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第62話 そして僕はある事を決心しました #3
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「ほらご覧よブラック。だからあたしゃ言ったんだ、学校は『逆効果』になるかもって。カルアのやつ完全に勘違いしちまってるじゃないか。どうすんだいコレ! これじゃあカルアの奴、あの子達がああなっちまったのは自分のせいだなんて、絶対認めやしないよ!?」
「くっ、これが『類友』というやつか……」
「はいギルマス、『くっ友』ですね」
「おいピノ……あんたも他人事じゃないんだよ?」
「しょうがないなあ……じゃあここは僕の出番って事かな」
「やれるのかいモリス?」
「まあ僕にとってカルア君は『手の掛かる可愛い弟』みたいなものだからねえ。たまにはいいとこ見せて『尊敬されるお兄ちゃん』ってポジションをキープしておかなきゃ。――という事で、ちょっと僕から言ってみるよ」
……なんて声が全部丸聞こえで。
でもモリスさんは僕に何か大事な事を伝えようとしてる――って事だよね。
だったら、ちゃんと聞かなくっちゃ!
「ねえカルア君。君この間さ、仲間とゴブラットを駆除した時に【スティール】を使わなかったって言ったよね。『ひとりじゃなかったから』って理由で」
「――はい、そうです」
「その事についてさ、君自身はどう感じているんだい?」
どう感じてる……ってどういう質問なんだろう?
「ええっと、ちゃんと約束を守らなきゃって思って」
約束、ちゃんと守りましたよ?
「そうだね。君は僕たちとの約束をちゃんと守ったよ。じゃあさ、パーティの行動として考えた時、君はその時の自分の行動を彼らに胸を張って『全力を尽くした』って言えるかい?」
「それは……」
……言えない。
「もちろん僕達との約束があったし、今回は彼ら育成の場だったしね。君の行動は正しいし、非難なんかしようものなら僕の方が悪者だろうって思うよ。たださ……考えて欲しいんだ。君はこれからずっと、その胸のモヤモヤを抱えたまま……彼らと一緒にパーティが組めるかい? 彼らと対等だって思う事が出来るかい?」
……きっと出来ない、気がする。
「ゴブラットを駆除した後に、凄く強い魔物と遭遇したんだってね。同行した先生が対処してくれたらしいけど、君や友達も結構大変だったそうじゃないか。でもカルア君、『全力を出せば倒せる』とかチラッとでも思わなかったかい?」
…………思った。
「同じような事はきっとこれからも起こると思うよ。だって君達は冒険者なんだから。そして毎回必ず無事に終われるとは限らないよね、もちろん。僕はね、その時カルア君に後悔なんてして欲しくないんだ。『自分が全力を出さなかったばっかりに仲間が――』なんてさ」
「モリスさん……」
じゃあ僕は一体どうすれば……
「だからさ」
そう言ったモリスさんは、とびっきりの笑顔で――
「そろそろみんなに打ち明けちゃったらどうかな。君がこれまで僕達と一緒にやってきた事を、さ」
これまで僕がやってきた事を、みんなに……?
それって……
魔物部屋に転送……これは、みんなもう知ってる。
【スティール】スキル……これは知らないはず。
錬成……はノルトの方がずっと凄い。
【転移】……は、もうバレちゃった。
【ゲート】スキル……は、まだだよね?
魔力量……もまだ。あと【身体強化】もか。
あとは……【空間ずらし】と魔剣? でも固い魔剣はみんなにあげたし。
あれ? これなら残りも教えて大丈夫、なのかな……?
「教えちゃっても……いいんですか?」
そんな僕の問い掛けにモリスさんはニッコリと笑って――
「僕達は構わないと思ってるよ。それに君の仲間達の力もあまり大っぴらにはしたくないしね。だからさ、これからは君だけじゃなくって、君のパーティそのものを守っていこうかって、そうみんなで話してたんだよ」
だったら……それだったら!
「僕、話していいならみんなに話したい! そうしてこれからも一緒に冒険したい! きっと……きっと、秘密にしている間は、本当の仲間になれていない気がするから!」
僕の言葉に優しく微笑むモリスさん……と他のみんな。
――こうして僕は、全ての秘密をパーティのみんなに打ち明ける事にしたんだ。
そして秘密を打ち明けるのは……今度のパーティの時。
僕が一人でみんなに話そうと思ったんだけど――
「いいかいカルア君、人っていうのはさ、本能的に他の人を怖がるものなんだ。だからね、この話を打ち明けるのは凄く慎重にやらなければいけないんだよ。言い方ひとつ間違えただけで、君は彼らからの信頼を失い――怖がられ――そしてこの先ずっと孤立する事だってあり得るんだ。だからさ、今回は僕達大人に任せてくれないか? まずは僕達から君の仲間達に伝えてカルア君の事をお願いするからさ、君はその後でゆっくり仲間達と話せばいいんだよ」
「はい……はいっ! みなさん、……よろしくお願いします!」
みんな次々と僕の肩を叩き、抱き寄せ、頭を撫でてくれて……
それで僕はもう涙が止まらなくって……
そして最後に――
「ピノさん……」
「カルア君、ちゃんと考えて決心したのね。それってすっごく立派だって思う。だから今度は私達の番。あとの事は私達に任せて。みんなでちゃんとフォローするからね。それでも――それでももし何かあったら、その時はすぐ私に言って。力一杯ごにょごにょすれば、大体は解決できちゃうから! ねっ」
その涙が引っ込んだんだ。
▽▽▽▽▽▽
【問】
ピノの気持ちになって、「ごにょごにょ」に入る正しい言葉を答えよ。
① 説得
② 抱擁
③ エイって
④ その他(自由回答)
「くっ、これが『類友』というやつか……」
「はいギルマス、『くっ友』ですね」
「おいピノ……あんたも他人事じゃないんだよ?」
「しょうがないなあ……じゃあここは僕の出番って事かな」
「やれるのかいモリス?」
「まあ僕にとってカルア君は『手の掛かる可愛い弟』みたいなものだからねえ。たまにはいいとこ見せて『尊敬されるお兄ちゃん』ってポジションをキープしておかなきゃ。――という事で、ちょっと僕から言ってみるよ」
……なんて声が全部丸聞こえで。
でもモリスさんは僕に何か大事な事を伝えようとしてる――って事だよね。
だったら、ちゃんと聞かなくっちゃ!
「ねえカルア君。君この間さ、仲間とゴブラットを駆除した時に【スティール】を使わなかったって言ったよね。『ひとりじゃなかったから』って理由で」
「――はい、そうです」
「その事についてさ、君自身はどう感じているんだい?」
どう感じてる……ってどういう質問なんだろう?
「ええっと、ちゃんと約束を守らなきゃって思って」
約束、ちゃんと守りましたよ?
「そうだね。君は僕たちとの約束をちゃんと守ったよ。じゃあさ、パーティの行動として考えた時、君はその時の自分の行動を彼らに胸を張って『全力を尽くした』って言えるかい?」
「それは……」
……言えない。
「もちろん僕達との約束があったし、今回は彼ら育成の場だったしね。君の行動は正しいし、非難なんかしようものなら僕の方が悪者だろうって思うよ。たださ……考えて欲しいんだ。君はこれからずっと、その胸のモヤモヤを抱えたまま……彼らと一緒にパーティが組めるかい? 彼らと対等だって思う事が出来るかい?」
……きっと出来ない、気がする。
「ゴブラットを駆除した後に、凄く強い魔物と遭遇したんだってね。同行した先生が対処してくれたらしいけど、君や友達も結構大変だったそうじゃないか。でもカルア君、『全力を出せば倒せる』とかチラッとでも思わなかったかい?」
…………思った。
「同じような事はきっとこれからも起こると思うよ。だって君達は冒険者なんだから。そして毎回必ず無事に終われるとは限らないよね、もちろん。僕はね、その時カルア君に後悔なんてして欲しくないんだ。『自分が全力を出さなかったばっかりに仲間が――』なんてさ」
「モリスさん……」
じゃあ僕は一体どうすれば……
「だからさ」
そう言ったモリスさんは、とびっきりの笑顔で――
「そろそろみんなに打ち明けちゃったらどうかな。君がこれまで僕達と一緒にやってきた事を、さ」
これまで僕がやってきた事を、みんなに……?
それって……
魔物部屋に転送……これは、みんなもう知ってる。
【スティール】スキル……これは知らないはず。
錬成……はノルトの方がずっと凄い。
【転移】……は、もうバレちゃった。
【ゲート】スキル……は、まだだよね?
魔力量……もまだ。あと【身体強化】もか。
あとは……【空間ずらし】と魔剣? でも固い魔剣はみんなにあげたし。
あれ? これなら残りも教えて大丈夫、なのかな……?
「教えちゃっても……いいんですか?」
そんな僕の問い掛けにモリスさんはニッコリと笑って――
「僕達は構わないと思ってるよ。それに君の仲間達の力もあまり大っぴらにはしたくないしね。だからさ、これからは君だけじゃなくって、君のパーティそのものを守っていこうかって、そうみんなで話してたんだよ」
だったら……それだったら!
「僕、話していいならみんなに話したい! そうしてこれからも一緒に冒険したい! きっと……きっと、秘密にしている間は、本当の仲間になれていない気がするから!」
僕の言葉に優しく微笑むモリスさん……と他のみんな。
――こうして僕は、全ての秘密をパーティのみんなに打ち明ける事にしたんだ。
そして秘密を打ち明けるのは……今度のパーティの時。
僕が一人でみんなに話そうと思ったんだけど――
「いいかいカルア君、人っていうのはさ、本能的に他の人を怖がるものなんだ。だからね、この話を打ち明けるのは凄く慎重にやらなければいけないんだよ。言い方ひとつ間違えただけで、君は彼らからの信頼を失い――怖がられ――そしてこの先ずっと孤立する事だってあり得るんだ。だからさ、今回は僕達大人に任せてくれないか? まずは僕達から君の仲間達に伝えてカルア君の事をお願いするからさ、君はその後でゆっくり仲間達と話せばいいんだよ」
「はい……はいっ! みなさん、……よろしくお願いします!」
みんな次々と僕の肩を叩き、抱き寄せ、頭を撫でてくれて……
それで僕はもう涙が止まらなくって……
そして最後に――
「ピノさん……」
「カルア君、ちゃんと考えて決心したのね。それってすっごく立派だって思う。だから今度は私達の番。あとの事は私達に任せて。みんなでちゃんとフォローするからね。それでも――それでももし何かあったら、その時はすぐ私に言って。力一杯ごにょごにょすれば、大体は解決できちゃうから! ねっ」
その涙が引っ込んだんだ。
▽▽▽▽▽▽
【問】
ピノの気持ちになって、「ごにょごにょ」に入る正しい言葉を答えよ。
① 説得
② 抱擁
③ エイって
④ その他(自由回答)
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