76 / 184
テオバルドの奮闘
3
しおりを挟む
ハイマンが頭を抱えた。
当然だ。
ここはユリウスの私有地。屋敷の敷地内である。
こんなところを屋敷の関係者でもないただの女が通りすがるわけがない。しかも、夜中に。
完全なる不審者を演出してしまったテオバルドだったが、十二年間ユリウスに囲い込まれていた不思議ちゃんは疑問も持たずに、頭からテオバルドの言葉を信じたようだった。
「そうですか。あの、支えていただき、ありがとうございました」
ぴょこんとお辞儀をしたリヒトを見て、大丈夫かこの子は、と一気に不安になったテオバルドである。
ユーリ様、もうちょっとちゃんと教育した方がいいんじゃないでしょうか。
胸の中で主に問題提起をして、テオバルドはリヒトの手を引いた。頼りなげな手は、氷のような冷たさだ。それでも寒い素振りも見せないリヒトに、テオバルドの胸は痛んだ。
触覚が弱いリヒトは、温冷の感覚もわかりにくい。
早く上着を持って来てくれ、とまだ現れないザックを急かしつつ、テオバルドはリヒトに話しかけた。
「あちらに手すりがありますわ。そこを伝えば転ばずに歩けるんじゃないかしら」
気持ち悪いテオバルドの女言葉に、ハイマンが身震いをしている。
それをひと睨みして、リヒトの手を握ったまま通りの端へと連れてゆく。
ありがとうございますとお礼を言ったリヒトは、手を引かれるにまかせて諾々とついてきた。いつ誘拐されてもおかしくないな、とテオバルドは彼の警戒のなさに溜め息を漏らした。
「ところで、どこに向かうおつもりなの?」
冷えた手に熱を分け与えるように包み込んで、テオバルドはリヒトとへと問いかけた。
リヒトは視線を足元へと落とし、口をもごりと動かした。
「…………山に」
「山ぁっ?」
つい地声が出てしまったが、さいわい、リヒトはそれに気づかなかったようで、うつむいたままポツリと呟いた。
「僕が、ユーリ様に拾われた山に、行こうと思って」
「なぜそう思われたんですの?」
「……神様の声を、聞かないといけないから」
神様の声!
さすが不思議ちゃん。言うことがぶっ飛んでいる。
意味不明な理由を告げてきたリヒトは、けれど冗談を言っている口調ではなくて、その深刻な顔つきから彼が本当に神様の声を聞こうとしているのだと知れた。
無神論者、というわけではないが積極的に信仰をしていないテオバルドは、どうやってリヒトを止めるべきか頭を悩ませた。う~ん、と内心で唸っていると、リヒトがふとこちらを見上げてくる。
「あ、あの、あなたはユーリ様のことをご存知なのですか? それに、僕の目が見えにくいことも」
おっといけない。
ユーリ様が誰かということも尋ねなかったし、迷うことなく手すりの方へと案内したことを突っ込まれてしまった。
テオバルドはオホホとわざとらしく笑い、
「ユーリ様は有名な御方ですもの。もちろん存じ上げてますわ。それにあなたの目が悪いことも、歩く姿を見ていれば察せられましてよ。オホホ。さあ、ここが手すりですわ。これを握って転ばないようにお気をつけあそばせ。それじゃあわたくしはこれで、オホホホホ~」
強引に誤魔化してリヒトに手すりを握らせると、テオバルドはそそくさとその場を離れ、リヒトの背後に回った。
リヒトはしばらくポカンとしたまま、謎の女の姿を探して左右に顔を振り向けていたが、自分では見つけられないと諦めて、手すりを伝って歩きだした。
テオバルドと同じくリヒトの背後に控えたハイマンが、横目でこちらを見ている。
「オホホホ」
小声で、ぼそりと呟かれた。
「真似すんな!」
テオバルドは隣の男の肩をこぶしで叩き、それからヒソヒソと囁いた。
「エミール様を呼んできてくれ」
「こんな時間にか?」
「俺よりもエミール様の方が、リヒト様を上手く連れて帰ってくれる。緊急事態だ。エミール様もわかってくださる」
「……承知した」
日付も変わった深夜に呼び出すなど、不敬もいいとろこであったが背に腹は代えられない。ハイマンは不承不承頷き、厩舎の方へと走って行った。
彼と入れ違いにザックがリヒトの外套を片手に駆け寄ってくる。もう片方の手には、ユリウスのステッキを持っていた。
サーリーク王国のみならず大陸国に住む上流階級の男性は、正装時にステッキを持つ慣習がある。
実用のためのものではなく、完全なる飾りだ。権威を暗示するための小道具として、ステッキは存在する。
不要なもので片手を塞がれていても、おのれの暮らしに支障はない、と示すためのものなのだ。
つまり、ユリウスのステッキも同様の意味を持つもので、持ち手から杖先に至るまで、豪華な装飾が施されていた。
だから盲人が使うような杖とは根本からして違うのだが。
「ないよりはマシだと思って」
と、ザックはそう言って、ステッキを掲げた。
確かに、ないよりはマシかもしれない。
手すりは門の近くまで続いているが、門から外は当然のことながら手すりもない馬車道だ。地面はそれなりに整備されているとはいえども、この敷地ほどではない。凹凸や石もあれば馬糞だって落ちているかもしれない。
そんな通りであっても、縋るものがあればリヒトもそう簡単には転ばないだろう。
だが問題は、これがユリウスのステッキ、ということだ。
ユリウスのために誂えられたステッキの長さは、ユリウスの腰骨の辺りに調整されたものなのだ。
ユリウスは長身で、足が長い。同じ男として羨ましいぐらいに足が長い。
対してリヒトの身長はといえば、ユリウスの胸の辺りにようやく届くか、という具合だ。
なので、リヒトにはこのステッキは長すぎる。
テオバルドたちにとって僥倖なことに、リヒトの歩くスピードはかなり遅かった。彼自身も転ばないように慎重に歩いている結果だろう。この足取りでよくここまでひとりで来たなと感心すらする。それほどまでに、神様の声とやらを聞きたいのだろうか。
そんな足取りだから、門まで辿りつくにはまだ相当の猶予がある。
杖の出番は彼が門の外に出てからなので、それまでに決断しなければならない。
主の高級ステッキを、リヒトの身長に合わせて折るかどうかを。
ザックと顔を見合わせ、テオバルドはごくりと生唾を飲み込んだ。
「……リヒト様のためなら、ユリウス殿下は絶対におゆるしになる」
多分。きっと。
「だから、俺が合図したら、杖を折るか斬るかしてくれ」
テオバルドは丸腰だが、門番のザックは帯剣している。顎で腰に下げているそれを示すと、ザックがぐぅと唸り声をあげた。
「……了解した」
「頼んだ」
ステッキを彼に託して、テオバルドは上着だけを受け取り、手すりを伝って歩くリヒトの前に回り込んだ。そしてわざとリヒトにぶつかる。
「わっ」
小さな悲鳴とともにリヒトが後ろへ倒れそうになった。予測済みだったテオバルドはさっと腕を伸ばしてそれを支え、さっきとは違う声を意識して口を開いた。
「おお、これはすまなんだ。大丈夫かい」
「大丈夫です……ええと、どなたでしょうか」
「通りすがりのただの年寄りじゃ」
通りすがり……とリヒトが呟く。その肩越しにザックが胡乱な目でこちらを見ているのがわかった。なんの茶番だ、と言いたげなその視線を振り払い、テオバルドはリヒトへと話しかける。
「おお、見ればなんと寒そうな恰好をしているのじゃ」
「寒そう、ですか?」
「上着はどうした、持っておらんのか」
「僕は、寒くないので大丈夫です」
控えめな仕草で首を振ったリヒトの、その手を掴んで、テオバルドは作った声音でまくしたてた。
「偶然にもわしは、要らなくなった外套を持っておる。あなたに差し上げよう。さぁ腕を伸ばして。おお! 奇遇にもぴったりじゃないか。このままもらってくれると助かる。いやぁ、荷物になるから良かった良かった。わっはっは!」
手早くリヒトに外套を着せ、高笑いをしながらテオバルドはササっとリヒトの視界から消えた。
リヒトは先ほどと同じように左右へ顔を振り向けて、居なくなった老人を探していたが、やがて諦めたように吐息した。
「……もらってくれって……いいのかなぁ」
困惑しきり、という様子のリヒトだったが、外套を脱ごうとはしなかったのでテオバルドはホッとした。
「わっはっは……」
小声で、ザックがぼそりとテオバルドの笑い方を真似た。ハイマンにしたようにテオバルドはザックの肩もどついてやる。
「なんだよいまの小芝居は」
「うるさい黙れ」
「おまえ、演技下手くそだな」
「うるさいって」
テオバルドとザックは小声で言い合いながら、リヒトの後ろについて歩いた。
当然だ。
ここはユリウスの私有地。屋敷の敷地内である。
こんなところを屋敷の関係者でもないただの女が通りすがるわけがない。しかも、夜中に。
完全なる不審者を演出してしまったテオバルドだったが、十二年間ユリウスに囲い込まれていた不思議ちゃんは疑問も持たずに、頭からテオバルドの言葉を信じたようだった。
「そうですか。あの、支えていただき、ありがとうございました」
ぴょこんとお辞儀をしたリヒトを見て、大丈夫かこの子は、と一気に不安になったテオバルドである。
ユーリ様、もうちょっとちゃんと教育した方がいいんじゃないでしょうか。
胸の中で主に問題提起をして、テオバルドはリヒトの手を引いた。頼りなげな手は、氷のような冷たさだ。それでも寒い素振りも見せないリヒトに、テオバルドの胸は痛んだ。
触覚が弱いリヒトは、温冷の感覚もわかりにくい。
早く上着を持って来てくれ、とまだ現れないザックを急かしつつ、テオバルドはリヒトに話しかけた。
「あちらに手すりがありますわ。そこを伝えば転ばずに歩けるんじゃないかしら」
気持ち悪いテオバルドの女言葉に、ハイマンが身震いをしている。
それをひと睨みして、リヒトの手を握ったまま通りの端へと連れてゆく。
ありがとうございますとお礼を言ったリヒトは、手を引かれるにまかせて諾々とついてきた。いつ誘拐されてもおかしくないな、とテオバルドは彼の警戒のなさに溜め息を漏らした。
「ところで、どこに向かうおつもりなの?」
冷えた手に熱を分け与えるように包み込んで、テオバルドはリヒトとへと問いかけた。
リヒトは視線を足元へと落とし、口をもごりと動かした。
「…………山に」
「山ぁっ?」
つい地声が出てしまったが、さいわい、リヒトはそれに気づかなかったようで、うつむいたままポツリと呟いた。
「僕が、ユーリ様に拾われた山に、行こうと思って」
「なぜそう思われたんですの?」
「……神様の声を、聞かないといけないから」
神様の声!
さすが不思議ちゃん。言うことがぶっ飛んでいる。
意味不明な理由を告げてきたリヒトは、けれど冗談を言っている口調ではなくて、その深刻な顔つきから彼が本当に神様の声を聞こうとしているのだと知れた。
無神論者、というわけではないが積極的に信仰をしていないテオバルドは、どうやってリヒトを止めるべきか頭を悩ませた。う~ん、と内心で唸っていると、リヒトがふとこちらを見上げてくる。
「あ、あの、あなたはユーリ様のことをご存知なのですか? それに、僕の目が見えにくいことも」
おっといけない。
ユーリ様が誰かということも尋ねなかったし、迷うことなく手すりの方へと案内したことを突っ込まれてしまった。
テオバルドはオホホとわざとらしく笑い、
「ユーリ様は有名な御方ですもの。もちろん存じ上げてますわ。それにあなたの目が悪いことも、歩く姿を見ていれば察せられましてよ。オホホ。さあ、ここが手すりですわ。これを握って転ばないようにお気をつけあそばせ。それじゃあわたくしはこれで、オホホホホ~」
強引に誤魔化してリヒトに手すりを握らせると、テオバルドはそそくさとその場を離れ、リヒトの背後に回った。
リヒトはしばらくポカンとしたまま、謎の女の姿を探して左右に顔を振り向けていたが、自分では見つけられないと諦めて、手すりを伝って歩きだした。
テオバルドと同じくリヒトの背後に控えたハイマンが、横目でこちらを見ている。
「オホホホ」
小声で、ぼそりと呟かれた。
「真似すんな!」
テオバルドは隣の男の肩をこぶしで叩き、それからヒソヒソと囁いた。
「エミール様を呼んできてくれ」
「こんな時間にか?」
「俺よりもエミール様の方が、リヒト様を上手く連れて帰ってくれる。緊急事態だ。エミール様もわかってくださる」
「……承知した」
日付も変わった深夜に呼び出すなど、不敬もいいとろこであったが背に腹は代えられない。ハイマンは不承不承頷き、厩舎の方へと走って行った。
彼と入れ違いにザックがリヒトの外套を片手に駆け寄ってくる。もう片方の手には、ユリウスのステッキを持っていた。
サーリーク王国のみならず大陸国に住む上流階級の男性は、正装時にステッキを持つ慣習がある。
実用のためのものではなく、完全なる飾りだ。権威を暗示するための小道具として、ステッキは存在する。
不要なもので片手を塞がれていても、おのれの暮らしに支障はない、と示すためのものなのだ。
つまり、ユリウスのステッキも同様の意味を持つもので、持ち手から杖先に至るまで、豪華な装飾が施されていた。
だから盲人が使うような杖とは根本からして違うのだが。
「ないよりはマシだと思って」
と、ザックはそう言って、ステッキを掲げた。
確かに、ないよりはマシかもしれない。
手すりは門の近くまで続いているが、門から外は当然のことながら手すりもない馬車道だ。地面はそれなりに整備されているとはいえども、この敷地ほどではない。凹凸や石もあれば馬糞だって落ちているかもしれない。
そんな通りであっても、縋るものがあればリヒトもそう簡単には転ばないだろう。
だが問題は、これがユリウスのステッキ、ということだ。
ユリウスのために誂えられたステッキの長さは、ユリウスの腰骨の辺りに調整されたものなのだ。
ユリウスは長身で、足が長い。同じ男として羨ましいぐらいに足が長い。
対してリヒトの身長はといえば、ユリウスの胸の辺りにようやく届くか、という具合だ。
なので、リヒトにはこのステッキは長すぎる。
テオバルドたちにとって僥倖なことに、リヒトの歩くスピードはかなり遅かった。彼自身も転ばないように慎重に歩いている結果だろう。この足取りでよくここまでひとりで来たなと感心すらする。それほどまでに、神様の声とやらを聞きたいのだろうか。
そんな足取りだから、門まで辿りつくにはまだ相当の猶予がある。
杖の出番は彼が門の外に出てからなので、それまでに決断しなければならない。
主の高級ステッキを、リヒトの身長に合わせて折るかどうかを。
ザックと顔を見合わせ、テオバルドはごくりと生唾を飲み込んだ。
「……リヒト様のためなら、ユリウス殿下は絶対におゆるしになる」
多分。きっと。
「だから、俺が合図したら、杖を折るか斬るかしてくれ」
テオバルドは丸腰だが、門番のザックは帯剣している。顎で腰に下げているそれを示すと、ザックがぐぅと唸り声をあげた。
「……了解した」
「頼んだ」
ステッキを彼に託して、テオバルドは上着だけを受け取り、手すりを伝って歩くリヒトの前に回り込んだ。そしてわざとリヒトにぶつかる。
「わっ」
小さな悲鳴とともにリヒトが後ろへ倒れそうになった。予測済みだったテオバルドはさっと腕を伸ばしてそれを支え、さっきとは違う声を意識して口を開いた。
「おお、これはすまなんだ。大丈夫かい」
「大丈夫です……ええと、どなたでしょうか」
「通りすがりのただの年寄りじゃ」
通りすがり……とリヒトが呟く。その肩越しにザックが胡乱な目でこちらを見ているのがわかった。なんの茶番だ、と言いたげなその視線を振り払い、テオバルドはリヒトへと話しかける。
「おお、見ればなんと寒そうな恰好をしているのじゃ」
「寒そう、ですか?」
「上着はどうした、持っておらんのか」
「僕は、寒くないので大丈夫です」
控えめな仕草で首を振ったリヒトの、その手を掴んで、テオバルドは作った声音でまくしたてた。
「偶然にもわしは、要らなくなった外套を持っておる。あなたに差し上げよう。さぁ腕を伸ばして。おお! 奇遇にもぴったりじゃないか。このままもらってくれると助かる。いやぁ、荷物になるから良かった良かった。わっはっは!」
手早くリヒトに外套を着せ、高笑いをしながらテオバルドはササっとリヒトの視界から消えた。
リヒトは先ほどと同じように左右へ顔を振り向けて、居なくなった老人を探していたが、やがて諦めたように吐息した。
「……もらってくれって……いいのかなぁ」
困惑しきり、という様子のリヒトだったが、外套を脱ごうとはしなかったのでテオバルドはホッとした。
「わっはっは……」
小声で、ザックがぼそりとテオバルドの笑い方を真似た。ハイマンにしたようにテオバルドはザックの肩もどついてやる。
「なんだよいまの小芝居は」
「うるさい黙れ」
「おまえ、演技下手くそだな」
「うるさいって」
テオバルドとザックは小声で言い合いながら、リヒトの後ろについて歩いた。
214
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました
水凪しおん
BL
※オメガバース設定。激しい戦闘描写や、執着攻めによるマーキング描写、軽度の性的な接触の描写がありますので、15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
汚染された惑星を浄化する生体兵器『機装(ギア)』。
その搭乗者は優れた能力を持つ『アルファ』に限られ、彼らの精神を安定させる鎮静剤として『オメガ』が存在する世界。
整備士のエリアンは、オメガであることを隠し、ベータと偽って軍の最前線で働いていた。
オメガは道具のように扱われるこの社会で、自由を守るための必死の嘘だった。
だがある日、軍最強のエリートパイロット・クレイドの機装が暴走する事故に遭遇する。
死を覚悟して止めに入ったエリアンだったが、暴走する機体はなぜか彼にだけ反応し、沈静化した。
それは、隠していたオメガのフェロモンが、クレイドと強烈な『共鳴』を起こした瞬間だった。
「見つけた。俺の対になる存在を」
正体がバレたと戦慄するエリアンに対し、冷徹なはずのクレイドが向けたのは、処罰ではなく執着に満ちた熱い視線で……?
孤独なエリート騎士×身分を隠した健気な整備士。
星の命運と本能が交錯する、近未来SFオメガバース!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる