寝てしまったので、お風呂も食事もしていなかったのだ。
おまけに着替えもしていなかったと気づいて、僕は恥ずかしくなった。
今日からはちゃんとしなければ。
ちゃんと食べると、ユーリ様に約束をしたのだから。
まずはお風呂に入って、身なりを整えよう。
僕はそう思ったけれど、いくら待ってもテオバルドさんは動かない。
お風呂に入っていいと言われたと思ったのに、僕の聞き間違いだったのだろうか。
どうしよう、とベッドに座ったまま布団を握り締めていると、しばらくしてテオバルドさんが、
「えっ? あ、ああっ!」
と大きな声を上げて。
「あのですね、もしかして浴室までの道がわからないとかですか?」
テオバルドさんは僕に、そう問いかけてきた。
この部屋の右の扉から出て、左側へ続く扉を開けたら浴室だ。行き方は覚えている。でも、ユーリ様は僕を抱っこして運んでくれていたから、僕は当然のようにテオバルドさんも抱き上げてくれるだろうと思い込んでいた。
僕は慌てて寝台から降りた。歩けるのだから、ひとりで移動するべきだ。そんな当たり前のこともわからないなんて。
恥ずかしくて逃げてしまいたい衝動をこらえながら僕は、急いでテオバルドさんへ伝えた。
「行き方はわかります、ごめんなさい、僕、ひとりで行けます」
「あ、いや、あっ! 危ないですよっ!」
ドンっ、となにかにぶつかって、僕は思いきりよろけた。転ぶ直前に、伸びてきたテオバルドさんの手に支えられる。
「箪笥です。怪我はしてませんか?」
ぶつかった物の正体を教えられて、そこに箪笥があったことを思い出す。このお屋敷に住み始めた当初から、箪笥はずっとそこにある。
僕が動いても危なくないように、ユーリ様がベッド周りの空間をしっかりと確保してくれていたから、本来ならぶつかるような場所ではなかった。
慌てすぎたせいで壁際に寄りすぎたのだ。
自室内も碌にに歩けないのかと、テオバルドさんには呆れられてしまっただろう。
「……ありがとうございます」
僕は羞恥を覚えながらも、支えてくれたお礼をぼそぼそと口にした。
テオバルドさんは「う~ん」と困ったような唸り声を漏らして、それから僕に尋ねてきた。
「失礼ながら、手を引いてもいいですか。手ぐらいなら、ギリギリゆるしてもらえると思うんで」
ゆるす?
誰のゆるしが要るのだというのだろう。考えて、ああ僕か、と気づく。
僕は右手を差し出して、
「よろしくお願いします」
と答えた。
テオバルドさんが僕の手を握って、引いてくれる。
僕はぎくしゃくと足を踏み出した。
これ以上の失態はできないという緊張で、上手く歩けない。よろよろと不安定な僕の動きに合わせて、テオバルドさんはゆっくり歩いてくれた。
浴室に到着すると、テオバルドさんが手伝いを申し出てくれた。
僕はそれを断った。
「ひとりで大丈夫です」
僕の言葉を吟味するようにテオバルドさんはしばらく黙っていたけれど、
「わかりました。私は外で控えておりますので、なにかあれば声をかけてください」
と言ってドアの外へ消えて行った。
僕は一生懸命手を動かして、服を脱いだ。
ボタンがどこにあるのか、触ってもよくわからない。服を引っ張ってひとつひとつ確かめながら、なんとか上の服を脱ぎ落すことができた。
ズボンの方はまだ簡単だ。トイレのときに脱ぎ着しやすいように、僕のズボンはウエストがゴムになっていて、ユーリ様がお召しの物のようなベルトや他の装飾はつけられていないから、ストンと脱ぐことができる。
首輪だけは外せない。鍵はユーリ様が持っているし、そもそも僕が自分で鍵穴に鍵を入れるなんて細かな芸当ができるはずもなかった。
濡れても大丈夫な加工が施されているので、装着したままでも問題ないだろう。
裸になった僕は、浴槽の方へと近づいた。
いつもユーリ様が座らせてくれる椅子に座り、ユーリ様がしてくれるように、手桶で浴槽の湯をすくって、頭からざぶりと掛けた。
肌に、ほのかな温もりを感じる。
リヒトは温度がわかりにくいから、ひとりでお風呂に入ってはいけないよ。
子どもの頃にユーリ様から言われたことをいまさらに思い出して、僕は泣きそうになった。
僕はひとりではなにもできない。
でもこんな僕でも、唯一、できることがある。
それは神様の声を聞くことだ。
石造りの、祭壇のある部屋で。
僕は何度か、不思議に響く神様の声を耳にした。
ユーリ様のご無事をデァモント様にお祈りすれば、神様は応えてくださるだろうか。
ユーリ様は必ず無事にここへ帰ってくると、言ってくださるだろうか。
(祈りなさい、ハーゼ様。祈りなさい)
真っ白な装束に身を包んだひとが、繰り返しそう言っていたのを覚えている。
祈りなさい、祈りなさい、祈りなさい。
僕は浴室の床に両膝をついた。
そのままの姿勢で目を閉じて、一心にユーリ様の無事をお祈りする。
祈っているうちに、神様の前に行くときは体を清めなければなりません、と言われて、昔、水垢離というものをさせられたことがあるなと思い出した。
あれはいつだっただろうか。
月神祭、と呼ばれる日のときだったろうか。
ユーリ様に拾われる前の記憶を手繰り寄せながら、僕は水を求めて浴槽に伸びる蛇口を探した。
お風呂のお湯が熱すぎたとき、ユーリ様がそこから水を注いで温度を調整していたから、蛇口からは冷たい水が出るはずだった。
蛇口らしき鉄色のシルエットを見つけ、浴槽のへりに手をついて、もう片方の手を伸ばす。
身を乗り出した拍子に、足が滑った。
ざぶん! と水音が上がった。
頭から浴槽の中へ落ちてしまったのだ。
僕はお湯の中でもがいた。足を底について、体を持ち上げるだけだ。わかっているのに、自分の体勢がどうなっていて、どっちが上でどっちが下なのか認識ができない。
ごぼっと口の中から空気が出て行った。
どうして良いかわからずに、思わず助けを呼ぼうとしてお湯を飲んでしまう。
ダメだ。苦しい。
ユーリ様。ユーリ様。ユーリ様!
急に体が浮いた。
と思ったら、胸に空気が入ってきた。
「……さまっ! リヒト様っ! 大丈夫ですかっ!」
誰かが叫んでいる。茶色い髪のひと……テオバルドさんだ。
ごほごほ咳き込む僕の背を、テオバルドさんが叩いている。
お風呂場で溺れるなんて、僕は本当にダメだなぁ、と情けなくて涙が出た。
ごめんなさい、と僕は息苦しい呼吸の合間に、テオバルドさんへ謝った。
ごめんなさい、と繰り返しながら、喉元へと手をやる。
首輪を探って、ユーリ様の髪と同じ色の宝石をぎゅっと握りしめる。
ユーリ様。
ユーリ様。
僕はちゃんと祈ります。
役立たずで、迷惑になるばかりの僕だけど。
神様の声を聞くことは、できるはずだから……。
いつ戻ってきて、いつ寝たのか覚えていない。
お祈りをしましょうね、とエミール様に言われて。
なんだかぼうっとしてしまったことは覚えている。
お祈りをしましょうね。
(祈りなさい)
誰かの声がしている。
(あなたを信じる民のために、祈りなさい)
(祈りなさい、ハーゼ様)
そうだ。祈らなくてはならない。
僕は……僕は…………。
「おはようございます」
急に話しかけられて、僕は驚いて顔を上げた。
ベッドに座る僕を、茶色い髪のひとが見下ろしている。
「テオバルドです、リヒト様」
僕が尋ねる前に、彼の方から名乗ってくれた。
昨日からユーリ様が居ないから、代わりに僕のお世話をすると、そういえば昨日言われた気がする。
テオバルドさんは寝台の横に立ったまま、僕に聞こえるようにハッキリとした声を出した。
「お着替えを出していたのですが、そのまま休まれたんですね」
着替え……と、僕が首を巡らせたら、テオバルドさんが突然頭を下げた。このひとは動作がとても速いので、僕の目には影がびゅんっと横切るように感じてしまう。
「すみませんっ! 説明不足でしたっ!」
「い、いいえ……」
「あのですね、リヒト様。あなたのことはユリウス様より直直に託されていますが、俺はあなたのことをほとんど知りません。ですから、一つ一つお尋ねしていく形となります。失礼があったらすみません。先に謝っておきます」
テオバルドさんがそう言ってまた素早く一礼をした。
僕はどう答えていいかわからずに、
「ご迷惑をおかけします」
と返して、ベッドの上でおずおずとお辞儀をした。
ユーリ様が居ない、ということを僕はいまさらに強く感じた。
ユーリ様が居ない。
それだけで、なにをすればいいかわからない。
昨日まではユーリ様が僕を起こしてくれて、あれをしよう、これをしよう、とぜんぶ決めてくれたから。
僕はどうしていいかわからずに、テオバルドさんに何も伝えることができなかった。
僕が黙り込んでしまったので、テオバルドさんも途方にくれたようだった。彼の形をした人影がそわそわと動いている。
なにかを言わなければならない、と僕は焦って口を開いた。
「お、お風呂に入っても、いいですか」
間の抜けた僕の言葉に、テオバルドさんがビシっと姿勢を正して、
「もちろんです!」
と答えた。
僕はホッとして、もう一度彼に頭を下げた。昨日はお屋敷に戻ってすぐに寝てしまったので、お風呂も食事もしていなかったのだ。
おまけに着替えもしていなかったと気づいて、僕は恥ずかしくなった。
今日からはちゃんとしなければ。
ちゃんと食べると、ユーリ様に約束をしたのだから。
まずはお風呂に入って、身なりを整えよう。
僕はそう思ったけれど、いくら待ってもテオバルドさんは動かない。
お風呂に入っていいと言われたと思ったのに、僕の聞き間違いだったのだろうか。
どうしよう、とベッドに座ったまま布団を握り締めていると、しばらくしてテオバルドさんが、
「えっ? あ、ああっ!」
と大きな声を上げて。
「あのですね、もしかして浴室までの道がわからないとかですか?」
テオバルドさんは僕に、そう問いかけてきた。
この部屋の右の扉から出て、左側へ続く扉を開けたら浴室だ。行き方は覚えている。でも、ユーリ様は僕を抱っこして運んでくれていたから、僕は当然のようにテオバルドさんも抱き上げてくれるだろうと思い込んでいた。
僕は慌てて寝台から降りた。歩けるのだから、ひとりで移動するべきだ。そんな当たり前のこともわからないなんて。
恥ずかしくて逃げてしまいたい衝動をこらえながら僕は、急いでテオバルドさんへ伝えた。
「行き方はわかります、ごめんなさい、僕、ひとりで行けます」
「あ、いや、あっ! 危ないですよっ!」
ドンっ、となにかにぶつかって、僕は思いきりよろけた。転ぶ直前に、伸びてきたテオバルドさんの手に支えられる。
「箪笥です。怪我はしてませんか?」
ぶつかった物の正体を教えられて、そこに箪笥があったことを思い出す。このお屋敷に住み始めた当初から、箪笥はずっとそこにある。
僕が動いても危なくないように、ユーリ様がベッド周りの空間をしっかりと確保してくれていたから、本来ならぶつかるような場所ではなかった。
慌てすぎたせいで壁際に寄りすぎたのだ。
自室内も碌にに歩けないのかと、テオバルドさんには呆れられてしまっただろう。
「……ありがとうございます」
僕は羞恥を覚えながらも、支えてくれたお礼をぼそぼそと口にした。
テオバルドさんは「う~ん」と困ったような唸り声を漏らして、それから僕に尋ねてきた。
「失礼ながら、手を引いてもいいですか。手ぐらいなら、ギリギリゆるしてもらえると思うんで」
ゆるす?
誰のゆるしが要るのだというのだろう。考えて、ああ僕か、と気づく。
僕は右手を差し出して、
「よろしくお願いします」
と答えた。
テオバルドさんが僕の手を握って、引いてくれる。
僕はぎくしゃくと足を踏み出した。
これ以上の失態はできないという緊張で、上手く歩けない。よろよろと不安定な僕の動きに合わせて、テオバルドさんはゆっくり歩いてくれた。
浴室に到着すると、テオバルドさんが手伝いを申し出てくれた。
僕はそれを断った。
「ひとりで大丈夫です」
僕の言葉を吟味するようにテオバルドさんはしばらく黙っていたけれど、
「わかりました。私は外で控えておりますので、なにかあれば声をかけてください」
と言ってドアの外へ消えて行った。
僕は一生懸命手を動かして、服を脱いだ。
ボタンがどこにあるのか、触ってもよくわからない。服を引っ張ってひとつひとつ確かめながら、なんとか上の服を脱ぎ落すことができた。
ズボンの方はまだ簡単だ。トイレのときに脱ぎ着しやすいように、僕のズボンはウエストがゴムになっていて、ユーリ様がお召しの物のようなベルトや他の装飾はつけられていないから、ストンと脱ぐことができる。
首輪だけは外せない。鍵はユーリ様が持っているし、そもそも僕が自分で鍵穴に鍵を入れるなんて細かな芸当ができるはずもなかった。
濡れても大丈夫な加工が施されているので、装着したままでも問題ないだろう。
裸になった僕は、浴槽の方へと近づいた。
いつもユーリ様が座らせてくれる椅子に座り、ユーリ様がしてくれるように、手桶で浴槽の湯をすくって、頭からざぶりと掛けた。
肌に、ほのかな温もりを感じる。
リヒトは温度がわかりにくいから、ひとりでお風呂に入ってはいけないよ。
子どもの頃にユーリ様から言われたことをいまさらに思い出して、僕は泣きそうになった。
僕はひとりではなにもできない。
でもこんな僕でも、唯一、できることがある。
それは神様の声を聞くことだ。
石造りの、祭壇のある部屋で。
僕は何度か、不思議に響く神様の声を耳にした。
ユーリ様のご無事をデァモント様にお祈りすれば、神様は応えてくださるだろうか。
ユーリ様は必ず無事にここへ帰ってくると、言ってくださるだろうか。
(祈りなさい、ハーゼ様。祈りなさい)
真っ白な装束に身を包んだひとが、繰り返しそう言っていたのを覚えている。
祈りなさい、祈りなさい、祈りなさい。
僕は浴室の床に両膝をついた。
そのままの姿勢で目を閉じて、一心にユーリ様の無事をお祈りする。
祈っているうちに、神様の前に行くときは体を清めなければなりません、と言われて、昔、水垢離というものをさせられたことがあるなと思い出した。
あれはいつだっただろうか。
月神祭、と呼ばれる日のときだったろうか。
ユーリ様に拾われる前の記憶を手繰り寄せながら、僕は水を求めて浴槽に伸びる蛇口を探した。
お風呂のお湯が熱すぎたとき、ユーリ様がそこから水を注いで温度を調整していたから、蛇口からは冷たい水が出るはずだった。
蛇口らしき鉄色のシルエットを見つけ、浴槽のへりに手をついて、もう片方の手を伸ばす。
身を乗り出した拍子に、足が滑った。
ざぶん! と水音が上がった。
頭から浴槽の中へ落ちてしまったのだ。
僕はお湯の中でもがいた。足を底について、体を持ち上げるだけだ。わかっているのに、自分の体勢がどうなっていて、どっちが上でどっちが下なのか認識ができない。
ごぼっと口の中から空気が出て行った。
どうして良いかわからずに、思わず助けを呼ぼうとしてお湯を飲んでしまう。
ダメだ。苦しい。
ユーリ様。ユーリ様。ユーリ様!
急に体が浮いた。
と思ったら、胸に空気が入ってきた。
「……さまっ! リヒト様っ! 大丈夫ですかっ!」
誰かが叫んでいる。茶色い髪のひと……テオバルドさんだ。
ごほごほ咳き込む僕の背を、テオバルドさんが叩いている。
お風呂場で溺れるなんて、僕は本当にダメだなぁ、と情けなくて涙が出た。
ごめんなさい、と僕は息苦しい呼吸の合間に、テオバルドさんへ謝った。
ごめんなさい、と繰り返しながら、喉元へと手をやる。
首輪を探って、ユーリ様の髪と同じ色の宝石をぎゅっと握りしめる。
ユーリ様。
ユーリ様。
僕はちゃんと祈ります。
役立たずで、迷惑になるばかりの僕だけど。
神様の声を聞くことは、できるはずだから……。
184
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました
水凪しおん
BL
※オメガバース設定。激しい戦闘描写や、執着攻めによるマーキング描写、軽度の性的な接触の描写がありますので、15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
汚染された惑星を浄化する生体兵器『機装(ギア)』。
その搭乗者は優れた能力を持つ『アルファ』に限られ、彼らの精神を安定させる鎮静剤として『オメガ』が存在する世界。
整備士のエリアンは、オメガであることを隠し、ベータと偽って軍の最前線で働いていた。
オメガは道具のように扱われるこの社会で、自由を守るための必死の嘘だった。
だがある日、軍最強のエリートパイロット・クレイドの機装が暴走する事故に遭遇する。
死を覚悟して止めに入ったエリアンだったが、暴走する機体はなぜか彼にだけ反応し、沈静化した。
それは、隠していたオメガのフェロモンが、クレイドと強烈な『共鳴』を起こした瞬間だった。
「見つけた。俺の対になる存在を」
正体がバレたと戦慄するエリアンに対し、冷徹なはずのクレイドが向けたのは、処罰ではなく執着に満ちた熱い視線で……?
孤独なエリート騎士×身分を隠した健気な整備士。
星の命運と本能が交錯する、近未来SFオメガバース!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる