二度目の初恋は、穏やかな伯爵と

柴田はつみ

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第十二章 一筋の光

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男たちの姿が見えなくなると、リーシャンはすぐにアランのもとへ駆け寄った。アランは、肩から大量の血を流し、息も絶え絶えだった。


「アラン様!アラン様!」

リーシャンはアランの体を支え、血の滲む傷口を必死に押さえた。しかし、血は止まらない。リーシャンの手は、みるみるうちに赤く染まっていく。


「リーシャン‥‥‥無事か‥‥?」

アランはかすれた声で、リーシャンに尋ねた。その目は、リーシャンの無事を確認すると、安心したように細められた。

「はい、私は‥‥‥私は大丈夫ですから!アラン様、しっかりしてください!医者を呼ばないと」

リーシャンの目に、涙が溢れてくる。こんなにも傷ついたアランを見るのは、初めてだった。彼の命が、今、目の前で消えてしまうのではないかという恐怖が、リーシャンを襲った。

その時、遠くから聞こえてきた馬の蹄の音が、間近に迫ってきた。御者が震える声で叫ぶ。

「アラン様!リーシャン様!ご無事ですか!?」

御者の声に続き、数人の衛兵たちが馬車のもとへ駆けつけてきた。彼らはアランの懐中時計の合図を受け、急いで駆けつけてくれたのだ。


「早く!医者を呼んでください!アラン様が‥‥‥!」

リーシャンは衛兵たちに懇願した。衛兵たちは、アランの深刻な負傷を見て、顔色を変えた。


「すぐに手配します!馬車で急いで屋敷へ!」

衛兵たちは素早くアランを馬車に乗せようとした。リーシャンもアランの隣に乗り込み、彼の血を拭い続ける。

アランの意識は朦朧としており、時折、苦しげな息を漏らす。

「アラン様、もう少しですよ。頑張ってください‥‥‥」

リーシャンはアランの手を握りしめ、必死に語りかけた。その手は、アランの体温が失われていくことを、確かに感じ取っていた。

夜空には、先ほどまで満月が、まるでリーシャンたちの運命を見守るかのように、優しく輝いていた。

この困難を乗り越えれば、二人の間に、さらに強い絆が生まれるのだろうか。リーシャンの心は、不安と希望の間で揺れ動いていた。
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