『さよなら、彼に依存していた私―30日間の失恋回復ストーリー』

月下花音

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Day 28:さよなら、「過去を振り返る」私

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 泣かない朝を数え始めた日から、もう何日が経っただろう。

 書き終えたノートを、本棚の一番上の段に置く。もう、私の日常からは見えない場所。過去は、そこにしまっておけばいい。部屋には、静かな午後の光が満ちている。

 部屋を見渡す。

 模様替えをした、私の城。

 テーブルには、白いバラがまだ綺麗に咲いている。

 窓辺のモンステラは、新しい葉を芽吹かせ始めていた。

 そこにあるすべてが、この一ヶ月の私の戦いの軌跡であり、勝利の証だった。

 この30日間、私は日記を書いていたのかもしれない。

 30ページに渡る、一人の女性の、再生の物語。

 1ページ目は、涙でインクが滲んでいた。

 中盤のページは、迷いと決意が入り混じった、乱れた筆跡。

 そして、最後のページは、穏やかで、力強い文字で締めくくられている。

 一冊の本を、書き終えたような達成感。

 もう、毎日何かを乗り越えなければ、と肩肘を張る必要はない。

 何かを達成しなくても、何かと戦わなくても、私はもう、大丈夫なのだから。

 ただ、穏やかに、今日という一日を慈しむ。

 朝の光を美しいと感じ、コーヒーの味を楽しみ、音楽に心を揺らし、夜の静けさに感謝する。

 そんな、当たり前の日常を、取り戻すことができた。

 それは、失恋する前の日常とは、全く違う。

 誰かに与えられた幸せではなく、自分の足で見つけ、自分の手で育んだ、新しい日常。

 何もないと思っていたこの部屋には、たくさんのものが満ち溢れていた。

 この日記は、今日で終わり。

 でも、私の物語は、今日から始まるのだ。

 主人公は、他の誰でもない、この私。

 どんな物語になるかは、まだ誰にもわからない。でもきっと、素敵な物語になる。

 そんな、揺るぎない確信があった。
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