149 / 184
ふたつの体
2
しおりを挟む
ユリウスは面食らった。
リヒトがこれほどに泣いている理由がよくわからない。
次々に涙を溢れさせている目元にキスをして、しっかりとリヒトの体を抱きかかえた。
「僕はどこにも行かないよ。どうしたのかな。怖い夢でも見たのかな」
やわらかに問いかけると、リヒトが首を横に振ってしがみついてきた。
「ゆぅりさま」
「ん?」
「ぼ、ぼくじゃ、ダメですか」
「え?」
なんの話だろう、とユリウスが目を丸くすると、ひたむきな金の瞳がこちらを見上げ、リヒトが声を震わせながら言いつのった。
「僕じゃダメですか? ユーリ様。ユーリ様が、いつも、夜中にあの部屋に行ってること、知ってます。あの部屋でなにをしてるかも、僕、ちゃんと知ってます。でも、だから、僕じゃダメですか? あの部屋じゃなきゃいけませんか?」
べそべそと泣きながら訴えてくるリヒトの、その言葉の内容にユリウスは驚愕した。
まさかリヒトが気づいているとは、夢にも思っていなかったのだ。
夜中にベッドを抜け出して、ユリウスが『あの部屋』へ通っていることを。
まさか気づかれていたなんて。
そうか、とユリウスは頭を殴られた気分で理解した。
自分の中のリヒトが、まだまだ五感の弱い子のままでいたことを。
ほんの子どもの頃からずっと世話を焼いてきたから、耳が聞こえるようになって、目が見えるようになって、触覚が働くようになって、味覚と嗅覚が戻って、それぞれの段階でおのれのオメガの変化に慣れることができたと思っていたけれど。
全然足りていなかった。
だからすこし気配を忍ばせれば、リヒトはわからないだろうと高をくくっていたのだ。
「リヒト、ごめん、ごめんね。不安な思いをさせてたね」
ユリウスはおのれのオメガに謝罪した。
自分の軽率な行動が、こうもリヒトを泣かせることになるなんて、と苦い気持ちがこみあげてくる。
涙で濡れた顔中にキスを降らせて、ごめんを繰り返していると、リヒトが嫌々をするように首を動かした。
「も、もう行かないでください。あの部屋へは、行かないで」
もちろんだよ、と答えようとしてユリウスは、息を吸い込んだ。
リヒトの匂い。オメガの誘惑香。
こんな場面でもそれは、ユリウスの理性を激しく揺るがせてくる。
ユリウスには『あの部屋』が必要だ。
でも、リヒトが泣いている。
おのれのオメガが。
「…………リヒト」
言い淀んだユリウスの頬に、リヒトのてのひらが押し当てられた。
リヒトの涙味の唇が、ユリウスのそれに触れた。
ちゅ、と小さな音を立てて唇が吸われる。
「僕じゃダメですか?」
先ほどと同じことを、リヒトが繰り返した。
ユリウスは呆然と、ランプの明かりで照らされたオメガの顔を見つめた。
この子はなにを言ってるんだろう。
そう考えて、ユリウスが『あの部屋』でなにをしているか知ってる、と告げられたことを思い出す。
知ってる? リヒトが? 僕が『あの部屋』でしていることを?
ごくり、と生唾を飲み込んで、ユリウスは考えを巡らせる。
なぜリヒトがそれを知るに至ったのか。
『あの部屋』への立ち入りは何人も禁じている。ロンバードですら入れたことはない。それなのに、なぜ。
リヒトがいまこのタイミングでそれを切り出した、ということも気になる。
アマーリエとエミールになにか吹き込まれたことは疑いようがなかった。
そうか、匂いか、とユリウスは思い至った。
僕についた匂いでなにかを察したリヒトが、エミールたちに相談したのか。
「リヒト、アマル殿たちになにか聞いた?」
この場をどう収めるか思案しながら、ユリウスはリヒトへと問いかけた。
この子にはまだ早い、という思いがあった。
発情期どころか、夢精すら未経験のリヒトだ。年齢はともかく、体は成熟していない。
どうにか誤魔化して、リヒトの意識を逸らさないと……。
そう考える傍から、兄の声がよみがえる。
(発情期が来ないからと言って、抱き合うことを禁じられているわけではないだろうが)
ユリウスはまた喉を鳴らした。
口渇がしている。喉の渇きはそのまま、おのれの飢えのように思えて、ユリウスは水差しのあるサイドテーブルへ体を向けようとした。
しかし。
「ユーリ様っ! 行かないで!」
ユリウスが離れてしまうと思ったのだろうか。リヒトがさらに強い力でしがみついてきて、あんまりにもかなしそうに泣くから。
ユリウスは華奢な体を覆うように両腕で抱き寄せ、そのままベッドに横たわった。
鼻先に、甘い甘い匂いがしている。世界中でただひとり、ユリウスのオメガの匂いが。
「リヒト、僕のオメガ」
唇をキスで塞いだ。
歯列をペロリと舐めると、
「ふぁい」
とリヒトが不明瞭な声で返事をする。それが可愛くて、開いた口の隙間から舌を差し込んだ。
リヒトの舌がおずおずとユリウスのそれを迎えてくれる。
舌先を軽くこすり合わせると、腕の中の体がひくんと動いた。
ユリウスは横倒しの体をごろりと転がして、リヒトの上に乗る形をとる。体重をかけないようにしながらも、両腕にリヒトを閉じ込め、金色の瞳を至近距離で見下ろした。
「リヒト、僕になにをされるか、本当にわかってる?」
おのれの金髪がさらりと落ちて、リヒトの白いひたいに乗った。
それがくすぐったかったのか、リヒトが吐息のように笑った。
そして。
「僕、ユーリ様のオメガになりたいんです」
と、濡れた瞳に強い光を宿して、そう言った。
「きみはずっと、僕のオメガだよ、リヒト」
リヒトを拾ったときから、他の何者でもなく彼はユリウスのオメガであり続けた。そのことを伝えたら、リヒトが二度まばたきをして。
「ユーリ様にも、僕のアルファになってほしいです」
銀色の睫毛に涙を絡めながら、震える声で、乞うてきた。
「つがいになりたいです。発情期が来なくても……僕、ユーリ様のつがいになりたいです。ユーリ様が好きです。大好きです。僕を、ユーリ様のオメガにしてください」
ぼろり、ぼろりと目じりから落ちる涙がきれいで、ユリウスは夢の中のいるかのような気持ちでリヒトを見つめていた。
けれど、組み敷いた体の熱は夢ではありえなかったし、おのれの下腹部に溜まる欲望も、現実のものだった。
ユリウスは激しい葛藤の中、顔をゆがめた。
このまま抱いてしまいたい、という欲求と。
リヒトを傷つけたくない、という理性が争っている。
いまならまだ、離れられる。リヒトと密着したこの体を、もぎ離すことができる。
いまなら、まだ。
ユリウスは奥歯を噛み締めた。
リヒトの首をまもる、黒い首輪。そこに嵌め込まれた金の宝石が、頼りないランプの灯りをきらりと弾いてユリウスの目を射た。
もうどこにも行かないよ、と言って。
ひたいにキスをして。
なにごともなかったかのようにこのまま二人で横たわって。
リヒトが眠ったら、また『あの部屋』へ行く。
こんどは細心の注意を払って、リヒトに勘付かれないように。
それが一番いいと、わかっていた。
でも、リヒトが。
泣いているリヒトが。
どうしようもないほどいとしい声で、
「ゆぅりさま」
と、ユリウスを呼んだから。
「僕、ゆぅりさまとひとつになりたいです」
と、自分のための願いごとを口にしたから。
ユリウスはもう、おのれのオメガに屈するしかなかった。
リヒトがこれほどに泣いている理由がよくわからない。
次々に涙を溢れさせている目元にキスをして、しっかりとリヒトの体を抱きかかえた。
「僕はどこにも行かないよ。どうしたのかな。怖い夢でも見たのかな」
やわらかに問いかけると、リヒトが首を横に振ってしがみついてきた。
「ゆぅりさま」
「ん?」
「ぼ、ぼくじゃ、ダメですか」
「え?」
なんの話だろう、とユリウスが目を丸くすると、ひたむきな金の瞳がこちらを見上げ、リヒトが声を震わせながら言いつのった。
「僕じゃダメですか? ユーリ様。ユーリ様が、いつも、夜中にあの部屋に行ってること、知ってます。あの部屋でなにをしてるかも、僕、ちゃんと知ってます。でも、だから、僕じゃダメですか? あの部屋じゃなきゃいけませんか?」
べそべそと泣きながら訴えてくるリヒトの、その言葉の内容にユリウスは驚愕した。
まさかリヒトが気づいているとは、夢にも思っていなかったのだ。
夜中にベッドを抜け出して、ユリウスが『あの部屋』へ通っていることを。
まさか気づかれていたなんて。
そうか、とユリウスは頭を殴られた気分で理解した。
自分の中のリヒトが、まだまだ五感の弱い子のままでいたことを。
ほんの子どもの頃からずっと世話を焼いてきたから、耳が聞こえるようになって、目が見えるようになって、触覚が働くようになって、味覚と嗅覚が戻って、それぞれの段階でおのれのオメガの変化に慣れることができたと思っていたけれど。
全然足りていなかった。
だからすこし気配を忍ばせれば、リヒトはわからないだろうと高をくくっていたのだ。
「リヒト、ごめん、ごめんね。不安な思いをさせてたね」
ユリウスはおのれのオメガに謝罪した。
自分の軽率な行動が、こうもリヒトを泣かせることになるなんて、と苦い気持ちがこみあげてくる。
涙で濡れた顔中にキスを降らせて、ごめんを繰り返していると、リヒトが嫌々をするように首を動かした。
「も、もう行かないでください。あの部屋へは、行かないで」
もちろんだよ、と答えようとしてユリウスは、息を吸い込んだ。
リヒトの匂い。オメガの誘惑香。
こんな場面でもそれは、ユリウスの理性を激しく揺るがせてくる。
ユリウスには『あの部屋』が必要だ。
でも、リヒトが泣いている。
おのれのオメガが。
「…………リヒト」
言い淀んだユリウスの頬に、リヒトのてのひらが押し当てられた。
リヒトの涙味の唇が、ユリウスのそれに触れた。
ちゅ、と小さな音を立てて唇が吸われる。
「僕じゃダメですか?」
先ほどと同じことを、リヒトが繰り返した。
ユリウスは呆然と、ランプの明かりで照らされたオメガの顔を見つめた。
この子はなにを言ってるんだろう。
そう考えて、ユリウスが『あの部屋』でなにをしているか知ってる、と告げられたことを思い出す。
知ってる? リヒトが? 僕が『あの部屋』でしていることを?
ごくり、と生唾を飲み込んで、ユリウスは考えを巡らせる。
なぜリヒトがそれを知るに至ったのか。
『あの部屋』への立ち入りは何人も禁じている。ロンバードですら入れたことはない。それなのに、なぜ。
リヒトがいまこのタイミングでそれを切り出した、ということも気になる。
アマーリエとエミールになにか吹き込まれたことは疑いようがなかった。
そうか、匂いか、とユリウスは思い至った。
僕についた匂いでなにかを察したリヒトが、エミールたちに相談したのか。
「リヒト、アマル殿たちになにか聞いた?」
この場をどう収めるか思案しながら、ユリウスはリヒトへと問いかけた。
この子にはまだ早い、という思いがあった。
発情期どころか、夢精すら未経験のリヒトだ。年齢はともかく、体は成熟していない。
どうにか誤魔化して、リヒトの意識を逸らさないと……。
そう考える傍から、兄の声がよみがえる。
(発情期が来ないからと言って、抱き合うことを禁じられているわけではないだろうが)
ユリウスはまた喉を鳴らした。
口渇がしている。喉の渇きはそのまま、おのれの飢えのように思えて、ユリウスは水差しのあるサイドテーブルへ体を向けようとした。
しかし。
「ユーリ様っ! 行かないで!」
ユリウスが離れてしまうと思ったのだろうか。リヒトがさらに強い力でしがみついてきて、あんまりにもかなしそうに泣くから。
ユリウスは華奢な体を覆うように両腕で抱き寄せ、そのままベッドに横たわった。
鼻先に、甘い甘い匂いがしている。世界中でただひとり、ユリウスのオメガの匂いが。
「リヒト、僕のオメガ」
唇をキスで塞いだ。
歯列をペロリと舐めると、
「ふぁい」
とリヒトが不明瞭な声で返事をする。それが可愛くて、開いた口の隙間から舌を差し込んだ。
リヒトの舌がおずおずとユリウスのそれを迎えてくれる。
舌先を軽くこすり合わせると、腕の中の体がひくんと動いた。
ユリウスは横倒しの体をごろりと転がして、リヒトの上に乗る形をとる。体重をかけないようにしながらも、両腕にリヒトを閉じ込め、金色の瞳を至近距離で見下ろした。
「リヒト、僕になにをされるか、本当にわかってる?」
おのれの金髪がさらりと落ちて、リヒトの白いひたいに乗った。
それがくすぐったかったのか、リヒトが吐息のように笑った。
そして。
「僕、ユーリ様のオメガになりたいんです」
と、濡れた瞳に強い光を宿して、そう言った。
「きみはずっと、僕のオメガだよ、リヒト」
リヒトを拾ったときから、他の何者でもなく彼はユリウスのオメガであり続けた。そのことを伝えたら、リヒトが二度まばたきをして。
「ユーリ様にも、僕のアルファになってほしいです」
銀色の睫毛に涙を絡めながら、震える声で、乞うてきた。
「つがいになりたいです。発情期が来なくても……僕、ユーリ様のつがいになりたいです。ユーリ様が好きです。大好きです。僕を、ユーリ様のオメガにしてください」
ぼろり、ぼろりと目じりから落ちる涙がきれいで、ユリウスは夢の中のいるかのような気持ちでリヒトを見つめていた。
けれど、組み敷いた体の熱は夢ではありえなかったし、おのれの下腹部に溜まる欲望も、現実のものだった。
ユリウスは激しい葛藤の中、顔をゆがめた。
このまま抱いてしまいたい、という欲求と。
リヒトを傷つけたくない、という理性が争っている。
いまならまだ、離れられる。リヒトと密着したこの体を、もぎ離すことができる。
いまなら、まだ。
ユリウスは奥歯を噛み締めた。
リヒトの首をまもる、黒い首輪。そこに嵌め込まれた金の宝石が、頼りないランプの灯りをきらりと弾いてユリウスの目を射た。
もうどこにも行かないよ、と言って。
ひたいにキスをして。
なにごともなかったかのようにこのまま二人で横たわって。
リヒトが眠ったら、また『あの部屋』へ行く。
こんどは細心の注意を払って、リヒトに勘付かれないように。
それが一番いいと、わかっていた。
でも、リヒトが。
泣いているリヒトが。
どうしようもないほどいとしい声で、
「ゆぅりさま」
と、ユリウスを呼んだから。
「僕、ゆぅりさまとひとつになりたいです」
と、自分のための願いごとを口にしたから。
ユリウスはもう、おのれのオメガに屈するしかなかった。
266
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
隠れオメガの整備士は自由になりたい。なのに暴走する最強騎士を身体を張って止めたら、運命の番だとバレて過保護な専属契約を結ばされました
水凪しおん
BL
※オメガバース設定。激しい戦闘描写や、執着攻めによるマーキング描写、軽度の性的な接触の描写がありますので、15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
汚染された惑星を浄化する生体兵器『機装(ギア)』。
その搭乗者は優れた能力を持つ『アルファ』に限られ、彼らの精神を安定させる鎮静剤として『オメガ』が存在する世界。
整備士のエリアンは、オメガであることを隠し、ベータと偽って軍の最前線で働いていた。
オメガは道具のように扱われるこの社会で、自由を守るための必死の嘘だった。
だがある日、軍最強のエリートパイロット・クレイドの機装が暴走する事故に遭遇する。
死を覚悟して止めに入ったエリアンだったが、暴走する機体はなぜか彼にだけ反応し、沈静化した。
それは、隠していたオメガのフェロモンが、クレイドと強烈な『共鳴』を起こした瞬間だった。
「見つけた。俺の対になる存在を」
正体がバレたと戦慄するエリアンに対し、冷徹なはずのクレイドが向けたのは、処罰ではなく執着に満ちた熱い視線で……?
孤独なエリート騎士×身分を隠した健気な整備士。
星の命運と本能が交錯する、近未来SFオメガバース!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる