102 / 184
リヒト⑧
4
しおりを挟む
けれど、それから三日経っても四日経っても、十日が経過しても僕の五感は良くならなかった。
薬を飲み始めて変わったものといえば、僕の食事の回数ぐらいだ。
前は一日二食だったのが、毎食後に飲むようにと言われたから、朝昼夕の三食に増えたのだった。
朝と夕は、これまで通りユーリ様が。
昼は、テオバルドさんか遊びに来てくださるエミール様が食べさせてくれる。
そして食事の最後に、僕がちゃんと薬を飲めたかを確認してくれる。
絶対に良くなる、とユーリ様は言ってくれたし、僕もそのお言葉を信じているから、今日こそは目がすこし良くなりますように、今日こそは耳がすこし聞こえるようになりますようにとお祈りをながら白い錠剤を飲み続けた。
でも、僕の五感は治らない。
まるでハーゼのときのようだ、と僕は思った。
僕がハーゼだったとき、今日こそは神様の声が聞こえますように、今日こそは信者のひとたちに喜んでもらえますようにと祈り続けたけれど、結局はそれは果たされずに、僕の祈りはみんなを苦しめただけだった。
やっぱり僕は、ダメなのだ。
ハーゼとしても、オメガとしても出来損ないだから。
せっかくのこの薬も、ムダにしてしまうだけだろう。
日が経つにつれ、思考が悪い方へ悪い方へと流れてゆく。
薬を飲むのはもうやめます、と言わなければならない。
治らないのに飲み続けても仕方ない。
それにこのお薬だって、誰かが……シモンさんたちが、僕のためにわざわざ作ってくれているのだろうから、僕が薬をやめたらその手間もなくなって、もっと他の有意義なことに時間を使えるようになるはずだ。
そんなことを考えながら、僕は今日も薬を飲む。
薬を飲むのはもうやめます、と。
それをユーリ様へ告げればいいだけなのに。
そんな簡単なことができない。
言えない。
やめますと言うことができない。
だって、まだ、あきらめられない。
ユーリ様のお顔が見たい。
ユーリ様の声が聞きたい。
その願いを、あきらめることができない。
ユーリ様は僕に言う。
「きみは必ず治るんだから、あせる必要はないんだよ、リヒト。今日良くならないからと言って、明日も同じとは限らない。リヒト、僕のオメガ、きみは治る。大丈夫だよ」
毎朝、毎晩、僕にそう言ってくださる。
僕は治る。治る。治したい。
薬を飲むのをやめてしまったら、僕の視界は永遠にぼやけたままだ。耳は遠く、不鮮明なままだ。温もりも味も匂いも感じられないままなのだ。
治る。僕は治る。ユーリ様がそう仰るのだから、必ず良くなる。
なんども自分に言い聞かせているうちに、なぜかいつも眠くなる。
まるで、このことについて考えるな、と言われているみたいに。
一度寝てしまうと、次に目を覚ましたとき、僕はまた迷ってしまう。
薬を飲み続けるべきか。
やめるべきか。
「僕は本当に良くなると思いますか?」
薬を飲み始めてひと月が過ぎた頃、僕は耐え切れずにエミール様にそう言ってしまった。
ユーリ様はお仕事に行かれており、僕とエミール様は温室で過ごしていた。
冬の一番寒い時期が終わり、春が近づいているのだと言って、エミール様は温室の中心にある木の葉っぱを掻き分けて、花のつぼみを探されていた。
その動作を見ながら僕は、ポロリと言ってしまったのだった。
エミール様が驚いたように手を止めた。
「リヒト。……リヒト、座りましょうか」
エミール様は穏やかな声で僕を誘い、椅子のあるところまで手を引いてくれた。
促されるままに腰を下ろすと、僕の横に座ったエミール様が両手で僕の右手を包んできた。
「リヒト。不安ですか?」
「……はい」
「なにが一番、引っかかっていますか?」
しずかに問われて、僕は息を吸い込んだ。
「……薬を飲んでも、なにも、変わりません」
はふ……と浅い呼吸をしたら、声が詰まった。
「薬の効果には、個人差があるとオレは聞いています。まだ効果がないからと言って、薬が効いていないわけではないでしょう」
エミール様に諭されて、僕は頷いた。
そうなのだ。頭ではわかってる。
わかっているのに、なぜだか無性にやめたいと思ってしまう。
薬を飲みたくない。
そう言って、すべて投げ出したい衝動が、僕のこころの深い部分にあった。
なぜだろう。
こんなにも治したいと思っているのに。
同じだけの強さで、薬を飲むのをやめたいという気持ちが生まれてくる。
僕はうつむいて、小さく唸った。
自分の気持ちをどう説明していいかわからない。
ユーリ様が僕のために異国にまで行って、手に入れてくださった薬。
それを投げ出してしまいたいと考えるなんて、僕はどうかしている。
頭が重い。
苦しい。
エミール様の手の中から右手を引き抜いて、僕は頭を抱えた。
これ以上五感について考えていたら、また眠気が襲ってくる。そんな気がした。
「リヒト」
エミール様の呼びかけが降って来る。
顔を上げなければならない。エミール様の方を向いて、聞くことに集中しなければ会話ができない。
僕はのろのろと視線を上げて、エミール様のお顔を見た。
エミール様はハンカチのようなものを持っていて、それで僕の目を拭いてくださった。たぶん、涙がボロボロ出ているのだ。視界がいつもよりぼやけている。
まばたきをしたら、すこしマシになった。
「リヒト。薬をやめますか?」
ゆっくりと、エミール様が僕に、そう訊ねてきた。
僕は呆然と、エミール様を見つめた。
「あなたのこころが苦しくなるのなら、薬を飲むのはやめてしまいなさい。リヒト、いまのままでいいじゃありませんか。無理に治す必要なんてどこにもない。あなたがいまの自分を受け入れることができるのなら、オレは、五感の弱いリヒトのままでいいです。ユーリ様もきっとそう仰います。いまのままのあなたでいい、と」
エミール様がなにを言っているのかわからない。
だって、いいはずがなかった。
五感の弱い僕は、どこまでいってもお荷物で。
ユーリ様の手を煩わせるだけの存在で。
なにもできずにただ、ユーリ様に甘えて生きていくだけの……。
「いまのあなたでは嫌だと、ユーリ様が仰ったのですか?」
エミール様がまた問いかけてくる。
質問は止まらなかった。
「ユーリ様があなたに、五感を治せと言ったのですか? ユーリ様の方から言いましたか?」
僕は……僕は、答えられずに、ただ、首を横に振った。
ユーリ様が言ったのではない。
僕が言ったのだ。
目を治すお薬はありますか、と。
最初にそれを乞うたのは僕だ。
ユーリ様は一度も仰らなかった。
僕に、五感を治せ、とは。
ただ、僕が望んだから。
ユーリ様のお顔が見たいと、僕が望んだから。
ユーリ様はそれを、叶えようとしてくださっているだけなのだ。
「う……うぇぇ」
嗚咽が漏れた。我慢ができずに僕は、声をあげて泣いた。
僕の背を、エミール様が撫でてくださっている。
感触はわからない。だけどエミール様のやさしさが、触れた場所から伝わってきていた。
「リヒト。ユーリ様もオレも、テオバルドたちも、いまのままのあなたでいいと思ってます。無理に治さなくていい。でも、あなたが治したいと願うなら、それを応援したい。リヒト、どうしたいですか? 薬をやめたい? やめたいならやめていいんです。大丈夫。言いにくければ、ユーリ様にはオレから伝えます」
エミール様はそう言って、力強く頷いた。
どちらを選んでもいいのだと、選択を僕に委ねて、ただしずかに僕の返事を待っている。
(きみの願いはすべて僕が叶える)
(リヒト、きみは自由だ)
(きみの感覚は自由なんだよ)
ユーリ様の声が、耳の奥で幾重にも響いていた。
あまりに僕の内側の隅々にまで響いたからか、気づけばいつも感じる眠気はどこか遠くへ追いやられていた。
思考がいつもよりクリアになった気がした。
僕は泣きながら口を開いた。
「ぼく……ぼく、ユーリ様を信じてます。だから頑張ります。頑張って、薬を飲み続けます。ぼく、僕……治したいんです」
涙声で、でもちゃんと自分の意思を伝えることができて僕はホッとした。
治したい、と声に出したら、さっきまでの迷いはなんだったのかと思えるほどに気持ちが軽くなっていた。
「リヒトっ!」
エミール様がガバっと僕に抱き着いて、しっかりと抱擁してくれる。
「リヒト、ええ、頑張りましょうね。しんどくなったらオレになんでも言ってください。ユーリ様に言いにくいことも、なんでも聞きますから。オレにできることは少ないけれど、リヒト、あなたが頼ってくれるなら、オレも頑張ります!」
一生懸命語りかけてくれるエミール様のお言葉が嬉しくて嬉しくて、笑みがこぼれる。
「エミール様、ありがとうございます、大好きです」
エミール様の背中を抱き返して、僕はお礼を伝えた。
「リヒト……ううっ、天使っ!」
エミール様がたまに口にされる言葉を今日も叫んで、僕をさらにぎゅうっと抱きしめてきたけれど、やがてハタと体を離して、
「先ほどの言葉とこの抱擁はユーリ様にはくれぐれも内緒にしてくださいね」
と、ひどく真面目な声音で仰られたから、僕はきょとんとしてしまった。
薬を飲み始めて変わったものといえば、僕の食事の回数ぐらいだ。
前は一日二食だったのが、毎食後に飲むようにと言われたから、朝昼夕の三食に増えたのだった。
朝と夕は、これまで通りユーリ様が。
昼は、テオバルドさんか遊びに来てくださるエミール様が食べさせてくれる。
そして食事の最後に、僕がちゃんと薬を飲めたかを確認してくれる。
絶対に良くなる、とユーリ様は言ってくれたし、僕もそのお言葉を信じているから、今日こそは目がすこし良くなりますように、今日こそは耳がすこし聞こえるようになりますようにとお祈りをながら白い錠剤を飲み続けた。
でも、僕の五感は治らない。
まるでハーゼのときのようだ、と僕は思った。
僕がハーゼだったとき、今日こそは神様の声が聞こえますように、今日こそは信者のひとたちに喜んでもらえますようにと祈り続けたけれど、結局はそれは果たされずに、僕の祈りはみんなを苦しめただけだった。
やっぱり僕は、ダメなのだ。
ハーゼとしても、オメガとしても出来損ないだから。
せっかくのこの薬も、ムダにしてしまうだけだろう。
日が経つにつれ、思考が悪い方へ悪い方へと流れてゆく。
薬を飲むのはもうやめます、と言わなければならない。
治らないのに飲み続けても仕方ない。
それにこのお薬だって、誰かが……シモンさんたちが、僕のためにわざわざ作ってくれているのだろうから、僕が薬をやめたらその手間もなくなって、もっと他の有意義なことに時間を使えるようになるはずだ。
そんなことを考えながら、僕は今日も薬を飲む。
薬を飲むのはもうやめます、と。
それをユーリ様へ告げればいいだけなのに。
そんな簡単なことができない。
言えない。
やめますと言うことができない。
だって、まだ、あきらめられない。
ユーリ様のお顔が見たい。
ユーリ様の声が聞きたい。
その願いを、あきらめることができない。
ユーリ様は僕に言う。
「きみは必ず治るんだから、あせる必要はないんだよ、リヒト。今日良くならないからと言って、明日も同じとは限らない。リヒト、僕のオメガ、きみは治る。大丈夫だよ」
毎朝、毎晩、僕にそう言ってくださる。
僕は治る。治る。治したい。
薬を飲むのをやめてしまったら、僕の視界は永遠にぼやけたままだ。耳は遠く、不鮮明なままだ。温もりも味も匂いも感じられないままなのだ。
治る。僕は治る。ユーリ様がそう仰るのだから、必ず良くなる。
なんども自分に言い聞かせているうちに、なぜかいつも眠くなる。
まるで、このことについて考えるな、と言われているみたいに。
一度寝てしまうと、次に目を覚ましたとき、僕はまた迷ってしまう。
薬を飲み続けるべきか。
やめるべきか。
「僕は本当に良くなると思いますか?」
薬を飲み始めてひと月が過ぎた頃、僕は耐え切れずにエミール様にそう言ってしまった。
ユーリ様はお仕事に行かれており、僕とエミール様は温室で過ごしていた。
冬の一番寒い時期が終わり、春が近づいているのだと言って、エミール様は温室の中心にある木の葉っぱを掻き分けて、花のつぼみを探されていた。
その動作を見ながら僕は、ポロリと言ってしまったのだった。
エミール様が驚いたように手を止めた。
「リヒト。……リヒト、座りましょうか」
エミール様は穏やかな声で僕を誘い、椅子のあるところまで手を引いてくれた。
促されるままに腰を下ろすと、僕の横に座ったエミール様が両手で僕の右手を包んできた。
「リヒト。不安ですか?」
「……はい」
「なにが一番、引っかかっていますか?」
しずかに問われて、僕は息を吸い込んだ。
「……薬を飲んでも、なにも、変わりません」
はふ……と浅い呼吸をしたら、声が詰まった。
「薬の効果には、個人差があるとオレは聞いています。まだ効果がないからと言って、薬が効いていないわけではないでしょう」
エミール様に諭されて、僕は頷いた。
そうなのだ。頭ではわかってる。
わかっているのに、なぜだか無性にやめたいと思ってしまう。
薬を飲みたくない。
そう言って、すべて投げ出したい衝動が、僕のこころの深い部分にあった。
なぜだろう。
こんなにも治したいと思っているのに。
同じだけの強さで、薬を飲むのをやめたいという気持ちが生まれてくる。
僕はうつむいて、小さく唸った。
自分の気持ちをどう説明していいかわからない。
ユーリ様が僕のために異国にまで行って、手に入れてくださった薬。
それを投げ出してしまいたいと考えるなんて、僕はどうかしている。
頭が重い。
苦しい。
エミール様の手の中から右手を引き抜いて、僕は頭を抱えた。
これ以上五感について考えていたら、また眠気が襲ってくる。そんな気がした。
「リヒト」
エミール様の呼びかけが降って来る。
顔を上げなければならない。エミール様の方を向いて、聞くことに集中しなければ会話ができない。
僕はのろのろと視線を上げて、エミール様のお顔を見た。
エミール様はハンカチのようなものを持っていて、それで僕の目を拭いてくださった。たぶん、涙がボロボロ出ているのだ。視界がいつもよりぼやけている。
まばたきをしたら、すこしマシになった。
「リヒト。薬をやめますか?」
ゆっくりと、エミール様が僕に、そう訊ねてきた。
僕は呆然と、エミール様を見つめた。
「あなたのこころが苦しくなるのなら、薬を飲むのはやめてしまいなさい。リヒト、いまのままでいいじゃありませんか。無理に治す必要なんてどこにもない。あなたがいまの自分を受け入れることができるのなら、オレは、五感の弱いリヒトのままでいいです。ユーリ様もきっとそう仰います。いまのままのあなたでいい、と」
エミール様がなにを言っているのかわからない。
だって、いいはずがなかった。
五感の弱い僕は、どこまでいってもお荷物で。
ユーリ様の手を煩わせるだけの存在で。
なにもできずにただ、ユーリ様に甘えて生きていくだけの……。
「いまのあなたでは嫌だと、ユーリ様が仰ったのですか?」
エミール様がまた問いかけてくる。
質問は止まらなかった。
「ユーリ様があなたに、五感を治せと言ったのですか? ユーリ様の方から言いましたか?」
僕は……僕は、答えられずに、ただ、首を横に振った。
ユーリ様が言ったのではない。
僕が言ったのだ。
目を治すお薬はありますか、と。
最初にそれを乞うたのは僕だ。
ユーリ様は一度も仰らなかった。
僕に、五感を治せ、とは。
ただ、僕が望んだから。
ユーリ様のお顔が見たいと、僕が望んだから。
ユーリ様はそれを、叶えようとしてくださっているだけなのだ。
「う……うぇぇ」
嗚咽が漏れた。我慢ができずに僕は、声をあげて泣いた。
僕の背を、エミール様が撫でてくださっている。
感触はわからない。だけどエミール様のやさしさが、触れた場所から伝わってきていた。
「リヒト。ユーリ様もオレも、テオバルドたちも、いまのままのあなたでいいと思ってます。無理に治さなくていい。でも、あなたが治したいと願うなら、それを応援したい。リヒト、どうしたいですか? 薬をやめたい? やめたいならやめていいんです。大丈夫。言いにくければ、ユーリ様にはオレから伝えます」
エミール様はそう言って、力強く頷いた。
どちらを選んでもいいのだと、選択を僕に委ねて、ただしずかに僕の返事を待っている。
(きみの願いはすべて僕が叶える)
(リヒト、きみは自由だ)
(きみの感覚は自由なんだよ)
ユーリ様の声が、耳の奥で幾重にも響いていた。
あまりに僕の内側の隅々にまで響いたからか、気づけばいつも感じる眠気はどこか遠くへ追いやられていた。
思考がいつもよりクリアになった気がした。
僕は泣きながら口を開いた。
「ぼく……ぼく、ユーリ様を信じてます。だから頑張ります。頑張って、薬を飲み続けます。ぼく、僕……治したいんです」
涙声で、でもちゃんと自分の意思を伝えることができて僕はホッとした。
治したい、と声に出したら、さっきまでの迷いはなんだったのかと思えるほどに気持ちが軽くなっていた。
「リヒトっ!」
エミール様がガバっと僕に抱き着いて、しっかりと抱擁してくれる。
「リヒト、ええ、頑張りましょうね。しんどくなったらオレになんでも言ってください。ユーリ様に言いにくいことも、なんでも聞きますから。オレにできることは少ないけれど、リヒト、あなたが頼ってくれるなら、オレも頑張ります!」
一生懸命語りかけてくれるエミール様のお言葉が嬉しくて嬉しくて、笑みがこぼれる。
「エミール様、ありがとうございます、大好きです」
エミール様の背中を抱き返して、僕はお礼を伝えた。
「リヒト……ううっ、天使っ!」
エミール様がたまに口にされる言葉を今日も叫んで、僕をさらにぎゅうっと抱きしめてきたけれど、やがてハタと体を離して、
「先ほどの言葉とこの抱擁はユーリ様にはくれぐれも内緒にしてくださいね」
と、ひどく真面目な声音で仰られたから、僕はきょとんとしてしまった。
268
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました
水凪しおん
BL
※オメガバース設定。激しい戦闘描写や、執着攻めによるマーキング描写、軽度の性的な接触の描写がありますので、15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
汚染された惑星を浄化する生体兵器『機装(ギア)』。
その搭乗者は優れた能力を持つ『アルファ』に限られ、彼らの精神を安定させる鎮静剤として『オメガ』が存在する世界。
整備士のエリアンは、オメガであることを隠し、ベータと偽って軍の最前線で働いていた。
オメガは道具のように扱われるこの社会で、自由を守るための必死の嘘だった。
だがある日、軍最強のエリートパイロット・クレイドの機装が暴走する事故に遭遇する。
死を覚悟して止めに入ったエリアンだったが、暴走する機体はなぜか彼にだけ反応し、沈静化した。
それは、隠していたオメガのフェロモンが、クレイドと強烈な『共鳴』を起こした瞬間だった。
「見つけた。俺の対になる存在を」
正体がバレたと戦慄するエリアンに対し、冷徹なはずのクレイドが向けたのは、処罰ではなく執着に満ちた熱い視線で……?
孤独なエリート騎士×身分を隠した健気な整備士。
星の命運と本能が交錯する、近未来SFオメガバース!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる