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第34話 魔剣についてとベルベルさんです #3
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「……ねえブラック君、僕はこれ封印すべきだと思うんだけど、君はどう思う?」
「同感です。汎用の武器としての性能が高過ぎる。魔力を注ぐだけで相手を空間ごと切断出来る剣とか、高性能過ぎて物語のネタにすら使えないでしょう」
「だよねえ……はあ、この剣はカルア君の無邪気さが悪い方向に発揮された、まさに『魔剣』だよ。困ったものだねえ、ははは……」
……ええっと、それって?
「という事でカルア君、君の作ったこの剣……これは間違いなく『魔剣』だよ」
「ホントですか!? やっ――」
「ただし!!」
「たぁ……、え?」
「絶対に、ぜぇーったいに! 人前では使わない事。いいかい?」
「ええっと……?」
何で?
「うん、やっぱり分かっていないか……。いいかい、世の中には確かに『魔剣』は存在する。それこそ物語のように大昔の伝説の刀鍛冶が打ったとか、神から下賜されたとか、ダンジョンの奥深くから発見されたとか、そういった逸話付きでね。そしてそれらの殆どは国が保管している。それが何故だか分かるかい?」
「えと、貴重な宝物だからですか?」
「ちょっと違うな。『宝物』じゃなくって『武器』だからさ――それもとても強力なね。考えてみてご覧よ、ひと振りで一軍を相手に出来る程の強力な剣だよ? 国が放置すると思うかい? ましてそれが他国に渡るなど許すと思うかい?」
「そ、それってつまり……」
「そうさ。国としては当然他国への牽制材料、そして戦争の道具として見るだろうね。ましてその魔剣を作る事が出来る者がいるなんて知られたら――どうなると思う?」
「…………」
うわぁ……
「もう分かったね? 僕たちがやっと塞いだ穴の横に、また君が大穴を開けちゃったって事が」
「はい……」
どうしよう……
「とはいえ、この技術はそう遠くないうちに必ず誰かが見つけ出すだろうさ。属性や魔法が付与出来て錬成だって可能な万能素材が見つかった訳だからね。あっという間に『魔剣』は伝説から単なる『剣への属性付与』へと成り代わるはずさ。……あ、【空間ずらし】は別としてね。あの魔法は僕と君以外にはそうそう使えないだろうから」
って事はこの剣、暫くの間だけ隠しておけば大丈夫?
「という訳でその剣は【ボックス】に永久保管ね。あっ、でも魔剣としては強力な部類に入るだろうから、せめてカッコいい名前だけでも付けてあげたら?」
おお! 剣に名前――カッコいい!
「まあ本当に必要な時には使うべきだと思うけど、君の場合は【空間ずらし】が使えるんだからそもそも必要無いんじゃない? あ、でも剣を【界壁】で強化するってのはいい案だと思うよ。次はそれ特化で作ってみたら?」
切れ味とかは普通だけど、頑丈で……決して折れない剣!
「そう……ですね。はい! そうします」
――それは、命を守ってくれる剣だから!
「あ、だったらカルア君、ぜひ包丁をお願いします。切ったものが貼りつかなくって便利そう!」
――命を……え?
「あははは、『魔剣』ならぬ『魔包丁』ね。実に平和的でいいじゃない! じゃあこれで一件落着だね。よかったよかった。うん、そうだよカルア君。どうせ作るんだったらさ、その『魔包丁』みたいに生活に便利な魔道具がいいんじゃないかな。それだったらきっと国や貴族連中に目を付けられる事は無いでしょ。まあ商人連中は目の色を変えて近寄ってくると思うけどね。そこはまあ、『頑張れ』って事で」
それはそれで問題な気がするけど……
「はは、は……分かりました。――頑張ります」
あ、そういえばあの事まだ訊いてなかったっけ。
「あ、そういえばモリスさん、昨日聞きそびれた事があったんですけど」
「うん? 何だい?」
「実は昨日、マリアベル・ベルマリアさんってひとに会ったんですけど……?」
「「何だって!?」」
え、ギルマスも驚いて……?
「ちょっとカルア君、一体どういった経緯で『校長』と会う事になったんだい!?」
「いやその、ピノさんの知り合いだって普通に紹介されたんですけど……」
「ピノ君?」
「あ、別にそんな大した事じゃないんですよ? 学生時代に私の行き付けだった魔道具屋さんってだけで」
「そうか……うーむ、何というか……そういう事もあるのか……?」
「えっとカルア君、それで校長――マリアベルさんは何か言ってたかい?」
「モリスさんやオートカさんが学校に行ってた頃の校長先生だったそうですね。『あの悪ガキ共』とか言ってましたよ?」
「ははは、まあ若かりし頃のいい思い出って事さ――はあ、やっぱりまだ覚えられてるか……。それでカルア君、君については何か?」
「はい、『魔法を見てやるから王都に来るように』って言ってました。あっそうだ、ギルマスが頼んでくれてたのってあの人だったんですね。ありがとうございます」
「うむ、それは構わない。まだ返事をもらえていなかったしな。しかし人の縁とは不思議なものだな……。まさかこのように繋がっているとは」
「あの、それでギルマス、カルア君の編入試験の勉強についてもベルベ――マリアベルさんにお願いしたらって思うんです。昨日カルア君も学校に行くって決めたようなので」
「おお、それは願ってもない! それにカルア君――とうとう決めたか。そうかそうか、この事はきっと君の将来に大きく役立つ事だろう。頑張ってくれたまえ!」
「はい、ありがとうございますギルマス。僕頑張ります!」
「それでですね、えーっとモリスさん?」
「ん? 何かなピノ君?」
「マリアベルさんには、カルア君の事を『モリスさんの弟子』って伝えてありますから」
「何だって!? ……はあぁ、だったら僕も顔を出さない訳にはいかないかぁ……、っよし、こうなったらオートカも巻き込んでやる! カルア君、次にマリアベル校長に会う日が決まったら僕に教えてくれよ? 僕とオートカも最優先でスケジュール調整して一緒に行くからね」
「それならば私も同行しよう。あの御仁には私からも直接礼を言わなければ。ピノ君はどうする? 一緒に行くか?」
「ええ、是非。ふふふ、ベルベルさん急にこんな大人数で押し掛けたらびっくりするんじゃないかな?」
「ん? ベルベルさん、とは?」
「ああいえ、こちらの話ですからお気になさらず」
こうして結局みんなでベルベルさんのとこに行く事になったんだけど――
あのお店って、こんな人数が入れたかな……?
▽▽▽▽▽▽
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「同感です。汎用の武器としての性能が高過ぎる。魔力を注ぐだけで相手を空間ごと切断出来る剣とか、高性能過ぎて物語のネタにすら使えないでしょう」
「だよねえ……はあ、この剣はカルア君の無邪気さが悪い方向に発揮された、まさに『魔剣』だよ。困ったものだねえ、ははは……」
……ええっと、それって?
「という事でカルア君、君の作ったこの剣……これは間違いなく『魔剣』だよ」
「ホントですか!? やっ――」
「ただし!!」
「たぁ……、え?」
「絶対に、ぜぇーったいに! 人前では使わない事。いいかい?」
「ええっと……?」
何で?
「うん、やっぱり分かっていないか……。いいかい、世の中には確かに『魔剣』は存在する。それこそ物語のように大昔の伝説の刀鍛冶が打ったとか、神から下賜されたとか、ダンジョンの奥深くから発見されたとか、そういった逸話付きでね。そしてそれらの殆どは国が保管している。それが何故だか分かるかい?」
「えと、貴重な宝物だからですか?」
「ちょっと違うな。『宝物』じゃなくって『武器』だからさ――それもとても強力なね。考えてみてご覧よ、ひと振りで一軍を相手に出来る程の強力な剣だよ? 国が放置すると思うかい? ましてそれが他国に渡るなど許すと思うかい?」
「そ、それってつまり……」
「そうさ。国としては当然他国への牽制材料、そして戦争の道具として見るだろうね。ましてその魔剣を作る事が出来る者がいるなんて知られたら――どうなると思う?」
「…………」
うわぁ……
「もう分かったね? 僕たちがやっと塞いだ穴の横に、また君が大穴を開けちゃったって事が」
「はい……」
どうしよう……
「とはいえ、この技術はそう遠くないうちに必ず誰かが見つけ出すだろうさ。属性や魔法が付与出来て錬成だって可能な万能素材が見つかった訳だからね。あっという間に『魔剣』は伝説から単なる『剣への属性付与』へと成り代わるはずさ。……あ、【空間ずらし】は別としてね。あの魔法は僕と君以外にはそうそう使えないだろうから」
って事はこの剣、暫くの間だけ隠しておけば大丈夫?
「という訳でその剣は【ボックス】に永久保管ね。あっ、でも魔剣としては強力な部類に入るだろうから、せめてカッコいい名前だけでも付けてあげたら?」
おお! 剣に名前――カッコいい!
「まあ本当に必要な時には使うべきだと思うけど、君の場合は【空間ずらし】が使えるんだからそもそも必要無いんじゃない? あ、でも剣を【界壁】で強化するってのはいい案だと思うよ。次はそれ特化で作ってみたら?」
切れ味とかは普通だけど、頑丈で……決して折れない剣!
「そう……ですね。はい! そうします」
――それは、命を守ってくれる剣だから!
「あ、だったらカルア君、ぜひ包丁をお願いします。切ったものが貼りつかなくって便利そう!」
――命を……え?
「あははは、『魔剣』ならぬ『魔包丁』ね。実に平和的でいいじゃない! じゃあこれで一件落着だね。よかったよかった。うん、そうだよカルア君。どうせ作るんだったらさ、その『魔包丁』みたいに生活に便利な魔道具がいいんじゃないかな。それだったらきっと国や貴族連中に目を付けられる事は無いでしょ。まあ商人連中は目の色を変えて近寄ってくると思うけどね。そこはまあ、『頑張れ』って事で」
それはそれで問題な気がするけど……
「はは、は……分かりました。――頑張ります」
あ、そういえばあの事まだ訊いてなかったっけ。
「あ、そういえばモリスさん、昨日聞きそびれた事があったんですけど」
「うん? 何だい?」
「実は昨日、マリアベル・ベルマリアさんってひとに会ったんですけど……?」
「「何だって!?」」
え、ギルマスも驚いて……?
「ちょっとカルア君、一体どういった経緯で『校長』と会う事になったんだい!?」
「いやその、ピノさんの知り合いだって普通に紹介されたんですけど……」
「ピノ君?」
「あ、別にそんな大した事じゃないんですよ? 学生時代に私の行き付けだった魔道具屋さんってだけで」
「そうか……うーむ、何というか……そういう事もあるのか……?」
「えっとカルア君、それで校長――マリアベルさんは何か言ってたかい?」
「モリスさんやオートカさんが学校に行ってた頃の校長先生だったそうですね。『あの悪ガキ共』とか言ってましたよ?」
「ははは、まあ若かりし頃のいい思い出って事さ――はあ、やっぱりまだ覚えられてるか……。それでカルア君、君については何か?」
「はい、『魔法を見てやるから王都に来るように』って言ってました。あっそうだ、ギルマスが頼んでくれてたのってあの人だったんですね。ありがとうございます」
「うむ、それは構わない。まだ返事をもらえていなかったしな。しかし人の縁とは不思議なものだな……。まさかこのように繋がっているとは」
「あの、それでギルマス、カルア君の編入試験の勉強についてもベルベ――マリアベルさんにお願いしたらって思うんです。昨日カルア君も学校に行くって決めたようなので」
「おお、それは願ってもない! それにカルア君――とうとう決めたか。そうかそうか、この事はきっと君の将来に大きく役立つ事だろう。頑張ってくれたまえ!」
「はい、ありがとうございますギルマス。僕頑張ります!」
「それでですね、えーっとモリスさん?」
「ん? 何かなピノ君?」
「マリアベルさんには、カルア君の事を『モリスさんの弟子』って伝えてありますから」
「何だって!? ……はあぁ、だったら僕も顔を出さない訳にはいかないかぁ……、っよし、こうなったらオートカも巻き込んでやる! カルア君、次にマリアベル校長に会う日が決まったら僕に教えてくれよ? 僕とオートカも最優先でスケジュール調整して一緒に行くからね」
「それならば私も同行しよう。あの御仁には私からも直接礼を言わなければ。ピノ君はどうする? 一緒に行くか?」
「ええ、是非。ふふふ、ベルベルさん急にこんな大人数で押し掛けたらびっくりするんじゃないかな?」
「ん? ベルベルさん、とは?」
「ああいえ、こちらの話ですからお気になさらず」
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