スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第65話 チームが見たパーティの感想が… #4

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自身の経験と臨時講師をした時に見たネッガーの様子からそんな感想を返したピノに、ブラックは軽く顎を引く。
「ふむ、やはりピノ君もそう思うか。ただそれだけに、あまり彼に役立ちそうなアドバイスが出来なかった事が悔やまれてな」
「折角のクーラさんの指導に変な影響が出ちゃったら困りますもんね」
「そうなのだよ……」

自分を頼って相談に来てくれた若き冒険者に、当たり障りのないアドバイスしか出来なかった――責任感の強いブラックは今もその事に思い悩んでいた。

「ギルマスの【身体強化】って、力よりもむしろ【気配察知】に結構な魔力を振ってますからね。それによる先読みから体術で捌く――というのが戦い方の軸なんですよね」
「――なっ!?」

知らせていないはずの自身の戦闘方法が、何気ない会話の何気ない口調で出てきた事に、ブラックは酷く動揺した。
「ぴ、ピノ君。君は……何故、私の魔力運用を?」
「え? だって見たら分かるじゃないですか。普段のちょっとした仕草とか」

その言葉に動揺は更に深まるが、ふとある事に気付くと、まるで諦めのような悟りを開いたような、そんな何とも言えない落ち着きを取り戻す。
「そうだ、この娘はあの『バーサクフェアリー』……そして昔からマリアベル氏と普通に接し、何よりあのカルア君と同様の……」

その独り言が誰の耳にも届かなかった事は、双方にとって幸運だったと言えるだろう。

「――だったら、それを教えてあげたらいいんじゃないですか?」
そのピノの言葉にふと我を取り戻すブラック。
「ん? 『それ』というのは【気配察知】を利用した戦闘技術の事か?」
「ええそうです。それだったらクーラさんの指導の邪魔にならないだろうし、相乗効果も得られると思いますよ?」

「ふむ……」
顎に手を当てて考えるブラック。確かにメリットだけでデメリットは無さそうな気がする。
「よし、その方向で彼に指導してみるとしよう。ありがとうピノ君」

こうして、ネッガーの強化も着々と進行していくのである。



「はあ、昨日はホントびっくりしたよ。でも母さんが生きてて本当によかった……それに父さんも……」

早く父さんにも会いたいなぁ。
母さんは相変わらずだったし、また三人で……

「――さて、と! じゃあ今日は何しようかな。……うん、やっぱり最初は『パーティの強化』だよね。何たって、パーティで初めてのダンジョン攻略に行くんだから」

フタツメのセカンケイブダンジョン――
ゴブリンのダンジョン、そして……【スティール】進化の鍵となるダンジョン。

「うーん、剣はあれで足りてると思うし、そうすると後は防御力かなあ。防御力、防御力……。防御って言えば……結界? でも戦いながらってなると、その場を守る結界は……ちょっと違うよねえ」

これまで作った結界、それにこれまで見た結界――どれもみんな、守られた場所を作ってその中に引き篭もるって使い方だった。

「だったら自分と一緒に動く【結界】? でも剣で斬ろうにも魔物が近くに来れないんじゃ戦えないし……うーん……」

なら結界を出来るだけ小さくして……それだけじゃあダメっぽい気がする。ならイメージとしては身を守る……鎧?…………っそれだ!!

「よし、試してみよう。僕の体に沿って空間を把握……うん、出来た。そして体を動かして……うわっ、これ難しい! 都度都度把握する空間の再取得――って全然追い付かないよ……あれ? この感覚って確か以前にも……」

えっと、何だっけ。自分が動くと追い付かなくなる感じ……ああそうだ、思い出した。『斜め後ろクォータービュー』!!

「――ならあの感覚で自分と同調……ああこれこれ、これなら無理なく動かせる。後はこれに沿って結界を……あ、袖がはみ出ちゃってる。自分の体じゃなくって、自分の身に纏っている物も指定範囲にしなきゃ……」

今度は大丈夫そう。じゃあこのイメージを魔石に……

「――あれ? これ結構な大きさの魔石じゃないとダメそうな……でもあまり大きくなっちゃうと邪魔だし……」

ううん、どうしよう……

「あっそうだ! モリスさんから貰った20倍魔石! あれだったら入りそう! いやそれ以外にも色々入りそう」

余った容量はどう使おうかな……冒険者に役立つって言ったらやっぱり……

「【ボックス】だよね。でもそれじゃあ……あ! 『スペアキー』!!」

以前モリスさんが言ってた、僕のボックスだったら可能になるスペアキー。ひとつのボックスを何人かで使う事が出来るっていうアレ!

「そうだよ! あれだったらパーティ共同のボックスとしてちょうど良いじゃん! よし、それに決定!! あと他には……ふふっ、何を追加しようかなあ……」


▽▽▽▽▽▽
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