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第17話 僕の訓練とモリスさんの無双です
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フィラストダンジョン1階、入口の間。
普段静謐なこの場所は、だが今日は先ほどから四方の壁に反響する喧騒に包まれていた。
そう、一人の男の放つ喧騒に。
「さあとうとうやって来たよフィラストダンジョン! いやぁ初心者向けって聞いてたから今まで来た事無かったけど、やっぱりダンジョンだけあって雰囲気あるねえ。ダンジョンに貴賤なし。小さくたっていいじゃない、ダンジョンだもの――って感じだねぇ。さてそれでオートカ、ここで一歩踏み出したら光が赤く染まるんだったっけ?」
「それは少し待って下さい、観測の準備を始めますから。タチョ、部屋が赤くなったら時報開始毎1分、ラキは周囲の警戒を開始、ウサダンは魔力計測開始、今回は部屋が赤くなる瞬間の変動を捉えますよ」
「「「了解」」」
「うん、いいねいいね、この手慣れた感じがすごくいいね。君達っていつもこのメンバーでフィールドワーク行ってるんだっけ? もうすっかりいつもの役割って感じで分担してやってるの? それにしても何て言うかさ、オートカもだけど全員いきなり雰囲気が変わるねえ。ところで僕はそろそろ動いてもいいのかな?」
オートカは調査団のメンバーの様子を確認すると……
どうやら全員準備を終えたようだ。
「ええ、こちらは準備完了です。いつでもいいですよ」
「オーケーじゃあ行くよ。って言ったら何か急にドキドキしてきたね。さあそれじゃあ記念すべき最初の一歩――と見せかけて足を戻すっ! うん、色変わらないね。騙されなかったのかそれとも僕じゃあ反応しないのか。はは、どっちだろうねえ」
「モリス、我々が騙されそうなのでフェイントはやめて下さい」
「あっはっは、ごめんこめん。僕の悪い癖が出ちゃったね。どうしても緊迫した雰囲気の場面になると何かやりたくなっちゃうんだよ。いやあ、こんなのがウケる訳ないって僕も思ってるんだけどさ、でもついサービス精神が爆発しちゃうんだよね。よし反省反省じゃあ一歩っと」
今度は話を続けると見せかけていきなり一歩を踏み出すモリス。
しかしどうやらそのフェイントに引っ掛かったのは調査団だけのようだ。
ダンジョンの中は赤い光に包まれた。
「おおー、何だちゃんと反応するじゃあないか。フェイントに引っ掛かる訳でもなく律義に赤くなってさ。うん、このダンジョンは実に真面目なダンジョンだね。今日からマジメナダンジョンって改名したらいいんじゃないかな。――おや? 君たちは引っ掛かったみたいだね。まだまだ修行が足りないねえ」
「ウサダン! 一歩を踏み出した瞬間は把握出来ましたか?」
「駄目です、完全に引っ掛かりました! 正確な位置をブックマーク出来ません」
「分かりました、今のは仕方ありません。これについてはカルア君が同行する2回目に再度取り直しましょう。取り敢えず今は部屋が赤くなった瞬間のデータにブックマークを。その前後の変動が取れただけでも最小限の成果にはなりますから」
「何だかドタバタしているねえ」
「誰のせいですか、誰の!」
「えー、さっきいつでもいいって言ったじゃない。あれ誰が言ったんだっけ? 君だった気がするよ僕は。まあでもちょっと今のはふざけすぎたかな。ごめんごめん、悪気は無かったんだよ……あんまりね」
全く反省の色が見えないモリスにオートカの苛立ちが収まらない。
こういう奴だって事は分かっていても、だからといってそれを許せるかどうかは別の話なのだ。
しかしそんな事は意にも介さずモリスはマイペースに話を進める。
「それでどうする? そろそろ魔物部屋にご招待いただくかい? っとここでちょっと提案なんだけどさ、転送装置じゃなくって僕が転移魔法を発動してみたらどうかな?」
「!!」
モリスのその提案にオートカは意表を突かれた。
確かにそれは試すべき事柄だ。しかし今は前回と同じ条件で調査すべき、いやだがしかし……
逡巡は逡巡のうちには収まらず、だがリーダー故に結論は出さねばならない。
そして――
「いえ、それは次回にしましょう。まずは転送装置で試します」
「そうかあ……でもまあそれが正解かな。自分で提案しといて何だけど僕もそれに賛成するよ。じゃあ僕の【転移】が炸裂するのはカルア君が加わった2回目って事だね。一人増えたくらいどうって事無いし、全員まとめて転移してあげよう」
実際彼の持つ【転移】の技量は凄まじい。しかも保有する魔力量は王都ギルドからヒトツメギルドまで転移してなお余裕がある。
伊達に時空間魔法師のトップと呼ばれている訳ではないという事だ。
――その性格はともかくとして。
「さてと、それじゃあそろそろ僕はカードを翳しちゃうよ? みんな準備はいいかい、僕の方はもうさっきからずっと準備万端整ってるんだよ?」
「はあぁぁ、全くあなたは本当に……。いいですよ、じゃあやって下さい」
「オッケー。それじゃあ……ピッと」
その「ピッ」が何かは分からないが、今回は普通にカードを翳したモリスにオートカは安堵し、そして――
景色が変わる。
「ええっと、まず最初は『俯瞰』の練習からだったよね。目を閉じて……目に魔力を集中、そこから見える範囲を広げる……と」
一人きりの車内で時空間魔法の練習を始める僕。
どれだけ独り言を言っても大丈夫、だって御者さんは入口近くの待合所で休憩してるから。
体内の魔力の移動はこの間のやり方でいいのかな? まあ他の方法とか知らないしこの間はそれで出来たからきっと大丈夫だよね。その時と同じように体の中の魔力に「うごけー」って命令を出したら――よしいいぞ、魔力が目に集まってきた。
そうしたら目を閉じて意識を集中して……おおー見えてきた。
頭に浮かぶ景色がだんだん鮮明になってきて、そして――
「えっ、これって馬車の外も見えてる!?」
『光』の適性を調べてた時は部屋の中が見えたくらいだったけど、今回はその時より見える範囲がずっと広い。それに障害物とか関係なく見えてるし。
「それが出来たら次は『見える範囲を広げる』ってモリスさん言ってたっけ。それってどんなイメージでやればいいんだろう……やっぱり『ひろがれー』かな?」
頭の中に浮かぶ景色に、『もっと広く!』って指示を出すと……さっきの倍くらいの距離まで景色が広がったよ!
でも……
「木が邪魔でその向こうがよく見えないな」
って思ったその瞬間、木が――消えた?
「え? 本当に無くなっちゃった訳じゃないよね?」
と思ったら今度は元通り景色の中に木が現れた。
「障害物とか関係ないってだけじゃなくて、自由に見えるようにしたり消したり出来るって事? ならもしかして薄くする事も出来たりとか……」
おおっホントに出来た! 木が半透明になって向こう側がぼんやり透けて見えてる。
「この半透明が一番分かり易いかも。この表示のままでもっと範囲を広げられないかな?」
頭の中に広がる視界にそう指示したら、今度もまたさっきの倍くらいまで景色が広がったけど……
「ちょっ――魔力がどんどん減ってってる!」
そっか、視界を広げ過ぎると魔力の消耗が一気に激しくなっちゃうのか。
それなら視界はさっきの広さまでにしておくのがいいかな。
「やっぱり。これくらいまでならあまり魔力を使わないみたいだ」
視界を広げたり狭めたりして見え方を変える感覚が掴めてきたところで、次の課題『視点を上に』をやってみよう。
「よし、じゃあこのまま視点を上に持ち上げて……うわっ、鳥になって飛び立ったみたい!」
さっきまで正面に見えていた景色が少しずつ見下ろすような見え方に変わっていき、そして僕は今、僕のいる辺りを眼下に見下ろしている。
「あ、僕が乗ってる馬車が見えた」
試しに窓から手を出して振ってみると――
「あははははっ、あれ僕の手だ。上から見ても手振ってるよ」
見え方に時間差はないみたいで、手の動かす感覚と見下ろす僕の手の動きは完全に一致してる。
これだったら戦闘で使っても問題なさそう。
僕が乗ってる馬車を特定すると、その近くにもう一台の馬車が見えた。これオートカさんたちの馬車だ。
そこから今度は森の方へと視線を動かしていくと、半透明の木々の向こうに……
「お、ラビット発見……あっちにもいる! それにあそこの茂みにも何か……ああボアだ。ははは、背中に小鳥が停まってるよ。背中をつつかれてるけど痛くないのかな……?」
今度は視点をグリグリと動かす練習。同じ範囲内でも角度を変えると見え方も結構違うなあ。
そうだ、モリスさんが言ってた斜め後ろをやってみよう。
馬車を非表示にすれば僕の後ろ姿が見えるようになる筈……よし見えた。でも空中に座ってるみたいで変な感じ。まあそれはいいや。その後ろから僕自身とその前方を見下ろすように視点を移動して、と。
「これ、自分が人形になって自分で操ってるみたい」
戦闘で使うなら目を閉じたままって訳にはいかないだろうから、今度はこのまま目を開けてみると……さあ、どうなる?
「うわぁ、変な感じ!」
さっきまでの見下ろしの映像がそのまま頭の中にあって、それとは別に目からの映像も感じられる。
これって激しく動いたりしたら混乱しちゃいそう。絶対必要だろうから慣れなきゃだけど、どうやって慣れよう……
「うん、暫くこの状態のままで過ごそうかな」
馬車の周りを歩きながら……その自分を斜め後ろで見続ける。
突然の反復横跳びっ!! ――からの反転!!
う……………………酔いそう。
気持ち悪いのを我慢しながら続けているうちに段々酔わなくなってきた。それに最初ガッタガタ俯瞰の映像もまあまあ動きに合うようになってきたし、前を見ながら映像からの情報を把握するのも少しは慣れてきたし。
これならもう何日かこの状態を続けてれば自然な感じで使えるようになりそうかな……
「おおー、ここが魔物部屋かぁ。うんうん、いいねいいね。ダンジョンが一生懸命頑張ってる感じがして実にいいね。おっと、壁に魔力が集まり始めたって事はもうすぐ魔物の団体さんのご登場かな。さあて、それじゃあこちらも歓迎の準備をしなきゃね。どうやって殲滅してあげようかなあ……オートカは何かリクエストあるかい?」
この期に及んで実に余裕のあるモリス。
だがしかし、それも無理がないだろう。いくら魔物部屋とは言っても、彼にとってここに出てくる程度の魔物達は足元を歩き回る蟻でしかないのだから。
「モリスだったら『土』でも『風』でも好きなように操れるでしょう? それとも以前よく使ってた【空間ずらし】とかやってみます?」
「あれは問答無用で真っ二つだからねえ。前はそれが面白くてよく使ってたけどさ、何かこう美学が無いって言うのかな……まあ要するにワンパターン過ぎて飽きちゃったんだよ。もっとほら、こう芸術的っていうか遊び心っていうか……何か心躍るような殲滅って無いものかな」
それを聞いたオートカは、ふと思いついて悪戯っぽい表情を浮かべた。
「だったらひとつ、お勧めの殲滅方法がありますよ」
「おっ自信満々だね。それって一体何だい?」
「…………【スティール】です」
十分な間を取ってからゆっくりとした口調でモリスに答えを返したオートカ、その表情はどことなくドヤっているようにも見える。
そしてそれを聞いたモリスと言えば、オートカが言いたい事を理解して満面の笑みを浮かべた。
「いいねそれ! そうかそうか、魔法を使った自力【スティール】かあ。どんな挙動にしてあげれば行けるかな……ええっと、まず最初にやらないといけないのは……体内の魔石の位置の特定か。これは【探知】の応用で行けるかな? それが出来たら次はその魔石だけを【転送】する……うわ、これって体内から一部分だけを摘出するって事か。難しそうで楽しそうだね! よしじゃあ早速やってみようか。もし失敗したって練習台は次から次へと出てきてくれるからね、魔物君達にはご協力感謝ってところさ。じゃあオートカ、僕はちょっとこっちに集中するから君達は障壁の方をを頼むよ」
浮かれるモリスはまるで新しい遊びを教わった子供のようだ。
……まあ普段から子供のようではあるのだが。
「よし、記念すべき第一殺めは……君に決めた!」
モリスはタイミングよく目の前に現れたバットに狙いを定める。
「まずは君の持ってる魔石の位置を探させてもらうよ。【探知】……ダメか、ただの【探知】じゃ見えないよ、と」
魔石がある事だけは何となく分かるのだが、正確な位置や形はノイズのような何かが邪魔をして特定する事が出来ない。
モリスはそのノイズを魔物の体内を流れる魔力であると仮定した。
「開始早々いきなり難題とかもうサイコーだね。まさかこんな楽しい遊びがあったなんで今まで全く気付かなかったよ」
独り言と言うにはあまりにも大きな声でそんな事を喋りながら満面の笑みを浮かべるモリスだが、その思考はますます加速する。
「やりたいのは魔石の摘出、【転送】の条件は位置と形の完全把握、でそれを邪魔するのが魔物の魔力。はっはっは、いやホント難題だなあ」
にこやかな表情でボヤキながら、脳内では実現に向けたプランを様々な可能性からシミュレートしてゆく。
その性格はまあともかくとして、時空間魔法に関して言えばモリスはやはり間違いなく天才、紙一重の紙上をスキップして回る男なのである。
トライアンドエラー、そして推論と微調整。それらをひたすら繰り返し、悪戦苦闘する事約一時間、ついにその時が訪れた。
「よし掴んだ!! じゃあいくよー、【転送】っ!」
その瞬間モリスの目の前に現れたのは透明な魔石、そしてその向こうではターゲットのバットが地面へと落下してゆく。
そう、カルアのスティールとまったく同じ現象が起きたのである。
「あ、ダメだ……」
成功に湧き上がるかと思われたモリスだったが、そう呟くとその場に座り込んだ。
「どうしたのですかモリス?」
「慣れてないせいかな? それとも他に原因があるのかな? 今の一回で尋常じゃない量の魔力を使っちゃったんだよ。うーん、このままじゃ連発は出来ないなあ」
座り込んだ原因は急な魔力減少。
体調にも影響が出ているようで口数も普段よりかなり少ない。人並み程度だ。
「ちょっと休憩。魔力はすぐに回復するだろうから、そうしたらもう一度だけ試してみようかな。多少でも効率化出来ればいいんだけど……ねえオートカ、君の持って来た機材って指定した魔物の魔力だけを計測出来たりしないかい?」
「ふーむ……そうですね、体内魔力の細かな流れまでは難しいかもしれませんが出来なくはないですよ」
「じゃあ頼むよ……もう少し休んでからね」
そう言って急に黙り込み、半目で動かなくなるモリス。
これが魔力の回復速度を上げる有効な手段、所謂『瞑想』である。
そして約10分後。
「よしっ結構回復出来たかな……うん、これならもう一回くらい余裕で――はないけど出来そうだ。さあお待たせオートカ、僕はいつでも行けるよ。そして待たせたねバット達、飛ぶバットも飛ばないバットも皆公平に殲滅してあげるよ。なに礼なんていらないさ、僕は謙虚なナイスガイだからね。よく言われるんだよ、『室長ってホント謙虚で物静かですよね』ってね」
――それは皮肉である。
「でもまあ、殲滅するのは実験が終わってからだけどね。さーて、ど・の・子・に・し・よ・う・か・な、っとその前にオートカ、飛んでる奴と跳ねる奴と歩き回る奴だと、どれが計測しやすい?」
「それはもちろん歩き回るタイプですね。動きがシンプルで断然計測し易いですから」
「そっかー……じゃあ今度は君だ。短い付き合いだと思うけどよろしく頼むよ。お礼に君を綺麗な魔石にしてあげよう」
そう言って一匹のランニングバットを指さすモリス。セリフはなかなか猟奇的である。
「ウサダン、ターゲットはあのランニングバットです。計測開始」
「開始しました。現在計測中、いつでも行けます」
「モリス、こちら準備完了です」
「りょーかーい」
気の抜けた返事を返すモリスだったが、それは既にターゲットのバットに全神経を集中している為である。
「さて……前回は位置の把握が少し甘くて体内魔力の反発を受けた、ってのが僕の仮説だ。であれば、感じを掴めた今回はさっきより魔力消費が少なるなるはず。さあどうなる? ……よし今っ! 【転送】!」
モリスの目の前に現れた透明な魔石、そして地面に倒れ伏す一匹のバット。
その様子は先程とまったく同じ。そして――
「あ、だめだ……」
モリスがその場に座り込むところも。
「いやあ、これはまだまだ先が長そうだ。って事だから取り敢えず今日はここまでかな。残りはサクっと片づけてカルア君と合流しようか。本職のを見たら僕との違いが見えてくるかもしれないしね。あっそうだ、さっきのバットの計測結果どうだった?」
「非常に興味深い結果でしたよ。詳しくは改めて分析してからですけど、モリスが【転送】を掛けた瞬間に魔物の魔力が跳ね上がりました。おそらくそれが『反発』なのでしょうね」
10分間の瞑想により再び復活を遂げたモリス。部屋を埋め尽くす魔物を殲滅するのには十分な量の魔力が回復している。
「さてと、後は殲滅あるのみだ。もう十分楽しんだし残りは……はい【空間ずらし】っと」
指定する範囲はオートカの張った障壁の外側。
まずは飛ばないバットの胸元くらいの高さで発動させた。
指定範囲全体の空間がずれるとそれに合わせてバットたちも胸元からずれ、その上半身は地面に落ちていった。
それをもう数回高さを変えて行い、そして魔物部屋は静けさを取り戻した。
「それじゃあカルア君の所に戻ろうか。いやあ、彼だったらこの短時間でも結構時空間魔法に慣れたんじゃないかな? もしかしたらもう視点を上げるところまで出来てたりしてね。ははっ、それは流石に期待し過ぎかな? まあでも実に楽しみだよ。何たって彼は愚直で柔軟だ。相反するはずの性質が自然に共存しているなんて凄いよね。それに適性も思った以上に高そうだし」
▽▽▽▽▽▽
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普段静謐なこの場所は、だが今日は先ほどから四方の壁に反響する喧騒に包まれていた。
そう、一人の男の放つ喧騒に。
「さあとうとうやって来たよフィラストダンジョン! いやぁ初心者向けって聞いてたから今まで来た事無かったけど、やっぱりダンジョンだけあって雰囲気あるねえ。ダンジョンに貴賤なし。小さくたっていいじゃない、ダンジョンだもの――って感じだねぇ。さてそれでオートカ、ここで一歩踏み出したら光が赤く染まるんだったっけ?」
「それは少し待って下さい、観測の準備を始めますから。タチョ、部屋が赤くなったら時報開始毎1分、ラキは周囲の警戒を開始、ウサダンは魔力計測開始、今回は部屋が赤くなる瞬間の変動を捉えますよ」
「「「了解」」」
「うん、いいねいいね、この手慣れた感じがすごくいいね。君達っていつもこのメンバーでフィールドワーク行ってるんだっけ? もうすっかりいつもの役割って感じで分担してやってるの? それにしても何て言うかさ、オートカもだけど全員いきなり雰囲気が変わるねえ。ところで僕はそろそろ動いてもいいのかな?」
オートカは調査団のメンバーの様子を確認すると……
どうやら全員準備を終えたようだ。
「ええ、こちらは準備完了です。いつでもいいですよ」
「オーケーじゃあ行くよ。って言ったら何か急にドキドキしてきたね。さあそれじゃあ記念すべき最初の一歩――と見せかけて足を戻すっ! うん、色変わらないね。騙されなかったのかそれとも僕じゃあ反応しないのか。はは、どっちだろうねえ」
「モリス、我々が騙されそうなのでフェイントはやめて下さい」
「あっはっは、ごめんこめん。僕の悪い癖が出ちゃったね。どうしても緊迫した雰囲気の場面になると何かやりたくなっちゃうんだよ。いやあ、こんなのがウケる訳ないって僕も思ってるんだけどさ、でもついサービス精神が爆発しちゃうんだよね。よし反省反省じゃあ一歩っと」
今度は話を続けると見せかけていきなり一歩を踏み出すモリス。
しかしどうやらそのフェイントに引っ掛かったのは調査団だけのようだ。
ダンジョンの中は赤い光に包まれた。
「おおー、何だちゃんと反応するじゃあないか。フェイントに引っ掛かる訳でもなく律義に赤くなってさ。うん、このダンジョンは実に真面目なダンジョンだね。今日からマジメナダンジョンって改名したらいいんじゃないかな。――おや? 君たちは引っ掛かったみたいだね。まだまだ修行が足りないねえ」
「ウサダン! 一歩を踏み出した瞬間は把握出来ましたか?」
「駄目です、完全に引っ掛かりました! 正確な位置をブックマーク出来ません」
「分かりました、今のは仕方ありません。これについてはカルア君が同行する2回目に再度取り直しましょう。取り敢えず今は部屋が赤くなった瞬間のデータにブックマークを。その前後の変動が取れただけでも最小限の成果にはなりますから」
「何だかドタバタしているねえ」
「誰のせいですか、誰の!」
「えー、さっきいつでもいいって言ったじゃない。あれ誰が言ったんだっけ? 君だった気がするよ僕は。まあでもちょっと今のはふざけすぎたかな。ごめんごめん、悪気は無かったんだよ……あんまりね」
全く反省の色が見えないモリスにオートカの苛立ちが収まらない。
こういう奴だって事は分かっていても、だからといってそれを許せるかどうかは別の話なのだ。
しかしそんな事は意にも介さずモリスはマイペースに話を進める。
「それでどうする? そろそろ魔物部屋にご招待いただくかい? っとここでちょっと提案なんだけどさ、転送装置じゃなくって僕が転移魔法を発動してみたらどうかな?」
「!!」
モリスのその提案にオートカは意表を突かれた。
確かにそれは試すべき事柄だ。しかし今は前回と同じ条件で調査すべき、いやだがしかし……
逡巡は逡巡のうちには収まらず、だがリーダー故に結論は出さねばならない。
そして――
「いえ、それは次回にしましょう。まずは転送装置で試します」
「そうかあ……でもまあそれが正解かな。自分で提案しといて何だけど僕もそれに賛成するよ。じゃあ僕の【転移】が炸裂するのはカルア君が加わった2回目って事だね。一人増えたくらいどうって事無いし、全員まとめて転移してあげよう」
実際彼の持つ【転移】の技量は凄まじい。しかも保有する魔力量は王都ギルドからヒトツメギルドまで転移してなお余裕がある。
伊達に時空間魔法師のトップと呼ばれている訳ではないという事だ。
――その性格はともかくとして。
「さてと、それじゃあそろそろ僕はカードを翳しちゃうよ? みんな準備はいいかい、僕の方はもうさっきからずっと準備万端整ってるんだよ?」
「はあぁぁ、全くあなたは本当に……。いいですよ、じゃあやって下さい」
「オッケー。それじゃあ……ピッと」
その「ピッ」が何かは分からないが、今回は普通にカードを翳したモリスにオートカは安堵し、そして――
景色が変わる。
「ええっと、まず最初は『俯瞰』の練習からだったよね。目を閉じて……目に魔力を集中、そこから見える範囲を広げる……と」
一人きりの車内で時空間魔法の練習を始める僕。
どれだけ独り言を言っても大丈夫、だって御者さんは入口近くの待合所で休憩してるから。
体内の魔力の移動はこの間のやり方でいいのかな? まあ他の方法とか知らないしこの間はそれで出来たからきっと大丈夫だよね。その時と同じように体の中の魔力に「うごけー」って命令を出したら――よしいいぞ、魔力が目に集まってきた。
そうしたら目を閉じて意識を集中して……おおー見えてきた。
頭に浮かぶ景色がだんだん鮮明になってきて、そして――
「えっ、これって馬車の外も見えてる!?」
『光』の適性を調べてた時は部屋の中が見えたくらいだったけど、今回はその時より見える範囲がずっと広い。それに障害物とか関係なく見えてるし。
「それが出来たら次は『見える範囲を広げる』ってモリスさん言ってたっけ。それってどんなイメージでやればいいんだろう……やっぱり『ひろがれー』かな?」
頭の中に浮かぶ景色に、『もっと広く!』って指示を出すと……さっきの倍くらいの距離まで景色が広がったよ!
でも……
「木が邪魔でその向こうがよく見えないな」
って思ったその瞬間、木が――消えた?
「え? 本当に無くなっちゃった訳じゃないよね?」
と思ったら今度は元通り景色の中に木が現れた。
「障害物とか関係ないってだけじゃなくて、自由に見えるようにしたり消したり出来るって事? ならもしかして薄くする事も出来たりとか……」
おおっホントに出来た! 木が半透明になって向こう側がぼんやり透けて見えてる。
「この半透明が一番分かり易いかも。この表示のままでもっと範囲を広げられないかな?」
頭の中に広がる視界にそう指示したら、今度もまたさっきの倍くらいまで景色が広がったけど……
「ちょっ――魔力がどんどん減ってってる!」
そっか、視界を広げ過ぎると魔力の消耗が一気に激しくなっちゃうのか。
それなら視界はさっきの広さまでにしておくのがいいかな。
「やっぱり。これくらいまでならあまり魔力を使わないみたいだ」
視界を広げたり狭めたりして見え方を変える感覚が掴めてきたところで、次の課題『視点を上に』をやってみよう。
「よし、じゃあこのまま視点を上に持ち上げて……うわっ、鳥になって飛び立ったみたい!」
さっきまで正面に見えていた景色が少しずつ見下ろすような見え方に変わっていき、そして僕は今、僕のいる辺りを眼下に見下ろしている。
「あ、僕が乗ってる馬車が見えた」
試しに窓から手を出して振ってみると――
「あははははっ、あれ僕の手だ。上から見ても手振ってるよ」
見え方に時間差はないみたいで、手の動かす感覚と見下ろす僕の手の動きは完全に一致してる。
これだったら戦闘で使っても問題なさそう。
僕が乗ってる馬車を特定すると、その近くにもう一台の馬車が見えた。これオートカさんたちの馬車だ。
そこから今度は森の方へと視線を動かしていくと、半透明の木々の向こうに……
「お、ラビット発見……あっちにもいる! それにあそこの茂みにも何か……ああボアだ。ははは、背中に小鳥が停まってるよ。背中をつつかれてるけど痛くないのかな……?」
今度は視点をグリグリと動かす練習。同じ範囲内でも角度を変えると見え方も結構違うなあ。
そうだ、モリスさんが言ってた斜め後ろをやってみよう。
馬車を非表示にすれば僕の後ろ姿が見えるようになる筈……よし見えた。でも空中に座ってるみたいで変な感じ。まあそれはいいや。その後ろから僕自身とその前方を見下ろすように視点を移動して、と。
「これ、自分が人形になって自分で操ってるみたい」
戦闘で使うなら目を閉じたままって訳にはいかないだろうから、今度はこのまま目を開けてみると……さあ、どうなる?
「うわぁ、変な感じ!」
さっきまでの見下ろしの映像がそのまま頭の中にあって、それとは別に目からの映像も感じられる。
これって激しく動いたりしたら混乱しちゃいそう。絶対必要だろうから慣れなきゃだけど、どうやって慣れよう……
「うん、暫くこの状態のままで過ごそうかな」
馬車の周りを歩きながら……その自分を斜め後ろで見続ける。
突然の反復横跳びっ!! ――からの反転!!
う……………………酔いそう。
気持ち悪いのを我慢しながら続けているうちに段々酔わなくなってきた。それに最初ガッタガタ俯瞰の映像もまあまあ動きに合うようになってきたし、前を見ながら映像からの情報を把握するのも少しは慣れてきたし。
これならもう何日かこの状態を続けてれば自然な感じで使えるようになりそうかな……
「おおー、ここが魔物部屋かぁ。うんうん、いいねいいね。ダンジョンが一生懸命頑張ってる感じがして実にいいね。おっと、壁に魔力が集まり始めたって事はもうすぐ魔物の団体さんのご登場かな。さあて、それじゃあこちらも歓迎の準備をしなきゃね。どうやって殲滅してあげようかなあ……オートカは何かリクエストあるかい?」
この期に及んで実に余裕のあるモリス。
だがしかし、それも無理がないだろう。いくら魔物部屋とは言っても、彼にとってここに出てくる程度の魔物達は足元を歩き回る蟻でしかないのだから。
「モリスだったら『土』でも『風』でも好きなように操れるでしょう? それとも以前よく使ってた【空間ずらし】とかやってみます?」
「あれは問答無用で真っ二つだからねえ。前はそれが面白くてよく使ってたけどさ、何かこう美学が無いって言うのかな……まあ要するにワンパターン過ぎて飽きちゃったんだよ。もっとほら、こう芸術的っていうか遊び心っていうか……何か心躍るような殲滅って無いものかな」
それを聞いたオートカは、ふと思いついて悪戯っぽい表情を浮かべた。
「だったらひとつ、お勧めの殲滅方法がありますよ」
「おっ自信満々だね。それって一体何だい?」
「…………【スティール】です」
十分な間を取ってからゆっくりとした口調でモリスに答えを返したオートカ、その表情はどことなくドヤっているようにも見える。
そしてそれを聞いたモリスと言えば、オートカが言いたい事を理解して満面の笑みを浮かべた。
「いいねそれ! そうかそうか、魔法を使った自力【スティール】かあ。どんな挙動にしてあげれば行けるかな……ええっと、まず最初にやらないといけないのは……体内の魔石の位置の特定か。これは【探知】の応用で行けるかな? それが出来たら次はその魔石だけを【転送】する……うわ、これって体内から一部分だけを摘出するって事か。難しそうで楽しそうだね! よしじゃあ早速やってみようか。もし失敗したって練習台は次から次へと出てきてくれるからね、魔物君達にはご協力感謝ってところさ。じゃあオートカ、僕はちょっとこっちに集中するから君達は障壁の方をを頼むよ」
浮かれるモリスはまるで新しい遊びを教わった子供のようだ。
……まあ普段から子供のようではあるのだが。
「よし、記念すべき第一殺めは……君に決めた!」
モリスはタイミングよく目の前に現れたバットに狙いを定める。
「まずは君の持ってる魔石の位置を探させてもらうよ。【探知】……ダメか、ただの【探知】じゃ見えないよ、と」
魔石がある事だけは何となく分かるのだが、正確な位置や形はノイズのような何かが邪魔をして特定する事が出来ない。
モリスはそのノイズを魔物の体内を流れる魔力であると仮定した。
「開始早々いきなり難題とかもうサイコーだね。まさかこんな楽しい遊びがあったなんで今まで全く気付かなかったよ」
独り言と言うにはあまりにも大きな声でそんな事を喋りながら満面の笑みを浮かべるモリスだが、その思考はますます加速する。
「やりたいのは魔石の摘出、【転送】の条件は位置と形の完全把握、でそれを邪魔するのが魔物の魔力。はっはっは、いやホント難題だなあ」
にこやかな表情でボヤキながら、脳内では実現に向けたプランを様々な可能性からシミュレートしてゆく。
その性格はまあともかくとして、時空間魔法に関して言えばモリスはやはり間違いなく天才、紙一重の紙上をスキップして回る男なのである。
トライアンドエラー、そして推論と微調整。それらをひたすら繰り返し、悪戦苦闘する事約一時間、ついにその時が訪れた。
「よし掴んだ!! じゃあいくよー、【転送】っ!」
その瞬間モリスの目の前に現れたのは透明な魔石、そしてその向こうではターゲットのバットが地面へと落下してゆく。
そう、カルアのスティールとまったく同じ現象が起きたのである。
「あ、ダメだ……」
成功に湧き上がるかと思われたモリスだったが、そう呟くとその場に座り込んだ。
「どうしたのですかモリス?」
「慣れてないせいかな? それとも他に原因があるのかな? 今の一回で尋常じゃない量の魔力を使っちゃったんだよ。うーん、このままじゃ連発は出来ないなあ」
座り込んだ原因は急な魔力減少。
体調にも影響が出ているようで口数も普段よりかなり少ない。人並み程度だ。
「ちょっと休憩。魔力はすぐに回復するだろうから、そうしたらもう一度だけ試してみようかな。多少でも効率化出来ればいいんだけど……ねえオートカ、君の持って来た機材って指定した魔物の魔力だけを計測出来たりしないかい?」
「ふーむ……そうですね、体内魔力の細かな流れまでは難しいかもしれませんが出来なくはないですよ」
「じゃあ頼むよ……もう少し休んでからね」
そう言って急に黙り込み、半目で動かなくなるモリス。
これが魔力の回復速度を上げる有効な手段、所謂『瞑想』である。
そして約10分後。
「よしっ結構回復出来たかな……うん、これならもう一回くらい余裕で――はないけど出来そうだ。さあお待たせオートカ、僕はいつでも行けるよ。そして待たせたねバット達、飛ぶバットも飛ばないバットも皆公平に殲滅してあげるよ。なに礼なんていらないさ、僕は謙虚なナイスガイだからね。よく言われるんだよ、『室長ってホント謙虚で物静かですよね』ってね」
――それは皮肉である。
「でもまあ、殲滅するのは実験が終わってからだけどね。さーて、ど・の・子・に・し・よ・う・か・な、っとその前にオートカ、飛んでる奴と跳ねる奴と歩き回る奴だと、どれが計測しやすい?」
「それはもちろん歩き回るタイプですね。動きがシンプルで断然計測し易いですから」
「そっかー……じゃあ今度は君だ。短い付き合いだと思うけどよろしく頼むよ。お礼に君を綺麗な魔石にしてあげよう」
そう言って一匹のランニングバットを指さすモリス。セリフはなかなか猟奇的である。
「ウサダン、ターゲットはあのランニングバットです。計測開始」
「開始しました。現在計測中、いつでも行けます」
「モリス、こちら準備完了です」
「りょーかーい」
気の抜けた返事を返すモリスだったが、それは既にターゲットのバットに全神経を集中している為である。
「さて……前回は位置の把握が少し甘くて体内魔力の反発を受けた、ってのが僕の仮説だ。であれば、感じを掴めた今回はさっきより魔力消費が少なるなるはず。さあどうなる? ……よし今っ! 【転送】!」
モリスの目の前に現れた透明な魔石、そして地面に倒れ伏す一匹のバット。
その様子は先程とまったく同じ。そして――
「あ、だめだ……」
モリスがその場に座り込むところも。
「いやあ、これはまだまだ先が長そうだ。って事だから取り敢えず今日はここまでかな。残りはサクっと片づけてカルア君と合流しようか。本職のを見たら僕との違いが見えてくるかもしれないしね。あっそうだ、さっきのバットの計測結果どうだった?」
「非常に興味深い結果でしたよ。詳しくは改めて分析してからですけど、モリスが【転送】を掛けた瞬間に魔物の魔力が跳ね上がりました。おそらくそれが『反発』なのでしょうね」
10分間の瞑想により再び復活を遂げたモリス。部屋を埋め尽くす魔物を殲滅するのには十分な量の魔力が回復している。
「さてと、後は殲滅あるのみだ。もう十分楽しんだし残りは……はい【空間ずらし】っと」
指定する範囲はオートカの張った障壁の外側。
まずは飛ばないバットの胸元くらいの高さで発動させた。
指定範囲全体の空間がずれるとそれに合わせてバットたちも胸元からずれ、その上半身は地面に落ちていった。
それをもう数回高さを変えて行い、そして魔物部屋は静けさを取り戻した。
「それじゃあカルア君の所に戻ろうか。いやあ、彼だったらこの短時間でも結構時空間魔法に慣れたんじゃないかな? もしかしたらもう視点を上げるところまで出来てたりしてね。ははっ、それは流石に期待し過ぎかな? まあでも実に楽しみだよ。何たって彼は愚直で柔軟だ。相反するはずの性質が自然に共存しているなんて凄いよね。それに適性も思った以上に高そうだし」
▽▽▽▽▽▽
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設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
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