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第35話 ベルベルさんに溺れるモリスさん #1
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今日はみんなでベルベルさんの所に行く日だ。
参加者はあれから1名追加となった。でもその1名は王都では別行動――つまり転移便だけご利用ってわけ。
「すまんのう、便乗させてもろうて」
「いえいえ、ミッチェルさんには錬成を教えて貰ったりとか色々お世話になっていますから。それに一人増えたくらいじゃ使う魔力とか全然変わらないんですよ。ですから気にせず久し振りの兄弟水入らずをゆっくり楽しんで下さい」
そう、その1名っていうのはミッチェルさん。
王都ではマイケルさんやミヒャエルさんにもお世話になったし、折角だからって僕から誘ったんだ。今日行くって事をマイケルさん達には連絡してないって言ってたけど、ホントに大丈夫かな?
「ドワーフが工房を離れるなんぞそうそうありはしないわい。ましてあの二人じゃからの、全然問題ないわ」
って感じ。まあミッチェルさんらしいって言うか何て言うか……
という事でベルベルさんの店に行くのは僕とピノさん、ギルマス、モリスさん、オートカさんの5人。モリスさん達は一度こっちに来るって。行き先が王都なんだから現地集合でもいいと思うんだけど――あ、もうそろそろ来る頃かな。
――ってちょうど来たみたいだ。受付の辺りから賑やかな声が聞こえてくる。
「やあやあピノ君、久し――」
「ピノー、この間振りー! 元気してた? それとあれから何か進展あった?」
「ちょっとロベリー、こんなとこでやめてよね! ほら、案内するからこっち来て。あ、モリスさんとオートカさんもどうぞこちらへ」
凄いなロベリーさん、モリスさんの言葉を普通に遮って会話始めるとか。
ああ、そういえばこの間のスラシュさんもそうしてたっけ。モリスさんと付き合う上で身に付いた技術なんだろうか。僕には真似出来そうもないや。
「――では皆さん、こちらのお部屋でお待ち下さい」
そんなピノさんの声と共に扉が開き、みんなどやどやと部屋に入ってきた。
「やあカルア君、この間は――」
「カルアくーん、元気してたー? 今日は私も一緒に行く事になったからよろしくね」
「あっはい、よろしくお願いしますロベリーさん」
ロベリーさん、流石に2回連続で遮るとかモリスさんが可哀想なんじゃ……
――ほら、うっすら涙目だし。
「モリスさんとオートカさんも、今日はよろしくお願いします」
「久し振りですねカルア殿。この部屋も何か懐かしく思えますよ」
「あっはっは、ここでも色々あったからねえ。カルア君に驚かされたりカルア君に魂を抜かれそうになったりカルア君に笑い殺されそうになったり……いやあ、しかしあの魔石グラスは今思い出しても――ぷくくく」
「おお、そうじゃそうじゃ。あのグラスは中々見事じゃったの。流石カルデシじゃと思ったもんじゃよ」
「やあ、ミッチェル君じゃないか! こうして会うのはいつ振りだろう――そうだ、君の錬成ガラスの技術発表会以来じゃあなかったかな? あの発表会は実に興味深い内容だったねえ。それにしても相変わらずの活躍っぷりじゃあないか。君の作品って王都でも大人気だから、どこの道具屋でも見ない日はないってくらいだよ。――ところで『カルデシ』ってなんだい?」
「うむ、カルアにはうちの工房に勧誘っちゅうか内定出しとるからな。冒険者引退したらうちに来て欲しいってな、先に名前を用意したんじゃよ」
モリスさんから飛び出す言葉の連打にミッチェルさんは一切気にする事無く、そう返事を返した。こっちも凄いな……
「ああ成程。流石はカルア君、あちこちで大人気じゃあないか。僕も開発室に誘っているところだけど……いやあ、これは思わぬ所に競合がいたねえ」
ガラス工房で働くかどうかはともかく、改名は諦めて欲しいんだけど……
とそこにギルマスもやって来た。
「皆さんすまない、お待たせした。ピノ君、今日必要な決裁など全て終わらせてきたからパルム君と確認してきてくれ。私の机の右端に纏めてある」
「はい、分かりました」
そんなギルマスとピノさんの様子を見たロベリーさんが、モリスさんに意味ありげな視線を送る。
「あーあ、ピノはいいなあ上司がしっかりしてて。うちの室長ももう少し計画的に仕事進めていってくれるといいなあ……」
うわ、意味ありげどころかもの凄く意味が込もってた!
「ねえ室長、早く私無しでも仕事出来るようになってくれないと、私いつになっても付与を始められませんよ?」
――からの直接攻撃!
「あはは……すまないねえ、何とか努力するよ」
でも効果はないようだ……
「もう、いっつもそうやって返事を濁すんだから……」
この二人の話し方って上司と部下って言うより……何て言うか、夫婦みたい?
――ピノさんも何だか苦笑いしてるし。
参加者はあれから1名追加となった。でもその1名は王都では別行動――つまり転移便だけご利用ってわけ。
「すまんのう、便乗させてもろうて」
「いえいえ、ミッチェルさんには錬成を教えて貰ったりとか色々お世話になっていますから。それに一人増えたくらいじゃ使う魔力とか全然変わらないんですよ。ですから気にせず久し振りの兄弟水入らずをゆっくり楽しんで下さい」
そう、その1名っていうのはミッチェルさん。
王都ではマイケルさんやミヒャエルさんにもお世話になったし、折角だからって僕から誘ったんだ。今日行くって事をマイケルさん達には連絡してないって言ってたけど、ホントに大丈夫かな?
「ドワーフが工房を離れるなんぞそうそうありはしないわい。ましてあの二人じゃからの、全然問題ないわ」
って感じ。まあミッチェルさんらしいって言うか何て言うか……
という事でベルベルさんの店に行くのは僕とピノさん、ギルマス、モリスさん、オートカさんの5人。モリスさん達は一度こっちに来るって。行き先が王都なんだから現地集合でもいいと思うんだけど――あ、もうそろそろ来る頃かな。
――ってちょうど来たみたいだ。受付の辺りから賑やかな声が聞こえてくる。
「やあやあピノ君、久し――」
「ピノー、この間振りー! 元気してた? それとあれから何か進展あった?」
「ちょっとロベリー、こんなとこでやめてよね! ほら、案内するからこっち来て。あ、モリスさんとオートカさんもどうぞこちらへ」
凄いなロベリーさん、モリスさんの言葉を普通に遮って会話始めるとか。
ああ、そういえばこの間のスラシュさんもそうしてたっけ。モリスさんと付き合う上で身に付いた技術なんだろうか。僕には真似出来そうもないや。
「――では皆さん、こちらのお部屋でお待ち下さい」
そんなピノさんの声と共に扉が開き、みんなどやどやと部屋に入ってきた。
「やあカルア君、この間は――」
「カルアくーん、元気してたー? 今日は私も一緒に行く事になったからよろしくね」
「あっはい、よろしくお願いしますロベリーさん」
ロベリーさん、流石に2回連続で遮るとかモリスさんが可哀想なんじゃ……
――ほら、うっすら涙目だし。
「モリスさんとオートカさんも、今日はよろしくお願いします」
「久し振りですねカルア殿。この部屋も何か懐かしく思えますよ」
「あっはっは、ここでも色々あったからねえ。カルア君に驚かされたりカルア君に魂を抜かれそうになったりカルア君に笑い殺されそうになったり……いやあ、しかしあの魔石グラスは今思い出しても――ぷくくく」
「おお、そうじゃそうじゃ。あのグラスは中々見事じゃったの。流石カルデシじゃと思ったもんじゃよ」
「やあ、ミッチェル君じゃないか! こうして会うのはいつ振りだろう――そうだ、君の錬成ガラスの技術発表会以来じゃあなかったかな? あの発表会は実に興味深い内容だったねえ。それにしても相変わらずの活躍っぷりじゃあないか。君の作品って王都でも大人気だから、どこの道具屋でも見ない日はないってくらいだよ。――ところで『カルデシ』ってなんだい?」
「うむ、カルアにはうちの工房に勧誘っちゅうか内定出しとるからな。冒険者引退したらうちに来て欲しいってな、先に名前を用意したんじゃよ」
モリスさんから飛び出す言葉の連打にミッチェルさんは一切気にする事無く、そう返事を返した。こっちも凄いな……
「ああ成程。流石はカルア君、あちこちで大人気じゃあないか。僕も開発室に誘っているところだけど……いやあ、これは思わぬ所に競合がいたねえ」
ガラス工房で働くかどうかはともかく、改名は諦めて欲しいんだけど……
とそこにギルマスもやって来た。
「皆さんすまない、お待たせした。ピノ君、今日必要な決裁など全て終わらせてきたからパルム君と確認してきてくれ。私の机の右端に纏めてある」
「はい、分かりました」
そんなギルマスとピノさんの様子を見たロベリーさんが、モリスさんに意味ありげな視線を送る。
「あーあ、ピノはいいなあ上司がしっかりしてて。うちの室長ももう少し計画的に仕事進めていってくれるといいなあ……」
うわ、意味ありげどころかもの凄く意味が込もってた!
「ねえ室長、早く私無しでも仕事出来るようになってくれないと、私いつになっても付与を始められませんよ?」
――からの直接攻撃!
「あはは……すまないねえ、何とか努力するよ」
でも効果はないようだ……
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――ピノさんも何だか苦笑いしてるし。
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