二度目の初恋は、穏やかな伯爵と

柴田はつみ

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第十四章 かすかな目覚め

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夜が開ける頃、処置を終えた医師が部屋を後にした。リーシャンは、アランのベッドサイドから離れずに、彼の寝顔を見守り続けた。

彼の顔色はまだ青ざめていたが、呼吸は、少しずつ穏やかになっていた。

「アラン様‥‥‥」

リーシャンは彼の額にそっと触れた、微かに熱がある。リーシャンは濡らした布で彼の額を拭い、体を覆うもうふぉ整えた。

数時間後、アランの瞼がかすかに震えた。リーシャンは、ハッと息を呑む。

「アラン様!?」

アランはゆっくりと目を開けた。彼の視線が、リーシャンを捉える。まだ焦点は定まっていなかったが、その目にリーシャンが映っているのが分かった。

「‥‥リーシャン」

アランのかすれた声が、部屋に響いた。リーシャンは、その声を聞いた途端、涙が止まらなくなった。

「アランさま!目が覚めたのですね!よかった‥‥‥本当に、よかった‥‥‥!」

リーシャンはアランの手を握りしめ、その甲に顔を埋めた。温かい涙が、アランの手に落ちる。アランは、弱々しいながらも、リーシャンの頭をそっと撫でた。

「泣かないでくれ、リーシャン。私は大丈夫だ」

アランの声は、まだ細かったが、その中には確かな優しさが宿っていた。

「大丈夫なわけないでしょう!あんなにひどい怪我をして‥‥‥どれほど心配したか‥‥」

リーシャンは泣きながらアランに訴えた。アランは、そんなリーシャンを見て、微かに微笑んだ。

「君が無事なら、それでいい。あの時、君を守れて本当によかった」

アランの言葉に、リーシャンは再び涙が溢れた。彼は、自分が負傷しているにもかかわらず、リーシャンの心配ばかりしていたのだ。

「馬鹿です‥‥‥。自分の身も顧みずに‥‥‥」

リーシャンはアランの頬に触れ、優しく撫でた。アランはリーシャンの手に頬を擦り寄せ、心地よさそうに目を閉じた。

「少し、眠らせてくれ‥‥‥」

アランの言葉に、リーシャンはそっと頷いた。彼が再び眠りについたのを確認し、リーシャンは彼の傍に座り、ただ彼の回復を祈り続けた。
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