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第49話 戦闘訓練! あれっ、ピノさん? #3
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そんな感じで授業は終了。
……あ、ギルマスの授業風景まったく見てなかったや。どんな感じだったのかな。
そしてクーラ先生から締めのお言葉を賜った。
「取り敢えず今日教えた事は繰り返し練習して体に覚え込ませる事。冒険者なんてやってたら、考えるより先に体が動くようにならなきゃ命に関わるからね。もし指導とか練習相手が欲しかったら、またレミア先生に言ってくれれば放課後とかに時間作るから。そういうのって結構特別手当が美味しいから私も大歓迎よ。だから遠慮とかは絶対しないでね。まあこの先今日みたいな合同訓練が増えたら、その授業中で――って事になっちゃうかもしれないけど。いい?」
「「「「はいっ、ありがとうございました」」」」
うん、すっごく為になる授業だった。
クーラ先生、本当にありがとうございました!
――そしてその日の放課後。
校内のとある部屋にはテーブルを囲む少女達の姿があった。
「さて、あなた達が『ファンクラブ』の中核メンバー、でいいのかしら?」
「「「「はいっ、ピノ様!!」」」」
崇拝の対象であるピノからの直接の招待に、幸せの絶頂と言った様子を見せるファンクラブの少女達。
「ひとつ訊きたいのだけれど、あなた達って『何のために』存在してるの?」
「「「「え?」」」」
ピノのそのいきなりの言葉に、少女達は嬉しそうな表情から一転、戸惑いの表情を浮かべる。
そんな少女達にピノは話を続けた。
「だってほら、私ってもうとっくに卒業してるでしょう? それに近くにいる訳でもないし会える訳でもない。それに私、在学中に『ファンクラブ』なんてのがあったのは知ってたけど、卒業と同時に解散したものと思ってたから」
そんなピノの疑問に一同は安堵の色を浮かべた。
何故ならあまりに当然な疑問だったから。
そしてその『当然な疑問』を解消すべく、会長のアイはファンクラブを代表してその場に立ち上がる。
そして――
自らの存在意義を高らかに宣言した。
――両の拳を握り締め、無駄にキリッとした表情で!
「お言葉ですがピノ様、ピノ様はただ卒業された訳ではありません。その在学中には数多くの実績、そして伝説までもを打ち立てられました。そしてその伝説は今もなお色褪せる事なく輝き続けているのです! だからこそ私は――いえ私達はっ! その伝説と共に生きていきたいんですっ!」
そのあまりの圧と勢いに思わずたじろぐピノ。その耳にはドドーーーン!という幻聴までもが聞こえていた。
「ええーーーっ!? そっ、そんなキリッとした顔で力説されるとか想定外過ぎなんだけど……でもそれならあなた達、『バーサクフェアリー』なんて私にとって望ましくない呼び名を今でも広めてるのはどういう事?」
「そっ――それは私達じゃありません! 憎き『バーサク研究会』の連中の仕業なんです!」
「バー…………は? ナニソレ?」
ここにきて突然明らかになった第三勢力の存在に、ピノは混乱を隠せない。
「奴らはピノ様の偉大さなどは全く考慮せず、ただその伝説を面白おかしく解釈して触れ回っているだけの連中です。私達とは一切無関係なんです。お願いです信じて下さいピノ様」
「ええぇーーーー……」
「私達はむしろ『バーサクフェアリー』に代わるピノ様に相応しい呼び名を用意せんと日々研究し、討論に討論を重ねているんです。そう、『プリティフェアリー』とか『ラブリーフェアリー』とか『パーフェクトフェアリー』とか『マスターフェアリー』とか『東方不敗フェアリー』とか……」
「うーーー、それもイヤだなあ……。ねえ、まずは『フェアリー』から離れない?」
「はい、もちろんそちらも研究しています。『エンジェル』とか『ゴッデス』とか『プリエステス』、あと『聖女』とかも候補に挙がった事が――」
「そんな……じゃあもう他に逃げ場、無いじゃん……」
ピノはガックリと肩を落とした。善意も悪意も関係なしに心を抉ってくるこの現実に打ちのめされたかのように……
「あ、じゃあその『バーサク研究会』っていうのを殲滅するっていうのは?」
「それが奴ら、昨年『身体強化術の追求』なんて名目で申請を出して、正式なクラブ活動として学校に承認されているんです。ですのでそれも難しく……」
ピノは軽く目を閉じた。
そして、テーブルに肘をついたその両手の指を口元の前で絡ませ、ポツリと呟く。
「つまり奴らを殲滅するには、まずは校長先生から……」
そして訪れる審判の時――
「分かりました。あなた達は私にとって無害と認定します」
そう言って少女たちを見渡すピノに、被告人であった少女達はほっと安堵の表情を浮かべる。そんな彼女達にピノも軽く微笑みを返し、そして更なる言葉を投げ掛けた。
「これからはカルア君の事をよろしく頼むわね。私の代わりに見守ってあげて。その最優先課題はカルア君に悪い虫が寄り付かないようにする事。例の『バーサク研究会』もだけど、近付こうとする女性には特に注意して。当然パーティメンバーの動向にもね。いいかしら?」
敬愛するピノ様からの直接の『お願い』に彼女達は表情を引き締め、しかし抑えきれない喜びを胸に勢い良く起立する。そして――
「はいっ! 御下命、確と承りました。我ら一同、ピノ様の為に」
「「「「ピノ様の為に!!」」」」
今この瞬間――ピノファンクラブはピノズクラブとして再誕したのである。
▽▽▽▽▽▽
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……あ、ギルマスの授業風景まったく見てなかったや。どんな感じだったのかな。
そしてクーラ先生から締めのお言葉を賜った。
「取り敢えず今日教えた事は繰り返し練習して体に覚え込ませる事。冒険者なんてやってたら、考えるより先に体が動くようにならなきゃ命に関わるからね。もし指導とか練習相手が欲しかったら、またレミア先生に言ってくれれば放課後とかに時間作るから。そういうのって結構特別手当が美味しいから私も大歓迎よ。だから遠慮とかは絶対しないでね。まあこの先今日みたいな合同訓練が増えたら、その授業中で――って事になっちゃうかもしれないけど。いい?」
「「「「はいっ、ありがとうございました」」」」
うん、すっごく為になる授業だった。
クーラ先生、本当にありがとうございました!
――そしてその日の放課後。
校内のとある部屋にはテーブルを囲む少女達の姿があった。
「さて、あなた達が『ファンクラブ』の中核メンバー、でいいのかしら?」
「「「「はいっ、ピノ様!!」」」」
崇拝の対象であるピノからの直接の招待に、幸せの絶頂と言った様子を見せるファンクラブの少女達。
「ひとつ訊きたいのだけれど、あなた達って『何のために』存在してるの?」
「「「「え?」」」」
ピノのそのいきなりの言葉に、少女達は嬉しそうな表情から一転、戸惑いの表情を浮かべる。
そんな少女達にピノは話を続けた。
「だってほら、私ってもうとっくに卒業してるでしょう? それに近くにいる訳でもないし会える訳でもない。それに私、在学中に『ファンクラブ』なんてのがあったのは知ってたけど、卒業と同時に解散したものと思ってたから」
そんなピノの疑問に一同は安堵の色を浮かべた。
何故ならあまりに当然な疑問だったから。
そしてその『当然な疑問』を解消すべく、会長のアイはファンクラブを代表してその場に立ち上がる。
そして――
自らの存在意義を高らかに宣言した。
――両の拳を握り締め、無駄にキリッとした表情で!
「お言葉ですがピノ様、ピノ様はただ卒業された訳ではありません。その在学中には数多くの実績、そして伝説までもを打ち立てられました。そしてその伝説は今もなお色褪せる事なく輝き続けているのです! だからこそ私は――いえ私達はっ! その伝説と共に生きていきたいんですっ!」
そのあまりの圧と勢いに思わずたじろぐピノ。その耳にはドドーーーン!という幻聴までもが聞こえていた。
「ええーーーっ!? そっ、そんなキリッとした顔で力説されるとか想定外過ぎなんだけど……でもそれならあなた達、『バーサクフェアリー』なんて私にとって望ましくない呼び名を今でも広めてるのはどういう事?」
「そっ――それは私達じゃありません! 憎き『バーサク研究会』の連中の仕業なんです!」
「バー…………は? ナニソレ?」
ここにきて突然明らかになった第三勢力の存在に、ピノは混乱を隠せない。
「奴らはピノ様の偉大さなどは全く考慮せず、ただその伝説を面白おかしく解釈して触れ回っているだけの連中です。私達とは一切無関係なんです。お願いです信じて下さいピノ様」
「ええぇーーーー……」
「私達はむしろ『バーサクフェアリー』に代わるピノ様に相応しい呼び名を用意せんと日々研究し、討論に討論を重ねているんです。そう、『プリティフェアリー』とか『ラブリーフェアリー』とか『パーフェクトフェアリー』とか『マスターフェアリー』とか『東方不敗フェアリー』とか……」
「うーーー、それもイヤだなあ……。ねえ、まずは『フェアリー』から離れない?」
「はい、もちろんそちらも研究しています。『エンジェル』とか『ゴッデス』とか『プリエステス』、あと『聖女』とかも候補に挙がった事が――」
「そんな……じゃあもう他に逃げ場、無いじゃん……」
ピノはガックリと肩を落とした。善意も悪意も関係なしに心を抉ってくるこの現実に打ちのめされたかのように……
「あ、じゃあその『バーサク研究会』っていうのを殲滅するっていうのは?」
「それが奴ら、昨年『身体強化術の追求』なんて名目で申請を出して、正式なクラブ活動として学校に承認されているんです。ですのでそれも難しく……」
ピノは軽く目を閉じた。
そして、テーブルに肘をついたその両手の指を口元の前で絡ませ、ポツリと呟く。
「つまり奴らを殲滅するには、まずは校長先生から……」
そして訪れる審判の時――
「分かりました。あなた達は私にとって無害と認定します」
そう言って少女たちを見渡すピノに、被告人であった少女達はほっと安堵の表情を浮かべる。そんな彼女達にピノも軽く微笑みを返し、そして更なる言葉を投げ掛けた。
「これからはカルア君の事をよろしく頼むわね。私の代わりに見守ってあげて。その最優先課題はカルア君に悪い虫が寄り付かないようにする事。例の『バーサク研究会』もだけど、近付こうとする女性には特に注意して。当然パーティメンバーの動向にもね。いいかしら?」
敬愛するピノ様からの直接の『お願い』に彼女達は表情を引き締め、しかし抑えきれない喜びを胸に勢い良く起立する。そして――
「はいっ! 御下命、確と承りました。我ら一同、ピノ様の為に」
「「「「ピノ様の為に!!」」」」
今この瞬間――ピノファンクラブはピノズクラブとして再誕したのである。
▽▽▽▽▽▽
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