すれ違う心 解ける氷

柴田はつみ

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第八章  エスカレートする監視と嫉妬2

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終業時刻になり、愛菜は意を決して波留の執務室へ向かった。ドアをノックし、「入れ」という声を聞いて中に入ると、波留はデスクに座ったまま、何も言わずに愛菜を見つめた。

その視線は、昨日よりもさらに鋭く、愛菜は身動き取れなくなった。

「香山さん、君にいくつか質問があります」

波留の声は、感情を一切感じさせない、冷たい響きだった。愛菜は、ゴクリと唾を飲む。

「昨日、櫻井と何を話していたのですか?」

突然の問いに、愛菜は驚いた。

「え、昨日の‥?ただ、今日の出来事について、相談していただけで‥」

「今日の出来事、とは?」

波留は愛菜の言葉を煽り、さらに問い詰める。まるで、愛菜の心を全て暴こうとしているかのようだった。

「その‥波留さんに注意されたことについて、少し」

愛菜が正直に答えると、波留の表情が、さらに険しくなった。

「私とのことを、他人に話すのですか。君は、私を信用してないのですか?」

「そんなことありません!ただ蓮は幼馴染で、昔からなんでも話せる存在なので‥」

「ならば、今後は私に話しなさい。君の全てを、私が把握します。それが、私の婚約者としての務めだからです」

波留の言葉は、愛菜への愛情が、監視と束縛へと変わっていくことを示唆していた。愛菜は、波留のあまりの独占欲に、恐怖すら感じ始めた。

波留の愛菜に対する監視と嫉妬は、ますますエスカレートしていく。愛菜は、この関係の行末に大きな不安を抱き始めていた。果たして、愛菜はこの波留の強い独占欲を受け入れるのだろうか?

そして波留は自身の歪んだ愛情表現を自覚し、変わることができるのだろうか?
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