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第50話 さあここで新メンバーの登場です #1
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「あなた達、この一ヶ月でかなり良くなったわよ。前とは見違えるようだわ」
今日の放課後個別授業ももうそろそろ終わりという頃、クーラ先生はそう僕達に微笑んだ。
――クーラ先生の足元に転がる、ぐったりと力尽きた僕達に。
あのぉクーラ先生? この状況でそう言われても、全然実感が湧かないんですけど……
それはアーシュも同じだったみたいで――
「でもあたしたち、一度もクーラ先生に攻撃当てられてないし」
隣でそんな言葉を漏らしていた。地面に転がった姿で。
この一ヶ月、僕達は色々工夫して連携もそれなりに出来るようになってきた。確かにクーラ先生の言う通り『見違える』ってのも大袈裟じゃないと思う。
でもね……未だにクーラ先生に一度も攻撃を当てられてないんだよ。
こんな状態じゃあ……ねえ。
まあそれはともかく、チームとしてだけではなく僕達一人一人もまた、今日まで重ねた工夫と努力で一ヶ月前からかなり進歩したと思う。
中でも特に変わったのはこの二人、ノルトとネッガーだ。
まずはノルト。ノルトは杖を持つようになった。
杖を通して地面に魔力を注ぎ、動き回るクーラ先生の足元を直接操作。瞬間的な操作だから大きくは動かせないけど、踏み出そうとした方向の地面を少し上げたり下げたりとか。
初めの数回はそれで上手くクーラ先生の体勢を崩すことが出来たけど、それもすぐに読まれるようになった。
先生って順応性高すぎだよ。その先生の「意表を突く」とか、ハードルも高すぎ。
ああそうそう、ノルトの杖って材料の一部に魔石が使われてるんだって。魔石の実用化もだんだんと進んできてるみたいだ。
次にネッガー。驚く事にネッガーはピノさんのあのアドバイスがホントに理解出来ていたみたいで、あれから急にビックリするくらい【身体強化】が上達した。
ピノさんが言ってた『ギュンでグッでバッ』がそのコツだったの? やっぱり僕には理解出来ない。
あとそれから体を細かく制御する練習も。【身体強化】した状態で箸で豆をつまむとか、物凄い速さで右手と左手でジャンケンをして左右交互に勝たせたりとか。
最初の頃は見てて面白かったけど、最近は目が追いつかなくなってきてる。速すぎ!
アーシュは全体的に強くなってる感じかな。時々『魔法の深淵がー』とか悩んでるみたいだけど、そのうち突然何か思い付いて凄い事しそう。だってアーシュだし。
僕は……最近忘れがちだった『人並み』って言葉を噛み締める毎日を送ってる。
『斜め後ろ』と『重ね合わせ』を同時発動した視点を常時発動してるけど、それでもクーラ先生の動きを捉えきれない。
【身体強化】は禁止されてるし、使ったところで勝てるとも思えない。やっぱりコツコツ地力を上げてくしかないかなあ。
アーシュの言葉はクーラ先生の耳にも届いたみたいで、クーラ先生は少し真面目な顔で僕達に話し始めた。
「私に当てる、か。うーん、それはまだまだ無理かな。長期目標にするんだったら素晴らしい事だと思うけどね」
「え? でもさっきももうちょっとのところまで……」
「ううん、だって私まだ【身体強化】も使ってないから。そうね……じゃあせっかくだから、私の身体強化をちょっとだけ見せてあげる」
そう言ってクーラ先生は【身体強化】を発動したんだけど――
「え!? うそ!?」
「何よ、これ!?」
「俺のとは全くの別物……」
「あはは、はは。無理」
発動した瞬間にはっきりと感じ取れた。
【身体強化】したクーラ先生が、今までより何倍も強くなったって事を。
「どう、分かったでしょ? ちなみに私、魔力を節約する為に【身体強化】を段階分けしてるの。強化はあとまだ2段階残してるからね」
ははは……
クーラ先生、実は宇宙も征服できるんじゃ……
【身体強化】を解除した先生は言葉を続ける。
「ただ……そうね、あなた達ってパーティとして考えると、最低もう一枚は攻撃の手が欲しいところなんだよね」
「それってメンバーを増やした方がいいって事?」
その指摘にすかさず反応するアーシュ。
「ええそう。冒険者として仕事をするんだったら、堅く行くのならメンバーはやっぱり5人は必要でしょうね。パーティの戦い方はどうとでも調整できるから、増やすのは前衛でも後衛でも構わないと思うけど。でも魔法クラスで探すんだったら、やっぱり後衛になるのかな」
……どうなんだろう。
この間の臨時授業の結果、実技は週に一度は冒険者クラスとの合同授業になって、前回の合同授業が最初の臨時授業から数えて4回目だった。
最初の頃は魔法クラスからのパーティ技術訓練への参加者は結構多かったけど、その数は回を追うごとに減っていって、逆に冒険者クラスからの参加者は魔法訓練からこちらに戻ってきつつある。
それはつまり、魔法クラスで今すぐ冒険者をやってみたい人はそんなに多くないって事。
追加メンバーを探すのはちょっと難しそうな気がする。
でもアーシュは乗り気みたいで――
「探すんなら早い方がいいわよね。さっそく明日クラスで声を掛けてみるわよ。みんな、いいわね?」
流石アーシュ、動きが早い。それにノルトとネッガーも頷いてるから追加に賛成なんだろう。
僕も難しいと思ってはいるけど、増やす事には賛成。だから――
「じゃあ明日、朝のホームルームが終わったらみんなに声を掛けて、お昼を食べた後くらいに返事をもらう感じでいいかな?」
「いいんじゃない? もちろん声掛けはあたしがやるわ。 ふふん、朝から打ち噛ますわよ!」
――って話になった。
今日の放課後個別授業ももうそろそろ終わりという頃、クーラ先生はそう僕達に微笑んだ。
――クーラ先生の足元に転がる、ぐったりと力尽きた僕達に。
あのぉクーラ先生? この状況でそう言われても、全然実感が湧かないんですけど……
それはアーシュも同じだったみたいで――
「でもあたしたち、一度もクーラ先生に攻撃当てられてないし」
隣でそんな言葉を漏らしていた。地面に転がった姿で。
この一ヶ月、僕達は色々工夫して連携もそれなりに出来るようになってきた。確かにクーラ先生の言う通り『見違える』ってのも大袈裟じゃないと思う。
でもね……未だにクーラ先生に一度も攻撃を当てられてないんだよ。
こんな状態じゃあ……ねえ。
まあそれはともかく、チームとしてだけではなく僕達一人一人もまた、今日まで重ねた工夫と努力で一ヶ月前からかなり進歩したと思う。
中でも特に変わったのはこの二人、ノルトとネッガーだ。
まずはノルト。ノルトは杖を持つようになった。
杖を通して地面に魔力を注ぎ、動き回るクーラ先生の足元を直接操作。瞬間的な操作だから大きくは動かせないけど、踏み出そうとした方向の地面を少し上げたり下げたりとか。
初めの数回はそれで上手くクーラ先生の体勢を崩すことが出来たけど、それもすぐに読まれるようになった。
先生って順応性高すぎだよ。その先生の「意表を突く」とか、ハードルも高すぎ。
ああそうそう、ノルトの杖って材料の一部に魔石が使われてるんだって。魔石の実用化もだんだんと進んできてるみたいだ。
次にネッガー。驚く事にネッガーはピノさんのあのアドバイスがホントに理解出来ていたみたいで、あれから急にビックリするくらい【身体強化】が上達した。
ピノさんが言ってた『ギュンでグッでバッ』がそのコツだったの? やっぱり僕には理解出来ない。
あとそれから体を細かく制御する練習も。【身体強化】した状態で箸で豆をつまむとか、物凄い速さで右手と左手でジャンケンをして左右交互に勝たせたりとか。
最初の頃は見てて面白かったけど、最近は目が追いつかなくなってきてる。速すぎ!
アーシュは全体的に強くなってる感じかな。時々『魔法の深淵がー』とか悩んでるみたいだけど、そのうち突然何か思い付いて凄い事しそう。だってアーシュだし。
僕は……最近忘れがちだった『人並み』って言葉を噛み締める毎日を送ってる。
『斜め後ろ』と『重ね合わせ』を同時発動した視点を常時発動してるけど、それでもクーラ先生の動きを捉えきれない。
【身体強化】は禁止されてるし、使ったところで勝てるとも思えない。やっぱりコツコツ地力を上げてくしかないかなあ。
アーシュの言葉はクーラ先生の耳にも届いたみたいで、クーラ先生は少し真面目な顔で僕達に話し始めた。
「私に当てる、か。うーん、それはまだまだ無理かな。長期目標にするんだったら素晴らしい事だと思うけどね」
「え? でもさっきももうちょっとのところまで……」
「ううん、だって私まだ【身体強化】も使ってないから。そうね……じゃあせっかくだから、私の身体強化をちょっとだけ見せてあげる」
そう言ってクーラ先生は【身体強化】を発動したんだけど――
「え!? うそ!?」
「何よ、これ!?」
「俺のとは全くの別物……」
「あはは、はは。無理」
発動した瞬間にはっきりと感じ取れた。
【身体強化】したクーラ先生が、今までより何倍も強くなったって事を。
「どう、分かったでしょ? ちなみに私、魔力を節約する為に【身体強化】を段階分けしてるの。強化はあとまだ2段階残してるからね」
ははは……
クーラ先生、実は宇宙も征服できるんじゃ……
【身体強化】を解除した先生は言葉を続ける。
「ただ……そうね、あなた達ってパーティとして考えると、最低もう一枚は攻撃の手が欲しいところなんだよね」
「それってメンバーを増やした方がいいって事?」
その指摘にすかさず反応するアーシュ。
「ええそう。冒険者として仕事をするんだったら、堅く行くのならメンバーはやっぱり5人は必要でしょうね。パーティの戦い方はどうとでも調整できるから、増やすのは前衛でも後衛でも構わないと思うけど。でも魔法クラスで探すんだったら、やっぱり後衛になるのかな」
……どうなんだろう。
この間の臨時授業の結果、実技は週に一度は冒険者クラスとの合同授業になって、前回の合同授業が最初の臨時授業から数えて4回目だった。
最初の頃は魔法クラスからのパーティ技術訓練への参加者は結構多かったけど、その数は回を追うごとに減っていって、逆に冒険者クラスからの参加者は魔法訓練からこちらに戻ってきつつある。
それはつまり、魔法クラスで今すぐ冒険者をやってみたい人はそんなに多くないって事。
追加メンバーを探すのはちょっと難しそうな気がする。
でもアーシュは乗り気みたいで――
「探すんなら早い方がいいわよね。さっそく明日クラスで声を掛けてみるわよ。みんな、いいわね?」
流石アーシュ、動きが早い。それにノルトとネッガーも頷いてるから追加に賛成なんだろう。
僕も難しいと思ってはいるけど、増やす事には賛成。だから――
「じゃあ明日、朝のホームルームが終わったらみんなに声を掛けて、お昼を食べた後くらいに返事をもらう感じでいいかな?」
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――って話になった。
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