157 / 278
第69話 皆さんにお礼がしたくて、僕は… #2
しおりを挟む
シンプル……なら機能は必要最小限に。じゃあ包丁に付けたい機能って何だろう。
切れ味がいいは当然だよね。それにその切れ味が悪くなったり刃毀れとかはしない方がいいに決まってる。あとは……そうだ、ピノさんは切った物が貼り付かないと嬉しいって言ってたっけ。
ええと……うん、そんなところかな? それをシンプルに作ろうとすると……
あれ? もしかしてこれって錬成だけで出来なくない?
切れ味とかは都度刃先を整えるようにすればいいんだし、貼り付きとか汚れは表面の【分離】で解消出来そう。
あ、凄い事思いついちゃった。
錬成って言えばノルトの【分解】、あれってちょっとした応用で細かく切る事だって出来る気がする。だって見た目『粉砕』だったし。
ひと息で野菜をみじん切りとか、すっごく便利じゃない?
だから、付与するのは包丁を錬成で整える機能、それに汚れや貼り付きを抑える機能。
それから――
錬成による食材のカット!!
包丁に切り方のイメージを流して、包丁がそれを食材に伝える。みじん切りだけじゃなくって輪切りとか千切りとかってね。
自分で切っても包丁に任せてもいいって画期的じゃないかな?
試作したらピノさんに見てもらおう。
……あ、でも包丁なんだからやっぱり安全が第一だよね。
食材以外は切れないようにしとこう。
これで切れるのは、食材の肉とか野菜だけ。うん、いいんじゃないかな。
よし、じゃあ作ってみよう。
まずは鍋から――
大きさと形を決めたら【加熱】と【冷却】で温度調整出来るように、っと。
蓋も忘れずに付けなきゃね。
あ、鍋の中に井戸から水を直接『お取り寄せ』出来たら便利じゃない?
でもそうしたら奥様方から『井戸に集まる機会が減っちゃう!』って言われるかも?
……でも付けちゃお。ふふふ。
鍋が出来たら次は包丁を――
形はうちの包丁と同じにして、錬成のアレコレを付与して……
よし、出来た。
魔石が透明だから出来上がった包丁もやっぱり透明で……って見えづらくて危ないよ! どうしよう……?
そうだ、属性が付与出来るんだから、もしかして色だって付与出来るんじゃない?
魔石君――いや包丁君、君の気品はとってもシルバー!
おおっ、ホントに出来た!
『――カルア君、聞こえるか? そろそろ迎えを頼む』
おっと、丁度ネッガーの方も終わったみたい。
「はい、ちょっとだけ待ってて下さいね」
テーブルの上をちょっと整理してからお迎えに。【転移】っ!
「中々良かったと思う。これなら明日か明後日には基礎が習得出来そうだな」
「はい! ありがとうございます」
森に到着すると、ギルマス達は今日の総括的な話をしているところだった。
僕に気付いたギルマスはチラッと僕に一瞬微笑み、そしてネッガーへの説明を続ける。
「基礎が習得出来たら次は実践訓練に移る。まずは森、その次はダンジョンの中でだ。まずダンジョンでの【気配察知】の感じを掴み、それからカルア君が発見した魔物部屋で訓練する」
「はい」
――えっ、あそこで訓練するの?
「魔物部屋で訓練するんですか?」
あ、思わず訊き返しちゃった。
「全方向からの飽和攻撃は【気配察知】による回避や攻撃の訓練に丁度よさそうだからな。その時はまた君にギリーを頼むとしよう。」
「はいっ、ギリー承りました」
「うむ、では戻るとしようか」
ギルマスとネッガーを連れてギルドに戻ると、ピノさんも仕事が終わったみたい。
「じゃあネッガー君を送ってきますね」
ピノさんはペンダントの【転移】でネッガーを学校まで送ると、一分もしないうちに戻ってきた。ホントに行って帰ってきただけって感じ。
「じゃあカルア君、帰りましょうか」
「はいっ!」
ピノさんと並んで歩く帰り道。
【転移】でパッと移動するのは確かに便利だけど、こうしてお喋りしながら歩く時間は最高に楽しい。転移しちゃうのが勿体ない――って感じるくらいに。
「――それでビックリして振り返ったら、ワルツがいて……」
「まあ、ふふふ」
「そしたら何と、ノルトが……」
「えー、それって大丈夫だったの?」
家に着くまであっという間だった。まるでうっかり【転移】しちゃったみたいに。
二人で家に入ると、そのままやって来たのは台所だ。
「――じゃあピノさん、さっき話した鍋と包丁を見て貰えますか?」
「ええ。このテーブルの上に並んでるのがそう?」
「はい!」
ピノさんは鍋を持ち上げて色々と見回し、やがてニッコリと頷いた。
「うん、とっても使いやすそう。カルア君のお鍋よりちょっと大きくしたのね」
「ええ。家族全員分でちょっと大きめな鍋を使ってるみたいだから」
家族が多いんだから当然使う鍋も大きいよね。
「機能は何を付けたの? この間作った鍋と同じ感じ?」
「はい、あの温度調節の鍋にしました。あ、でも井戸の水から直接水を取り込む機能も付けたんですよ」
「まあ! それは便利ね。使う人の事を考えた良い機能だと思うな」
「でも『井戸に集まれなくなるじゃないか』って言われそうな気もして」
「ふふっ、言いそう! それも使う人の事を考えたって言うのかな?」
「あははははっ」
鍋の次は――
「あれっ、普通の包丁……?」
包丁を手に不思議そうな顔をするピノさん。
金属に魔石を【混合】すると何処となく透明がかった色合いになるけど、この包丁は見た目金属だけの色合いだから。
「ふふふ、実はこれ金属を使わずに魔石だけで作ったんですよ。それに金属っぽい色を付与したんです」
切れ味がいいは当然だよね。それにその切れ味が悪くなったり刃毀れとかはしない方がいいに決まってる。あとは……そうだ、ピノさんは切った物が貼り付かないと嬉しいって言ってたっけ。
ええと……うん、そんなところかな? それをシンプルに作ろうとすると……
あれ? もしかしてこれって錬成だけで出来なくない?
切れ味とかは都度刃先を整えるようにすればいいんだし、貼り付きとか汚れは表面の【分離】で解消出来そう。
あ、凄い事思いついちゃった。
錬成って言えばノルトの【分解】、あれってちょっとした応用で細かく切る事だって出来る気がする。だって見た目『粉砕』だったし。
ひと息で野菜をみじん切りとか、すっごく便利じゃない?
だから、付与するのは包丁を錬成で整える機能、それに汚れや貼り付きを抑える機能。
それから――
錬成による食材のカット!!
包丁に切り方のイメージを流して、包丁がそれを食材に伝える。みじん切りだけじゃなくって輪切りとか千切りとかってね。
自分で切っても包丁に任せてもいいって画期的じゃないかな?
試作したらピノさんに見てもらおう。
……あ、でも包丁なんだからやっぱり安全が第一だよね。
食材以外は切れないようにしとこう。
これで切れるのは、食材の肉とか野菜だけ。うん、いいんじゃないかな。
よし、じゃあ作ってみよう。
まずは鍋から――
大きさと形を決めたら【加熱】と【冷却】で温度調整出来るように、っと。
蓋も忘れずに付けなきゃね。
あ、鍋の中に井戸から水を直接『お取り寄せ』出来たら便利じゃない?
でもそうしたら奥様方から『井戸に集まる機会が減っちゃう!』って言われるかも?
……でも付けちゃお。ふふふ。
鍋が出来たら次は包丁を――
形はうちの包丁と同じにして、錬成のアレコレを付与して……
よし、出来た。
魔石が透明だから出来上がった包丁もやっぱり透明で……って見えづらくて危ないよ! どうしよう……?
そうだ、属性が付与出来るんだから、もしかして色だって付与出来るんじゃない?
魔石君――いや包丁君、君の気品はとってもシルバー!
おおっ、ホントに出来た!
『――カルア君、聞こえるか? そろそろ迎えを頼む』
おっと、丁度ネッガーの方も終わったみたい。
「はい、ちょっとだけ待ってて下さいね」
テーブルの上をちょっと整理してからお迎えに。【転移】っ!
「中々良かったと思う。これなら明日か明後日には基礎が習得出来そうだな」
「はい! ありがとうございます」
森に到着すると、ギルマス達は今日の総括的な話をしているところだった。
僕に気付いたギルマスはチラッと僕に一瞬微笑み、そしてネッガーへの説明を続ける。
「基礎が習得出来たら次は実践訓練に移る。まずは森、その次はダンジョンの中でだ。まずダンジョンでの【気配察知】の感じを掴み、それからカルア君が発見した魔物部屋で訓練する」
「はい」
――えっ、あそこで訓練するの?
「魔物部屋で訓練するんですか?」
あ、思わず訊き返しちゃった。
「全方向からの飽和攻撃は【気配察知】による回避や攻撃の訓練に丁度よさそうだからな。その時はまた君にギリーを頼むとしよう。」
「はいっ、ギリー承りました」
「うむ、では戻るとしようか」
ギルマスとネッガーを連れてギルドに戻ると、ピノさんも仕事が終わったみたい。
「じゃあネッガー君を送ってきますね」
ピノさんはペンダントの【転移】でネッガーを学校まで送ると、一分もしないうちに戻ってきた。ホントに行って帰ってきただけって感じ。
「じゃあカルア君、帰りましょうか」
「はいっ!」
ピノさんと並んで歩く帰り道。
【転移】でパッと移動するのは確かに便利だけど、こうしてお喋りしながら歩く時間は最高に楽しい。転移しちゃうのが勿体ない――って感じるくらいに。
「――それでビックリして振り返ったら、ワルツがいて……」
「まあ、ふふふ」
「そしたら何と、ノルトが……」
「えー、それって大丈夫だったの?」
家に着くまであっという間だった。まるでうっかり【転移】しちゃったみたいに。
二人で家に入ると、そのままやって来たのは台所だ。
「――じゃあピノさん、さっき話した鍋と包丁を見て貰えますか?」
「ええ。このテーブルの上に並んでるのがそう?」
「はい!」
ピノさんは鍋を持ち上げて色々と見回し、やがてニッコリと頷いた。
「うん、とっても使いやすそう。カルア君のお鍋よりちょっと大きくしたのね」
「ええ。家族全員分でちょっと大きめな鍋を使ってるみたいだから」
家族が多いんだから当然使う鍋も大きいよね。
「機能は何を付けたの? この間作った鍋と同じ感じ?」
「はい、あの温度調節の鍋にしました。あ、でも井戸の水から直接水を取り込む機能も付けたんですよ」
「まあ! それは便利ね。使う人の事を考えた良い機能だと思うな」
「でも『井戸に集まれなくなるじゃないか』って言われそうな気もして」
「ふふっ、言いそう! それも使う人の事を考えたって言うのかな?」
「あははははっ」
鍋の次は――
「あれっ、普通の包丁……?」
包丁を手に不思議そうな顔をするピノさん。
金属に魔石を【混合】すると何処となく透明がかった色合いになるけど、この包丁は見た目金属だけの色合いだから。
「ふふふ、実はこれ金属を使わずに魔石だけで作ったんですよ。それに金属っぽい色を付与したんです」
43
あなたにおすすめの小説
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
一流冒険者トウマの道草旅譚
黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。
しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。
そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。
極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――
銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」
世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。
魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。
彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。
一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。
構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。
彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。
「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」
暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。
管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。
これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。
※アルファポリスで先行で公開されます。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた
Mr.Six
ファンタジー
仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。
訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。
「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」
そう開き直り、この世界を探求することに――
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる